科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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これは失敗か?

アイリーン・カナーバ。プラント独立戦争において本土決戦を強いられた状況で交渉のみで独立を掴みとり、前の物語を全否定してしまったチート。

 

 

ウナト・ロマ・セイラン。敗戦し、資源、資金が無いオーブを僅か二年で完璧に立ち直らせる程の物を国外から手に入れたチート。

 

 

ロイ・サハク。経済、交渉、学問など頭脳を使う事全てにおいてが世界トップのチート。

 

 

この三人が外交官なのだが……もう何も言うまい。

 

そもそも何故エルフとは交渉なのか?ロイがエルフの知能が充分だと考えてる他に、人間の影響が少なすぎるのが原因だ。謀略は意味を成さないし、戦争は無駄な犠牲が多すぎる、そして戦争で奪う場合では重要な資料やアイテムは隠されるか壊されるのがオチだろう。故に交渉だ。

 

 

 

 

 

 

アディール郊外にエルフの重要人物が殆ど集まっている。そこにネオ・オーブの交渉団が天空から現れる。使っているのは超豪華客船ソレイユ、護衛にはフラッグ*36。まるで宮殿が降りてきたような感覚にエルフたちはド肝を抜かれた。これには流石に格差を思い知るしかない。

 

 

そしてあの大量のMSはゲルマニア内戦で活躍したゴーレムと同じものであり、それが技術で作られた物だと分かるとエルフ一同は戦争と言う選択肢を捨てた。

 

 

降りてきた交渉団は見たこともない服を着ていたが礼儀正しく、フレンドリーだ。彼らは更に此処のとは比べものにならない程の美食美酒を振舞う。「交渉の前にお互い少し理解しましょう」とロイは言った。エルフ達は料理の釘付けでそれを了承した。しかし、エルフ達は自分たちが既に罠にハマっていると気付かなかった。

 

 

ロイ、カナーバ、ウナト三人はエルフ全員に挨拶しに回る。三人は挨拶のついでに情報を引き出す。すると出るわ出るわ、エルフの技術レベルとかどんなマジックアイテムが有るとかそれらの使い方や制限とか歴史とか秘宝の在り処とか、三人は交渉前に充分過ぎる情報を引き出した。漠然とした「マジックアイテムを手に入れる」の目標も具体的になる。

 

 

食事後に少し休んで、交渉が開始する。エルフの目標は「巨大ゴーレムの製造方法と使用法」、ネオ・オーブの目標は「魔法技術の入手」。当初はゲルマニア経由で手に入れようとしたがネオ・オーブ直輸でも問題はない。

 

 

交渉の結果エルフはWWIレベルの兵器(場違いの工芸品の方が技術が高い)と関連技術と料理の調味料を得る。ネオ・オーブは引換にエルフの全種類マジックアイテム(秘宝抜き)、各種魔石を輸入する。更に魔法研究レポート、マジックアイテム製造技術、秘宝解析レポート、サハラの各種動物、ハルケギニアでのエルフの援助……etc。ぶっちゃけ国家機密でも魔法関連の知識や技術は全部得られる。

 

その他に:

1.ゲルマニア王族とネフテスは同盟を結ぶ。

2.ネフテスは援軍を派遣する。(数人程度)

3.今後の連絡はゲルマニア王族経由。

4.ゲルマニアとネフテスの貿易を許可。

5.ネオ・オーブとネフテスの自由貿易はしばらく見送る。

 

洗脳を警戒して自由貿易はいまだ始まらない。その内AMFが完成すれば始まるだろう。

 

聖地の件をエルフ側は何も言わなかった。この問題は外の人間には干渉してもらいたくないのだろう。

 

兵器は工業技術ではなくエルフが魔法技術を使って生産するようだ。工業汚染は精霊に嫌がられるそうだ。

 

 

 

 

成功か失敗かと問われれば両方共に成功だろう。ネオ・オーブは魔法情報を入手、エルフは場違いの工芸品の分析の糸口を手に入れた。成果は充分だがロイ、カナーバ、ウナトは不満だ。何となくボッタクリ感が足りないと言うか爽快感が足りないと言うか、流石にこれ以上引き出す物も無いので諦めるしか無いが。

 

 

 

 

ロイは一度ゲルマニア王宮へ戻る。国家レベルの秘宝はゲルマニアにも大量にあるのでこれで殆どの魔法技術を入手できる。マジックアイテム収集の最後は“虚無”だが、これがなかなか難しい。いや、本気を出せば、特殊部隊を使って秘宝やレポートを奪えばいい。しかしそれでは自国民に犠牲が出る可能性大だし、相手が本気で隠したら探すのは困難だ。怪しまれないように手に入れるのが一番だ。例えばルイズが祝詞を考えてる時に偶然無くしたとか、アルビオン王宮が崩壊したときに無くなったとか。もっと簡単にCPSを使うのも方法だが、こんな事で使ったら今後はダメ人間一直線な気がする。それに魔法研究は時間がかかる、この世界から転移して「材料が足りませんでした」では笑えない。故に原作を起こし、自然喪失を装って手に入れる。キュルケを育てるのも大体それが目的だ。とまあ、この世界にいる時間は本国の研究速度次第だがロイの予測ではエルフのデータがあっても最低で十年は要る、新たな学問系統が出来上がるにはそれくらい必要と思ったからだ。結局は本国のマッド達に期待するしか無い。

 

 

その他に、欲しいのはロマリアの虚無関連の情報とガリアの生体技術だ。とくにガリア、ミノタウルスへの脳移植って怖すぎるぞおい。

 

 

ロイは当分暇になるが、当然なにもしない訳では無い。取り敢えずコロニーを二つ増設する。一つは魔法研究、実験に特化したコロニーでもう一つは観光用コロニーだ。せっかくドラゴンとかが居るんだから幻獣ランドとか作るのはきっと楽しいだろう。流石に韻種とか吸血鬼とか知能が高いのは無しだが。

 

 

次に魔法研究だ。環境、材料、資金が揃ったのでロイは独自での魔法研究をする。魔力さえ有れば他系統の魔法も大体は実現できる。例えば世界樹植えたりするとか、聖杯を召喚するとか。意味がないのでやらないが。本国でも早めにAMF専門の研究所を作る。汎用になった魔法が便利過ぎるが故に対抗手段も早めに考えるべきだ。

 

 

他にもキュルケの教育を手伝ったり、マリアの達の仕事を手伝ったり、街に出たりと中々充実している。

 

 

 

エルフとの交渉と魔法研究でロイは面倒な事実を知った。極極僅かだが、エルフの情報にはロイが持たない知識もあった。全部ロイにとって無意味かつまったく無駄な内容だったが。ロイが持つのは人間の知識だ。厳密に言うと「人間が得られる可能性を持つ知識」であり、人間が絶対に入手不可能な知識や理解不能な知識、手に入れようと考えない知識はない。例えば神の作り方、人間の神への昇格方法などの知識はない。恐らく人間以外の種族で完結している世界の知識もない。だからと言ってロイは不満が有るわけではない、種族としての人間は間違いなく最強の一角を占める。まあ、これらの知識は徐々の補完する必要が有るが。

 

 

ロイ達がハルケギニアへ来て二年、動乱はまだまだこれからである。

 

 

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