明星と龍の女神   作:天龍神

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弐拾七

バクティオン神殿の最深部でレイヴンこと帝国騎士団隊長首席、シュヴァーン・オルトレインと龍姫達とユーリ達の戦いの火蓋が切って落とされたのである。

 

「レイヴン‼どうして‼わたしに色々教えてくれたなのに‼」

 

「残念だったな、ここに、その本人はいない、その二刀は鈍か‼」

 

「おっさんだからって手加減出来ねぇぜ‼」

 

「全力で手合せできて光栄だな‼」

 

「目を覚ましてください‼ レイヴンさん‼」

 

「俺はいつだって正気だ‼」

 

「隊長、あなたと戦う日が来るなんて‼」

 

真龍婭が女神化した並に変貌したレイヴンことシュヴァーン・オルトレイン相手に龍姫達とユーリ達は己の視覚を疑いながら、戦うしかなかったのだった。

 

「この命を燃やし、敵を討つ‼ ブラストハート‼」

 

「うわっぁあぁ‼」

 

龍姫達とユーリ達はシュヴァーン・オルトレインの秘奥義を受けてしまったのである。

 

「大丈夫?」

 

「小太刀が折れた以外は、大丈夫だよ、仕方ない、一刀流はちょっと自信ないけどね」

 

「龍音、無理すんな」

 

なんとか龍姫達とユーリ達は大丈夫だったが、龍音の小太刀が折れてしまったのだった。

 

やはり騎士団隊長首席だけあって、剣でも強かったと思った龍姫達だった。

 

そしてユーリとシュヴァーン・オルトレインが激しい剣戟を繰り広げていたら、シュヴァーンが一瞬、手を止めて、ユーリが左胸を斬りつけたら、そこに現れたのは、

 

「ぐぅ‼」

 

「なっ‼」

 

「これは‼」

 

「ふ・・・今の一撃でもまだ死なないとは・・・因果な体だ・・・」

 

「な、なによ、これ魔導器・・・胸に埋め込んであるの!?」

 

「ねぷ~‼」

 

「・・・自前のは十年前になくした」

 

「つまり、人工心臓‼」

 

なんと胸に魔導器が埋め込まれていたのだった。

 

どうやら、十年前の人魔戦争で死んだのをアレクセイが、魔導器を埋め込んで生き返らせて、そのあとは盲目的にアレクセイに従ったと言うのだった。

 

そして、龍姫達とユーリ達はアレクセイの企みで入り口を瓦礫で塞がれてしまって、閉じ込められたのである。

 

アレクセイは宙の戒典を始末するために龍姫達とユーリ達を生き埋めにするつもりだったのだ。

 

「一人で勝手に終わった気になってんじゃねぇ‼オレたちとの旅が全部芝居だったとしてもだ、ドンが死んだときの怒り、あれも演技だってのか?最後までケツ持つのがギルド流・・・ドンの意志じゃねぇのか‼最後までしゃんと生きやがれ‼」

 

「そうですよ、レイヴンさん‼今でも間に合います‼」

 

「・・・ホント、容赦ねぇあんちゃんだねぇ」

 

ユーリと龍姫に檄を飛ばされたレイヴンはいつもの弓で瓦礫を破壊してくれたので、龍姫達とユーリ達は急いで入り口に走ったのだが、天井の岩盤がカロルの頭上に落ちてきたのである。

 

「レイヴン‼」

 

「ちょっと生命力が落ちてるアンタが今魔導器でそんな事したら‼」

 

「長くは保たない・・・早く脱出しろ・・・」

 

「おっさん‼」

 

「シュヴァーン隊長‼」

 

「レイヴン‼」

 

「アレクセイは帝都に向かった。そこで計画を最終段階に進めるつもりだ、後はおまえたち次第だ」

 

「レイヴン‼」

 

「行くぞ、カロル」

 

「でも」

 

「行くだ‼」

 

なんとレイヴンが魔導器を使って受け止めて、龍姫達とユーリ達にアレクセイが帝都に向かったと言う情報を教えてくれたのだった。

 

龍姫達とユーリ達は振り返らないで、神殿の外まで走って脱出したのだった。

 

ちょうどそこにルブラン達がやって来て、龍姫達とユーリ達はアレクセイの所為で死に掛けた事を伝えて、そしてシュヴァーンが助けてくれたことを伝えて、龍姫達とユーリ達はバウルが引くフィンエルティア号に乗り込んでヘラクレスに向かったのだった。

 

 


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