科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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一話で終わりましたが、実際の戦闘時間は一日。各事件の発生には結構時間が空いてます。


ラ・ロシェール攻防

ラ.ロシェール攻防戦。それはトリステインのフネの砲撃から始まる。数だけならレコン・キスタより多いが、実際は改造船なので弱い。これに出撃したレコン・キスタ主力艦隊が迎撃する。

 

 

その間に別方向から新たなトリステイン艦隊が出現する。それらは武装しておらず、軽い。積荷は火の秘薬。更に風メイジの加速も使ってるので速度は速い。特攻艦隊である。これはラ・ヴァリエール公爵が提案した作戦で、自身に押し付けられた作戦でもある。

 

 

当然、別働隊の情報は得ているレコン・キスタは準備していた対応艦隊を出す。しかし、イレギュラー発生。烈風のカリンが出現、敵艦隊に迅速に近づき、レコン・キスタの対応艦隊の帆を全て切り裂いた。流石に一個艦隊を沈めるといったのは噂だったらしい。それでも竜騎兵相手の片手間で敵艦隊を航行不能にするのはすごい。

 

 

レコン・キスタの対応艦隊は足が潰れたので特攻艦隊の進行を許してしまう。予備の帆を取り付ける間に特攻艦隊はその目的を達成した。要塞の一角が崩れる。

 

 

その穴からトリステイン軍が雪崩れ込む。同方面の防衛用の大砲も特攻の爆発に巻き込まれたのでここまでの侵攻はスムーズだった。

 

 

しかし、この一角に集まったレコン・キスタ軍の密度は高い。メイジの数もだ。これを、烈風のカリンはまとめて吹き飛ばした。防御用の魔法って無いんだよね。

 

 

そのまま市街戦へ発展する。これを見たトリステイン主力艦隊は撤退する。レコン・キスタとしてもフネの大砲を市街区に使うわけには行かない。そこでは敵味方の区別は付きにくい。なのでトリステイン艦隊を追撃するレコン・キスタ主力艦隊。それらはどんどんラ・ロシェールから離れていく。

 

 

一方トリステイン軍地上部隊も苦戦している。烈風のカリンの精神力が底を付いたのだ。トリステイン軍に勢いはあるが、戦力差でその勢いも徐々に失われつつ有る。このままではトリステイン軍が敗退するのは時間の問題だ。

 

 

最後の一押しとしてシェフィールドはヨルムンガンドを投入する。それの対応にマンティコア隊は持って行かれた。トリステイン軍は押される。だが敗退は許されない、これは祖国の存亡を賭けた戦いなのだから。

 

 

そこにゲルマニア艦隊が西から出現する。ゲルマニア軍は火力で押す。常備軍は陸に降りず、各艦に増設された大砲を使って攻撃する。トリステイン軍が居るのは主に北方面なのでここは敵しか居ない。竜騎兵の相手はまだ居ないので待機である。

 

 

ちなみに数的にゲルマニア艦隊/レコン・キスタ主力艦隊/対応艦隊/トリステイン艦隊は2/5/1.5/5。

 

 

レコン・キスタは西に飛行戦力が無い。故に派遣できる戦力は司令部直属の少数の竜騎兵とやる事が無い元対応艦隊である。それは数が余りにも少ない。現在、主力艦隊が追撃を諦め帰還しているとの知らせがあった。これが到着すればレコン・キスタの勝利は決まる。

 

 

竜騎兵と元対応艦隊はゲルマニア艦隊相手に時間を稼ぐが、フネは止まらない。一瞬ヨルムンガンドを回そうかと思ったシェフィールドだったがヨルムンガンドの性能に関する詳細な情報を渡したくないし、時間的に司令部制圧までに主力艦隊は戻ってくるだろうからトリステイン軍の蹂躙を続ける。

 

 

しかし、トリステイン軍は限界に達し、敗走する。

 

 

これにヨルムンガンドは追撃をする。その間にレコン・キスタ主力艦隊の竜騎兵が戻ってきた。それらはゲルマニア艦隊の足止めに使われ、ゲルマニア艦隊の前進も遅くなる。

 

 

そう、このまま進めばレコン・キスタの完勝である。が、当然それをロイは許さない。開戦からずっと空中で待ってたラウンズ11人。ロイが空気を操作し見えなくしている。11人は急速降下し、司令部へ侵入する。ちなみに11人分の飛行と隠行はロイが担当しました。

 

 

司令部を破壊し、11人は直ぐに退避する。ちゃっかりアンドバリの指輪を頂いたロイは新たな主として命令を下す。それは全ての効果を止める事。

 

 

 

 

永遠に続く魔法など無い。例え維持する魔力をマナ吸収にしようとしてもかかった魔法は何時か劣化する。ならば擬似蘇生、完全な洗脳を維持するのは莫大な魔力が必要だ。マナの概念すらないここでは魔力はこの指輪から提供される。つまり効果を止めれば、ゾンビ兵、洗脳された者は役に立たない。

 

 

 

戦場で前線指揮官や精鋭兵が倒れる。アルビオンで首脳部の半数が倒れる。レコン・キスタのあらゆる精鋭はその影響を受ける。

 

 

短い時間でここまで膨れ上がった組織に有能な人材がそうそう居るわけがない、普通なら。しかし、アンドバリの指輪が有れば有能と判断した人物を手に入れられる。幹部クラスの人材は殆どそうやって確保してきた。故にここまでスムーズに大きくなれたのだ。それが、今、全て、消えた。

 

 

残りは烏合の衆同然の兵士だけ。傭兵の中には有能な者も居るだろう。だが脳筋は優秀な傭兵にはなれない。直ぐに使い潰されるからだ。つまり、それらは引き際を心得ている。それらも失われる。極少数、普通にレコン・キスタに参加した有能な人間ではこれを纏められない。なにせ生き残った首脳部の3割が洗脳された人間なのだからな。

 

 

だが、戦争は終わった。追撃は不可能、寧ろ同士討ちにならないように纏めるのが精一杯だ。シェフィールドもこれを見て撤退する。トリステイン、レコン・キスタ、両方が壊滅的打撃を受けた。そして、ガリア、ゲルマニアは見事その目的を達成する。

 

 

 


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