カンピオーネ! 縁結びの魔王   作:黑米田んぼ

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かれこれもう五十話なのに原作のげの字も届かないこの作品・・・もっとも、その前に終わらせる気満々ですが。
五十話は他の作品ならもう終わっているか失踪していますねカンピオーネでも50超えているのはざっと見たら四作品ぐらいでしょうか?どの道今年までにこのケルト編は終わらないでしょうね。


50話

「きっ、貴様は!!」

 アーシェラは銃撃でボロボロになった片腕を必死に回復魔術をかけながら銃声の先にいる存在に声をかける。

 

「ふふふっ、まさか合衆国から離れたこの地で君を追い詰められるとは夢にも思わなかったよアーシェラ」

 ゆっくりとザッ、ザッ、ザッ、靴で地面を刻むように歩きながら狙撃者の正体が顕になる。

 複眼の昆虫をベースにしたバイザーに青い衣装の上に羽織った黒いカープ。片手には先ほどアーシェラを撃ち抜いたものだろう銀色の大口径リボルバーが握られていた。

 

「遅かったじゃ無いかスミス」

 目の前に現れた存在にジョーは肩をすくめる。何故なら彼女・・・否彼こそがジョー・ベストが待ち望んだ援軍。アメリカのカンピオーネ、アニー・チャールトンのもう一つの名自己演出過多のキザな貴公子ジョン・プルート・スミスなのだ。

 

「待たせたなジョー。そして、私の友人を助けてくれた勇ましき乙女たちよ感謝する。・・・では」

 スミスはリボルバーをアーシェラの頭に向ける。

「これで幕引きだ。アーシェラこのアイルランドの地で君と私のワルツのフィナーレとしようか!!」

「ふざけるな!!妾はまだ終わらない!!」

 リボルバーの引き金を引こうとするスミスに対してアーシェラは防壁代わりに霧を撒いて逃げようとする。

 スミスのリボルバーが乾いた音を響かせる。アストラル界にあるまつろわぬオベロンの領域に住む妖精によって作られたリボルバーは弾丸が入ってない空砲でさえもそこらのバズーカを凌駕する衝撃を放ち霧を吹き飛ばす。

 

「――――――ふむ、逃したか相変わらず逃げ足だけは一流だな」

 霧が晴れるとアーシェラの姿は無く気配も感じなかった。

 

「逃したか。仕方ないかありがとうスミス」

 アーシェラを追い払った事にスミスにジョーは感謝を伝える。

 

「大したことは無いさジョー。そして勇敢な少女達私の友人を助けてくれてありがとう」

 亜衣達にスミスは礼をのべる。

 

「あ、ありがとうございます。にっ、日本語お上手ですね」

 レベルの高い魔術師なら直ぐに言語を覚えれる事を聞いていたがまだそう言った魔術師の常識に疎い亜衣はおどおどしている。

 

「Mrスミス今回は助けて頂きありがとうございます」

 亜衣と早苗の前に立ち改めてスミスに礼をのべるアリサ。

 

「ふっ、気にする事は無いさこれは君達の実力で勝ち取った命さ・・・さて」

 話を切り替えスミスは稼働している遺跡を見る。

 

「・・・・・見た所異界への門それも神話やアストラル界に繋がっているものだな」

「分かるものなのですか?」

 スミスの言葉にアリサは問う。

 

「これでも妖精王の権能を持っていてねこう言ったものには感覚で何となくだが分かるものだ。・・・で、これはどうするべきかね?」

「この遺跡は土地の龍脈を通して稼働しているようだ。資料によれば異界に消えていったあの遺跡の中央に制御装置のような場所があるらしいが・・・・・」

「―――――それに適した魔術師が必要になると」

「そうなのだよ」

 この遺跡どうする?そう一同は頭を抱えていると。

 

「―――伏せろ!!」

 スミスが叫び全員がその言葉に従う。

 

「―――――ちっ、まだ追いかけるかならば」

 スミス達の目の前に稲妻が現れ稲妻は青年へと姿を変える。

 

「おや、アレクじゃないか。相変わらずコソコソと動いているようだが」

 目の前に現れたのがイギリスのカンピオーネ、アレクサンドル・ガスコインだと気づくスミス。

 

「貴様か悪いが面倒なのに追われていてな失礼する」

 そう言いアレクは再び稲妻になり異界の中に入り込んでいった。

 

「ッ!・・・面倒なのを連れて来たなだから君はダメな男なんだアレク!!」

 ドドドドドドドドド!!砂毛煙をまき散らしながらF1クラスの速度でチャリオットがこちらに迫って来る。

 

「下がれ!!狙いは私たちだ!!」

 スミスはアリサたちに大声で叫びアレクの後を追う。

 

「今度は一体何が起こっているのよ~~~!!」

 目まぐるしく事態が動く事に対応できなくなってきた亜衣が叫ぶ。

 

「待ちやがれ神殺し共!!」

 異界へと逃げていったアレクとスミスを追いかけるようにチャリオットもまた異界の中へと消えていった

 

「―――――古き時代から交信に使われていた遺跡」

「・・・・・サナエ?」

 遺跡に向けてブツブツと何かを呟く早苗その目にはガラス細工のごとき玻璃の色になっていた。

 

「長きの交信によって神域に繋がりそれによって神が降りそのせいでこの遺跡は廃れた」

 早苗の霊視によってこの遺跡の歴史が暴かれていく。

 

「再び動き出した扉を妖精の女王が見つけ出し遠征に動き出そうとした」

 遺跡の先にいる女王メイブの気配も探知したのか呟く。

 

「・・・・・そして今、サヴィン祭であるこの時期に遺跡が動いたことによって歴史はふたたび・・・」

 長時間の霊視にとうとう耐え切れなくなったのか早苗はばたりと倒れてしまった。

 

「え?え?ちょっと早苗ちゃん!大丈夫!?」

「長時間の霊視で脳に疲れが溜まってしまっただけよ休ませてあげれば大丈夫よ」

 疲れ切った早苗を同じ霊視を使えるアリサが優しく休ませる。

 

「・・・・・どうしようこれじゃあ司郎の応援に行けない」

 倒れているのは早苗だけではない。アーシェラの大規模魔術なのだろうか遺跡を起動させるために大きく衰弱した白枝騎士団の団員達が遺跡のあちらこちらにいるのだ。

 

「―――――安心なさいお嬢さん」

 ジョーは司郎の無事を心配している亜衣に優しく声をかける。

 

「彼らカンピオーネは不滅の魔王何度倒れても不死鳥のように蘇り最後には勝利を掴む彼らはそんな人種だ」

 スミスの戦いを通してカンピオーネはそういう存在だとジョーはいう。

 

 

 

 

 

―――――一方異界にいる司郎とウィンは未だにまつろわぬメイブとの戦闘の真っ最中だった。

 

「雷よ!!」

 雷の禁厭を使いメイブに稲妻を当てようとする司郎。

 

「はっ、遅いわよ神殺し!!」

 迫りくる稲妻にメイブはチャリオットに呪力を注ぎ込み速度を上げて避けきる。

 

「今度はこちらの番よ行きなさい私の兵隊!!」

 メイブは呪力を込めて自分の兵隊を式神として呼び出し司郎とウィンに迫りくる。

 

「っ・・・」

 殺到する兵隊にウィンは杖を振る兵隊のレベルは下級の魔獣程で一体一体ならウィンの実力でも十分対処できる。

 

「しまっ!」

 だが相手は神小手調べであってもその数は高位の大魔術師でも対処できないレベルの数で攻め込まれウィンは隙を突かれ槍が迫る。

 

「竜巻よ剣に纏え!!」

 やられる!迫りくる死に恐怖していたウィンを司郎は暴風の禁厭で兵隊を消し飛ばして助ける。

 

「―――ごめんシロウ」

「気にする―――ッ」

 対処を終えたと思った司郎とウィンだが莫大な呪力の気配を感じて呪力の場所に顔を向ける。

 

「私の英雄フェルグス、貴方の剣を私に貸して頂戴」

 そこにはメイブが莫大な呪力が蓄えられた剣を虚空から呼び出していた。

 

「やばい!シローーー」

 逃げてと叫ぶウィンだが。

 

「穿ちなさい―――――カラドボルグ!!」

 エクスカリバーのモチーフの一つである魔剣はメイブの呪力を蓄え司郎とウィンのいた場所を巨大な斬撃で穿ちぬいた。

 

 

 

 

「・・・・・ッ・・・あれ?・・・死んで・・・無い?」

 砂煙の中でウィンは思考を回していた。大魔術師数十人でも出せないような呪力で破壊の魔術を行えは如何なる魔術師であっても死は免れない。

 ならばどうして自分は生きているんだ?砂煙が晴れていきウィンの疑問は氷解した。

 

「黄金の盾?」

 ウィンの前に巨大な黄金の盾がありその莫大な呪力量は確かにあの衝撃を受け止めれるのだろうと理解した。

 

「咄嗟だが何とかなったな」

 迫りくるカラドボルグの一撃にカンピオーネならともかく普通の魔術師であるウィンが近くにいるから回避は出来ない。だからこそ自分の権能で一番の防御力を誇るカルナの黄金の鎧を盾に改造して対抗したのだ。

 本来の神格ではなせない行為しかし、司郎には本来背中が弱点であるジークフリートの権能を全体防御に変えて見せたサルバトーレ・ドニを知っていた。神話を捻じ曲げ自らの新たな力に変えるそれこそが神に勝った王者(カンピオーネ)の権利だ。

 

「随分と堅い防御ねそれだけ消費も少なくはないでしょう?」

 メイブもまた自分の最大火力を防いだカルナの権能を誉めた。

「はっ、自分で俺を殺せなかったからダーリンからおねだりするようなロイヤルビッチにそんな心配をアンタにされたらお終いだな」

「可笑しいかしら?私が愛して彼らは王になっただからその私の為にその力を貸してくれるのは当然じゃない」

 古き地母神の末柄であるメイブ。時代が下りサキュバスのモデルの一つになった彼女はそれでいて古い母権制社会のとある文化を強く受け継いでいた。

 それは、王の襲名性。古き母権制社会は自然の営みであり円環的に回っていった。そして、その象徴となったの大地の女神を軸とする地母神信仰土地の女主人である地母神に指名され王は決められ王として過ごしそして次の繁栄の為に王の命は生贄に捧げられる。エジプトのオシリス神が豊穣伸として扱われるのもこれが理由だ。

 

 だからこそ多くの英雄は彼女を愛し愛されそして、誰よりも英雄を殺す事を得意とするのだ。

 

――――――けれど、時代と共に()から()に移り行く神秘と大地の時代から鋼と炎の時代へと移り行くのだ。

 

「その盾が何時までもつか知らないけど何度でも放ってあげる私は英雄に愛された女王私のお願いに皆は私に力を貸してくれるのよ」 

 再びカラドボルグがメイブに握られる莫大な呪力が注がれる再び司郎達にその斬撃を放つつもりなのだ!!

 

「やってみろよ。太陽の子に情けをかけられた尻軽女がよ!!」

 この異界で太陽による消耗の補佐は出来ない。だが高橋司郎は引かない。

「この鎧は神々の王でさえ壊せぬ不滅の日輪。父の愛を見るがいい!!」

「私の愛するフェルグス貴方の剣を私にもう一度貸して頂戴!!」

 メイブは剣を構える大きく天に向けて、魔剣の輝きが異界を照らす。

 

「シロウ私は!!」

「大丈夫だ。お前は何もしなくても良いお前は俺が守る!!」

「―――――」

 魔剣を振り下ろそうとするメイブを前に何かできないかと叫ぶウィンを司郎は優しく諭す。

 

「穿ちなさい。カラド―――――」

 魔剣を振り下ろし司郎達を消し飛ばそうとするメイブ。

 

 

 

 

 

 

 

「――――――ガハッ」

 だが、メイブは魔剣を振り下ろせず胸を何処からかに飛んできた槍で貫かれていた

 

「うそ、でしょ―――――」

 神殺しを消し飛ばそうとしたその魔剣は担い手の手を離れドサリと地面に突き刺さった。




さて、ケルト編もいよいよ折り返しまるで何処かの冬の魔女の妖精圏見たいなメンバーが集まり神殺しに反省を促す祭りが始まります。投稿月は12月でも作品はまだ10月このハロウィンはまだ終わらない。やって見せろよマフティー!!
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