BRAVE10S   作:花札

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「くっ!!この!!抜けねぇ!!」


抜けない鎖を抜こうとする鎌之介……


(大乱戦じゃねぇか!!どうすんだよ!?)


今の状況に戸惑う才蔵……


「銃の的にならねぇ様に、散開と密集を繰り返せ!!

鎖鎌野郎が、封じられている好機を逃すな!!」

「ほいほい」
「承知!!」

「動きを止めずに、一人ずつ確実に叩け!!」


政宗の命令通りに、成実と綱元は動き回った。それのせいで十蔵は銃を構え狙いを定めようとしたが、狙いが定まらず撃てないでいた

そんな中、与一は鎌之介目掛けてまた矢を放ち、その矢を才蔵はすぐに剣で薙ぎ払った。


(政宗側は、うまく動きやがる!!

こっちはどうすんだ!?オッサン!!)


助けを求めるかのように、幸村の方を見る才蔵……


「六郎、茶!」

「御意」


才蔵達にお構いなしに、幸村は六郎に茶を出すよう命じ知らん顔をしていた。


(テメェ……

茶ぁ飲んでる場合じゃねぇだろ!!采配はどうした、采配は!!


六郎さんも六郎さんだ!!駄目だこりゃ!!)


膠着

幸村から目を離し、敵を見る才蔵……

 

 

(敵四人のうち、飛び道具が一人、槍が二人……

 

ただ槍っつっても、短槍の鬼庭と長槍の成実じゃ全く対処が違ってくる。

 

 

それに……

 

御子神典膳……さっきから、全く動かねぇ。

 

武器も持ってる様子がねぇ……どうなってる?)

 

 

「典膳!テメェはいかねぇのか?」

 

 

ずっと動かない典膳に、政宗は気になり声をかけた。

 

 

「……最後に、立っている者が勝ちなのであろう。

 

ならば、この勝負私がいる限り、万が一にも負けは無い」

 

「へーえ……そうかい。

 

ま、テメェの出番はねぇかも、知れねぇがな」

 

 

 

 

「あー!!抜・け・ねぇなぁ!!

 

クソが!!クソが!!」

 

 

鎖鎌を引っ張り、怒る鎌之介……

 

そんな鎌之介に、才蔵は振り向き怒鳴った。

 

 

「初っ端から、足手まといなテメェがクソだ!!」

 

 

その隙を狙い、綱元が才蔵に突っ込み槍を突いた。その槍を才蔵は体を防避けたが、もう一本の槍が迫っており才蔵は、その槍を間一髪避けた。

 

その瞬間、才蔵が居なくなったのに狙い、成実が鎌之介に槍を突いた。その槍を、遠くから甚八が槍で押さえた。それを狙い、与一はガラ空きになった鎌之介に矢を放った。その鎌之介に、甚八は足を突き転ばせ攻撃を防いだ。

 

 

十蔵が攻撃をしようと、十を構えた瞬間政宗側の敵は皆動き出した。

 

 

「止まったかと思えば、すぐさま援護攻撃……そして散開が速い……

 

巧みな連係だ!!狙いが、定まらん……」

 

(しかも、鎌之介を庇ったままじゃ、キツイ!!)

 

 

「さて、茶が入るまで間があるな……

 

 

筧!できるだけ下がって、狙いを那須与一一人だけに絞れ!!」

 

 

突然命令を出した幸村……

 

 

十蔵は幸村の命に従い、十を構えて後ろへ下がりそれと同時に与一も下がり弓を構えた。

 

 

「動けば撃つ!」

 

「あなたも動いたら死にますよ!」

 

(飛び道具が封じられた!!)

 

「才蔵、いったん下がれ!」

 

「ハア!?」

 

「綱元!!」

 

「はい!!」

 

 

下がろうとした才蔵に、綱元は槍を突いたがその槍を才蔵は避け、鎌之介を飛び越えて下がった。ガラ空きになった鎌之介に、綱元と成実は今だと思いやりを構え鎌之介に突っ込んできた。

 

鎌之介の後ろにいた甚八に、幸村は命を下した。

 

 

「甚八!!

 

お主一人で、その二人の槍を防げ!!」

 

「何だってぇ!?」

 

「俺等二人に一人でだと!?ナメられたもんだ!!」

 

「同感です!!」

 

 

突いてきた二本の槍を、甚八は一本の槍で防ぎ切った。

 

 

「これはちょっと、荷が重てぇなぁ(こういう時、明日花がいれば楽なんだが)」

 

「うちのを、ナメて貰っちゃ困るな、真田の!!

 

 

成実!!綱元!!まずはその男を殺れ!!

 

槍じゃお前等に、敵はねぇだろ!!本気出せ、コラァ!!」

 

「ったりめぇだ!!

 

奥州を切り取ってきたのは、この伊達成実の槍よ!!」

 

「僕達の槍を、一人で相手にしようなんて……

 

身の程を、思い知ることになるでしょう!

 

 

必ず、討ち取ります」

 

「ここがテメェの死に場所だ」

 

「んだと?」

 

「二人相手では、無理かぁ?」

 

「やってみなきゃ、分かんねぇだろ!!」

 

(いや、無茶だろ!!)

 

「やってみなくたって、分かり切ってんだよ!!」

 

 

甚八の前に立ち槍を突く成実……

 

その攻撃を難なく避けた甚八の背後に、綱元は回り槍を突こうとしたが、甚八は持っていた槍を振り回し、その攻撃を防ぎ綱元の方を向いた。すると後ろから、さらなる攻撃が来て、甚八はそれを避けたがその瞬間、成実の攻撃が甚八の肩にかかっているコートに刺さった。

 

 

「なかなかの腕前!

 

討ち取りには惜しいですが……

 

 

殿のために死んでもらいます!さようなら」

 

 

コートに槍が刺さり、一瞬動けなくなった甚八に、綱元は目の前へ行き二本の槍を同時に突いた。同時に来た槍を、甚八は一本を腕で払い避けたが、もう一本は肩に刺さった。

 

 

「さっきから、黙って聞いてりゃあ……

 

何でテメェ等に、俺様の死に場所を決められなきゃならねぇんだ!!」

 

 

腕で押さえていた槍を甚八は、手で掴み雷を流した。雷に怯んだ綱元はすぐに、その槍を手放した。すると槍は無残にも焼け焦げ使えなくなってしまった。

 

 

「槍が!!」

 

「雷だと!?」

 

「綱元!!成実!!

 

隙を作るんじゃねぇ!!押し込め!!」

 

 

政宗の命令通り、綱元は残っているもう一本の槍を突き、同時に成実も甚八目掛けて突いた。甚八は槍を分解し、鎖に付いてきた日本の槍を絡ませた。

 

 

「動けば、貫く」

 

「やってみな。

 

その瞬間、二人共焼くぞ」

 

「お前も、一瞬で串刺しだぜ?」

 

 

鎖から引き抜こうと槍を動かす綱元だが、槍はビクとも動かなかった。

 

 

(クッ)

 

「槍が速いか、俺様が速いか……試してみるか?」

 

「そうよ甚八!

 

お主の力は、槍だけではなかろう!」

 

「何だ何だ!

 

どいつもこいつも、動けねぇのかよ!」

 

 

完全に、敵三人の動きを封じた幸村……

 

 

(オッサンまさか……

 

この膠着状態を狙って、作りやがったのか……)

 

「見事な采配です、若」

 

「ホッホッホ!」

 

「え?今、幸村様凄かったの?

 

皆動けなくなっただけなのに?」

 

「んー……

 

オイラ、よく分かんないや」

 

「ここまでは良いですが、典膳をどう攻略します?」

 

「奴の能力までは分からん。才蔵と鎌之介に任すわ」

 

 

その時、鎌之介は鎖に刺さっていた矢がようやく抜け、鎖鎌を動かせるようになった。

 

 

「抜けた!!」

 

 

その横を、才蔵は走り典膳のもとへ駆けた。

 

 

(あとは、典膳ただ一人!!)

 

 

その行為にムカついたのか、鎌之介は鎖の錘を才蔵に投げつけた。才蔵は後頭部に痛みを感じ、後ろを振り返り呆れた。

 

 

「ハア!?」

 

「俺にやらせろ!!ヒャッハー!!」

 

 

足を止めた才蔵を抜かし、鎌之介は鎖鎌を振り投げた。しかし典膳は目を瞑り動こうとはしなかった。

 

 

「寝てんのかコイツ!!

 

楽勝だぜぇ!!」

 

 

鎌を振り投げた鎌之介……

 

 

すると突然、手から煙の様に鎌が消えた。

 

 

「え?」

 

「……鎖鎌か」

 

 

鎌之介の手に持っていた鎖鎌は、いつの間にか典膳の手元にあった。




(へぇ……凄いねぇ、真田の倅の手練れ達は)


どこかの屋根の上から、才蔵達の闘いを観戦する晃三……

杖を手で抱えて、座り込みながらその勝負を観戦しているようだった。


(でも、あの政宗殿の手練れも凄いなぁ……

俺と同じことができるなんて……


さぁて、どちらが勝つか……

見物だねぇ)
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