科学で魔法を始めよう   作:ロイ

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戦闘まで

謎の爆発はアルブレヒト3世がやったとの考えられた。本人にはまったく身に覚えがないが。そしてこの件で貴族の間でまた混乱が起きる。ある者は明日は我が身かもしれないと考えてアルブレヒト3世に反発しようとし、またある者はこれ幸いとばかりにアルブレヒト3世に取り入る。

 

 

重要人物が幽閉されてるのは人質にとれてると同意義だ。だからこそ反発は簡単に収まったのだ。彼らが亡くなった今、一部反対派は動けるようになるが、リーダーが居ない。ちなみにアルブレヒト3世が何故こいつらも纏めて幽閉、もしくは粛清しなかったのかと言うと、数が多すぎて、纏めていなくなるとメイジ数的にゲルマニアの統治に障害が出るからだ。

 

 

そんな中、現れたのが前王王女として知られたマリアだ。全くの嘘だけど。ロイ達六人は短いバカンスを経てハルケギニアへ帰ってきた。時期は熟し、彼らも王位争奪戦に参加する。

 

 

ひょっこり現れた王女で、それが真実だと証明するのは既に死んだブラントーム公爵の言葉のみ。怪しすぎるが同時にそれを否定する材料もない。重要人物を幽閉され、丁度担ぎ上げる人物が欲しかった反対派はマリアを主君として祭り上げる。

 

 

されどやはりアルブレヒト3世を支持する貴族の方が多い。マリアを支持していて、かつ動けるのは殆どがブラントーム公爵の影響が強い西方面の貴族のみ。他の反皇帝派は周りに皇帝派の貴族が多く、動けない。

 

 

皇帝は親族を素早く攫い、幽閉した前例があるので今回は警備を強化した。

 

 

暗殺、誘拐などが不可能と悟ったアルブレヒト3世は軍事力を使うしか無かった。かなり優秀な彼は内戦がどれだけゲルマニアを傷つけるかを分かっていたが王権には変えられない。一回で戦争を終わらせるために東と北の諸侯から兵を集める。南はトリスティンとガリアの侵略を防ぐために動けない。それでも兵員数は4対1になる。

 

圧倒的な敵数に対し、マリア軍では寝返る貴族が続出するが、ロイ達は気にしない。彼らの対応も相まって、戦力差は更に開き9対1にまでなる。残った者はブラントーム公爵に恩がある者やアルブレヒト3世とどうしても相容れない者達だ。つまり彼らは裏切らない。

 

 

ハルケギニアは常備軍が無い。トリスティンは三つの魔法衛士隊、ガリアは四つの花壇騎士団、ロマリアは聖堂騎士団のみが普段自由に使える戦力だ。故に戦争するときは主戦力が傭兵になる。その為、マリアも傭兵を雇う必要があるが、マリアはそれに条件を付ける。「皇帝軍の3倍の報酬を出すが略奪を禁止する」と言う内容だ。当然、略奪の禁止はマリア軍の貴族も同じだ。これによりマリア軍には変人が集まる、使えるのならば問題はない。徴兵された者と合わせても数は5000しか無いが。

 

 

 

流石のロイでも9倍の敵を打ち破るには時間がかかる。そして今はそんな時間がない、内戦が長引けば確実にガリアが介入してくるだろう。と言うわけでロイはメタルベースから援軍を要請する。内容はオーバーフラッグ15機。いつも通りに過剰戦力だった。

 

 

首都ウインドボナ(中央)と国土の80%(西以外)は皇帝に抑えられている。故に皇帝軍の資金は潤沢だ。だがマリア軍は貧窮している訳ではない。兵数が少ない事もあるし、何よりネオ・オーブ本国から送られてくる宇宙で採掘された宝石がある。使い過ぎると価値が下がるが、5000人分位なら大丈夫だろうと考えて各員には実用性が高い武器が与えられた。3倍の給料を約束しているのに与える装備も敵の三倍マシと言うのは色々な憶測を呼ぶ。たまに装備だけ貰って脱走しようとする傭兵も居たがメイジ比率が高いのでメイジによる監視が厳しくて脱走できない。装備を返せば帰ってもいいと言ったのでそういう奴らは残らない。何が言いたいのかというとマリア軍の待遇は最高だと言うことだ。

 

それだけでなく、人工衛星からの情報で皇帝軍の動きは全て筒抜けである。ステラとギナが精鋭部隊を連れて敵輸送を妨害し、物資を大量に奪う。皇帝軍は討伐隊を派遣するもそれさえも翻弄されて撃破される。皇帝のストレスは溜まる一方である。

 

同じ頃、トリスティンではバカが大量発生していた。「内戦に付けこんで野蛮なるゲルマニアを滅びすべし!」と叫ぶ貴族が多く、戦を良く知る王とマザリーニは頭を抱えた。ゲルマニアを本気で倒すにはまず南の貴族たちを相手にしなければならない、更にマリア軍と皇帝軍の両方を撃破する必要がある。マリアは分からないがアルブレヒト3世は間違いなく優秀な皇帝だ。現在の状況を見ても彼が勝つと思われる。“英雄王”と呼ばれたフィリップ3世が居ればなんとか戦争になるかもしれないが。ゲルマニア内戦終了後にゲルマニアとトリスティンが全面戦争なんて二人とも考えたくもない、もしそうなったらガリアもトリスティンに攻めて来るだろう。しかし何よりも伝統と歴史を重視するトリスティン貴族の中にはこれを理解できないバカが多かった。

 

 

ガリアの実力でなら内戦に介入し、幾許かの土地を手に入れる事が出来たが。しかし運悪く嫌な噂が出回った事でこのチャンスを逃した。最初は些細な事だった。王が胸痛で水メイジを呼んだ。それをメイドが知り、面白半分で他のメイドに教えた。平均寿命が短いハルケギニアでは高齢な王は「もうだめかもしれない」と思われた。その為二人の王子の後継者争いが水面下で始まる。王は否定したが、公の場でも王が痛みを堪えてるのが分かり、信じた者は少なかった。実際にはガリア王は不治の病にかかっておりこれからゆっくりと悪化していく。

 

ロマリアは地理的に軍事介入は無理、戦場に向かう度胸のある神官も居なかったので密偵を増やしただけに終わった。

 

アルビオンはわれ関せずを貫き通している。

 

ゲルマニアの内戦は他国の介入無しで進む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーバーフラッグ

 

フラッグの性能を上げてフロートユニットを追加してできた機体。航続距離が物凄く長いない。それ以外はなにも変わらない。

 

武装:

頭部バルカン*2

ビームガン*2




介入前の貴族支持率:
アルブレヒト3世:35%
他:55%
中立:10%

現在:
アルブレヒト3世:65%
他:15%
中立:20%


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