インフィニット・ストラトス~デスサマー~   作:プレーン

23 / 28
皆さまこんばんは、プレーンです。
先日友人と動画を撮り、ようつべにアップしました。初実況だったのでめちゃめちゃ緊張しました(>_<)
声はひどいですが、まあ面白かったので良かったです。恐らくプレーンで検索しても出てこないかもしれません。
宣伝終わり
それでは、本編へどうぞ<(_ _)>


22話

#22

 

「ここまで、ですわね」

 

ミサイルは全弾命中、行動不能とまではいかなくとも瀕死状態までにはなったかしら。

 

「やはり、わたくしには勝てませんでしたね。己の弱さと愚かさを実感されたかと思いますわ」

 

眼前にもうもうと漂う煙からは何の返事も無かった。

 

「男の底なんてその程度、女には適わない、女よりも劣っている、その弱さが罪ですわ」

 

わたくしには、勝ったという気持ちしかなかった。

 

「ならば、その罪は貴様の罪だオルコット」

 

 

煙の中に立つ影を見るまでは

 

 

 

「なぜ……立って……!」

 

煙の中からでも、オルコットの驚愕に満ちた顔が見てとれた。

 

「どうやら、間に合ったようだ」

 

 

『黒翼大魔』第一次移行完了 全システム オールグリーン コアシンクロ 94%

 

 

ふと、自分のISに目をやると、装甲がボロボロと剥がれ落ちていた。形状変化というやつだ。

 

「あれは……第一次移行!?」

 

オルコットが目を見開く。

 

「あなた、まさか……今まで初期設定の機体で戦っていたというの!?」

 

煙が晴れる頃には、装甲は全て変化していた。

 

最初の筋肉のようなゴツゴツした鎧は外れ、全体的にシャープなものになっている。

背中からは黒い翼が一対、禍々しく生えていた。

顔を覆っていた仮面は割れ、頭に悪魔の頭蓋の片割れのようなものがある。

白地の鎧に黒のラインが刻まれ、『黒翼大魔』は再度誕生した。

 

 

 

(そんな……)

 

わたくしはただただ、驚くしかなかった。

 

(わたくしは今までずっと、初期設定の機体に苦戦していたというの……?)

 

プライドをずたずたにされ、情けないという感情よりも先に怒りが湧き上がった。

 

(わたくしはエリート、誰よりも強い。あいつらさえ踏み台にしたというのに、まだ強くなれないの!?)

 

許せない……ッ!

 

 

 

 

瞬間、オルコットが凄まじい勢いで飛びかかってきた。

 

「なんで……なんであなたは、そんなに強いの!」

 

一心不乱に、ライフルで殴り続ける。

 

「わたくしは、努力した!ボロボロになっても、血反吐を吐いても!ただひたすらに、強さだけを求めた!」

 

俺はその攻撃をかわさず、受け続けた。

 

「なのに、どうして!何もしていないあなたが!そんな簡単にわたくしをーーー」

 

「喧しいぞ、オルコット」

 

俺は、オルコットの頬を殴りつけた。

 

「……ッ」

 

「何を言い出すかと思えば、ただのくだらん話か」

 

オルコットのISのブースターを切り離し、地面へと叩きつける。

 

「かは……っ」

 

叩きつけられたブルー・ティアーズのシールドエネルギーはほぼ0に近かった。絶対防御が発動したのだろう。

俺はオルコットの側へ降り立った。

 

「よく聞け、オルコット」

 

こちらを睨むオルコット。

 

「強さとは、力だけでは図れない」

 

途端に、唖然とした表情になった。俺は続けた。

 

「強さを図るには、貴様の言う力もあるだろう。暴力で全てを従えさせる。しかし、その暴力を貴様の仲間は強さだと思うか?そうは思わないはずだ。他人を傷つけ、自らも傷つく悲しいものだと思うだろう。

今の貴様がまさにその状態だ。代表候補生という肩書きで他人を押さえつけ、支配する。だが、その支配された他人はどんどん自分から離れ、自分はそんなはずじゃなかったと思い悩み、自らの本音を心の奥底へと封じていく、負の連鎖になる。

 

オルコット、貴様の弱さは心の弱さ、誰かを傷つけねば自分を保てない貴様自身の問題だ。だから、今ここで自分を解放しろ。貴様の首を締め続けた手を離す時だ」

 

 

 

 

 

 

「わた……くしは……

 

ただ、護りたかった。オルコット家の誇りを、母と父の名を……」

 

オルコットは話し始めた。

 

……オルコット家はイギリスでも名門の貴族、その当主でもある両親を、わたくしはとても誇りに思っていました。ですが、ISが登場してからわたくしの家庭は崩壊を始めました。わたくしにISの適性があると知った他の貴族から、「お前の娘を我が家に嫁がせろ」といっせいに押し寄せたのです。それが朝から晩まで続き、挙げ句の果てにわたくしの母まで要求する者も現れました。父と母は気にする素振りは見せませんでしたが、今思えばそれは演技だったのでしょう、わたくしに心配をかけないようにと。

そして、父と母は何者かによって、命を奪われました。皮肉にも、犯人はオルコット家に長く仕えていた執事でした。

わたくしは、オルコット家の誇りを踏みにじられたことよりも、己の力の無さを呪った。わたくしに力があれば、父と母は死ぬことは無かったのではと。

誇りを侮辱されることは無かったのではと。

 

だからわたくしはオルコット家を護るためにISに乗りました。その力を証明するためにここへ来て……あなたに負けた。わたくしは……

 

 

「上出来だ、オルコット」

 

言い終えたオルコットは、涙を流していた。

 

「貴様の気持ちが本物ならば、その目的を成し遂げろ。強さの定義も今の貴様なら分かるはずだ」

 

そのまま、オルコットは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

オルコットが運ばれた後、俺は奴が待機しているであろうピットを見つめていた。

 

「次は貴様だ、織斑春十」

 

貴様には地獄を見せてやる。




どうでしたか?
恐らく今まで書いた中で一番長いのではと思います。
セシリアへのお説教シーンは大変でした……。読みづらかったらごめんなさい<(_ _)>
春十戦は次回へ持ち越しです。セシリアのエピソードのすぐ後に春十のフルボッコなんて載せられませんからね。
ではでは、次回第二十三話で会いましょう!
さらば!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。