カンピオーネ! 縁結びの魔王   作:黑米田んぼ

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11話

「ッァァァァァアアアア!!」

掛け声合わせて一線神剣をカルナに振り下ろす。

 

「甘い!」

しかし、相手は歴戦の戦士すぐさま腕で受け流す。

「っちぃっ!」

 

そして直ぐに矢を放とうとする。

 

「うお!」

 

すぐさまマトリックスの様に避ける。

 

「・・・流石にこの距離では当るか」

頬には一筋の血。掠ったのだ。

 

「謙虚になる必要は無いぞ神殺し」

そう言い腕を見せる。僅かながら血が出ている。

 

「これで条件は真に互角となったって訳か」

 

「然り、これで我らの戦いは始まった訳だ」

 

「はは、そうかい。なら、しっかり貰うぜその命と権能」

剣を構え走り出す。

 

「そうだな、その命を我が糧とさせて貰うぞ神殺し」

矢を番え矢を俺に向けてくる。

 

シュン

 

矢が俺に向かって飛んでくる。

 

カン

 

それを剣で弾く。

 

撃つ弾く撃つ弾く撃つ弾く。先の戦いでも繰り返して行う。

 

「ウオオオオァァァァ!!」

「シャァァァァァァァ!!」

 

これぞ正に神話の具現。カルナが撃つ矢は日輪の加護を持ち光輝く矢となり襲う。

対する司郎もまた布都御霊の呪力を上げ電撃を纏わせそれを弾く。

 

(さて、どう攻略するか。風は呼べないオオクニヌシの権能は今嵐となっているからこれ以上操作する事が出来ない。俺ですら走るのがキツイ)

(奴はこの嵐の中で正確に俺へと矢を飛ばしている。さすがはカルナと言った所か)

(正直、布都御霊を召喚して持っているだけでキツイ。他のを使う事は出来ない)

(・・・はは、そうだなそんな事は別にどうでも良いか)

「このまま押し切る!!」

 

「ッ!」

 

防御を削って距離を取る。足に軽く刺さる?脇に刺さる?危ない所だけ避ければ良い!

 

「弾く数を減らして攻撃に転じるだと。やはり貴様ら神殺しは狂っているぞ!!」

 

「はっ、それが基本の勇者(馬鹿)の集まりだろ?それぐらい俺が良く分かっているわ!」

 

これがどんなに愚かな事かは俺自身が分かっているんだよ。俺の手足に矢が何本も刺さる熱く突き刺さり痛い。正直逃げ出したい。でもな。

 

ブスリ、布都御霊がカルナの胸に突き刺さる。オオクニヌシの権能で鎧の本質を削りようやく突き刺さった。

 

「グッガァァァァアアア」

絶叫、しかしそのままカルナは蹴りを入れてくる。

 

「グフ」

 

「はぁはぁ」

「おのれ、神殺しぃ!!」

空中から常人じゃない呪力を秘めた黄金の矢が召喚される。

 

「させるか馬鹿!」

前とは違い今回は冷静に行動出来る。即座に布都御霊を投擲し矢を弾く。

 

「なっ!」

 

「オマケだ!」

 

召喚した生太刀で鎧を突き刺す。

 

「ふん!この位で「倍プッシュだ!!」」

軽く刺さるが即座に飛び蹴りを生太刀に打ち込む。

 

「ガハッ!」

 

「ははは、これでタフ差はほぼ修正されたって事だ」

 

生太刀は体に軽く傷を付けるだけだが布都御霊なら話は別だ。

 

 

 

「なるほど、確かにこれでは互角か」

そう言うと着ている鎧が変化している。

 

「っ!」

即座に理解した。鎧が解けているのだ。呪力となり形を形成しているのだ。

 

(・・・まさか)

 

「くくく、そう言えばまだ名を聞いていなかったなこれを出す以上是非とも聞きたいのだ」

 

「・・・高橋司郎だ」

 

「・・・そうかそうか覚えておこう」

 

鎧が消え生身の体が露になる。そして、一本の槍。

 

それを俺は知っている。

 

「そうか、鎧と槍の伝承を利用したのか」

原作でも他の神々からの物を利用していた奴がいた。

 

必殺の槍。ヒンドゥー教の雷神インドラが戦争で息子を勝たすために策略によってカルナから鎧を貰い受けたがその高潔さにインドラは兜を脱ぎ一発限りの槍を与えた。これは文字道理一発限りの一撃必殺の槍なのだ。

 

「然り、これを出させる事はお前を認めた証拠でもある。だからこそこれで最後にしよう」

槍を構える。それだけで恐ろしいほどの呪力が感じられる。喰らえば間違いなくジ・エンド。次が無い。

 

奴は完全に認めたのだ。高橋司郎と言う神殺しを打倒するために自らの恥辱である槍を使用しようとしているのだ。

 

「そうだな、これでお仕舞いにしたいな」

俺もまた「速やかに閉じろ」と念じ嵐の権能を放棄する。そのまま布都御霊に呪力を込める。・・・正直そろそろ限界だ。

 

『神々の王の慈悲を知れ、この槍は全てを灰燼にする神罰と知れ』

『我は雷撃を表す剣如何なる物も我に切り裂ける物無し!』

 

・・・時間が止まったような気分だった。

 

俺達は互いに相手の出方を伺っていた何時どのように攻めるか。これはそういったものだ。

 

気分は西部劇のガンマン。・・・たまらない。

 

聖句は唱えた後は。

 

((この男倒す))

ただ、それだけだった。

 

 

 

「「・・・はぁっ!!」」

瞬間、二人は獲物を構え突撃した。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

片方は居合いの形からの一線。

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

もう片方は突撃の姿勢から一撃。

 

 

 

「「っ!」」

 

交差する二人テレビでは良くある事だ。

 

そして。

 

 

 

「がはっ」

膝を着く俺、そして。

 

「・・・見事だ」

ゆっくり、頭と胴体が分離してゆくカルナ。

「俺の力を手にし、さらなぬ高みに目指せ。期待しよう神殺し」

 

―――良い死合だった。

そう言い、まつろわぬカルナはこの世から姿を消した。

 

「・・・ああ、俺もだ憧れていた大英雄に会えて戦えたのが」

 

そう言い俺も意識を失った。

 

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