カンピオーネ! 縁結びの魔王   作:黑米田んぼ

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拝啓皆様ぐだぐだイベントどうだったでしょうか?
格好いい男達、女達の生きざまと言うのがありありと魅せられた気がします。
自分もあのような小説を書いてみたいですねぇ。

・・・・・気づけば色々と詰め込みたかったとは言え6000文字になるとは思いませんでした。

追記

4月24日に同じ文章が二つあったために直しました。


31話

 肉の裂ける音が聞こえる。誰かが刃で体を裂いたのだ。

 その音にアリサは思わず最悪の未来を予想してしまった。

 奇襲が失敗してあの鋭い爪で切り裂かれた司郎を想像してしまった。

 砂煙が晴れれば司郎が向こう側の壁を切り裂いたため様子はよく見えた。

 

 

 

 ・・・・・砂煙が晴れる。

 

「嘘」

「へえ、凄いね先輩ってのは」

 隣にいる金髪の軽い男が目の前の光景に目を疑う。

 

「やってくれたな小僧」

「はっ、何言ってやがる自分から引きちぎったクセに」

 半分無くなっている片腕を抑えるヴォバン。

 アリサ達欧州を軸に活動する魔術師にとって天災、災害と揶揄される大魔王であったヴォバン公爵。

 会話を聞くに自分から切ったのだろうがそれでもその状況まで追い込めるのはまず奇跡と言えるものなのだ。

 

「――――――ああ」

 なんて言う強さなんていう凄さ。正に『王』――――――ああ、なんて。

 

 

 

 ――――――妬ましい。

 黒い感情が一瞬走る。

 

 

 

 

 

「ほんと、しぶといよアンタ」

 咄嗟に腕で防御した上、死の禁厭を切られた場所を切り外す事で回避した。

 今までの神なら縁結びからの冥府落としで仕留められるが今回はそうもいかない・・・と言うか間違いなく気づかれて今回のように腕を切り外すのだろうが・・・

 

「こう言う思いっきりの良さってのも大事なのかな」

 いくら復活の権能と従僕の中に魔女がいるとはいえ腕を切り離すなんて真似は簡単に出来ない覚悟カンギマリすぎだ。

 

「まぁ、良いや、何度でも追い詰めてやるだけだ」

 生太刀を構え切り込む隙を見極める・・・・・その時だった。

 

「ッ!?」

「へぇ、これも避けるんだ」

「チッ、このタイミングかよ!」

 咄嗟に感じた恐怖の予感にカルナの鎧を右手だけ顕現させ防ぐ。

 司郎の眼前には黄金の籠手に阻まれる銀色に輝く腕と剣。

 司郎とそう歳の変わらぬ金髪の青年がイキイキとした目で司郎を見つめている。

 とうとう来たのだ。・・・あの剣バカが。

 

 本来の6人目サルバトーレ・ドニ。主人公の悪友にしてアニメでの騒動の九割は関わっている超ド級の問題児。

 もっとも、アメリカの魔王以外大体騒動を起こすし事件が起これば常識人などいないのだ。

 

「チィッ、おおぉぉッッ!!」

 必要以上鎧を展開したくないのだ。呪力も使うしリソースも食う。

 

 なので剣の向きをずらし、その方向へドニの体を突き飛ばす。

 ジークフリートの権能を持っていない今のドニはあっさりと勢いのままつまづく。

 

「うわぁぁぁぁ!!」

 

 更に残った瓦礫を纏めてドニにぶつけとく。大したダメージも残せないが俺が欲しいのは行動のための時間だ。

 既にヴォバンの腕が生え始めている。二人の化け物に相手どれる気がしない。

 

・・・・・故に。

(亜衣!出番だ!)

(分かった!お願い布都御魂!)

 今尚大荒れの嵐の空、ヴォバンの権能、疾風怒濤の支配を布都御魂が制圧する。

 神速を発動させた時に感じた気配、今、嵐が司郎の支配領域となったからこそ発動出来る権能がある。

「数多の命を繋ぐ水を捧げ、此処に来たれ、翼を持つ蛇よ!」

 

 ――――――瞬間。雨雲に覆われた空が一瞬で晴れ星々が顔を出す。

 それと同時に巨大なナニカが現れる。

 

 推定25メートルぐらいの竜型の神獣は南米のカラフルな鳥のような体毛と翼を持ち頭は恐竜のようであった。

 

 司郎は心の中で宝玉獣を七種類、墓地に送ったっけ?とかんがえてしまったのは内緒である。

 

「薙ぎ払え!」

 竜は水ブレスを3人の神殺しに放ってくる。

 

「おわっ、ちょ待て・・・・・ゴラァ!!何ご主人に向かって攻撃してるんじゃ!」

 キョトンとしやがってこの魔猪め被害の方はともかく誤射は洒落にならん。

 

「あの爺さんを狙え!」

 司令を出すと竜はヴォバンに襲いかかる。

 翼から羽を飛ばしたり長い尻尾で鞭のように叩きつけている。

 

『厄介な眷属を呼びよって、良いだろうその程度でこのヴォバンをやれると思っているのか!』

 三十メートルの人狼になったヴォバンが竜に襲いかかっている。アレなら十分持てば良いだろうアポロン蛇殺しだし。

 

「――――――だから俺は・・・チィッ!」

 死の気配に気付き左に避ける。

 

「へへっ」

 目の前にいる剣バカを対応していこう。

 

 

 

「ーーーーーー本当は神様と戦うつもりだったんだけど・・・・・こんなに楽しい事になるとは思わなかったよ」

「生憎と俺は目的はハッキリしているんでな儀式もそろそろ終盤。出てきた神様やるから俺は帰らせてもらいたいんだが」

「釣れないなぁ、これがツンデレって奴?何て言うんだっけ?えっと」

 

「言いながら構えるな。逃がす気は無いか」

 布都御魂を呼び戻し生太刀を納刀する。

 

 だらりと剣を持った腕を自由にさせながら距離を詰めて襲いかかって来る。

「チィッ!」

 向かって来る魔剣を神剣で弾く。

 弾く、弾く、弾く、弾く、呪力差さえどうにかすればカルナの鎧でさえ叩っ斬られるドニの権能。

 

 故に神経を尖らせて剣の腹を叩いて剣先を自分の体から離すのが精一杯だった。

 

 剣の腕は向こうが上、その上、初めて使った権能が厄介な化け物を抑えている上その被害を巫女達に行かないように大国主の禁厭で抑えてないといけないため2、5種類ぐらいの権能を現在進行形で使ってるため反動で頭痛がしている。

 

「布都御魂!呪力を増やしてやるからもっと強度を上げろ!叩っ斬られるぞ!!」

『異論はない!この戦い剣神として負けられんわ!!』

 迫り来る剣を弾き。そのままカウンターを叩き込む。

 

「最高だよ先輩!名前何って言うんだっけ?僕はドニ!トトって呼んで良いよ」

「誰が言うかバカ!・・・コッチはそれどころじゃ無いんだよ!!」

 

 ジークフリートの権能無くてもサルバトーレ・ドニは十分強く。剣に纏った電撃も意に変えさず千字手になりかけた・・・・・その時。

 

「「!!」」

『とうとう来たか』

 鋭い爪で首を飛ばされ崩れ落ちていく蛇を尻目にヴォバンは呟く。同時にドニと司郎も気づいた。アドレナリンが過剰分泌していくような高揚感。まつろわぬ神が降臨する。儀式が終わろうとしているのだ。

 

 巫女達がニーベルンゲンの歌を寿ぎ。用意されていた触媒に呪力が満ちていく。

 

「ん?」

 

 同時に何故か完全に消えない蛇の首にも呪力が満ちていく。

 

『くっくく、どうやらついでも現れるようだな』

「・・・・・マジかよ」

 

 まさか自分の眷属がまつろわぬ神の触媒になるとはと思った。

 蛇の首が消え呪力の塊から漆黒のドラゴンが姿を表した。

 3、40メートルはあろうか巨大四足歩行の形をし、巨大な蝙蝠の翼は正しくドラゴン。

 

 普通に考えればファブニールだろうか、・・・問題はそこでは無い。

 

 招来の儀は巫女達の負担が半端では無く実際原作では多くの巫女、魔女は精神、術師として大きくダメージを負い再起不能にされたと描写されている。

 

 当然介入する以上そこをどうにかするのために結界術を貼った。

 既にファブニールの招来でボロボロだが保険は既に貼っている。

 

「繋げ、縁結び」

 結界から外に用意してもらった紙で出来た身代わり人形が被害を受ける。

 

 術式が切り替わると同時に一人の戦士が現れる。ジークフリートだ。

 

「これで終わりだ。・・・・・アリサ!意識が戻った子から道を教えて・・・」

 

 そう、アリサに話しかけた―――――その瞬間。

 

「私が過ごした時は黄金のようなひと時でした」

 

「!?」

 

 死神(ワルキューレ)は身構えていないときに来るものなのだ。

 

「けれど。・・・ああ、血濡れたその体を抱きしめて私は泣き叫んだ」

 

 アリサと共に巫女たちは再び儀式を始まる。

 招かれた神は既に二体、保険も既に限界だった。

 

「悲しみと怒りを胸に私は剣と槍を携え全てを殴殺する」

 

 

 

「・・・・・糞!お前まで引っ張られるなこのバカ!」

 先に現れた二柱を考えれば来るのは恐らく一柱。これ以上来ないだろうが流石にこのままじゃあダメだ。

 

「悪い2人とも」

 早苗と亜衣のラインを断ち切り生太刀を結界の中に投げる。

 

「紡げ縁結び!!」

 手持ちにどうにかなる手段がないなら。

 

「――――――俺自身を身代わりにする」

 儀式による負担を身代わり人形から俺に向かわせる――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

「―――――っ、いきなり切るなんて」

「―――はい、でも」

 儀式場から離れた場所で高橋司郎に権能によるラインを繋いでいた少女たちは困惑していた。

 

 ・・・・・無理も無いだろう。一言ことわったとはいえ無理やり断たれたのは困惑しかなかった。

 

「・・・・・しかし、まさか3柱も顕現するというのですか」

「・・・そんな、それじゃあ司郎がやばいじゃない!行かないと」

 

 そう思い二人の少女は彼の元へ向かおうとした。――――――その時。

 

『■■■■■■■■■■ーーーー!!』

 

「「!?」」

 

 何かの絶叫が聞こえ聞こえた場所に目を向ける。

 

「――――――何、・・・・・あれ?」

「――――――――そんな、まさか・・・・・」

 

 

 

 

 

――――――――――――少女達が捉えた一瞬の光景。・・・それは二つの竜がぶつかり合う光景だった。




因みにプロット自体は5年前からそんなに変わりありません。
ただ、ジークフリートに引きつられてやって来るブリュンヒルデは割と他の方もやっているので独自感を出したい。身代わり人形とかあったなぁと考えファブニールも出してやりたい放題を描きました。

果たして年が明ける前に次回を出せるのでしょうか?多分こんな長文は二度と出さないと思いますが。
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