カンピオーネ! 縁結びの魔王   作:黑米田んぼ

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21話

―――走る走る走る。彼の居る所へ。

 

―――空が雨雲に覆われた時少女は一箇所に走っていた。

 

「ここらへんですね」

―――少女、東屋早苗は自身の媛巫女としての勘を信じてここに来た。

彼女の持つ媛巫女の力は霊視のみ。しかしながらその的中率は50と高い。

―――そして。

「見つけた!」

彼女自身呪術師としてのレベルは高く。神殺しである彼の呪力は既に式である折鶴が見つけていた。

「高橋さん!起きてください」

彼の元に駆け寄る。―――しかしながらその顔は青ざめており胸には彼の愛刀の一つ生太刀が突き刺さっていた。

 

「―――死んでいる。・・・いえ、これは蘇る前だと事前に知っています。だから・・・」

生太刀は人を蘇生させる神具だと資料に書かれている。

 

「でも、あくまでも死亡から瀕死に戻るだけ、だからその為には治療を・・・効かない」

カンピオーネには対魔力が付いている。故にそれを突破してカンピオーネに魔術、呪術を使用をするには一つ。経口摂取、つまりキスである。

 

 

 

 

 

―――少し前。

「すみませんね高橋さんでも」

「良いよ東屋、俺自身も知り合いと飯を食べるのは楽しいからな」

「でも私はそんなに付き合いがある訳では無いと思いますが」

「そうかな、俺にはこっち(呪術)には友人は四季しか居なかったからな」

「―――でも」

「もしかしたらな、亜衣や四季もそうだがお前もそうかもしれないな」

「?何がですか」

「最後を看取る奴さ」

「まってください。それって私達が貴方より早死にするって言うんですか!」

「いや、俺が見取られる方だよ」

「へ?」

何を言っているんですか。それじゃあまるで。

「俺達は命知らずの馬鹿たれどもだ。確かに普通の人間よりも長生きだ。バルカンや中国の魔王は2、300年生きているって話しだしな」

けどな。と区切る。

「俺は早死にすると思う。持っても100年ぐらいしか生きれない気がするんだよ」

「・・・」

「―――――いや、もしかしたら4、5年後に切り殺されるかも知れない」

うまく立ち回らなければ間違いなく最後の王。ラーマにやられるからな。俺にとっても原作が始まる前である今は大切な準備期間なんだ。

「・・・どうして」

「ん?」

「どうして高橋さんは自分の命を軽く見るのですか、死ぬのが恐くないのですか!」

「・・・怖いよ、恐ろしいよ。けどさぁ」

空を見る。

「それが人間なんだ。何時か死ぬ。だからこそ今を大切に生きるんだ。だからこそ俺は誰よりも生きしぶとく生きていく」

顔を見る。

「だからこそ、これから生きていく仲間達って事で4人って訳」

まぁ、それだけじゃないけどなと言う。

 

 

 

 

 

「貴方をこんな風に死なせない」

このままでは復活する途中で倒れてしまうだろう。もしかしたら呪力を必要以上使っているかも知れない。だからこそ今私に出来る最善をする。

自己満足でも良い偽善でも良い。―――だから。

 

 

 

 

 

「負けたか」

変なもんだ一度は絶望に沈んだ死も三度目では陳腐になってしまうのが。

「はぁ、変に冷静ねシロウ」

「まぁねパンドラ義母さん」

「やっ、やった。やっと息子が素直になってくれた!」

「一応、復活していますよね」

「・・・人(神)がせっかくいい気になっているのに酷くない?」

「上げて落とすですよ」

「うう、やっぱり私と旦那の子っていつも変。まぁ良いわケツァルコアトル様は見かけとは違ってシロウの予想道理弱っているわ《鋼》の神剣を手に入れて良かったね!あ、そうそう」

「?」

「どうも誰か治療術を使っているから回復に必要な呪力を節約できるから頑張って来なさい!」

「ちょっと待って、誰が治療術を使っているの?教えて義母さん、義母さんァァァン」

 

 

 

―――――意識が起き上がる。

 

「―――ウグッ、ブハッ。あ、ああ東屋!何で」

いっ今あった事を話すぜ。ケツァルコアトルにやられてパンドラから攻略のアドバイスを聞いて目が覚めたと思ったら東屋が俺にキスをしていた。何が起こったのさっぱり分からない。

教授とか『少年』の化身じゃあ断じてないもっと何かの感じがしたぜ。

 

「あっ、あのどうしましたいきなり顔を真っ赤にして変な事を口ずさんで?」

「あっ、ああ、うん。そのアレだ。状況についていけなかっただけだ。見つけてくれたんだろ?」

「はい、それで急いで治療をしようと」

「あっ、あのさぁ。こう、なんて言うかさぁ。俺達カンピオーネのAランク対魔力突破方法を知っているのはさて置き。何で回復魔法使ってるの?俺自身が霊薬用意すれば・・・」

「・・・少しでも呪力を抑えて戦ってもらいたかったんです。それに」

「それに?」

「役に立ちたいですよ。羅刹の君で、私の友人である貴方を支えたいです。・・・もっともこんな事でしか出来ないけど」

「・・・いや、感謝している。ありがとう」

立つ。こんな事までしてもらったらもう、後には引けられないし、男が廃る。

「じゃあ、行ってくる巻き込まれないように離れてくれ東屋」

「・・・早苗で良いです」

「えっ、」

「私達仲間ですよね・・・司郎さん」

「ああ、まったくとんでもない伏兵だよ早苗はじゃあ行ってくる」

足を蹴る。それだけで空に飛べる。

―――もしも、これを見るものがいたらニンジャとでも勘違いするだろう。

 

「――――言ってらっしゃいませ王」

主の帰りを待つ従者の様に彼女はその場を離れる。

 

 

 

 

 

「何時でも行けるな布都御霊?」

(元より何時でも行けるぞ!)

やれやれ、まったく、《鋼》の神剣どもはドイツもコイツも脳筋が。

「まぁ、やることやるしかないしな!」

 

 

 

「我が身に縁を持つ大地よここに敵を討つために手を貸したまえ!」

農業神は天候だけではない。大地を操り、実りをもたらしてこその神格なのだ。

「撃て!」

使うのは崩れ落ちたビルの残骸。ビルもまた元はコンクリートつまりは土だと。―――最もこちらはあまり使ってない上。ほぼ呪力も無いため槍のような鉄棒に再形成し、発射した。

『ガハッ』

「よう、止めを刺したと思ったか?残念!生きています」

上空にいるケツァルコアトルを少しすぎる。

『生きていたか神殺し、やはり貴行らは生きしぶとい。故に跡形も無く消し去るしかないようだな』

「まぁな、でもそれは同じだ。もっとも、雨雲を呼んだのは間違いだぜ!」

俺は布都御霊を投擲する。

「我が刃は雷、天を轟かせ神の裁きをここに振れ雷ィ!」

雨雲に入り込んだ布都御霊は雷を降らす。

『我の呼んだ雨雲を利用するとは、貴様らは泥棒のような連中だな』

「うるせぇよ、さっきは良くもやってくれたなお返しだ。布都御霊!思う存分暴れろ!」

(了解)

『雷で自由に動きが取れん』

「そこだぁ!」

空を飛び。ケツァルコアトルの体に召喚した生太刀を突き刺す。

「結べ縁結び!」

即座に縁結びの呪いを施す。これで準備完了だ。

『舐めるな、神殺し!』

音速の羽が飛び出す。

「おっと、吹雪け風よ!」

竜巻を召喚し即席の盾にする。

「無駄だ!貴様はチェスや将棋で言うところのチェックメイトに嵌ったのだとなぁ!我が領土は冥界、汝が主の名によって門を開けよ!」

事前に用意していた冥府の門を召喚させる。さっき門との縁を結んである。

『これは冥府の門!クッ、引きずり込まれる』

「終わりだ」

手をかざす。相棒が特大の雷を落とすための狙いとして。

「レスト・イン・ピース。二度と会いたく無いなアンタとは。撃て」

特大の雷がケツァルコアトルを撃つ。

「曙の明朝は天から落ちるものなのかねぇ?」

 

創造神ともうたわれた蛇神の最後は皮肉にも同じく人類に文明をもたらした大天使と同じく天から墜落し冥府の門に落ちていった。

 

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