今時ポケモン世界に転生だなんて...... そんな馬鹿な。え?本当?! 作:日光岩
ちゃんとした一話目は転生から始まるのでしばらくした未来の話として楽しんでもらえたらと思います。
『怪しい奴め!!お前、何者だ!!』
冷凍コンテナの奥で押しくらまんじゅうをしていた変な服装の奴等には絶対に言われたくない言葉だった。
今、俺はイッシュ地方のホドモエシティ、その南西にある冷凍コンテナに来ていた。
(...... 溶けない氷が欲しかっただけなんだけどなぁ)
そう、俺は唯々溶けない氷を求めて氷の張った冷凍コンテナの奥深くに氷上を滑り、時に跳び、はたまたイナバウアーをしつつ愉快に向かっていたのだが目的の場所には変な格好をした男達が身を寄せあい、一人が目を回したフタチマルを胸に抱え、蹲り泣いている少女に手を伸ばしているという、寒い筈なのに暑苦しく気持ち悪い上に控えめに言って少々怒りを覚えてしまいそうな現場に出くわしたのである。
とりあえず変態共(少女を泣かす奴等なんぞこれで十分)を無視して少女に着ていたコートを頭から被せてやる。
コートの中から『わぷっ?!』と妙な声が聞こえたがこれもスルー。
冷凍コンテナの中をノースリーブにホットパンツはお兄さん寒いと思います。変態共も暖をとりあってる位だし。
未だにぎゃぁぎゃぁ喚いている変態共を無視してさて、どうするかと考えているとコートを脱いだ為に寒くなったのでは?と心配したのかボールから出していたパートナーが身体に白い腕を回して包容してくるのをやんわりと断りつつ、取り出した元気の塊を少女に渡すように言い手渡す。相棒がコートから頭を出した少女にトコトコ近づいて行くのを横目にみつつ『さて...... 』と変態共に振り向く。
『ええぃ!ようやく反応したな!!何度も言うが何者だ!!怪しい奴め!!』
『怪しいとかお前達には言われたくないなぁ』
『何だと?!俺達のどこが怪しいんだ!!』
『コンテナの中で女の子泣かせてる時点で相当の変質者だと思うんだけどなぁ...... 』
『我々の偉大なる目的の為だそんな事些細なものだ!!』
『否定しないんじゃねーか』
反省の色は全く無し。釈明の余地もなくジュンサーさんのご厄介確定である。
そう、深い大変深いため息を吐いていると後ろから『あのぅ』と控えめな声がかかる。
振り返ると目を覚ましたフタチマルと一緒にコートから頭だけ出した少女がすぐ後ろに居た。
ふむ、俺の背後をとるとは中々将来有望な少女である。
少女後ろを控えめについてきている相棒にお礼を言いつつ少女にも声をかける。
『それで、何かな?』
『ええと...... 助けてくれてありがとうございます。それで、貴方は?』
『ああ、大丈夫。彼奴等みたいな怪しい者じゃないから』
しっかり変態共を指差して言ってやる。文句を言う変態共を無視して苦笑いしてる少女を見る。泣いていたからか目が赤くなっているので、かぶっていた少女の帽子より一回り大きい自分の帽子を重ねてかぶせ頭を撫でてやる。
うむ、あわあわと慌てている様が可愛らしい。
『変態共も聞いてきてたし答えてやるとすると...... 』
少女に笑いかけた後に背中に庇うように前にでる。
『俺は...... 』
少女を安心させる為にも、挑発の意味も込めてあくまでふてぶてしく。
『通りすがりのポケモントレーナーだ』
最高の笑顔で言ってやると
最高の呆れた顔をされた
...... 解せぬ