本当は最低過去編だけでも10月で終わらせたかったのに色々と立て込んだのと年取って中二呪文が満足に出来ずこんなに遅くなりました。
今年までにケルト編終わらないなぁ・・・
「僕がボスを潰す。シロウは取り巻きをお願い。行くよアイネ、マウニ!!」
「「ワン!!」」
「させるか!」
「へへへ、柔らかい肉!」
儀式場へ走り込むウィンを阻むためにカボチャ男達が襲い掛かるが。
「させるか!」
司郎は虚空から札を取り出しカボチャ男達に投擲する。
「なっ!?」
「イー!」
驚く邪術師の一人を帝釈天の札で気絶させる。
「待てぇ柔らかい肉ぅ!」
「待てはテメェだこの野郎!」
頭のネジが別の場所に刺さっているだろう狂人な邪術師を呪力の篭った拳で殴る。
「ヒグゥ!」
後頭部に突き刺さり脳を揺らし後遺症をも引き起こすラビットパンチが成立したはずなのに若干ふらつくぐらいしかダメージがない様子だ。
「邪魔をするなよォ!俺は人の肉を切る触感が堪らなく好きでここにいるんだよォ!」
狂人は解体用の大振りの刃物を持って司郎に襲い掛かるが、司郎は刃物を刀で受け止め鍔迫り合いになる。
「セイ!」
刀と技術を駆使して刃物を持つ力の勢いを使って狂人の姿勢を崩し蹴り飛ばす。
「行かせるかよ!」
ボスの援護に向かおうとするカボチャ男に鋭利を強化する術を込めた万年筆を投擲する。
「痛っ、・・・くっ、おのれ」
カボチャ男は思わず腕でガードするが鋭利な筆先が突き刺さり激痛に悶える。
「さっさと投降しろ!こんなの人生の無駄だ!!」
「お前のようなガキに言われても響かないんだよ!」
だが、闘志は十分だからだろうかカボチャ男は持っていたメイスを血管が浮き出るぐらいに握りしめて司郎に襲い掛かる。
「行け。マウニ、アイネ!」
「「オオオーーン」」
主人の命令を聞き受け猟犬達は獲物へと殺到する。
「チッ、この畜生共が!」
邪術師のボスはメイスを払い猟犬達を払おうとする。
呪力の篭った一撃はまともな生き物なら重症を負うだろうが優秀な猟犬である二匹は容易く避ける。
「亡者の亡骸から冥府の犬が這い出でる!」
犬の形をとった呪詛がウィンに迫る。
「聖なる言霊を持って悪意を退けらん!」
ウィンもまた防壁を貼って塞ぐ。
「ふぅっ、戦を司るヴァハ、バズヴ、ネヴァンよ。モリガンの三位一体の女神よ、我に勝利を。――――――はぁぁぁっ!」
軍神の秘術を体にかけ。オークで出来た杖を握りしめてボスに棒術を繰り出す。固い材質で杖も腕も呪力で強化された一撃が頭部に落ちる。
「チィッ!」
ボスも負けていない。身体強化の術を目に集中させウィンの一撃を交わし返し刀でメイスを振るう。
「くぅっ!」
ウィンは杖でメイスを受け止める。木製の杖と金属製のメイスが衝突する。
丈夫なオークで出来ていても木製の杖と金属製のメイス。細さ、材質、共に本来であれば勝つのは金属だろうと多くの者は思うだろう。
――――――されどそれは表社会の話。若くしてケルト魔術の最高峰であるドルイドになったウィンの呪力操作と杖術はその常識を打ち砕く。
「せい!」
衝撃を外へ流しボスの腹に膝を打ち込む。
「チィッ!・・・何故だ。何故こうなる!多くの秘術を学び。多くの命を喰らってしてもこんな小娘に!!」
膝をつくボスは己の呪力を全力で引き出し術を行使しようとする。
「冥府と常世、二つの世界を彷徨う者たちよ。冬の始まりを告げにくる者たちよ。邪なる霊達よ捧げ物と引き換えに我が敵を殲滅せよ!」
呪文を唱えボスの周りには数々のドクロが漂い始める。
この儀式を行う前に殺してきて奪ったのだろうか膨大な呪力を束ねて巨大なジャックオランタンを呼び寄せ眼前の敵にぶつける。
「――――――マウニ、アイネ、行くよ!」
ウィンもまた敵の反撃の一撃を迎え撃つために愛犬二匹を側に遣わせオークの杖にヤドリギの杖を構える。
「偉大なる牡鹿を携えた狩猟神よ、我が愛犬たちを庇護したまえ!」
使い魔を強化する呪文を唱え終え眼前の一撃に若きドルイダスは次なる陣を敷く。
「知恵の魚を喰らい得た知恵をもってフィアナ騎士を導いた騎士団長よ、その英知を持ってあらゆる脅威を打ち消したまえ!!」
愛犬二匹を後ろにウィンは前に立ち三角陣形を作り渦巻き模様の結界を貼りボスの術に向かい打つ。
敵対者を焼き尽くさんと迫るジャックオランタンを阻む渦巻き模様の結界が打ち迎える。
ボスの執念かそれとも協力な術だからかウィンは徐々に押され始める。
「負けるか!」
結界を維持しながら更に強化の術を施す。
「グッ、貴様ァ!」
底が尽きて来たのかジャックオランタンは徐々に形を崩し始める。
それを見てウィンは術で利き手にボウガンを装着する。
「何故だ。何故貴様のような青二才如ーーーーーー」
一発の魔力弾がジャックオランタンを貫いて恨み言を吐き捨てているボスの額に叩き込まれる。
「ガハッ」
大魔術の疲労もあって魔力弾に込められた一撃によってボスは夢叶わず意識を失った。
「――――――奪って強くなるような事をしたくないからここまで強くなったんだよ。僕達白枝騎士団を舐めないで」
現代を生きる若きドルイドは邪術師にそう言った。
「――――――チッ、面倒いな!」
ところ変わってカボチャ男と頭のおかしい狂人と戦っている司郎。
大振りの刃物とメイスを相手にうまく立ち回っているが流石に体力を大きく消耗する。
――――――故に馬鹿正直に相手取る必要は無い。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ひひひ、これで終わりだ」
狂人とカボチャ男に挟まれた司郎。
「死ね日本人!」
メイスが司郎に振り下ろされる。
「ここだっ!」
司郎は懐から新たな札を取り出し発動させ狂人の背後をとる。
「なぁ!ガハッ・・・・・」
反応遅れてカボチャ男のメイスが狂人の頭に振り下ろされ狂人は頭から血を流して倒れた。
「残りはアンタだけだぞ諦めろ」
「お断りだ日本人」
「何でそんなに馬鹿げた事に手を染めるんだどう見ても失敗する未来しか見えないだろうが!」
「悪いかこれも娘のためなんだ」
そうカボチャ男は吐露する。
「娘?」
「そうだ。5年前交通事故で死んだ俺の娘。あの子が居ながら男を作って逃げていったロクデナシのアイツとの子、娘をあの世から連れて帰るんだ。死んだ娘はきっと妖精になって今も俺ご迎えに来るのを待っているんだ」
「――――――死んだ子供は妖精になるか」
妖精界は死の世界の一種でありアーサー王の最後に辿り着く理想郷など様々だ。妖精伝説の多いブリテンやアイルランドらしい黄泉の世界それが男の目的なのだろう。気持ちは分かるが・・・・・呆れてものも言えない。
「オルフェウスの真似事かよ死人は蘇りたくないんだよ!!!!」
刀を払いカボチャ男を追い詰める。
「何だと!俺の娘をどんな気持ちで死んでいったか」
「知るかよ!こっちは赤の他人だ。けどな、考えてみろよ」
カボチャ男はメイスで刀を払いのけるが司郎は怒涛の面を打ち込み続ける。
「蘇りは確かに魅力的だよ。俺にだって会いたい人たちがいる。けどよ生き返るって事はもう一度死ぬって事だろうが!」
「なっ!」
「死ぬってどんな風か分かるかよ、あの体の感覚が無くなって自分自身が溶けて消えていくような感覚を!あれを2度も味わうんだぞ、死は一度だから良いんだ何度も死ぬ苦しみなんて味わいたくなんかないだろうがぁぁぁッ!!」
かつて理不尽に人生を終えさせられた司郎だからこその叫び。叫んだ思いそのままに刀を振るう。
「ガキが偉そうな事をほざくな!俺には俺には!・・・ガフッ―――」
司郎を打ちのめそうとカボチャ男はメイスを振るうが司郎はメイスを受け流し力の勢いを制御出来ず隙だらけの所に峰打ちを叩き込む。
「――――――悪いけど会えない人に会いたいと思う気持ちはともかくそのやり方は理解できないよ」
チンと刀を鞘に納め司郎はカボチャ男に悪態をつく。
「――――――終わったようだね」
ウィンが話しかける。
「まったくだ。とんだ旅行になっちまった」
「あははは、旅行を台無しさせた埋め合わせしたいけど、生憎僕達も忙しいからね」
見るとヤドリギでグルグルになっているボスが転がっていた。
「まぁ、こういった事件が今後無ければ叔父夫婦が元気に生活してまた会いに行きたいと思えれば良いかな」
「あははは、確かにね。さてと」
ウィンは携帯で何処かにかけ司郎に向く。
「もう直ぐ僕の仲間がやって来る邪術師達を引き渡したら事件解――――――」
――――――ブゥゥン。そんな音が遺跡から響く。
「なっ!?」
「嘘でしょ!?さっきの儀式で既に起動していたの!」
遺跡から光が溢れて二人を飲み込もうとする。
「急いで!この光は――――――」
ウィンの叫びは意味を成さず二人は光に飲み込まれた。
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