科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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いろいろと末期

トリステインが逆侵攻されてる頃、サハラでの戦争も始まる。

 

 

砂漠対応のため、ヨルムンガンドは大きく変わった。風石積載量を増やすために胴体は太くなり、接地面積を増やすために脚部は更に太くなっている。ドムをイメージしてくれればいい。

 

 

そんなヨルムンガンド達がハンマーをぶん回してネフテスのモビルタンクへ近づく。ネフテス側の砲撃は斜めに構えた分厚い盾に弾かれる。しかし、盾は確実に消耗していく。80のモビルタンクによる砲撃では数分も持たない。

 

 

空戦ではネフテスが航空機を出してきたので大変な事態になっている。ゼロ戦には及ばないものの、場違いの工芸品を解析した技術も混ざってるので性能は低くない。安全性を確かにするために生産量は抑えられている。航空機の数は50。

 

 

しかし、それは確実にロマリア軍の飛行戦力を削っていた。機関銃で竜騎兵を撃ったり、手榴弾を落としたりと着々と戦果を上げている。大型爆弾は積載量的に無理だった。

 

 

手榴弾ではフネに決定打を与える事が叶わないので最終的にフネの相手はフネがする事になる。やはり大砲の命中率も差が大きい。ライフリングさえ施していないロマリア側の砲撃は効果が薄い。

 

 

事前の調査でこれらは予想できたヴィットーリオは別働隊を用意している。ここでは歩兵がいても意味はない。ヨルムンガンド、フネ、竜騎兵以外は殆どそちらにいる。しかし、ギナの衛星情報で初めから分かっていたネフテスは多数の地雷を設置した。

 

 

地獄でした。進軍が遅くなるだけでなく、怪我人を放置する事も出来ず、物資はドンドン消耗されていく。これに遠距離砲撃が加われば、もうやる気など出ない。

 

 

命中率、それがネフテス軍とロマリア軍の最大の差だ。鉄球は使いにくい、それも自分の体じゃないとなると尚更だ。更にジュリオは三十体以上のヨルムンガンドを同時に操作している、普通に当たりらない。

 

 

対するモビルタンクは三人で操作する物で、電子制御システムこそ無いものの、環境に合わせて照準を数回修正すれば命中率はそれなりに高い。撃破されるのはヨルムンガンドばかりだ。

 

 

ヴィットーリオは撤退を決意する。

 

 

 

ちなみにルイズは使い物にならなくなっていた。サイトが失踪したのは若干心配だったが、それ以上に今の状況が良すぎるので怒りが源の精神力が足りない。聖地奪還に志願したワルド、教皇ヴィットーリオ、ジュリオにチヤホヤされて何に怒れというんだ?サモン・サーヴァントで扉が開かないことからサイトはまだ生きてるだろう。ヴィットーリオとしてはトリステインの情報を知られて非協力的になるのもマズイし、色々扱いが難しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トリステインでは都市や街が全てデストロイのスーパースキュラで破壊された。インフラ設備や王宮まで更地にしている。瓦礫さえ全てぶっ飛ばした。これで更地として使える。その割に死者は少ない。大きな振動、爆発音、デストロイの巨体、これらのせいで人間はすぐに逃げていった。軍人でもない者を撃つ必要は全く無いので、それらは逃がしている。

 

 

トリステイン軍は瓦解した。装備が貧弱だったのもあって殆どが平民と区別できない。この戦争での死者は約5万。普通にどこも人手不足だが都市の人間を村に追い出したら人手が丁度足りた。経済は崩壊したが、農地は残っているので飢餓地獄に陥る心配はない。最も迅速な流通再建が必要だが、そんなもんゲルマニアはよく分かっている。

 

 

占領後、一日足らずでゲルマニア商人が入り、貿易を開始した。どうやら、この結末を予測していたらしい。

 

 

トリステインの出撃しなかった貴族はアンリエッタを筆頭にロマリアへ逃げて行った。

 

崇拝するブリミルの末裔なので無碍な扱いは出来ない。まあ、流石に他国でいばれるほど図々しい奴らでも無いので彼らは大人しくしている。少なくとも今しばらくは。

 

 

 

 

 

 

 

 

ロマリアは一時撤退。敵兵器の評価の為にしばらく休む。

 

SIDE ヴィットーリオ

 

ヨルムンガンドの損失は7、フネからの盾の補充で何とか損失を抑えられました。そして歩兵部隊の損傷も予想範囲内ですね。真正面で打ち勝てるとは思ってませんでしたが、予想以上の戦力です。このまま一気に攻略できたのなら最高だったのですが、そう上手くは行かないか。

 

 

やはり虚無が必要ですか。ジョゼットはサモン・サーヴァントこそ出来ましたが、指輪がないと虚無は覚醒しません。それに今知る呪文は中途半端なエクスプローション一つ。前途多難ですね。

 

 

感情が引き金では私は合わないですし、やはりルイズに任せるしか有りませんね。しかしガンダールヴが失踪とは予想外でした。死んでくれればまだ手のうちようが合ったのに。

 

 

とにかく次はこちらの戦車と88mm砲も投入する必要がありそうですね。そしてルイズを怒らせる方法ですか……

 

 

あの人ですね。戦力的には大きな損傷となるのですが、虚無には変えられません。

 

SIDE OUT

 

 

ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドが暗殺される。

 

 

「先住魔法が使われた痕跡があったのでエルフの仕業と思われます」とヴィットーリオが言うと、ルイズは簡単に怒りをネフテスに向けた。ロマリアも全ての切り札を投入し、次が決戦になる。

 


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