「――――高橋司郎、一年前に神殺しになったアンタの後輩だよ」
・・・こんな先輩はいらねぇな。勿論他の奴らもイラナイんだがね。
この儀式の祭祀にしてこの騒ぎの現況。
―――サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン。現在生きている7人のカンピオーネの中で最年長のこの男を見れば、整えられた髪にしっかりとしたスーツ姿。一線を引退した燻し銀のご隠居だろう、だが某黒王子から言わせれば「知識ぶった野蛮人」300年近く生きたせいか、まつろわぬ神すら嫌がるほどの強さを持っている上。食欲と闘争欲しかないと同類に言われる程の戦闘狂であり今回の一軒もまた暇を持て余した為に起こした一軒だ。
「ほう、確かに一年前に誕生したと噂は聞いているが、若いな。・・・いや、思えば私が王になったのも君と同じくらいの頃だったか」
愉快そうに、獲物(高橋司郎)を見つけた狼男(ヴォバン)はゆっくりと呪力を練りながら近づいてくる。
「へぇ、随分と若い頃なんだな爺さん」
逆に俺は生太刀を床に付け跡を付けるように下がっていく。
「一つだけ聞こう。君は何しに此処へ来た?」
ヴォバンは台を降り俺を睨みつける。同時に強力な呪力がゆっくりとヴォバンから溢れている。
「簡単なことだ。俺はこの儀式を止める」
ゆっくりと、それでいて早く儀式を実行している巫女、魔女の一団を覆うように円を描く。
「・・・・・随分と変な顔をするなアンタ」
「私の獲物を横取りすると思っていたからな」
「確かに鋼の英雄、ジークフリード、俺だって戦いたいさ、けどな」
円を描き終えヴォバンと正面に立ち剣を向ける。
「此処までやってまで戦う価値がないんだよ。俺の主義は専守防衛。出てきたらお帰り願うだけさ、そこに楽しみを見いだせるかどうかは相手次第だけどな―――一つだけ、言わせてもうぞ」
「アンタの事なんざこれっぽっちも思っちゃいないがよ、―――見過ごすのは後味悪いんだよだから、首をおいていけヴォバン!」
瞬時に全呪力を開放するこうなるのは儀式について事前にある程度知っているからこそするべき行動は決まっている。
「我は国生みの王、我が禁厭は森羅万象に轟くと知れ!」
オオクニヌシの聖句を言い次の行動を行う。
「我、古より大地の精を従えし神王、汝らが古より我を崇める者なれば我が命を受け入れよ」
新たな聖句が俺に新たな可能性を教えてくれる。
「汝らに命ず、我に力を与えよ与えよ大地の精よ我に力を与え給え」
大地の精から膨大な呪力を頂戴する新たなオオクニヌシの権能の発展を感じる。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」
即座に九字切りを行う。流れる用な手つきで網目模様が描かれている。
「幽界より来りし荒ぶる荒神の影より彼女らを守り給え、払いたまえ急急奴律令!!」
続けざまに事前に持ち込んでいた札をバラまく。札は五つに別れ星の形を作りセーマンを描く。
フワン、不思議な音と共に少女達に透明な壁が出来上がる。
「これで、もしも、が起ころうが問題が無い。さぁ、喧嘩の時間だ。爺!!」
――――時間は突入前に遡る。
「――――と、言うわけで儀式を止めようと思う」
「いえ、それは可笑しいです」
ハッハッハ、最近ツッコミが良くなってくるよ早苗くん俺もボケる立場から見て楽しいよ。
「いえ、流石に怖いんです。相手が相手なんですから、まずは慎重に行動をですね・・・」
「・・・えっとさ、何でそんなに皆悩んでいるの?」
・・・そう言えば亜衣のやつには他のカンピオーネの事はまだ教えていなかったな。
「ああ、それなんだけどな」
「相手がヴォバン公爵だからなんだよ」
「?」
あっ、テメェ四季先に言うんじゃねぇ。
「サーシャ・デヤンスタール・ヴォバン。司郎さん含む7人のカンピオーネの一人で最年長の方で約300歳だと聞いております」
・・・最近アグレッシブすぎやしませんか早苗さん。
「巨大な人狼となり、地を砕き、嵐を呼び業火を操る文字道理の魔王。私達がイメージするカンピオーネ像を作り出した原因でもあります」
・・・まさにザ・暴君だからなあの爺。
「・・・ええ、っとだな話変えて良いか」
「・・・ゴホン、とりあえずやる事が分かっているから何が一番のハッピーエンドに至る選択なのかをまずは調べないといけないんだ」
皆頷く、当たり前だろう。相手はまつろわぬ神とほとんど同じものなのだから、対策せずに突っ込んだらあっという間に14へ行けからのバットエンド一直線。
・・・正直腹が立つ。これもヴォバンって奴の仕業なんだ・・・やめよう不毛だ。
「えっと、すみませんアリサさんでしたね、今回の儀式について詳しく分かるものがありましたら教えてもらえないでしょうか?」
「そうですね、それもそうですねMs.早苗。確かにこの儀式正直言いますと・・・・・」
(((・・・・・さっぱりわからん)))
流石に専門外だ。元々魔法剣士目指していたけど結界とか儀式とか必要最低限しかやってないんだよな。
「―――高橋さん、聞いていますか!」
「はい、聞いております。サー」
「はぁ、・・・何かやろうとしているお顔をしていますが、何をなさるおつもりなのですか?」
「最初に俺が突撃して、陽動する。でアリサ率いる連中が救出を行う。でお前らは後方支援な」
「「「は((い))?」」」
「ぶっちゃけ、死にゆく準備何て知り合いにやらせるか、一部除いて使える奴(肉盾)が居るんだ。せいぜい頑張ってもらおうかなぁ、っと考えている」
「貴方はどうするのですか?」
・・・ああ、そこは言うよな。
「奴を抑えるさ、その間に儀式を調べる解除するはそちらに任せる事で構わないよな」
「「「・・・」」」
理にかなっている確かにそれが現実では最良だろう。・・・しかし
「・・・司郎、アンタやっぱり今日は可笑しいよ」
「・・・・・・」
分かっている。これは高橋司郎のやり方じゃない。この男はそうゆうやり方をやらない。
「本当のお前なら単独で潜入してひっそりと儀式を潰し、そのあとは堂々とした態度で 相手を煽りまくって、逃げ回る。頃合を見てに救出。これがお前の「本来の」やり方だろ?」
なのに、と手を横にして肩をすくめる。
「お前は儀式について何も言っていないし何か乱暴に言っているけどよ、お前が真っ先に潰すのは間違いなく元凶ではなく儀式を潰しに行く奴だ。
・・・・・まったくもってそのとうりだ。昔ならともかく今は世界に7人しか居ない「神殺しの魔王」の一人。本来囮をやるにしても「本来の俺」は真っ先に潰すのは「元凶」ではなく「儀式」なのだ。
・・・だが。
(それが果たして最善の未来なのか?とゆうことだ)
サイは既に投げられた。あの日。一年前。婆さん家の物置で俺のこの世界の今後を決めるサイが。
そこから先は間違いなくシュレディンガーの猫。ある程度融通が効くはずだ・・・しかしだ。
手はまだ先だ。本人(主人公)が嫌がるなら俺が先に貰えば良い。あの一人と一柱もそちらの方が良いんだろうな。
しかし、それは今回とは少し違う。
一手次第で原作のヴォバンの行動理由が俺に変わる事だって十分ある。
原作の行動も随分違う。古代編が消える。一つの街が衰退するかもしれない。
・・・・・ああ、まったく。どこまで世界は俺に試練を用意したがるんだ。何処かで甘粕の奴がニヤニヤ笑っているんじゃないだろうな。
「・・・・・ああ、今回はどうしようもないほどに自分を抑圧している。もっとやりようがあるのにそれを選択しない。間違いなく今の俺は間違いなくおかしい。ああ、分かっているよ」
もうこの際だある程度はいくらでも付きやってやるさその上で俺は生きて帰るんだからな
「文句のあるやつは言っていいぞ。俺はそこまでいかれていない人の話ぐらい聞く良い子だ。好きに言えこれは俺のポリシーだ」
「「「「・・・・・」」」」
「だがな、これだけは言わせてもらうお前らが何をしようと構わない。儀式が中止になったら多分俺は悲しむよ。ああ、何処かで戦闘狂の俺が疼いて疼いて仕方がないんだ。けどな俺の都合で誰かが悲しむだけは絶対に!俺が許さない!何よりも俺が!そんなのまるで」
まつろわぬ神と同じじゃないか。
「だからこそ、お願いします付き合って下さい!!この俺のちっぽけな我が儘聞いてくれないか!?」
俺は頭を下げる。ああ、本当にだらしねぇ神殺しだ!
「―――――顔を上げてくれませんか、・・・羅刹王が頭を下げるのはいけないと思います」
・・・・・早苗
「そうだよ、たまに考え事をしていたからこれもその一つ何でしょ?昔から変なことで悩むのが司郎の悪い癖なんだよ」
・・・・亜衣お前まで。
「―――――だ、そうだが?」
「―――分かっているよお前ら。けどな、今やる事はさっき言った同じだがな、一つ思うんだがな」
一息ついた後。
「何であれ儀式自体は下手な事をすると何が起こるかは分からないとは思わないか?」
「・・・確かに、まつろわぬ神を招来させる儀式、途中で『何か』が起きてしまった場合それは予想がつきませんわ」
「そのとうり、じゃあアリサ俺が下手な真似が出来ない事は分かっているようだけどな、勿論大丈夫な状態なら遠慮なくやってくれそれに関しては全力でやるつもりだ」
これに関してはもう頑張るしかないんだろうな。まぁ、俺だってカンピオーネの一人困難ぐらい潰す気しかないがな。
「だからこそ、俺もある程度暴れられるように場を整えないといけないと思う」
「場?」
「そうだ、場だよ亜衣。そうそうに戦場を変えるとは言えやっぱり戦場にはなると思うんだ。儀式にしろ、何らかの被害を儀式に参加している子達を守るための防御・・・まぁ、要は結界なんだけどな」
「――――分かっていますけど高橋さん羅刹王二人の激突に耐えられるものなんて出来るとは思えないのですが?」
「ああ、だからこそ『ココ』を使うんだよ」
と、足で地面を突く。
「地脈ですか」
「ああ、俺なら行ける」
オオクニヌシは地に通ずる神格それをうまく使えるはずだ。
「・・・ならそれを今からやろうじゃないか」
「うん、ソウダネ。ハヤクヤロウカ」
「――――あのぉ、司郎?」
「おい、こっち見ろよ」
「すごい脂汗ですわ。・・・・・もしかして」
「・・・・・・・・・・・っけ、結界術何てほとんど使えない」
はぁ、ってお前ら呆れないでくれよ。結界術なんて俺の家にはほとんど無いんだよ。人払いぐらいしかないんだよ。
「・・・・・暴発したいんですか高橋さん」
「・・・・・馬鹿だろお前」
「・・・・・たまに馬鹿をやるからね」
おっ、お前らァァァ、畜生ッ!反論出来ねぇ!!
「・・・高橋王は民に優しいと聞くますが手綱はしっかりと握った方が良いと思います」
「うん、程々が必要なんだと思う」
タダね、アリサ君そこまで軽いのはコイツら(四季、亜衣)だけだよ。
「・・・・・まぁ、間違いなくコイツに結界術を『教授』をやるしかないよな」
「そう、なりますね」
「「「「・・・・・・」」」」
「・・・・・早苗」
と言い早苗を抱き寄せる。
「はい」
それにあっさりと受け入れる。
「ッ!!」
一瞬、アリサは驚くが気を正す。
「・・・・・・とりあえずお前ら離れろ」
思わずとんでもないやり方をやったと思ったが逆に恥ずかしい。ので生太刀を振り回して野次馬を蹴散らす。
「・・・・・・・はぁ、まるでガキだ」
こんなの一度や二度じゃないのにこんな場所や雰囲気が初めてだからだろうかな。
「じゃあ、頼めるか?」
人間ノリに生きるものだ。でもなきゃ、中々の大きいものが体に当たって心臓が激しく脈動している。のに一つのこと以外に行動ができない。
「・・・構いません。先は色々と言いましたが、私は貴方の物であり羅刹王の従者の一人としてこの身は貴方に捧げます」
「そうかい」
そう言うが早いか俺は早苗の唇に吸い付くようにキスをした。
「あっ」
そのまま舌を絡ませ、そのまま一度放す。
「んっ」
すぐさま、今度は浅く口づけをする。
キスをする度に知恵が頭の中に入っていく。
―――深く、深く、ゆっくりと己が欲する知恵を少女から教えられる。
―――――深く、深く、脳内に整理し、術式を編み出す。
「――――ああ、本当ならこんな場所や雰囲気じゃなくてもっと、良い場所や雰囲気が欲しいんだがなぁ」
「―――でしたら、これが終わったらどうでしょうか?」
「―――ああ、その時は頼む」
――――少しだけ、この力がありがたく感じた。
「・・・で、お前ら、出歯亀とは命知らずだとは思ったがまさか此処まで覚悟があるとは思わなかったなぁ」
・・・とそこの茂みに声を掛ける。
「あっ、やっぱりバレたか」
「カンピオーネの気配感知を舐めるな」
ゴボォン、ゴボォン。殺意が魔風へと変換され、小規模の台風が形成される。
「あっ、あああ」
アリサお前もかビビっているのは是非も無いよね。マジで
「お前ら、素っ裸でヴォバンに放り出すぞ」
「「「止めて下さい死んでしまいます」」」
――――はぁ、空気読めよお前ら。
「・・・まぁ、その方が良いよな」
こんな化物を慕ってくれる何てな。
空を見上げる。曇り空は俺の心の闇を表しているような空だ。
・・・・・だけど。この空が晴れ、朝日が地上を照らすのだと。
「良し、四季、行くぞ。アリサ、集まったメンバーに俺が突入して10分してから来い。生太刀!」
俺のすぐ隣に生太刀が突き刺さる。
生太刀を手に取り向かおうとするが・・・
「司郎」
「ん?」
と振り向くと。
「んっ」
――――一瞬時が止まるかと思った。
「・・・・・・えっ!」
「ハハッ、やっぱお前に付いていると楽しい事ばかりしかないな」
浅くも深く、亜衣は俺にディープキスをしてきた。
亜衣テメェこんな手を
「へへ、キスしちゃった」
「やめろ、俺をうっかりで殺す気か」
・・・・・・ああ、まったく馬鹿女どもが最高だよ!
そして、時間を巻き戻す。
これを終わったら深夜二時のガチャ回しをしようと思います・・・まぁ、玉砕かは分かりませんがね