科学で魔法を始めよう 作:ロイ
金ではなく武力で爵位と領土を勝ち取る。まさに実力主義、そして出身、経歴は問わないとも言った(実は裏で色々審査があります)。これだけで充分にハルケギニアの強者を呼び寄せられる。
一応、決定権は女王が持つのだが、マリアはナイトオブワンに全てを任せた。それでも選定は長い時間が掛かるので気長にやるしか無い。具体的な順番はこうだ。宣伝->集まるのを待つ->篩をかける->最強の25名を選ぶ->ロイの面接で11人にする(足りない場合更に下から選ぶ)11人適当に番号を決める(ワン以外は同等)。
ハルケギニア全土に宣伝して、集まるのを待つ、それは一年を費やすだろう。それまでにゲルマニアでの活気は収まらないだろう。
此処に来てロマリアが騒ぎ出した。平民に爵位を売るなどの目に余る行為があったのに、今度は王の宣言と爵位を賞品にした。ブリミルの権威を蔑ろにする行為が余りにも行き過ぎたので。聖エイジス31世が騒ぐが、どの国も気にしない。マリアとマユの仕事が成果を結び、王族領は生産力や金、人の流通がうなぎ登り。他の貴族たちは指を咥えて見てる状態で真似しようとも上手くいかない。差は広まっていくばかりで、王族領へ集まってくる人もひたすら増える。つまり生活がいいのに宗教のためにぶち壊す必要ないじゃんって事。
それに今更この国の貴族に王族相手に喧嘩を売れる者も居なかった。
ロイは気にせずエルフとの交渉のためにサハラへ向かった。バレたら即聖戦である。
衛星で適当に探した集落近くへジャンプしたら、直ぐに村からエルフがぞろぞろ出てくる。
SIDE ロイ
男が20程か、もう少しフレンドリーならよかったんだがな。それよりも気になるのは探知魔法だな、コイツらは直ぐに出てきた。独自の魔法か、それともマジックアイテムか、出来れば後者であってほしいな、研究しやすい。
「ここになんの用だ。蛮人」
「統領に会いに来た。案内して欲しい」
「却下だ蛮人、直ぐに立ち去れ」
「では統領はどの集落に居る?」
「立ち去れといったはずだ!」
「エルフは話さえまともに出来ないのか?」
「貴様!」
「まあいい、統領はあっちの首都に居るな?」
「!っく!去れ!」
攻撃してきたか。やはりエルフは人間嫌いのようだ。兎も角先に敵意はないと証明した、今からは防衛として成り立つ。
「ディスペル」
魔法を消すと同時にトルネードを作る、それも自然災害並の。
杖なんて持ってない。しかし、形成が遅い、干渉を受けているのか?だが精霊魔法も所詮は意思と精神に頼る力だ。死に際でもない限りだいそれた現象は起こせない。
「な…んだと」
驚いてるな、このまま引いてくれると一層いいんだが。
「待て!」
おや?
「あなたが統領か?」
「違う。評議会議員のビターシャルだ。サハラに何のようだ?」
へー、すごい偶然だな。
「ちょっとした商談だ」
「は?」
あっ、トルネード消してなかた。消しとこ。
「返事は如何です?」
「......取り敢えず落ち着いて話をしよう」
分かる人でよかった。
SIDE OUT
部屋の中で二人の前に飲み物が出された。
「改めて、ネフテス国、評議会議員のビターシャル」
「一応、ゲルマニアサハク伯の弟、ロイ・サハクだ」
ビターシャルは顔を顰めた。貴族=メイジ=ブリミル関係者と思っているのでいい気分ではない。
「それでどんな商談だ?」
「こちらとしてはエルフ独特のマジックアイテムを購入したい」
「駄目だな。アレらは蛮族には余るものだ」
「ふむ」
ロイは考える。やはりエルフの人間に対する印象は最悪か。どう切り出すかとロイが考えてる時。ビターシャルが話す。
「お前は何者だ?」
「ん?」
「蛮族は杖がなければ魔法が使えなかった筈、それにあれ程の魔法を出せるわけがない」
先程のトルネードは災害級だった。自分が安全で周りがどうでも良かったのでロイは遠慮しなかった。それにエルフはこれくらいでどうにかなる種族ではない。
「あなた方の言う蛮族とはどう言った定義だ?」
「同じ種族同士で争う者とシャイターンの末裔共だ」
「まさかエルフ同士では争いが無いと?」
「そうではない、だが貴様らの様に頻繁に戦争をする訳ではない」
「それは単に数が少ないだけだと思いますが?」
「それでもエルフは貴様らと比べて理知的なのだよ」
「ロバ・アル・カリイエとの争いはどうした?」
「…………小競り合い程度だ」
「そもそも」
ロイは頭上に炎を作りだす、詠唱も無しに。
ビターシャルは精霊通してこれが魔法じゃないと分かると瞬時に状況を理解し、真っ青になる。
「それは……魔法じゃないな?」
「そうだ。技術の差を理解したか?」
「しかし、そんな技術を持つ国は聞いたこともない」
「貴方がよく見る二つの月。我らはそれよりも遠い国から来ました」
現在コロニーはL5に滞在してるので月よりは遠い。
「なに!?」
驚いたビターシャルをロイはニヤニヤ笑う。実に大人気ない。
「だからマジックアイテム売ってくれません?」
少し悩んだ末、ビターシャルが
「では交換として技術を提供して欲しい」
一瞬で立ち直るビターシャルはかなり優秀であろう。
これにはロイも真面目にで対応する。
「いいでしょう、本国で直ぐに準備させましょう。交渉団は数日以内に付きます。細かい内容を交渉したいのでそちらも準備をしてください」
公式チートは意外と早く仕事を得た。
「了承しよう」
一ヶ月後、首都アディールに頭領、評議会議員などの重要人物が集まる。全く新しい国家、更に恐らくは格上の国家なのでエルフの誰もが此処に来て一目見ておきたかった。その中にはまだネオ・オーブ国民を蛮族と考えてるエルフも居るようだが、後々彼らは反省する。