カンピオーネ! 縁結びの魔王   作:黑米田んぼ

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やっぱり、無茶ぶりのせいかあまり進めない。


17話

「ッチ!してやられた」

流石にすぐさま来るとは思って居なかった。

そもそも、ここを襲う何て分からないんだからまったく。

「ついてないな、まったく」

どこぞの幻想殺しじゃあるまいし。

俺を吹き飛ばしたのは大きな蛇だ。

「神獣か、てことはあれが呼んだってことか」

なんだ?あの女、神獣を呼び出す何て普通じゃないぞ。

「神祖か落ちぶれた神格か、どちらにしろ危険極まりないな」

この国には魔王殺しの『最後の王』に竜蛇殺しの『猿』がいる。どちらも《鋼》の神格だ。

前者はそう簡単に出てこないからともかく、後者は不味い。二次三次の大惨事を引き起こす可能性が高い。あの『猿』は出てきたらこんどは中国の魔王がやってくる。

 

「じゃあ、さっさと終わらせないといけんよなぁ」

生太刀を呼び出し構える。

「急いんでるんだ。どかないと切り殺すぞ」

そして俺は神獣に挑む。

 

 

 

 

 

「情報が正しいなら、まさか!あれが例の」

「司郎!ッまさか!」

「いえ、あんな程度で死ぬほどじゃありません、そもそもアレがあるのに死ぬ事が有り得ますか?」

「うっ、確かに」

ここに本人が居たら「俺はゴOブリか何かか!」と怒るだろうが現在彼は居ない。

「で、どうする。このまま逃がしてくれるのは無理だろうな」

目の前の女は明らかに常識を逸脱している。人間じゃない昔と同じだ。

「ったく、アイツはほんと面白い事を運んでくるよぁ!」

服に手を突っ込む。俺もまた得物を取り出す。

「オラァ!」

取り出したのは大型拳銃だ。呪力によって強化された弾丸が女に飛ぶ。

 

「フフフ、そんな物通用する訳がありますか」

 

ガキィンッ弾丸は空中で障壁に当った。

「チッ!」

ドン、ドン、ドン。再び発射された弾丸はまた障壁によって防がれる。

 

「ッチィ!これは本当に人間かよ一流でも多少は効くってのに」

「相手は普通じゃないって事ですか」

「フフフ、厄介な相手は暫くはここまでこれない」

「ッ!一体何なんだ君達はいきなり物騒な物を持ち出してそれに」

「フフフ、おだまり」

そう言うと女は杖を振るった。

 

ビュン

 

まるで鞭を振るったような音がした。

 

ズサッ

血が出る。その量は明らかに普通じゃないぐらい飛ぶ。

素人でも分かる致死量だ。

 

「あっ、ああ、あああああお父さんぁぁぁん!」

「落ち着いてください。今手当てします。二人とも時間を!」

 

「ッチ!分かってらぁ!」

「ええ、分かっているわよ!」

「切り倒してあげるわ!」

「吹きどびなぁ!」

神剣を構え女に飛び込む亜衣、そしてそれを支援する四季の図。普通の魔術師なら決して突破出来ない。

しかし。

 

ドガッ

 

「クゥッ」

 

「清水!」

「問題ないわ・・・これは」

「うへぇ、きしょいな」

女と間を挟んだのは巨大な大蛇。オオアナコンダを思って良いだろう。しかし、その身に持つ呪力は高い。

「魔獣クラスですか、行けますか?」

「分からん」

「こっちも」

「分かりました。『結』」

見ると彼女は自分と周りに見えない壁が出来上がる。

「結界ね」

「ええ、このぐらい嗜みですよ、術師としてです」

 

「やれやれ、あのトンキチ女まさか、こんな時にやって来るとはなぁ」

「確かにそもそも来るとは思っていなかったから不意打ちも言い所だよねぇ」

「そりゃそうだ、来るなんてありえないとは思っていたから当たり前だろ」

「ですね、おそらくあれじゃないですか?」

「ああ、さっき司郎が見ていたのが目的じゃなぇ?」

「確かに他のとは違って呪力がかなりある呪術具です。でもここまで大胆にやります?」

「まぁな、可笑しいな何か事情でもあるって腹だろいうな。さて、あの野郎早く来いっつの」

絶えず弾丸を飛ばし反撃をする。しかし、障壁が邪魔をする。

「くそ、やばいぞ。おい清水。早くあれ(障壁)を神剣で切り裂いてくれよ」

「むちゃ、言わないで、それにあんな大蛇無理よ!」

「っち、ワンマンサイドゲーはクソゲーだけどそこん所どおよぉ!」

 

クライ、クライ、クライ、クライ、クライ。銃弾が曲を歌う。その曲は戦場にて奏でられる死の魔曲と呼べる物だが。

 

『シャァー』

大蛇には障壁にはまさに傷一つ作れなかった。

「ハァッ!」

神剣を大蛇に振るう。その剣は大蛇をバターの用に切り裂く事も出来る。・・・しかし。

「っ、早ッァッ」

「清水さん!」

周りこまれ突き飛ばされたのだ。彼女とて剣術家そこらのチンピラでは手も足も出せない。しかし、彼女が相手しているのは魔物の領域に入った大蛇。その反応速度、動きの早さは現実世界の何よりも逸脱していた。

何より彼女はこの世界に入ってまだ、数ヶ月、呪術、呪術戦の鍛錬は怠ってはいないが実践はほとんどしていないのだ。

経験の差。これが彼女には足りなかったのだ。まだ、彼女にはこの世界はあまりにも未熟だったのだ。

 

「ッ、清水さん!こっちに」

「分かった」

 

「フフフ、どうやら無意味な事が分かったようね」

「そんな事はありません!『ノウマクサンマンダバザラダンカン』」

 

札を女に飛ばす。

 

『カ―ン!』

使う真言は不動明王の真言。そこに大規模な火柱が吹雪く。

「フフフ、先の人よりも面白いですけど残念ながら遊んであげる時間が無いのよね、だから」

 

消えなさい。そう言って特大呪力が中を舞う。

「「「ッ!!」」」

三人は絶句する。これは間違い無く死ぬ。自分達はこのまま死ぬんじゃないのかと思ってしまった。

「あっ、ああ」

「嘘、まだ死にたく無い」

 

「死にさらしなさい」

呪力が渦を巻き竜巻となる。

 

――――ゆっくりだった。そこにいた人全員がそんな気分に落ちいた。

まるでスローモション。ゆっくり、ゆっくり、竜巻が近づいてきた。

 

―――――そして

「待てよ」

そう言う声がした。

 

竜巻が何かとぶつかる。そして、消えていった。

 

「あっ、ああ」

「ったく、遅いぜ馬鹿」

「悪い皆」

彼は振り返る。そして、再び女の前に向く。

「あんた、覚悟している人だよな?」

そう言って神殺し、高橋司郎は光り輝く黄金の鎧を着こなして対面した。

 

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