主人公 神崎瑠璃
先生 大川勇気
スッポン
高校生活なんて私なんかには、ただの勉強する時間になるんだろうな
なんて思っていた。入学式のあの日までは……
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私が入学するのは、名門校でもなく特別悪いわけでもなく普通なところだ。
私は入学式も終わり、科学準備室にむかっている。
というのは、担任の先生から、あなたと話がしたい人がいるみたいだからと言われたからだ。
今日は早く帰ってボーッとしたかったと思いながら、今、迷子になっている。
なんせ、今日初めて校舎を歩きまわるのだ。早くしないとと思うが、さっきから、同じ場所をグルグルしている気がする。
場所を聞いておけば良かったと後悔する。昔から方向音痴なのだ。
泣きそうになりながらも、足を進め、やっとついた。
はぁ…とため息をつき、ドアをノックする。
コンコン
「………」
中からの返事はない。鍵があいていたら入ろうと思い、ドアノブを回す。
「…開いてる」
こんなに不用心なのかと思い、中に入る。
「失礼します…」
中は思ったより暗かった。電気をつけ辺りを見回す。
「誰もいないじゃん」
愚痴をこぼしながら、置いてあった椅子に座る。
もう一度改めて、ゆっくり見回してみると一つの水槽が目に入った。
「何が入ってんだろ?」
椅子から立ち上がり水槽に近づく。目の前まで来て、目を凝らしてみる。
すると、亀…いやスッポンが私の目の前まで出てきた。
ご飯が欲しいのか片手をヒラヒラと振って、可愛らしいしぐさをしている。
何かあげられるものがあるかと、周りにある物を見てみる。
「あっ、これかな?」
水槽の隣に亀のご飯と書かれたビンが置いてあった。
「亀ので良いのかな…」
まぁ、いいかとビンのフタを開け、ひとつまみ水槽に入れてやる。
スッポンは嬉しそうにご飯を頬張っている。何とも微笑ましい姿だ。
食べ終わり、また私の方を向き片手をヒラヒラとさせている。
私は、またひとつまみ取り水槽に入れてやる。
スッポンは満足したようで、ご機嫌な顔でプカプカ浮いている。
こんなに小さくて可愛いスッポンがいるものかと思いながら、スッポンと見つめあっていた。そのとき、
「可愛いか?そいつ」
と、声をかけられた。
どうやら、スッポンに夢中になっていたみたいだ。いつの間にか人が入ってきていたらしい。
私は慌てて声のした方を向く。
男の人だ。茶髪で、若そうな感じ。白衣を着ているから多分、科学の先生だろう。
「あっ、えっと、すみません。勝手にご飯あげてしまって…可愛くて…。その、スッポンって飼えるんですね!普通に!」
「えっ…そいつ、スッポンなの?亀だと思ってた…。」
「あ、私も、本で見たことあるだけなんですけど、似てるなと思って。」
「へぇ〜、確かに見えないでもないな。笑」
「すごく、可愛いですよね〜。私、亀とか大好きで、
あ、動物全般好きなんですけど、亀は特に!ゆっくりな動きがたまらないんです!わかりますか?…あっすいません…」
「いや、笑 というか、お前、何でこんなとこにいるんだ?
何か用だったか?」
「あ、あの担任の先生に私と話したい人がいると聞いて、此処で待っててと言われて」
「あ!お前がかぁ!えっと、確か…神崎瑠美だったよな。」
「あ、えっと、神崎瑠璃です。」
「あぇ?あ、すまんすまん笑
それでな、神崎!お前に頼みがあってな!」
「あ、はい」
「これから、3年間!お前は、ここに、登校してほしい!授業もここで受けてほしいんだ。」
「えっ、どうしてですか?」
「話せば長くなるんだ。まあ!とりあえず、明日詳しく話そうと思う!とりあえずは、ここに来てくれ。じゃあ!また、明日〜」
「えっ、ちょっ、待って…」
先生は私の話も聞かず、科学準備室から手を振って出ていってしまった。
「どうすれば、良いんだろう…」
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これが、先生と私の出会いで
私の恋の始まりでもあった。
読んで下さり、ありがとうございました!
何話まで続くのか分かりませんが、みなさんに楽しんでいただけたら、幸いです。
これから、よろしくお願いします。