科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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五年前

原作五年前

 

トリステイン国王が突然病死した。原因も経緯も不明であり、これらは貴族達に多大な疑問を残した。が、既に死んだのならこれからの事の方が重要である。王妃マリアンヌは王位につくのを拒否し、アンリエッタはまだ若い。王位につくだけなら年齢など関係ないが年齢的にもの血筋的にもマリアンヌがぴったりなのだ。彼女を差し置いて王位につくとなれば切欠、若しくはそれなりの理由が必要となる。

 

 

ガリア王の病状が重くなり、ついに寝たきり生活になってしまった。ここまで来ると王子自身も動き始める。シャルルはともかくジョゼフは王になる気があるのかは分からないが。もう最終段階と言ってもいいだろう状況だ。故にトリステインには見向きもしない。

 

 

このままではマザリーニが権力を手に入れるだろうが、ロマリアは寧ろそれを支援した。枢機卿が権力を握れば影響が拡大すると思っているのだろう。しかし実際、マザリーニはロマリアよりトリステインを重要視している。ロマリアがそれを知るのはまだ少しかかる。

 

王がいない状況は貴族を不安にさせると同時に忠誠心も奪っていく。貴族の心が離れていくだろうと考えたロイは密偵を増やすと同時にパイプを作る。

 

SIDE ロイ

 

王族の義務を知らない奴らはどうでもいいとして。愛想を尽かした貴族は幾らでも出てくる。内部情報を提供してくれる奴を探さないとな。

 

 

まずは高等法院長のリッシュモンだな。こいつの不正は情報収集能力がそれなりに高い者ならすぐに分かる。金で動く人間だ。注意う怠らないようにしないと。上級貴族では少なくともあと一人は要るな。

 

地位が高く、買収しやすい、更に此方を裏切らないのが一番望ましい。最後のは徐々にそう変えてやればいい。恐らくガリアもロマリアも接触しているはずだ。何か特別な物を使ってコストを減ら......いたな、丁度いいのが。

 

しかし、あれを本国に発注するのは恥ずかしすぎる。ましてやまだ決まったわけではないからな。

 

しょうが無い。

 

兄さん、すまない。

 

SIDE OUT

 

その夜、ゲルマニア王宮にあるハウスからギナの悲しみの叫びが響いた。

 

SIDE ロイ

 

しかし、ジュール・ド・モットは乗るのが早過ぎるだろう。しかも二次元の方が好みだったとは、都合が良い。

 

だが、ベットの下に隠すとはベタ過ぎるぞ兄よ。

 

しかしこれでパイプは繋がった。これは諜報関係だからメイリンの管轄なんだよな。

 

審査をギナに任せよう。技術情報が漏れる本は流出を防ぐために審査する、と言う事にしよう。まあ、実際では奴らは此方の文字を読めないし、リードランゲージで読んでも理解出来ないだろう。例え理解できても実現できるだけの環境がない。

 

兄へのちょっとしたお詫びだ。

 

SIDE OUT

 

ロンド・ギナ・サハク。容姿OK、実力OK、地位OK、権力OK、性格は若干バトルマニアが入ってるがまあOK。軍の双璧としてゲルマニアでは人気があり、ファンクラブまで出来てる。しかし仲間からの視線は微妙になってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネオ・オーブで魔力抽出技術と魔力バッテリーは順調に発展していく。そして、ついにハルケギニアの素材を使わずに純ネオ・オーブ製のマジックアイテムの製造に成功した。最初の作品は魔力効率が85%の固定化マジックアイテムだ。製造コストが高いのと大きすぎるので量産は絶対に無理だが。だが固定化を施せる範囲は広い。

 

 

この情報を聞いたロイは即座に巨大MS、デストロイガンダムを発注した。ネオ・オーブは大型MSの製造経験が無いのでいい機会だし、TP装甲を発泡金属+固定化に変えるので実験にもなる。

 

 

フラッグではサイズ的にインパクトが足りないとロイは考えている。このデストロイがあればインパクトは十分だし、魔法も防げる。虚無魔法については深く考えなくてもいいだろう。使い手が四人しかいないのでそれぞれを監視すればいいし、万が一壊れたらロイが錬金術で直す。それに虚無魔法<<<<<<CPSなので怪我する事は無いだろう。

 

 

AMFの研究が中々進まないので、ロイはテコ入れする。具体的には資金を増やしたり、いろんな名前で論文発表したりなど。

 

 

 

クルデンホルフが婚姻を提案してきた。ハルケギニアではまだ噂のみだが、ロイはマリアと結婚するとされている。クルデンホルフ大公は子が娘が一人しかいないので、必然的にギナとベアトリスの婚姻になるわけだが、三十を過ぎたギナと十歳のベアトリスではロリコンどころの騒ぎじゃないと思う。

 

 

心なしか、仲間の女性陣のギナに対する視線が冷たい。ギナとてロリコンじゃないので断ろうと思っているが妥当な理由が見つからない。なのでしばらく置いといて撤回してくれるのを待っていた。このまま沈静化するだろうと思われたが、後継者争い真っ最中のシャルルがシャルロットをギナに嫁がせようしむけてきた。まあ、男として見ればギナはこれ以上無い優良株だ。それに成立すれば急成長しているゲルマニア王族の支援も得られるだろう。

 

ギナ涙目である。本国からコトーが「少し話そうか」とまで提案してくるほどだ。親は息子が隠しきれないほどのロリコンと疑われているようだ(少しだけ)。ハルケギニアに来てもう六年で、人が変わるには十分な時間だ。

 

偶然って怖いね。

 

 

 




ギナ......

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