IS学園天文部-リメイク前-   作:山石 悠

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第十七夜「同感だ。……あいつは、確実に殺す」

 謎のISによる襲撃という事実は、俺の中に波紋のように響いた。

 この学園のセキュリティは、それこそ世界トップレベルだ。だからこそ、俺は大丈夫なんだと思っていた。

 

 もともと平和ボケしがちな日本人だからこその油断もあっただろう。でも、それでも俺はISに乗れると分かってから入学するまでの約一ヵ月間、卓也さんによる教育を受けた。ハニートラップやテロ組織の襲撃への対応とか、それに対する心構え。そういうものを、しっかり教えてもらったつもりだ。

 まだ現実として体験していない以上、俺の心構えはこの辺が限度ではあっただろう。……だから、この事実が、いやでも俺にこの世界の黒さや現実を沁み込ませた。

 

 俺は、夢を語るだけの子供ではいられないのだ。

 

 北極星を目指すためにISに乗っている。俺にとって、ISの存在はそれくらいだ。後は、おまけに近い。だが、俺の価値観など、他人にとっては関係ない。そもそも、みんなが見ているのは“溝口星矢”ではなく、“男性IS操縦者”でしかないのだから。

 

 現代社会でのISの立ち位置は、軍事利用できるスポーツ道具だ。海底探査や宇宙開発。放射能や毒性ガスの範囲での活動。軍事なんてくだらないこととは違う、夢や希望となる使い方ができるはずなのに……。

 

 

 

 

 

「……っしー! ほっしー!」

「っ! 本音嬢?」

「何してるの? 早く逃げなきゃ」

 

 本音嬢が心配そうにこちらを見つめる。シャッターの向こう側……一夏達の様子は全く分からない。

 周囲を見渡すと、すでに避難が終わりかけていて、俺や本音嬢みたいに観戦席にいる人はもういないようだった。

 

 そこで、状況を思い出した。今は、襲撃者が来ていたのだ。

 

「ほっしー! どうしたの、ほっしー?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 

 俺は、無意識に胸元を……星間の夢想家(スター・ゲイザー)を握りしめた。

 

 ……俺は、行くべきではないのか? 隣にいる友人、このシャッターの向こう側にいるであろう友人のために。

 だが、本能が怖いと叫ぶ。この場から逃げ出したいと悲鳴を上げている。卓也さんからの教えがそれを助長した。

 

 怖いと叫ぶ一方で、この胸にあるちっぽけで独善的な正義感が「助けに行け」と急かしている。それすらも、無駄で無意味だと知っているにも関わらず。

 

 ……ああ、理解しているんだ。

 俺は、逃げるべき人間だ。この先に行ったところで何もできない。ただ震えているだけのヘタレは、黙って逃げていればいいのだ。

 逃げなくては、ならない。

 

 本音嬢の方を振り返る。手をつないだ。

 

「本音嬢、すぐ逃げ」ドンっ!「っ!?」

「え、シャッターが……」

 

 シャッターがある。……へこんでいたが。強力な、一撃を受けたらしい。

 

星間の夢想家(スター・ゲイザー)!」

 

 急いで星間の夢想家(スター・ゲイザー)を展開する。思考など放棄した。

 展開した瞬間、目の前にホロウィンドウが現れる。

 

『未確認のIS二機を確認しました

 未確認のISにロックされています』

「襲撃者が二人!?」

 

 それもそうだが、ロックされていることも問題だ。シャッター越しにロックされているのか?

 ハイパーセンサーで確認すると、四体のISがいた。一夏、鈴音嬢、襲撃者二体だ。

 

 襲撃者の一体は、一夏と鈴音嬢の方をロックしているようだ。しかし、もう一体の狙いは、俺。

 

『未確認のISから熱源反応。砲撃の可能性あり』

「っ!? 逃げろ、本音嬢!」

「え?」

 

 その瞬間、熱源反応が最大まで跳ね上がる。もう、間に合わない。

 

「“防御の巨蟹宮(キャンサー)”っ!」

 

 星無き夜(スターレス・ナイト)だった星間の夢想家(スター・ゲイザー)が変形する。装甲が全体的に背中に移動し、巨大な甲羅……“防御の甲殻(アクベンス)”になる。

 

 本音嬢を抱え込むようにし、シャッターに背を向けた。ホロウィンドウに警告が大量に表示される。砲撃の威力やタイミング、それによるダメージの推定……。

 それらを適当に流し、本音嬢の顔を見る。驚いたような表情をしながらも、何が起きているのかをちゃんと理解してくれているようだった。

 

 俺が本音嬢の顔を確認し、安心した瞬間……

 

 ――――光が俺達を呑み込んだ。

 

 直径が二メートルほどの光が俺と本音嬢の視界を覆った。俺は体を丸め込んで本音嬢を守る。かに座の名に恥じぬ友人至上主義。

 

「く……っ!」

 

 ビーム砲が防御の甲殻(アクベンス)にぶち当る。しかし、宇宙空間での自衛を目的としている防御の巨蟹宮(キャンサー)にその程度の攻撃が防げないわけがない。

 砲撃が止んだところで、俺は本音嬢を解放した。

 

「本音嬢、無事か?」

「ほ、ほ、っしー…………」

 

 本音嬢の顔は青ざめていた。

 そこで、俺はある事実に気が付いた。気が付いて、しまった。

 

 もしかしたら、今の一撃で本音嬢は死んでいたかもしれない。ということに。

 ……本音嬢が、死ぬ?

 

 その瞬間、俺の何かが切れた。たぶん、理性とか善性とかいうものだと思う。

 

「……本音嬢、今すぐ逃げろ」

「ほ、ほっしーは……?」

「大丈夫、しばらく時間稼ぎだ。だから、早く逃げる。いいな?」

「う、うん。分かった……」

「ありがとう。さあ、走れ!」

 

 本音嬢が一気に駆けだした。見たこともないほどに素早かった。忍者、くの一を連想する。

 

「……さあ、太陽()沈んだ(消えた)ようだし」

 

 ゆっくりと体の向きを変える。

 

 時間稼ぎ。正直、それだけのつもりだった。しかし、生身である本音嬢がいるにも拘らず攻撃をしたあいつは……あいつだけは、自らの手でスクラップにしなければ気が済まない。

 

「ここからは、星の時間だ。……覚悟しとけよ、デブリ」

 

 あれは、もう敵でもなんでもない。ゴミだ。宇宙ゴミ(デブリ)だ。

 

 地面を見下ろす。

 地球の反対側で輝いているであろう星座。天球にその雄姿を見せる百獣の王を思い出した。

 

「……“切断の獅子宮(レオ)”」

 

 黄道十二宮(ゾディアック)で最大火力を持つ形態、切断の獅子宮(レオ)に変形する。

 両手のクロー“切断の双爪(レグルス)”は、獲物の血を求めてたぎっている。血に満ちてるのはレグルスの方だろうに。

 

 俺は、どす黒い感情が沸き起こるのを感じた。いつもなら表には出さないそれに身を任せて、本能の赴くままに言葉を発した。

 

「……殺す」

 

 言葉にすると、ストンと胸にはまった。ふざけて死ねだのなんだの言っていたが、今ようやく理解した。……これこそが、殺意だ。

 

 前方の敵を睨もうと、視線を向けた瞬間にホロウィンドウが現れた。

 

『“同調率(チューニング・レート)”85%に到達

 “第二段階(セカンド・レイヤー)”に移行します

 “自動制限(オート・リミット)”、“半同化(ハーフ・シンクロ)”が解放されました』

 

 初めて見る表示だった。いつも右上隅に“同調率(チューニング・レート)”が表示されていたが、どんなに良くても50%だった。しかし、現在は87%なんて奇跡的な数値を記録している。

 “第二段階(セカンド・レイヤー)”や“自動制限(オート・リミット)”、“半同化(ハーフ・シンクロ)”は完全に知らない言葉だ。字面で分かりそうなことくらいしか分からない。

 

 しかし、そんなの関係ない。今は星間の夢想家(スター・ゲイザー)の能力が向上している。それで十分。

 

 

 右足を引く。スラスターがゆっくりと光を放ちだした。

 

 刹那、加速。

 

 “獅子の双爪(レグルス)”を胸元に構える。

 奴は、腕から肩にかけて砲撃口を用意していた。全身装甲(フルスキン)ではあるが、胴体部分などは後から付け加えたみたいにちゃちな仕様。……奇妙な奴だ。

 

 こちらに両腕を向けた。また砲撃するつもりらしい。しかし、遅い。

 

「死ね」

 

 自分が言ったとは思えないほどに冷たい声だった。

 

 両腕を外側に切り払う。腕を切断し、胴体にはサマーソルト。自分でやっているとは思えない動き。

 

 俺は、奴が爆炎の中に再び姿を消すのを確認しながら、着地を決める。

 

「星矢! 星矢か!」

「……一夏か?」

 

 オープンチャネルで一夏に声をかけられた。探すと、俺の真上に鈴音嬢をお姫様抱っこしている一夏を発見した。

 

「一夏、大丈夫か?」

「ああ、俺は大丈夫。それより、星矢は大丈夫か? さっきの客席に撃った攻撃って……」

「俺と本音嬢がいた。本音嬢はちゃんと逃がしたよ」

 

 一夏が何か言う前に、すべて言ってしまう。俺は、“獅子の双爪(レグルス)”をこすり合わせながら、爆炎の向こうを見つめた。

 早く、殺したい。

 

「……で? 彼奴は何者だ?」

「分からない。呼びかけても返事がない」

「そうか……」

 

 沈黙は標準装備のようだ。できる限り情報を漏らさないようにするつもりか? にしても、不自然な気がするが。

 

「ねえ、それより、星矢ってあんなに強かったの!?」

「……なんだ鈴音嬢?」

「何って、星矢まで“瞬時加速(イグニッション・ブースト)”したじゃない。その上、的確に斬撃と蹴撃するなんて、初心者のやる動きじゃないわよ!」

「……詳しくは知らん」

 

 俺が動かしているとは思えない動き……もしかしたら、それは事実なのかもしれない。俺の脳裏には、先ほど表示されていたホロウィンドウがあった。

 

半同化(ハーフ・シンクロ)か……」

 

 おそらく、半同化(ハーフ・シンクロ)の能力によるものだろう。詳しい原理は分からないが、文字的には自分ではない何かと技術などを共有する力ではないかと思う。

 

『っ! 織斑君! 凰さん! え、溝口君もいるんですか!?』

「山田先生ですか?」

 

 一夏が返事をした。どうやら、山田先生が通信してきたようだ。

 

『今すぐISを装備した教員が向かいますから、三人は今すぐ避難してください!』

「だけど、まだ避難し終わってない生徒もいます。せめて、そのみんなが逃げ終わるまではくい止めないと」

『で、でも……いけません!』

『一夏!』

『一夏さん!』

 

 山田先生が避難を勧めるが、あいにく俺も一夏に同意だ。客席には人がいなくなったが、まだアリーナから出たというわけではない。それに、あいつをスクラップにせず逃げるなんて考えられなかった。

 

「鈴、星矢。いいよな?」

「だ、誰に言ってんのよ!」

「同感だ。……あいつは、確実に殺す」

「せ、星矢……?」

 

 思わず殺意が漏れた。一夏が戸惑った声をあげる。……もう、隠す理由もないか。

 

「あいつだけは、スクラップにするって……ぶち殺すって、決めたんだ」

 

 “切断の双爪(レグルス)”を構える。どこにいるのかは知らないが、両腕はすぐ後ろに転がっている。スパークしている様子を見ると、腕は通っていないようだった。……通っていない?

 

「あいつ……もしかして、腕がないのか?」

 

 俺が切り飛ばしたのは、肩口だ。どんなに腕の短いやつだろうと、確実に腕を切り飛ばしていたはずだ。それなのに、奴の腕部には血の一滴もついていない。

 

「腕がないって、どういうことよ」

「……無人なのか?」

「バカ、ISは人が乗ってなきゃ動かないのよ!」

「いや待てよ。それなら、完全に無言でもおかしくないだろ」

 

 俺は改めてハイパーセンサーを動かした。……俺が腕を切り飛ばしていない方にセンサーを向ける。簡単な解析なら、わざわざ変形するまでもない。

 ホロウィンドウに様々な数値が表示される。

 

「……おいおい、あれ、完全に機械だぞ」

 

 音声センサーで確認すると、息遣いが全くない。そして、中にも人間の体温がなかった。……あれは、完全に人が乗っていないのだ。

 

「本当に無人機なの!?」

「らしいな……」

 

 だとしたら、世界初だ。そいつ、そんな偉業を成し遂げたんだから、こんな襲撃に使わずに普通に発表すればいいのに。

 だが、その発明品も残念なことにスクラップだ。

 

「中に人がいないと分かれば、話はシンプルだ」

 

 罪悪感なしで殺せる。

 

「もう一体は任せた!」

 

 爆炎に突撃する。目視はできないが、ハイパーセンサーでその居場所は確認できる。奴がゆらりと体を揺らす。

 

「っらああああっ!!」

 

 咆哮しながら襲撃。振り上げた“獅子の双爪(レグルス)”が輝く。袈裟切りに奴の胴体を襲う。体を引かれた。くそ、表面しか削れない。

 

 即座に、追撃。

 殺意を込めた。左手を地面につけ、宙返り。飛びながら蹴りをかます。首にヒットした。奴の体が沈む。

 

 

 あっさりではあるが、試合終了だ。

 

 奴が砲撃を撃つのは、腕と肩。最初の一撃で、そのいずれも切断している。だから、もう、奴には攻撃手段がない。

 

「ハハッ、惨めだなぁ」

 

 頭部に該当する位置を足で押さえる。

 

「どうした? 動いてみろよ」

 

 そういうと、脚部のスラスターが動きそうだった。もちろん、切断した。もう、移動すらできない。

 

「アハハ……死ね」

 

 股関節部を切断した。切断部のコードから電気が走る。……壊れかけのなんとやらだ。

 

「死ね」

 

 胴部だけになった奴に“獅子の双爪(レグルス)”を突き刺す。

 

「死ね」

 

 体を真っ二つにするように引き裂いた。解体完了。

 

 

 バラバラになったパーツを見下ろしていると、俺の怒りは徐々に静まりつつあった。

 

「…………終わり、か」

 

 怒りが静まると、次に来たのは達成感。そして、虚無感だった。

 

 やった、やりきった。という気持ちがある。しかし、それ以上に、俺は何をやっているのだろうか……という、やるせなさの方が大きかった。

 気力という気力がすべて尽きた。ただ、スクラップになったデブリを見下ろし、自分の行いを思い出した。

 

 殺意に、憎悪に身を任せてバラバラにした。俺は、これを無意味というつもりはない。達成感があるからだ。だが、碌でもないことであることは理解した。

 早く次の行動に移らねばらならない。なのに、何をすればいいのかが分からない。何をしようとも思わない。

 

『“同調率(チューニング・レート)”が85%未満に低下

 “第一段階(ファースト・レイヤー)”に移行します

 “自動制限(オート・リミット)”、“半同化(ハーフ・シンクロ)”を制限しました』

 

 例のホロウィンドウが現れた。……強化タイムは、終了したようだ。大きく、息を吐き出した。

 

 頭上では、一夏達が戦闘している。……参加すべきだろうか。だが、何かをしようとは思えない。

 

「星矢!」

 

 一夏の呼びかけが聞こえる。

 

「……なんだ?」

「星矢は終わったのか?」

「ああ、終わったよ……」

「大丈夫か? やばそうなら、早く逃げろよ?」

「……そう、だな」

 

 無気力な返事しかできない。俺は周囲を見渡した。逃げるって言っても、逃げ場などほぼないだろうに。……って、カタパルトがあったか。

 今の俺は、邪魔にしかならないはずだ。すぐに、避難……いや、念のためカタパルトで様子を見ておくことにしよう。

 

 

 俺はカタパルトの方に移動する。スラスターを吹かせ、たどり着きそうな時……人影を見つけた。

 

「……箒嬢?」

「溝口か!」

 

 そこにいたのは、箒嬢だ。……生身の。

 

 一瞬で思考がクリアになった。

 

「バカっ! 何してるんだ! 危ないだろうが!」

「うるさい! 一夏の奴に一言言わせろ!」

「おいバカ! やめ「一夏! 男ならそのくらい勝てんでどうする!」……女なら、おとなしくしとけって言わないと満足しないか、アホ!」

 

 生身だったら、頭を叩いていただろう。

 俺が、早く逃げろと叫んでいると、再びホロウィンドウが現れる。

 

『未確認のISにロックされました』

 

 それは、さっきの再来だ。反射だった。

 

「んなっ! き、防御の巨蟹宮(キャンサー)!」

「溝口っ!?」

「箒っ!」

 

 本音嬢の時のように、箒嬢を抱きしめ背を向ける。一夏の声が聞こえた。

 

「鈴、撃て!」

「で、でも……」

「いいからっ!」

 

 何とかするなら、早くしろ。彼女は……俺が、守るから。

 

「うおおおおおっ!!」

 

 一夏が奴に突撃した。黄金色に輝く一夏は、奴の右腕を右腕を切り飛ばす。しかし、カウンターとして左手で殴られてクレーターの縁に倒れこんだ。

 奴が、残った左腕で一夏を狙う。

 

「溝口、離せっ!」

「嫌だ! もう、あんな顔は見たくない!」

「っ! …………」

 

 いつも笑顔だった本音嬢が、青ざめた顔をしていた。死の恐怖に、本気でおびえていたのだ。彼女に、あんな顔をしてほしくはなかった。させたくなかった。

 ……俺は、箒嬢にまであんな表情をさせたくはない。

 

「……狙いは?」

「完璧ですわ」

 

 一夏が呼びかけると、セシリア嬢の声が聞こえた。

 その瞬間、奴に青い雨が降り注いだ。ブルー・ティアーズだ。

 

「セシリア嬢!」

「どうして……」

「セシリア、行けっ!」

「了解ですわ!」

 

 セシリア嬢がライフルを構えた。そして、閃光が放たれた。

 まっすぐ光が飛び、奴の胸を貫く。…………倒した…………?

 

 箒嬢を解放する。俺は、その場に座り込んだ。

 

「……よかった」

「……溝口」

 

 箒嬢が戸惑った表情で俺を見つめていた。俺はできる限りの笑顔を作った。

 

「何もなくて、よかった」

「……すまない。考えなしだった」

「いや……もう、いいよ」

 

 乾いた笑みが浮かぶ。無事だったという事実だけがあれば、十分だった。

 

 

『未確認のISの再起動を確認』

「……え?」

「一夏!」

 

 見たくない警告が現れる。

 俺は、すぐに振り返った。また、奴が動き出した。突き出した腕が、一夏を狙う。一夏は雪片二型を構えた。

 

「うおおおおっ!」

 

 光が放たれ、一夏の姿が見えなくなった。光に完全に包まれていた。

 

「一夏!」

「一夏っ!」

「一夏さん!」

 

 三人娘の声が聞こえた。

 

 

 やがて、光が消える。

 

 

 そして…………




星のネタ
防御の巨蟹宮(キャンサー)
巨蟹宮とは、黄道十二宮でいう蟹座のこと。蟹座自身に見所はなく、その中心部にある散開星団のプレセペの方に注目して欲しい。

防御の甲殻(アクベンス)
アクベンスとは蟹座のα星。α星ではあるが、4.3等という明るさなので、街中で見るのは無理。そこそこの天体観測スポットにいく必要がある。本当の意味は、蟹の爪であり、甲殻という防御装備に付ける名前ではない。

・かに座の名に恥じぬ友人至上主義。
蟹座の物語の説の一つに、友人であるヒュドラを助けようとした。というものがある。そこからのセリフ。ちなみに、助けられずに死んだ。

切断の獅子宮(レオ)
獅子宮というのは、黄道十二宮でいう獅子座。注目したいのは、頭部から前足に連なる?の逆向きの形、獅子の大鎌。

切断の双爪(レグルス)
レグルスというのは獅子座のα星。一等星の中で一番暗い1.4等。四捨五入で等級を決めるので、結構ギリギリだったりする。他にも、四つの星が二組に分かれて互いに回る多重連星。意味は小さな王。また、コル・レオニスという獅子の心臓の意味を持つ名前もある。本編で「血に満ちているのはレグルスの方だろうに」という描写があるが、これは後者の名前を使ったネタ。

雑談
星矢、ブチ切れるの回。スクラップにされたゴーレムに合掌。なかなかエグい光景でした。
今回、新しいワードが出て来ましたね。伏線を貼りまくっていつまでも回収しないのが作者です。いや、回収するんですよ。ただ、それが後でまとめてになっちゃうんです。
実は、ワード以外にも伏線があったりするんですが、それはまた。
そして、黄道十二宮(ゾディアック)。新しいのが登場しましたね。蟹座、獅子座。両方とも春の星座、つまり今が見頃なので、ぜひ星空を見上げてみてください。となりあっております。
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