艦これの転生もの   作:you-new

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外伝~iiiii~

 

 

 

 私は人並みに艦これが好きだった。

 課金もせず、一日でちょこちょこプレイして少しづつ自分の好きな艦娘で艦隊を編成してプレイするライトユーザーだった。

 そんな私に転生神様が舞い降り、艦これ世界に転生することになった。

 

 最初私は断ろうと思った。

 しかし、強制的に転生されてしまった。

 転生し、自我が芽生え前世の人格が完全に戻った後、私は悩んだ。

 やさぐれ、盗んだバイクで走りだしたり、しかし真面目に勉強したり、一部の科学水準に驚いたり、食事のまずさに慣れていったりとなんだかんだで平和に過ごしていた。

 

 そして、艦娘召喚ができるようになった時、やっぱり転生してよかったと思った。

 胸をドキドキさせ召喚し現れたのは、

 

「一航戦加賀、よろしく」

 

「五航戦瑞鶴、よそしくね!」

 

「「………」」

 

「二人きりだけど頑張りましょう」

 

「たった二人だけど頑張るわ」

 

 艦娘中、一番仲が悪いだろう二人だった。

 

 

 

 

 

「一航戦、出撃します」

 

「五航戦、瑞鶴出撃よ!」

 

 一緒に出撃せずに交互出撃して。

 

「紫電改二…やりました」

 

「流星ができたわ!」

 

 開発も争うように行なって。

 

「ふう、七面鳥が紛れ込んでいるみたいね。焼いてしまおうかしら」

 

「はあ、いつの間にかボーキが減ったわね。幽霊でもいるのかしら」

 

 無視しながらも互いを貶しあい。

 

「野菜も取れたてはおいしいわね」

 

「提督さんも少しはやるじゃない」

 

 改善された食事のときだけは険悪じゃなくなる。

 

 こんな生活もう嫌だ。やっぱり転生するんじゃなかった…。

 そう思い始めていた時、新しく艦娘を召喚した。

 

「こんにちはー。軽巡洋艦、大井です。どうぞ、よろしくお願い致しますね」

 

 クレイジーサイコレズと言われていた大井さんだった。

 胃が悲鳴を上げた。

 死にたくなった。

 

 

 

 

 

「まったくこんなこともできないの…ほら朝食ができましたよ」

 

 普通に食事を作ってくれて。

 

「一航戦、出撃します」

 

「大井、出撃します」

 

「五航戦、瑞鶴出撃よ!」

 

「大井、出ます!」

 

 何度も出撃してくれて。

 

「よし、これからは重雷装巡洋艦大井よ。これで魚雷が増えるわ、ふふふ」

 

 改造後は一層頑張ってくれて。

 

「ほら、いつまでも寝てないでさっさと起きなさいな」

 

 ぐちぐち文句を言いながらも、なんだかんだでいろいろな作業を手伝ってくれる。

 大井さんって、北上様がいなければいい艦娘だなぁ…と気持ちが緩み、同時に胃の痛みがなくなり始めてきたころ、新しく艦娘を召喚した。

 

「千歳です。かつて日本で初めて作られた水上機母艦なのよ。よろしくね!」

 

 優しそう千歳さんだった。

 これで我が鎮守府も完全に平和になるな。

 そう、思ってました…。

 

 

 

 

 

「提督、味はどうですか?」

 

「…」

 

 食事を作ってくれて。

 

「水上機母艦千歳、出撃します!」

 

 何度も出撃してくれて。

 

「提督!ごめんなさい!お膝をお借りしてしまいました」

 

「…」

 

 適度に甘えてくれて。

 

「提督、毎晩の夜更かしは、あまり良くないです。今日は早くお休みになっては…」

 

「…」

 

 優しい。

 なんだろう、この安堵感は。

 ああ、千歳さんは癒しだ。

 そしてもう何も怖くないと思った。

 が、それはフラグだった。

 

 

 

 

 

 

「提督、今日の朝ごはんは私が作りました」

 

「…」

 

 大井さんも頑張ってくれて。

 

「重雷装艦「大井」、出撃します!」

 

「…」

 

 なんどもMVPを取るようになって。

 

「提督も気になります?そう、足にいっぱい付いたんですよ!…って、触りすぎなので提督に20発、撃っていいですか?……なんて冗談ですよぉ」

 

 スキンシップも取るようになって。

 

「…提督の面倒は私が見ますから、消えてくれませんか?」

 

「…提督は私が幸せにしますから、レズは消えて下さいね」

 

「は?ポッと出が何言っちゃってるんですかぁ?」

 

「大井さんには北上さんがお似合いですよ?」

 

「ふふふ、月夜ばかりだと思わないでくださいね」

 

「あら、間違って艦載機がぶつかるかもしれませんね」

 

 なんで、こんなことになってしまったんだろう…。

 

 

 

 

 

 

「提督、はい、あーん」

 

「提督、こっちのほうがおいしいですよ」

 

 二人に迫られて幸せだ…。

 幸せなんだ。

 幸せの…はず……。

 

「ぺっ」

 

「ちっ」

 

 ああ、胃が気持ち良くなって来たぁ…。

 ふふふ、ははは。

 

「もう提督ったらぁ褒めすぎですよぉ」

 

「…」(殺そう)

 

 MVPを取った大井さんを褒めたら、

 

「入渠も提督と一緒だったら楽しいのに…ちっ」

 

「千歳にお礼なんて……全部、水上機隊のおかげですから。ふふふ」

 

 なぜか大井さんが被弾することが多くなった。

 

「提督…なんとかしてください」

 

「提督さん…どうしよう?」

 

 あまりの雰囲気にあの二人でさえ、仲が悪くなくなった。

 

 このことをスレで相談したところ、二人とも襲ってしまえと言われた。

 なので、襲うことにした。

 もう、どうにでもなーれと思っていたからだ。

 

「て、提督?」

 

「何を?」

 

「二人とも…黙って私の言うことを聞きなさい」

 

 その日、私は悟りを開いた。

 神は存在したのだ。

 

 

 

 

 

「ふう、大井さんのご飯おいしかったので今日は大井さんが秘書艦ですね」

 

「やった」

 

「…」

 

「千歳さんも明日は頑張ってください」

 

「はいっ」

 

「…」

 

 互いにうまく競わせ。

 

「今日のMVPは千歳さん?でも大井さんが的になってくれて敵の注意をひきつけたからだということを忘れないでください」

 

「ええ、わかってますよ」

 

「提督、私は大丈夫ですよぉ…でも、今日は一緒に寝てほしいかな」

 

 うまく仲裁し。

 

「なんとか納まりましたね」

 

「うまくやったじゃない」

 

 加賀と瑞鶴も喧嘩することはなくなった。

 そして新しく艦娘を召喚することにした。

 

「大和型戦艦二番艦、武蔵。参る!」

 

 新しく召喚したのは、カリスマにあふれた屈指の戦艦武蔵だった。

 

 

 

 

 

 

「ほら二人とも、そんなことをしていると私が秘書艦になるぞ。戦闘に集中しろよ」

 

「…わかりました」

 

「…了解です」

 

 

「ふっ、今日のMVPは私だな。提督、酒でもおごってもらおうか」

 

「ふう」(あの主砲反則じゃない重巡があの距離から一撃でしかもかすっただけなのに轟沈って)

 

「はあ」(武蔵さん相手じゃ絶対に勝てないよ…どうしよう?)

 

 

「くくく、ほら提督も飲め、みんな呑み食いしてくれ、提督と私のおごりだ」

 

「では、ご相伴に預かります」

 

「いただきます」

 

 加賀と瑞鶴ですら完全に手玉に取っている。

 武蔵さん…いやこれからは武蔵様と呼ぼう。

 これで、鎮守府も平和になる。

 武蔵様と戦力もできたことだし、これからは攻略に本腰を入れよう。

 

 あ、神にお礼を言っておかないと…今日はスレを覗くか。

 こうして、私は平和を手に入れた。

 




先ほど、やっと10個目出てきた。
面倒だったけどこれで平常運行に戻れる。

そして何とか更新しました。
字数があれですけど、更新することを第一ということで。
完全にダイジェスト形式になってる・・・。

次は火曜日に更新します…たぶん。

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