BRAVE10S   作:花札

17 / 64
守りの刃

体が自由となった佐助……

 

そんな佐助に、小太郎は腕の刃を振り回し攻撃したが、佐助はそれを避け次なる攻撃にを足で留め、ガラ空きと練っていた足の刃を蹴り小太郎を倒した。

 

倒れた小太郎に、佐助はクナイを投げつけた。小太郎はクナイを手に握っていた刀で防いだ。その時腕に着けていた刃がクナイに当たりその衝撃で、刃は折れてしまった。

 

 

「風魔の刃を折った!」

 

「スッゲェ!!」

 

(……あの眼だ。

 

あの野郎、馬鹿みてぇに眼がいいんだ。

 

あの風魔の刃全てを瞬時に捉える……

 

 

まるで……

 

獲物に狙いを定めた鷹の目のように!!)

 

 

「侮るな、猿飛!!」

 

 

刀を振り回す小太郎……

 

小太郎の顎に、佐助は蹴りを入れた。蹴りを受けた小太郎は、吹っ飛び倒れその場に座り込み、息を整えた。

 

 

(あの猿……

 

体術だけで、倒しやがった!!)

 

 

立ち上がろうとする小太郎……

 

 

「(立てん……体が……ままならぬ)

 

こ、小僧……」

 

「お前、哀れ。

 

 

守るもの、無し。故に弱い。

 

己のためだけに、振る舞う刃……虚無。

 

ゆえに脆い、故に折れる。そこに強さ、ありはしない。

 

 

我の刃は、守りの刃。

 

上田、守る。幸村様、守る。故に強い、誰にも折れはしない」

 

「よーう喋りおるわ」

 

「……守るもの…か。

 

そんなもの……失くした。

 

全てがいつかは、滅び去るのだ……」

 

「探しておるのではないのか?」

 

 

小太郎に話しかける幸村……そんな幸村に小太郎は目を向けた。

 

 

「お主のその刃、求めているのは血ではなく、守るものではないのか?

 

求めるものを、違えておるから乾きが癒されぬ……違うか?」

 

 

その言葉を聞くと、小太郎は舞台から飛び立ち、会場の出入り口の屋根の上へと降りたった。

 

 

「ここで引かせて貰う。

 

料金分は働いた。貴殿のために、命を捨てる義理もない」

 

「……」

 

 

それだけを言うと、小太郎はその場から立ち去った。

 

 

「勝者、猿飛佐助!!」

 

「やったぁ!!」

 

「凄いよ!!完勝だよ!!」

 

「っ……」

 

「ようやったの、佐助」

 

 

幸村に褒められた佐助は、顔を真っ赤にした。

 

 

「も、もったいないお言葉……

 

わ、我、怪我人の治療、手伝う!!では!」

 

 

顔を赤くして、佐助はその場から立ち去った。

 

 

「照れ屋だのう……」

 

 

佐助の闘いを見た伊佐那海は、隣にいる才蔵に近寄り話した。

 

 

「才蔵ぉ、佐助の事信頼してるんだね!」

 

「はっあ!?誰が!?」

 

「いっつも喧嘩してるくせに!

 

アタシ、感動しちゃった!

 

 

聞いたわよ。『アイツは真っ直ぐな奴なんだ。守るっつったら守る』って!」

 

「ふ、ふざけんな伊佐那海!!

 

俺はあの猿が、アホだって言っただけだ!!」

 

「んふふふー、またまた!」

 

「何がまたまただ!!」

 

 

「伊達殿に一勝しましたね」

 

「フフン……」

 

「ま、しょうがねぇよなぁ……

 

流れ者てのは、あんなもんだよな。

 

 

でも、場は温まったろ?良い感じによ!」

 

「ふむ……その様だな」

 

「こっから先は、もっと面白いことになるぜ?

 

侍なら、やっぱ命懸けねぇとなぁ!」

 

 

「第七戦!!両者前へ!!」

 

 

審判の声と共に、銃の入った筒を肩にかけ立ち上がった十蔵……

 

 

「幸村様、筧十蔵行って参ります」

 

「うむ!」

 

 

幸村に一礼した十蔵は、舞台へと登って行った。

 

 

「どう戦うつもりだ?十蔵の奴」

 

「火縄だと、いろいろ不利だよねぇ。

 

間合いつめられたら、どうしようもないし」

 

「そもそも一対一で、使う武器じゃねぇよ。

 

相手の得物にもよるだろうが……無理だろ、普通に考えて」

「何を申すか、才蔵!!

 

某を侮るな!!」

 

「ゲッ、聞こえてたか!」

 

「後で説教してやるから、覚悟して置け!!

 

この死合い……生きて戻れたならばな」

 

「!筧さん……」

 

 

「見事なお覚悟ですね」

 

 

『漆』と書かれた紙が貼った籠が、中から二つに斬られ十蔵の対戦相手が出てきた。

 

 

「僕の相手が、ひとかどの侍の様で嬉しいです」

 

 

籠から出てきた男は、舞台へと上がり一礼をした。

 

 

「伊達家家臣、鬼庭綱元。

 

よろしくお頼み申し上げます。」

 

「某は真田家家臣、名を筧十蔵と申す」

 

「鬼庭綱元?」

 

「伊達家にその人ありと、称される武将です。」

 

「鬼庭……

 

数多の命を捨てた戦働きによって、今日伊達家の礎を築いたという……忠臣よ」

 

「おお、よく知ってんな!

 

戦わせたら、アイツは凄いぜ?

 

 

風魔なんかとは、覚悟が違うからな!」

 

 

「貴殿の名は聞き及んでおります。

 

貴殿と戦って死ねたら、武士として本望!」

 

「過分な賛辞、何とも恐れ入りまする。

 

あなたの様な士のお相手ができるとは、僕こそよい敵を見つけた思いです!

 

殿のために、心置きなく命を捨てられます!」

 

 

互いに挨拶し合う十蔵と綱元……

 

 

「何だアイツ等?

 

互いに負け宣言か!?」

 

「お前にはまだ分からんか」

 

「ああ!?」

 

「あの二人は、死ぬ覚悟があったから、生き残ってきたのだ」

 

 

「楽しませろよ、綱元!」

 

「無論です!」

 

 

政宗に答えながら、綱元は持っていたケースから束の短い槍を手に取りだした。

 

 

「何だあの槍……随分短ぇな……」

 

 

槍を構える綱元に対して、十蔵は肩に担いでいたケースをなぜか後ろへ置いた。

 

 

「琥珀……

 

見守っていてくれ」

 

(火縄使わねぇの!?

 

束、また銃に名前付けてるし……)

 

「某、今回はこれで参る!」

 

 

そう言いながら、腰から小型の銃を取り出した十蔵……

 

 

「いざ!!」

 

 

掛け声と共に、十蔵は綱元に銃弾を打ち放った。次々に撃ち放ってくる弾に、驚きながら綱元は槍で防ぎながら避けた。

 

 

「何だ!?あの銃」

 

「うわぁ!!小型連射!?

 

何あれ、超カッコいい!!」

 

「ありゃあ、雑賀衆がふざけて作った短筒じゃねぇか。使えたのか……」

 

「雑賀!?カッコいい!!」

 

「あんな短筒は、初めて見るのう」

 

「面白い!」

 

 

すると、才蔵達が座っていた長椅子が突然揺れ、何かを察した才蔵は伊佐那海と弁丸を自分に引き寄せ、その場から離した。その直後、突然椅子下から巨大な風が渦巻き、椅子を壊し中から鎌之介が出てきた

 

 

「この風は…」

 

「あぁん!?」

 

 

「いつまで待たせてんだぁ?ああ!?

 

一死合い一死合い、長ぇんだよ!!

 

 

テメェらいくのに、どんだけ時間掛かってんだ!!チャッチャと終らせろよコラ!!

 

俺が今から、速攻でテメェらをいかせてやる!!まとめてな!!」

 

 

鎖鎌を振り回しながら言い放つ鎌之介……

 

 

「うわぁ……」

 

(超面倒くせぇ……)




怪我人が置かれている場所へ着いた佐助……


小松とアナスタシアは、七隈の治療を行い、その他の者は小太郎にやられた怪我人の治療を行っていた。


その奥で、一人優助の治療をする明日花……

佐助は、薬を受け取り明日花のもとへと駆け寄った。


優助の治療を行う明日花……

意識を集中させながら、胸に出来た傷口を自分の技で治していった。優助はすでに意識が無くなり眠っていた。明日花は自分の体にできた傷をお構いなしに、ずっと優助の治療に専念しているように、佐助には見えた。


「……明日花」

「……」


静かに呼びかける佐助……

だが明日花は、佐助の声が聞こえてないのか、治療の手を止めなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告