13話
遥か時代―――
カンピオーネ、神殺しと呼ばれる存在はその名のとうりジョブチェンジになる条件は極めてシビアだ。
一人も生まれる事が無かった時期もあり。また5、7人一気に生まれる時期もあった。
そんな大昔にして逝かれた時代。まだ白き人々がこの大陸に訪れる昔のほんの小さなお話。
一人の男が居た。
男はとある部族の族長であった。
男はとある戦の最中、光臨した神を倒した。
男はその力に酔い。殺戮を繰り返した。
男は殺した。沢山、沢山、沢山。多くの人と神を殺した。
そして男はその多くの人を自らの力のために生贄とした。
特に子供を生贄とした。戦い奪い取った子。10歳前半の子。5歳ぐらいの子。生まれたばかりの赤子。
そして自らの子ですら生贄とした。
多くの者は絶望した。彼らは自らの神の為に生贄を与える事は承知の上であったが自分達がそれの生贄になる事は御免だった。
多くの者が悲しんだ。自分の親。大切な人。仲の良い友人。自分の子。多くの者が悲しみと絶望そして憎悪に包まれた。
しかし、男は強かった。当たり前だ。男は神を倒した魔王なのだ。
男は自らの天下が永遠に続くと思っていた。
しかし、男の天下がそう長く続くはずが無かった。
魔王が存在する限りそれを打倒する勇者もまた居た。
勇者は異国の男だった。
勇者は一本の剣を持ち。放浪の旅をしていた。
勇者は魔王の話を聞き魔王を打倒しよう決意した。
魔王は激怒した。
魔王は少し前『蛇』の神と戦い。その力を手にする事は出来なかったが変わりに神の血族。従属神である女神を手にいれていた。
勇者の弟が魔王の戦利品を殺したのだ。
魔王は女神を嬲り陵辱し、自身と女神の子供を生贄とし自分の力を更なる上へとしようと企んでいたために勇者達を皆殺しにしようとした。
しかし、勇者は恐ろしく強く魔王は手も足も出せなかった。
そして、勇者の放った一撃は魔王の体を破壊した。
そして、勇者は自身が連れていた者達を引きつれ新たな旅に出かけた。
現代―――
彼女、東屋早苗は悩んでいた。
(はぁ、どうしたら良いんでしょうか?)
理由は彼女の現在の仕事相手にあった。
高橋司郎。この日本でおそらく初めての神殺し。彼女の仕事は彼をこの国に補佐し、留めるのだ。
少し前のまつろわぬカルナとの戦いで彼がまさに魔王なのだと日本中の呪術師達はその現実を突きつけられた。
その為何としても高橋司郎を手篭めにしろと自身の上司から命令された。
・・・しかし。
(補佐の相手は亜衣さんで良い気がしている。彼自身元は三流術師だから一応呪術師や媛巫女でどうにか役に立っているのが背一杯)
(タケミカヅチの時に霊視が来たけど余り役に立てなかった。注意したから避けられたのかもしれないでもそれでは殆ど役に立っていない。意識されていないと思う)
・・・もし、高橋司郎がこの事を聞けばこう言うだろう。
「媛巫女の存在は俺にとっても有難い。何せ霊視で神の情報を調べて相手の詳しい情報が手に入るのは少し有難い。もっともウルスラグナの『戦士』を持っていないからどちらかと言うと未来予知の方が有難いんだよなぁ」
(私に取って本格的に異性として接する人だからやっぱり。あの人は私にとってどんな風に思っているんでしょう?)
もっともその事を知らない彼女にとってその気持ちを知るかどうかはまた別の話である。
「私って役に立っているの?」
彼女はこのまま朝まで考え続けるハメになった。