科学で魔法を始めよう 作:ロイ
メタルベースはゲルマニア北西の海上に降りる。そして上の建物の建造の他に下に海上開発基地建造の準備もする。ロイ達六人は貴族っぽい服装で人が居ない海岸からゲルマニアに入る。
SIDE ロイ
空気がうまい、コロニーとは違って自然の空気はやはり違うな。
「それで、まずは何処へ向かうのだ?」(ギナ)
「当然まずは一番近い町だ」
衛星からの情報で付近に地形はバッチリだ。
「そこで金を調達し、更なる詳細の情報を手に入れる」
遠距離観察の情報は限度があるからな。
しかし馬車が欲しい。貴族が自分で荷物を持つのは可笑しいし、従者が居ないと馬鹿にされる。
SIDE OUT
ロイ達はそのまま付近の町で一部宝石を金に変えた。ロイの容赦ない交渉でかなりいい値段で売って更に付近の情報も聞き出した。
六人はその後付近の学者の家へ向かい、ハルケギニアの歴史、伝説などを聞く。貴族の三男で変わり者の学者はこの珍しいチャンスの自分を学問を存分に示した。顔には出てないが、ロイ以外の五人は6000年も変わらないハルケギニアに驚愕した。歴史、地理、文化、政治などの情報を充分手に入れたロイ達は満足して街の貴族用の最高級の宿に泊まる。
ちなみに店の料理が不味過ぎたのでロイが持ってきた調味料で女性陣が六人のご飯を作った。貴族ではバランス良くご飯を食べようと言った考えはないので、ひたすら油が多くて甘い肉料理が出てくる。そもそもこの時代では貴族は野菜は平民は食べるものだと考えている、それ故に金に困ってない貴族はとにかく肉を食べる。更に塩の生産量が少ないので滅多に食べられない。そして更に酒もマズイ。これは自分で作るしか無い。
なんだかんだ言ってロイ達はネオ・オーブで最高級料理を日常で食べてきたのだ。ハルケギニアの料理は口に合わない。幸いロイの知識は完璧で、女性陣の調理技術も充分だったので事なきを得た。
余談だが食事バランスなんて物を考えるコックのマルトーさんは時代の最先端を行ってると思う。
翌日、六人は大きな馬車を買う。荷物を載せてゲルマニア四公の一人、ブラントーム公爵領の最大の街に向かう。
ボソンジャンプで移動し、出発後三分で到着する。そして買い物だ。戦力を平均にするためにロイとマリア、ギナとメイリン、ステラとマユの三組に別れ、買い物をする。
SIDE マリア
この衛生状況は我慢出来ないわ!売ってるマジックアイテムはすごく興味ありますがそれ以外は最悪ね。
あれ?でもこれってロイ様とのデートになるのかしら?
………………………………………
そう考えると緊張してきました。しかし初めてのデートがこんな環境ではあんまりだわ。今度は本国で誘いましょう。
SIDE OUT
SIDE メイリン
ほ、惚れ薬ですか?
「ええ、お嬢ちゃん。これで好きな男はイチコロじゃよ」
これでロイ様と……………
「メイリン、買うのは構わんが、我が居るうちにそれをロイに使わせんぞ(まあ、効かんだろうが)」
微笑みながら甘い言葉を呟くロイ様……
「…はっ!これ買います!!」
「うむ、がんばるんじゃぞ」
「(聞いておらんなコイツ)」
SIDE OUT
SIDE ステラ
風石は間違いなく最重要調査対象ね。後は治療用のポーションかな?
「ステラさん!ステラさん!」
「なに?マユちゃん?」
「こんな物発見しました!」
魔法の拘束具?
「ドラゴンです、ドラゴンを飼いましょう!」
ありかもしれない、今度ロイに言ってみよう。
SIDE OUT
ロイはマリアを連れて路地裏に入り(顔を隠してます)、チンピラ相手に暴れる。色々突っかかってくる人をボコり、ほしい情報を聞き出した。そのまま目的の店へ向かう。
SIDE ロイ
あれ〜?この店、何故に不気味すぎる雰囲気?これではあからさまにヤバイ事やってますって言ってるようなもんじゃん。ま、入るか。
「ほう、珍しい客だな」
なのこのマッチョ?店の雰囲気と致命的に似合わない。
「洗脳薬を買いたい」
そう、洗脳薬だ。
「仮面をつけてるような怪しい奴に売る訳にはいかねえな」
「……」
「……」
「……」
「その呆れた視線をやめろ!確かに此処には怪しい客しか来ないがよ!」
「で、売ってもらえるんだろうな?」
「はいはい、取ってくるぜ」
「一番効果が強いのをな」
「たけーぞ」
「ふん」
ブルジョワっぽく金貨が入ってる袋をドンッとカウンターに置いた。
「成程…いいぜ」
何それ、紫の薬ってあからさま過ぎるだろ。
「ほらよ」
「これの効果はどうなんだ?」
「洗脳した状態が一週間続く」
駄目だな、弱すぎる。
「コイツの作り方を教えろ」
「おいおい、それは……」
ドンッともう一袋金を置く。
「…いいだろう」
成程ね。味も匂いも無いのでかなり使いやすいと言うことか。ふむ、これなら私が改造すればいいな。
「ついでに秘薬を幾つか買いたい」
「ほう、だが…」
ドンッと更に一袋金を置く。
「直ぐに持っ参ります!」
いい敬礼だ。
SIDE OUT
夜、大量の皆さんが街一番高級な宿に泊まる。そして今後の方針をロイが話した。
翌日の午前、ロイは洗脳薬を改造し、ギナはブラントーム公爵邸の周りの地図を確認している。女性陣はまとまってお出かけだ。
午後、帰ってきた女性陣は休む。ロイとギナは夜の行動の作戦のを練る。危ない仕事は男のやることです。ほぼ同時刻、ロイの要請でメタルベースから航空機が一機ブラントーム領へ発進する。
ハルケギニアでは電灯と言うものがない。魔法のランプや蝋燭、油ランプはあるが、大量生産出来ないここでは値段が高い、つまり夜の明かりは貴重だと言うことだ。それは貴族にとっても同じだ。間違っても夜間警備のために屋敷を外まで明るく照らすなんてあり得ない。もちろん重要人物、例えば国王が屋敷へ来るときは明かりを使っての警備をするが、平常時の衛兵は自分の周囲しか見えない状態での警備をする。
しかし、もし“運悪く”雨なんかが降ったりしたら警備は困難を極めるだろう。更に雨宿りする衛兵では対空警戒など出来るはずがなかった。
この日、ブラントーム公爵邸は突然の暴雨に襲われた。衛兵が愚痴ってる時に、杖を持たない黒ずくめの人が二人、空から公爵邸へ侵入する。