科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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三年前

原作三年前

 

 

ガリア王が遂に病死。国内ではもっぱらシャルルが次王だと伝えられたが現王が指名したのはジョゼフだった。間が悪いことに現王は理由を説明する前に亡くなってしまい、シャルル派に多大な不満が残る。

 

 

その後、クーデターを画策したシャルルが殺害される、が、オルレアン公婦人とシャルロットは何故か逃されていた。最有力容疑者はジョゼフだが、状況証拠しかなく、現王糾弾には至らない。しかしこの件では何も言わないが、シャルル派の不満は増えるばかりで、その内も反乱は免れないだろう。

 

 

長年の争いでガリアは疲弊している。もしここで更に内戦となればマジで致命傷になりかねない。そこでジョゼフ大胆に大規模粛清を始めた。メイジ数に影響するので通常はやりたくても出来ないがそこはガリア、伝統と規模があるのでメイジ数が多い。嘗てゲルマニアでも女王が即位した時にメイジ数が激減したが、ゲルマニアでは平民でも貴族になれるので統治に影響は無い。むしろ平民上がりの貴族は魔法がないのでメイジの統治より幾分か穏やかだ。

 

 

ウインの月(12月)、ロイ(ナイトオブワンの姿)はアンドバリの指輪対策を手に入れるためにラグドリアン湖へ向かう。心をコントロールする効果を打ち消すには同種の力が一番である。つまり目的は水精霊の涙、作るのは心を正常に戻す秘薬。「そういえばアイツら精霊を信仰してたな」と言った感じでラウンズのエルフ二人も連れてきた。

 

 

 

 

三人がラグドリアン湖上空に転移し、降下する。そこで、偶然に怪しい集団が湖から出ているようだった。湖では精霊が出てきて何か喋っている。

 

(指輪奪取の現場かよ)

偶然です。

 

エルフは精霊を見て、下の人間を無視して先に挨拶しに行く。まあ、当然三人はクロムウェルらに気付かれるわけだが。ローブの一人が直ぐさま攻撃してくる、大量のガーゴイルで。シェフィールドまで居るようだ。

 

取り敢えず三人はローブ達を敵と判断する。挨拶を邪魔されたエルフ二人は怒っている。どんだけ精霊好きなんだよ、エルフ。神の頭脳+αVSエルフ*2+超チート。あとは分かるな?

 

 

マジックアイテムだけではどう足掻いてもエルフのカウンターを突破できない。ロイは敵が逃げられないように錬金術を使って湖周辺を高さ五十メートルの塀で囲む。ついでにエルフ二人にマジックアイテム使いを殺すなと言っておく。あとは任せればいい。転移魔法は虚無魔法の範疇内で、手のひらサイズのマジックアイテムでは実現できないだろう。逃げられないままエルフによる弾幕ゲームが始まる。

 

 

メイジを装っているので演技は必要だ、エルフ二人は大量の火球とか雷とか風の刃とかをこれでもかと飛ばす。一番後方のローブがビビって指輪を落としたのをロイは見逃さなかった。錬金術で地下に隠し、そのまま見てる。

 

 

「単なる物よ」

なんか精霊に話しかけられるロイ。

「なんだ?」

「あの指輪は我が物だ」

「あとで返すよ、その代わり同等の報酬を要求する」

「いいだろう」

交渉が終わりました。

 

 

もうダメか?と言う時にシェフィールドの動きが一瞬止まった。そしてその前に召喚の扉が現れる。彼女はそのまま逃げた、αを置いといて。どうやら心臓を一瞬止め、ルーンを消し、ジョゼフに通信し召喚の扉を開かせたようだ。

 

 

αから杖を取って湖に放り込んだ。指輪を返し、報酬に水精霊の一部、約200ml分貰った。それだけあの指輪の価値が高いと言うことだろう。少しダベって、エルフが満足してから帰る。共謀を疑わない処に「これが真の天然か」と思ったロイだった。

 

オリヴァー・クロムウェル死亡。

 

まあ、数日後に指輪はもう一度奪われる訳だが。精霊って実は知能が低かったりする。

 

 

 

帰ったロイは薬を作る。三日で完成し、ゲルマニア全域に三回使える量を創りだした。物凄く貴重なのでメタルベースに保管しとく。

 

 

裏ではレコン・キスタは発足されたが、ゲルマニア内は問題ない。メイリンがスパイやら密偵やらをサーチアンドデストロイしているので裏の人間に取ってゲルマニア、特に王族領は鬼門と成っている。

 

 

固定化装置は小規模量産された。固定化は色々難しい魔法である。最悪なのは固定化をかけた電線が導電性を失うと言う点だ。精密機械には簡単に使えない。ロイ輸出武器の一部を少し豪華にしてスクウェアクラスの固定化をかける、これを10倍の値段で売る。バリエーションを増やして装飾武器市場も独占しょうとの魂胆だ。まあ、見事に成功するわけだが。

 

 

 

コトー・サハクがネオ・オーブ国王即位する事が決まった。完全に名誉しか無いんだがそ れでもコトーは嬉しそうだ。国ではイベントが盛り沢山だが悲しいことにロイ達六人はハルケギニアで忙しい。実際はただのお祭りなので王子が出席しなければならないなんて堅苦しい決まりはない。で、主に金銭的にだが、サハク家は今後の背負う義務が増えた。そしてコトーの国王としての最初の仕事は映画の出演である。

 

 

更に改元、この年をN.C(Neo Centry)元年とした。

 

 

ちなみにギナは養子なので、王太子はロイである。実益が何も無いのはサハクに悪くね?と考える人も居るが、そこでコトーは「初代王太子は妻を四人まで持てる」となんというか何処をどう考えてもピンポイント過ぎて露骨すぎてもうこれロイ・サハクの事じゃね?って周囲に思わせた内容を提案。

 

そこはやっぱり通らなかった。まあ、法治国家だしね。ただ、法律上は無理だが名目上はOKとなった。つまり好きに名乗ればいいと言う訳だ。

 

ロイ自身はまあいっかであんまり気にしなかったが今後後悔する事になる。女性陣にとっては今まで通りなので取り敢えず後回しにした。ハルケギニアでは結構忙しい。

 

 

ハルケギニアはどんどんキナ臭くなって行き、四国を巻き込んだ戦争はそう遠くない。

 

 

 

 

 

SIDE ヴィットーリオ

 

不味いですね。エルフの技術進歩が早すぎる。連射の銃が大量配備された今、我々の勝算が更に減ってしまいます。

 

地下風石も誰かに細工されたような形跡がありました。この危機に気付いてる者が居るのですか?分からない。

 

しかし更に分からないのがこのネオ・オーブです。情報を統合するとどうやらエルフに技術を渡した存在らしいですが、それが個人なのか、組織なのか、国家なのか、そもそも本当に実在するのか、一切情報がありません。

 

エルフから直接情報を聞き出す事が出来ないのでこれが限界なのでしょう。

 

ガリア王が密かにエルフと接触しようとしているとの情報もあります。何とかしなければ。

 

SIDE OUT

 


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