ボーデヴィッヒ嬢とのよく分からない問答から約24時間が経過した。授業の時は全くアドバイスをしなかったというのに、なぜ俺にはあんなことを言ったのだろうか? ……分からん。
悶々と悩んだまま放課後になる。未だに教室で頭をひねり続けていると、鞄を持った一夏が声をかけてきた。
「星矢、今日は一緒に訓練しないか?」
いつもは一緒に練習をしないので、珍しい話もあったものだ。
「何か、やりたいことがあるのか?」
「いや、特にそういうわけじゃないんだが。今日からシャルルも一緒にするっていうし、良かったらどうかなって」
「なるほど。…………うん、いいぞ」
特に断る理由もないし、たまに違うことをすることで普段の訓練にメリハリもつくだろう。
誘いを受けることにすると、とりあえず荷物をまとめて立ち上がった。忘れ物はないな。
机から視線を戻すと、ちょっと首をかしげる。
「んで、すぐに行くか?」
「そのつもりだけど。一緒に行くか?」
「そうする。特に用事もないしな」
そう言うと、俺達はアリーナに向かうため、教室を出た。
「と、そういえば、女子の皆様とシャルルは?」
「ああ。星矢を誘ってくるから、先に行ってもらったんだ。それに、セシリアとかは着替えに時間かかるからな」
「そうか」
下駄箱で靴を履き替え、校舎を出る。アリーナはここから歩いて、5分くらいの場所にある。
部活動やら自主練に向かう女子達の流れと一緒にアリーナに向かう。こういう、女子の多いのにも随分と慣れてきた。
アリーナに着くと、手早く着替えて早速自主練が始まった。
一夏が女子達と一緒に、テーマを決めて模擬戦や練習をしていく形式のようで、いつもいない俺は一歩引いたところで眺めているような感じになっている。
「だから、こう、ギュンッ! ズバァァッ! ガキンッ! という感じでだな」
「感覚よ、感覚。だから、感じろって言ってんのよ、バカ!」
「回避の際は右半身を斜め45度に動かすのですわ」
どいつもこいつも碌な説明をしていないが、本人達にはそれが一番分かりやすいのだから始末に負えない。
一夏の方は、案の定理解できていないようで頭を抱えていた。
「だから、全然分かんねえよ!」
あまりの状況に絶叫するが、説明をしている当の本人達は納得いかない様子だ。まあ、何も変えていないのに違う結果を期待するのは狂人の所業だと、昔の偉い人も言っていたしな。
……また、翻訳してやるべきだろうか? 一気に接近してラッシュを決めろっていうのとか、微かな音や振動から攻撃の方向を察知するとか、回避の時は半身になれとか。
助け舟を出そうと一歩近づくと、その前に最後のメンバーが遅れてやってきた。
「一夏、星矢」
「お、シャルルか」
声が聞こえたので視線を動かすと、そこには少し目新しい様子のラファールリバイブを纏っているシャルルがいた。あれが、シャルルの専用機らしい。
いつものラファールとは違うので、改造機なのが分かる。
「ねえ、一夏か星矢のどちらか、模擬戦してくれないかな? 二人の機体に興味があるんだ」
「あ、じゃあ俺がするよ」
と、俺が意思決定をするよりも早く一夏が返事をした。……こいつ、逃げやがったな。
「と、いうことだ。悪いけど、また後でな」
言うが早いか、一夏はあっという間にシャルルとアリーナ中央に移動してしまった。一方で三人娘はというと、むすっとした表情で一夏が飛んで行った方を睨んでいる。
あーあ、後で理不尽というか自業自得というか、とにかく碌でもない目に遭うに違いない。
呆れたまま顔を上げると、一夏とシャルルが上空で向かい合っているのが見えた。
どうやら試合形式について話しているらしい二人を見ながら、俺は三人娘のそばに座り込んだ。
と、そこで、一つ思ったことがある。
これって、
「もしかしなくても」
……俺、いらないんじゃね?
結果があまりにも単調でつまらなかったため、ダイジェストにさせてもらう。
シャルルと一夏の試合は、シャルルの完封勝利、といったところだろうか。はっきり言って試合になっていなかった。
銃メインの装備をしていらしいシャルルは、遠距離からの銃撃で一夏を圧倒。一夏の方も黙って撃たれているだけではなく接近しての攻撃を仕掛けたが、それでもシャルルにダメージを与えることはできなかった。
結局、最後は一方的に銃弾を受けているだけだった一夏がエネルギーを削りきられて、試合終了となった。
試合が終わったのを見ると、二人のISの簡単なエネルギーチャージをするために、俺達は連れ立ってピットに移動した。
ピットに行くと、シャルルが銃が並べてあるエリアに移動した。
「それで、一夏は銃の特性をきちんと把握していないんだよ」
シャルルの考察は、つまるところ、そういうことらしかった。
銃の点検をしながら語るシャルルは、ものすごく詳しそうだ。……そもそも、日本が銃社会じゃないから理解が低いんだと思う。
一夏は苦い顔をした。
「自分では分かってるるつもりなんだけどな……」
「うーん……この白式って、
「ああ。
それは、一夏が雪片弐型しか使えない理由だ。
ISには武装や装甲の情報を記録するメモリをあるのだが、初期状態のISが使っているのはその一部だけに過ぎない。それに、やろうと思えばメモリを増設することもできる。そうやってできた空き容量に、新しい
「それって、
「
「うん。搭乗者とISの相性が最高になった時に自然発生する能力。白式なら零落白夜だね」
「なるほど……お前の説明、分かりやすいな」
シャルルの説明に納得した一夏が、嬉しそうにそう言った。まあ、先のよく分からない説明があればそういう気分にもなるだろう。
「なんだ、一夏の奴。せっかく説明したというのに」
「なんであんなに分かりやすく説明しているのに分かんないのよ」
「理路整然としていて分かりやすい説明だったはずですわ」
納得のいかない三人娘。……鈴音嬢以外はまだすんなり理解できるが、それでも分かりにくい説明だと思うぞ、俺は。
「でも、零落白夜って自分のシールドエネルギーを攻撃力に変える無茶苦茶な能力だぜ?」
「あれって、織斑先生が現役時代に使っていた能力だよね? 姉弟だからって同じ能力が発生するのかな……?」
「どうなんだろうな? 俺はあんまり分からないけど……」
首をかしげている二人。
あんまり考えていても仕方のない話題な気がするので、話を変えようと口をはさんだ。
「それは考えるだけ時間の無駄だろうよ。それより、何かしら練習した方がいいんじゃないか?」
「……まあ、それもそうだね。じゃあ、銃の練習でもしてみる?」
「銃?」
使ったことがない装備だし、男の子だもの。純粋に興味がある。
「いいぜ、そうしようか」
話がまとまったので、早速、銃の訓練をすることにして、アリーナへと移動した。
アリーナには、設定すると自動で仮想の的を表示してくれるシステムがある。ハイテクってすごいな。
「それじゃ、始めようか」
と、シャルルが銃を一夏に渡そうとすると、一夏が首を傾げた。
「あれ? 人の装備って使えないんじゃなかったっけ?」
「普通はね。でも、本人が許可している場合だけは、許可した全員が使うことができるんだ」
「へえ、そうなのか……」
一夏はシャルルから銃を借りて的を狙う。最初から一人で使うのは難しいだろうということで、順番に教えてもらうことにした。
「持ち方はこうか?」
「えっと、もっと脇を締めて、腕は下げて……」
一夏が構えるのを、シャルルが後ろからサポートするようにして立っている。
まあ、何とも、
「あの二人、仲よすぎるんじゃない?」
「同室だし、状況が状況だし、普通に仲良くなりやすい状況だとは思うけどなぁ」
と、そんな話をしている間にも、訓練が始まったようで。バン! という音がこちらにも響いてきた。
一夏の放った弾丸は、仮想の的の中央こそ当たらないが、その周囲を撃ち抜いた。……すごい。
一つ的を撃ち抜くとすぐに近くに新しい的が出現し、またそれを撃ち抜いていく。
そして、現れたすべての的を撃ち抜いた一夏は、疲れたように大きく息を吐きだした。
「撃ってみてどうだった?」
「う~ん……とにかく、速い、って思ったよ」
確かに、引き金を引いた次の瞬間には的がぶち抜かれているのだから、そりゃあ速いと思うだろう。
で、次は俺だな。
興奮する気持ちを抑えることができずに前に出ると、周囲からざわざわと声が聞こえてきた。
「ねえ、ちょっとあれって……」
「え? なんだ?」
声の聞こえた方に目を向ければ、どこかを見上げている女子達がいる。そして、今度はその視線の方を見ていると、
「あれって、ドイツの第三世代じゃない」
「本国でまだトライアル段階だって聞いてたけど」
「……ボーデヴィッヒ嬢?」
そこにいたのは、昨日会話をした銀髪の少女だった。
「何、あいつなの!? 昨日、一夏を殴ったっていうドイツの代表候補性は?」
鈴音嬢をはじめ、三人娘が不穏な表情で睨んでいる。一夏やシャルルの方もどこか不安げな表情だし、周囲の視線を受けているボーデヴィッヒ嬢自身は厳しい顔で俺達の方に目を向けた。
「織斑一夏」
「なんだ?」
「貴様も、専用機持ちらしいな」
「なら、話が早い」とうなずくボーデヴィッヒ嬢。その口調はどこか傲慢さと怒りのようなものを感じさせ、一方の一夏も、珍しく険しい声音で返事をしている。
空気が重くなっていく。
「織斑一夏、私と戦え」
「いやだね。そんなことをする理由がない」
「貴様になくても、私にはあるのだ」
「なんで今する必要があるんだ? 今度の学年別トーナメントでもいいだろ?」
好戦的なボーデヴィッヒ嬢を冷たくあしらおうとする一夏。随分と珍しい姿のせいで、いつもよりはるかに一夏が恐ろしく見える。
「そうか。……なら」
と、ボーデヴィッヒ嬢の機体が動いた。砲身が一夏の方に照準を合わせると、青白い光が収束する。
「一夏!」
ボーデヴィッヒ嬢の機体から強力な砲撃が放たれると同時に、シャルルが一夏の前に躍り出た。飛び出すと同時に盾を展開したシャルルは、臆することなく砲撃を上空へと受け流した。
カーンと高い音が響いて、アリーナの地面に空の薬莢が転がる。
「いきなり戦いを仕掛けるなんて、ドイツの人は沸点が低いのかな?」
先ほどの一夏同様、珍しく穏やかな笑みから険しい声音で相手を煽るような発言をするシャルル。銃口をボーデヴィッヒ嬢に向けているその姿は、やはりいつになく攻撃的だった。
だが、ボーデヴィッヒ嬢は冷静な表情のままで、シャルルの様子を睥睨している。
「フランスの第二世代か。その程度の機体で私の前に立ちふさがろうとはな」
「未だに量産化どころかまともに完成していないドイツの第三世代より、よっぽど動けるだろうからね」
銃口を向け合ったままでの舌戦に冷汗が流れる。……シャルル、こんなこともできる人間だったのかよ。
「そこの生徒! 何をやっている!」
俺達の様子を見かねたのか、アリーナの監督をしていた先生から警告が飛んだ。
すると、状況を悪いと見たか、ボーデヴィッヒ嬢がISを解除し、改めてこちらを見下ろした。
「今日のところは引いてやろう。……それと、溝口星矢」
「……どうした?」
いきなり声をかけられるとは思っていなかったため、思わず体がこわばった。ボーデヴィッヒ嬢は、苛立った様子で俺を見ている。
「貴様、いつもの訓練はどうした?」
「今日は一夏に誘われたんだ。シャルルも来るっていうし、何かしら学ぶことがあるかもしれないと思ってな」
「そうか。……だが、織斑一夏などと関わっていては、碌なことにはならんぞ」
「それは、なんというか……御忠告、痛み入るよ」
あんまりな言い方だったため、返事がどこか皮肉を帯びたものになった。
だが、ボーデヴィッヒ嬢は意に介していないようで、小さく息を鳴らした。
「まあいい。ともかく、それと関わるくらいなら、一人でやっている方がよっぽど効率的だというだけだからな」
心配している……というわけではないのだろうが、またアドバイスのようなものを残して、去っていくボーデヴィッヒ嬢。
彼女が去っていくのを見送ると、三人娘が俺と一夏に視線を向けた。
「二人とも、あいつと一体何が……」
それは、俺の方が聞きたいくらいだった。
あの後、そのまま訓練を続けようという空気にもなれなかったので、今日は解散することとなった。
俺は早く部屋に戻りたかったので、軽くシャワーを浴びると、軽く制服を羽織っただけでアリーナを出た。
早めに解散したが、外はすでに茜色に染まっていた。
俺は駆け足気味でアリーナから寮への道を進んでいたが、やがて前方に人影が見えてくる。
「教官、お話したいことがあるのですが」
「ここでは先生と呼べ、ボーデヴィッヒ。……それで、何の用だ?」
「ここで話すのもなんですから、そちらでいいですか?」
「構わないが、忙しいからな。手早くしろ」
「了解しました」
何やら話をしてるようで、こっそりと近づいて隠れる。
「お話というのは、ドイツに戻っていただけないか、ということです」
「…………」
「ドイツ軍からもあなたに再びその話をするように言われていますし、私個人としても教官には戻ってきていただきたいと思っています」
織斑先生は、ドイツで教官をしていたことがある、ということか?
なら、一夏を殴ったのにも、その辺が関係して……?
「ボーデヴィッヒ」
「はい、なんでしょう」
織斑先生がチラリとこちらに視線を向ける。うわ、バレてーら。
「……いや、何でもない。それで、何の話だったか」
「ドイツに戻らないかという話です」
どうやら今は突き出す気がないらしいので、しばらく静観することにする。
もしかしたら、今のが帰れという意思表示なのかもしれないが、申し訳ない。もう少し野次馬をさせてもらおう。
「教官、もう一度ドイツで我々を指導してはいただけないでしょうか!」
と、ボーデヴィッヒ嬢の叫びが聞こえた瞬間、後ろから人の気配がした。
俺は、静かに後ろを振り返り、
「一夏……」
「星矢……」
多分、一夏の方も声を聞いてきたのだろう。俺のそばに身を隠した一夏は、静かに話をしている二人の方を見ている。
「ここにいては、あなたの能力は半分も生かされません!」
「ほぅ……」
「大体、この学園の生徒のほとんどは、ISをファッションか何かの類だと考えている節があります。兵器という側面への危機感を持つこともなく、気の抜けたままで日々を過ごしている。そんな甘い考えの連中に、あなたが教育をする理由があるのでしょうか?」
「そこまでにしておけ、小娘」
演説を遮った織斑先生。ボーデヴィッヒ嬢は戸惑って、視線をさまよわせている。
「しばらく見ない間に偉くなったな。15歳にして選ばれた人間を気取るとは、恐れ入る」
「わ、私は……!」
「寮に戻れ。そんな話を聞いているほど、私は暇ではない」
「……っ!」
織斑先生の反応に、ボーデヴィッヒ嬢は悔しそうな表情で寮へと走り去った。
織斑先生はその場に立ったままで、今のうちになら逃げられると思って静かに一歩を踏み出し……
「それで、そこの男子二名。盗み聞ぎなんて言う異常性癖は感心しないな」
「な、なんでそうなるんだよ、千冬姉!」
「学校では織斑先生と呼べ」
あっさりと一夏が飛び出す。……っていうか、一夏のことも気づいたのかよ、この人。
「こんなことをしている暇があったら自主練でもしていろ。このままだと、初戦敗退だぞ?」
「そんなの分かってるって」
「そうか、ならいい」
と、話は終わりだとでも言いたげに立ち去ろうとする織斑先生。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
だが、一夏がそれを引き留める。
「さっきのあの話って、千冬姉が俺のせいで二度目の優勝を逃したせいで……」
「終わった話だ。お前が気にする必要はない」
織斑先生は断言するようにそう言った。
詳しいわけではないが、確か、当時ISの日本代表だった織斑千冬選手はドイツで行われた第二回モンドグロッソの決勝戦を直前になって棄権したのではなかったか?
あの時は、理由に関して様々な憶測が飛び交っていたけれど、その真実は……
「とにかく、貴様らは真面目に訓練に励んでいろ」
「ではな」と、今度こそ颯爽と去っていく織斑先生。
特に呼び止めるだけの理由もなく、俺達はそれを静かに見送ることしかできなかった。
「……一夏」
どこか寂し気な一夏に、思わず声をかけた。
第二回のモンドグロッソはドイツで行われた。そう、ボーデヴィッヒ嬢の出身であるドイツだ。そして、織斑先生は引退後、ドイツ軍で教官をしていたらしい。そして、第二回の優勝を逃したのは、一夏が原因だった。
それらが一つの事実につながる、ということは想像に難くなかった。
そして、もし想像が事実なら、きっと一夏やボーデヴィッヒ嬢の抱く感情は根が深いに違いない。
「とりあえず、帰った方がいい。それで、熱いシャワー浴びて今日はぐっすり寝ろ。そうすりゃあ、もう少しは頭も働くだろうさ」
何を言っていいのかもわからず、とりあえず当たり障りのないことしか言えなかった。
一夏は、生気が抜けた表情で俺を一瞥すると、力なく微笑んだ。
「……ああ。ありがと」
返事はあったが、きっと言った通りにはしないのだろう。
ただ、漠然とそう思った。
翌日。
いつも通り学校に向かうと、何やら新しい噂話が学園中に流れているのが分かった。
なんでも、今度の学年別トーナメントに優勝すれば、一夏と付き合えるのだとかなんとか。
「それさ、本人了承してないと意味なくないか?」
放課後のランニング中に会った、同じくランニング中の谷本嬢と走りながら、思わず首を傾げた。
「まあ、そりゃそうなんだけど、でも、そうならやる気出るでしょう?」
谷本嬢が楽しそうに力こぶを作る。女子の皆様なら、イケメンとの交際権があればやる気も出るでしょうねぇ。
「……なら、本気出しそうな優勝候補が、すごく心当たりあるわ、俺」
脳内にお嬢様言葉をしゃべるイギリス人少女とか、勝気で小柄な中国人少女とか、そういった顔が見える。
「溝口君、それ、みんな思ってるから」
「……マジで?」
「そりゃそうでしょう」
誰から見ても惚れていることは明白で、おまけに専用機もちならそういう結果にも至るか、そりゃあ。
「でも、なんでこんな噂流れてるのかな……?」
「そりゃああれだろ、いつぞやの箒嬢との話じゃないか?」
「ああ、なるほど!」
多分、それにヒレがついた結果が、今の噂ということだろう。箒嬢も災難なことだ。
と、徐々にアリーナ等の施設があるエリアが近づいてきた。人通りが少しずつ増えてきて、ぶつからないように気を付けるが、
「なんか、騒がしくないか?」
「そうだね……いつもより多い気がする」
いつもより騒がしいというか、純粋に人が多い。何かやっているのだろうか。
とりあえず、すぐそばにいたクラスメイトに近づいて話を聞くことにした。
「ちょっと、田辺嬢! 何かやってるのか?」
「う、うん。今、一年のクラスの代表候補生三人が模擬戦やってるって!」
「え!? マジかよ、何やってんだ、あいつら!」
真っ先に脳裏に浮かんだのは、セシリア嬢、鈴音嬢、ボーデヴィッヒ嬢の三人だ。他にも代表候補生はいるらしいけど、おとなしい人だった気がする。
きっと、ゲリラで模擬戦を仕掛けるようなメンバーなら、なんだかんだ言って血の気が盛んなその三人だ。
そして、その三人ということは、きっと模擬戦じゃ済まなくなるに違いない。
「いやな予感がする、急ぐぞ!」
「う、うん」
「そ、そうだね!」
俺達は急いでアリーナへと突撃する。
アリーナの入り口には人が殺到していて、それを分けながら必死に進んでいく。
「ちょっ、先に行かせてくれ!」
アリーナの途中にある通路が狭く、そこのせいで人が密集していた。申し訳ないが、力技で人をかき分けていく。
そして、一定の場所まで行くと、密度が少なくなってきて、俺はそのままダッシュでアリーナへと飛び込んだ。
「箒嬢!」
「溝口!」
アリーナに飛び込むと、そこには箒嬢がいた。そして、アリーナに視線を向けると、そこでは話で聞いていたのとは違う光景が広がっていた。
「な、なにが起きているんだ!?」
「鈴音とセシリアがボーデヴィッヒと模擬戦をしていたんだが、ボーデヴィッヒが命に関わるような執拗な攻撃をしているのを見かねて……」
「一夏の野郎が飛び出した、と」
そして、それを見かねてシャルルが応援に向かった、というところだろうか。アリーナのシールドが破壊されているのは、一夏が感情に任せて零落白夜を使ったからだろう。
改めて状況を見ると、セシリア嬢と鈴音嬢は一夏によって避難させられているが、一方で戦いに行った男子二人の方はかなり劣勢だ。
二人とも、ワイヤーのようなもので体中を拘束されている。
……ああ、くそっ!
「すまん、箒嬢! 俺も行ってくる!」
裂け目の部分にダッシュしながら、俺は
雑談
徐々に話が進んでおります。フラグが立ちます。回収するかどうかは不明です。……冗談です、多分回収します。一応、フラグと伏線は回収するとこまで考えて用意しているので。
しばらく、こんな感じです。少しシリアス気味になるけど、ごめんね! 次回はもっと重いかな!
まだ書き溜めはあるので、しばらくは定期更新が続きます。……早く、試合の続き書かなきゃ。
後、なのはの二次は見切り発車過ぎて、続きが書けてないのが現状です。筆が乗らないというのもある。ごめんね! プロットが雑すぎると、こういう時困るよね! 逆に、オリジナルで勝手に作ってるのは、プロットを頑張りすぎて書き出せてないという。もう、一年以上考えてるんだけどね!
と、ともかく、他はあれかもですが、天文部はもうちょっとだけ更新が続きます。夏休みの間に4章には入れないかもですが、3章は終わらせたいですね。でも、天体観測は多分書ききれないっす。