科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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ロイが行った店
->領主と繋がりがある店。公然の秘密となっている。
メイリンが行った店
->効果は薄いが惚れ薬は本物。何故こうも簡単に売ってるかと言うと、後継者争いで治安が悪いから。



王への最短距離

突然だが、ロイが作ったCPSにはラムダ・ドライバ機構がある。これは物質に物理エネルギーを与える装置であり、分かりやすく考えれば力場生成やベクトル操作と同じ効果を出せる。使いこなせばどっかの学園一位見たいな事ができるだろう。

 

今、ロイが周囲の空気を一層だけ固定して音を遮断している。ついでに周りの空気の密度も操作して屈折率を変える、これでロイとギナは見えなくなった。

「よもや空から侵入する時代になったとはな」

「いやいや。兄さんそれ違う」

「防衛の知識と経験が通用しないんだ。愚痴りたくも成る」

「ウチ以外でこんな事出来る奴居ないから大丈夫だって」

「はあ〜。で、洗脳するのはここの公爵か?」

ロイが持つ洗脳薬を見て聞く。

「ああ、時間かかったけど、薬の効果は保証する。効果は最低でも2年続く」

「しかし、この国の貴族全員を洗脳するのか?」

「それはめんどくさい。洗脳するのは此処の主の一人で充分だ」

「ん?そうなのか?」

「一人なら兎も角、洗脳する人数が多すぎると気付かれやすい」

「まあ、そこら辺はお前の得意分野だからは任せる」

「オーケー、じゃあそろそろ銃を準備して。二つ先の部屋が奴の執務室だ」

「分かった」

 

 

部屋の前でギナを銃を準備する。

「突入後、私が直ぐに音を遮断するから兄さんは杖を取られないようにして」

「了解した」

「では…1…2…3!」

鍵がかかってないドアから入り、ロイは直ぐに音を遮断、ギナを銃を構える。

「こんばんは、公爵」

慣れた感じでロイが挨拶する。

「ふむ、何のようだ?侵入者が」

杖を持ってないと見て、公爵は落ち着く。拳銃を知らないのは彼にとって幸運だったかも知れない。

「我らに従ってもらいますよ」

「ふん、私が誰だか分かってやってるのか?」

これにロイはニヤリと笑う。

「どうでもいいですね。貴方の領地はゲルマニアごと貰っていきます」

ロイはそう言うと、公爵の周りから酸素だけを退かした。公爵は直ぐに気絶した。ロイは酸素を戻し、公爵に洗脳薬を飲ませ。起きてぼーっとする公爵の洗脳を開始する。

 

 

 

 

 

 

夜明け前になって、ロイとギナは漸く細かい洗脳を終了した。そのまま宿へ帰り、休む。女性陣は今日も買い物だ。

 

 

 

更に翌日、六人は公爵邸へ向かう、馬車を使って。

屋敷に到着した六人は物凄く歓迎された、それはもう公爵本人の帰還以上に。

 

 

公爵が唐突にマリアを自分の娘(死亡)と前王の間に出来た娘だと発表する。当然ロイの指示だ。これで王位争奪はかなり荒れると思うかも知れないが、実はそうでもない。高い継承権を持つ人間が8人も居るので、既にドロドロな状態なのだ。今更一人増えたってあんまり変わらない。公爵の影響力はそれなりにあるが、それは西に限定されている。事前工作もないので王位につける可能性も低い。

 

 

ロイの細かい洗脳は配下に公爵に違和感を感じさせなかった。表向きの理由も教えたのでこの動きに疑問を持つ者は居なかった。

 

 

ここで、六人はそれぞれの仕事を始める。ロイは海の開発基地へ向かい、そこの指揮をする。どうやら陸近くの海底で風石が見つかったらしい。マリアは連日パーティーで人材捜索、ステラはその護衛。マユとメイリン、ギナは公爵邸の図書室でゲルマニアを更に詳しく勉強する。特にマリアの負担が大きいがいい経験になる為そこは頑張ってもらった。

 

海底で発見された風石はそのまま陸につながってる。量が多いので遠慮無く採掘させてもらった。メタルベースに小型マスドライバーが未だ建設中なので本国へ運ぶのはまだ先だが、それでもエネルギー資源には代わりない、使い道はいくらでもある。ロイは既に多数のマジックアイテムを本国へ送った、研究はすでに開始されてる。

 

地下の風石の分布を知るために、海上基地から削岩機が陸へ発進される。高い技術で造られたそれを使えばハルケギニアの地下を調べるのにそう時間はかからないだろう。

 

二ヶ月ぐらいでマリアは公爵と関係が深い人物と全員会った。そして使える人物の選定も終わっている。ロイと比べれば幾らかは失敗があるが、まあ、ネオ・オーブじゃ無いのでこの程度のミスは問題ない。

 

ギナとマユ、メイリンが各自担当の内容を学び終えた頃、各陣営の主要人物が暗殺や幽閉される事件が多発する。そろそろ潮時と考えて。ロイ達は一端本国へ戻る。

 

本国へ帰還したロイ達は久しぶりの最高級の料理に楽しんだ後、あちこちで遊びまわった。ハルケギニアの娯楽は余りにも少ない。そして生活は不便で飯は口に合わない。この由々しき事態にロイは運べる独立した屋敷を注文した。太陽光発電施設、汚水処理施設、防衛システムを完備した屋敷だ。

 

ほぼ同時刻、ゲルマニアは大変な事になっていた。とある王子が政敵、親戚などを纏めて監禁し始めた。その中にはゲルマニア四公も含まれる。後にアルブレヒト3世と呼ばれた男は敵に反撃の時間を与えないまま全員幽閉した。流石に全員殺すのは政治的にマズイのでやめたようだが、それでも国内は大混乱だ。しかし内戦に発展していないだけでもよかったかも知れない。

 

彼は四公や政敵を幽閉し、領地を奪い取る。そして爵位と手に入れた領地をセットで売渡し、今後の資金にするつもりだった。入念な準備がされたのだろう、幽閉から即位宣言、即位式典は一ヶ月もかからなかった。

 

しかし、ここでロイが動かないわけがなく。アルブレヒト3世の即位式典後、メタルベースから巡航ミサイルを発射する。誘導兵器が使えるハルケギニアでそれは正確に幽閉先に命中した。

 

 


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