コゴール砂漠でマンタのような魔物に襲われて、暑さで気を失った龍姫達とユーリ達は気が付いたら、どこかの村の宿のベットの上だった。
「気が付いたんですね、どうやらマスター達はクロームさんに助けられたようです、真龍婭さん達も無事です、それと、あの魔物はエアルの塊のようでしたから、多分以前戦った犯罪神とマジェコンヌ四天王のように、同じ力をぶつけても意味がなく、マスター達は魔力を使っているからでは?」
「そうだったの、後でお礼言わないと、ありがとう、イルミナル、さてと、外に出てみるか」
龍姫は外に出ようとしたら、隣のベットでユーリが目が覚めたらしく、
「此処どこだ?」
「ボクもわからないよ」
龍姫に話しかけてきたのだが、龍姫は今いる場所がわからなかったのだった。
仕方なく龍姫とユーリは一緒に建物の外に出てみると、どうやら宿屋であることがわかったのだった。
外に出たら、ほかのメンバーも集合したので、レイヴンが此処がエステルが持っていた小箱の届け先のヨームゲンと言う村だと判明したのだった。
ユーリ達は幽霊船で見つけた日記の人物の所へ向かったので、龍姫達も一緒に向かったのだった。
その人物を見つけたので、ユーリ達は幽霊船で見た日記の内容を事細かに説明したら、涙を流しながら、奥の家にいる賢人様に小箱に入っていたクリスタルを渡して欲しいと言われたので、龍姫達とユーリ達はその賢人様の家に入って行った。
そこにケーブ・モック大森林で出会ったデュークがいたのだった。
「アンタ、賢人気取るのは勝手だけど、この魔核から、結界を作るとか言ったそうじゃない、どう言うつもりよ」
「それはわたしではない、彼の者は既に死んだ、そして此処は悠久が約束された地、これも必要ない‼」
デュークは小箱に入っていたクリスタルをあの剣で粒子化させて、それがレイヴンがドンから探せと言われていた、聖核だったのであった。
仕方なく龍姫達とユーリ達は自由行動を取ることにしたので、龍姫達は広場のパラソルの側のベンチで涼んでいたら、ユーリが呼びに来てくれたので、皆と一緒に子供たちの両親をマンタイクまで護衛をして戻るのであった。
マンタイク戻ってきた龍姫達とユーリ達はあのマジェコンヌ四天王の手下だったリンダのような風貌の騎士、キュモールがまたコゴール砂漠に送り込もうとしていたので、エステルが止めに行こうとしたのをリタが止めて、ジュディスはユーリと捕まった際にスパナを拾っていたらしく、それを手先が器用なカロルに渡して、馬車の車輪を細工したのだった。
もちろん馬車の車輪が外れてしまったので、走行不能になったのでキュモールが大人達を解放したのだった。
ユーリ達は子供たちの両親を送って行ったので、龍姫達は先に宿に行き、部屋を取って、あの戦闘服に着替えて休んでいたら、戻ってきたので、一泊することにしたのだった。
数時間後、外が騒がしかったので、龍姫達は外に出てみると、フレン隊の騎士達がキュモール隊の騎士達を捕まえて、街がお祭り騒ぎになっていたのだった。
レイヴンと一緒に真龍婭が踊り疲れて、宿で爆睡していたのは言うまでもなかった。
「ユーリ?」
「ちょっとフレンに挨拶、行ってくる」
立ち上がったユーリはフレンに挨拶に行ってくると言って宿屋を出て行ったのを見たエステルは気づかれないように後を着けて行ったので、龍姫も単独で、皆に悟られないように、エステルの後を追ったのである。
もちろん、ユーリの相棒のラピードも後を着けて行った。
どうやらユーリとフレンが湖のほとりで言い争っていた現場に遭遇したので、龍姫はエステルとラピードからも見えない位置の路地で、光を出さないで猫耳女神化をして話を盗み聞きすることにしたのだが、
「法はいつも権力の味方じゃねぇか‼」
「だからといって、個人の感覚で善悪を決め、人が人を裁いていいはずがない‼法が間違っているなら、まず法を正すことが大切だ‼そのために僕は今も騎士団にいるんだぞ‼」
「あいつらが死んで、救われた奴がいるのも事実だ‼おまえは助かった命に、法を正すから、今は我慢して死ねって言うのか‼」
「そうは言わない‼」
「いるんだよ、世の中には死ぬまで人を傷つける悪党が、弱い連中は一方的に虐げられるだけだ‼」
なんとユーリは殺人に手を汚していたのだった。
まだ二人の会話は進んで、
「それでもユーリのやり方は間違っている、そうやって、君の価値観だけで、悪人全てを裁くつもりか、それはもう罪人の行いだ‼」
「わかってるさ、わかった上で、選んだ、人殺しは罪だ‼」
「わかっていながら君は手を汚す道を選ぶのか」
そして龍姫達、次元探偵が選択を迫られた際に言うあの、
「選ぶんじゃねぇ‼もう選んだんだよ‼」
ユーリはフレンに言い放ったのだった。
「騎士として、君の罪を見過ごすことは出来ない」
そう言って、フレンは柄に手を掛けたのだったが、部下のソディアがやって来て、その隙にユーリは移動した。
「ユーリ、君のことは誰よりも僕が知っている、敢て罪びとの道を歩むと言うのなら」
「あ、ダメ、ラピード‼」
話が終わったのを見越してラピードが物陰から出って行ったので、エステルが声を出してしまった。
龍姫もそのまま光を出さないで、人間状態に戻って路地から出て、ユーリとエステルの元へ向かったのだった。
「全部聞いてたのか」
「ごめんなさい」
「ごめん」
「オレのこと怖いか」
ユーリは「嫌ならフレンと一緒に帰れ」と言ったのだが、エステルは帰らないと言い、そのまま龍姫は二人の話を聞くことにした。
「いつかおまえらに刃を向けるかもしれないぜ」
「ユーリは意味もなくそんなことする人じゃない、もしユーリがわたしに」
「ボクに刃を向けるなら、きっと」
龍姫&エステル「ボク(わたし)が悪いんだから(です)」
「ったく、エステルは兎も角、龍姫達もほっとけない病末期発症者かよ」
「ユーリに言われたくないよ」
龍姫とエステルはユーリと握手して、宿屋に戻ったのだった。