BRAVE10S   作:花札

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倒れ行く素戔嗚尊……だが、彼の体は突如溶岩を噴き出し、バラバラになった身体を再生していった。


「ホホホホ……また勇士が欠けたぞ。

どうする気だ?久久能智神……お主が選んだ勇士達は、役にも立たぬようだな」

「……」

「さて……次の一撃耐えられるかな?」


再生しきった素戔嗚尊は、大剣を振り熱風を才蔵達目掛けて放った。明日花は彼等の前に立ち水の壁を作り熱風を防いだが、伏せきれずそのままその攻撃を喰らった。


「お主等が力を借りた神々など、全て妾が生み落とした者じゃ。妾と素戔嗚尊に敵うわけがなかろ?

妾を抑える根源の力が、足りぬというのに……しかし今までよくもったと誉めてやろう。


しかし終いじゃ」


黒い煙を上げる素戔嗚尊……その時、空から何かが降り立ち素戔嗚尊に攻撃した。


「神槍氷柱(グングニルサスーリカ)!!」


素戔嗚尊に当たった攻撃……それは、氷の柱だった。


「私の氷は厚いわよ」

「アナ!」

「やっと来たか!」

「何じゃ!?

何じゃ、その力は!?そのような力を使う神、妾は知らぬ!?」

「ククク……当たり前だ、伊佐那美」

「!?」

「その神は……この国にはいない神だ。

いたとしても、より小さな力を持った神でしかない……だが、他国の神だったらどう?」

「私が依る神は……最高軍神・オーディン!!」


氷と雷

「アナ!」

 

「いい女だぜ、全く……」

 

「アナ……」

 

「金髪女!!」

 

 

氷の槍を作りアナスタシアは、空から雨の様にして素戔嗚尊に向かって振り落とした。

 

 

「神矢氷雨(リーヴェニストリエラ)!!

 

 

やられっぱなしは趣味じゃないのよ。明日花、水をありがとね」

 

「どう致しまして!」

 

(……アナ)

 

 

数日前の記憶を思い出す甚八……

 

 

夜の湖……船の上で一服していた甚八の前に、白い布を被ったアナスタシアが姿を現した。彼女は笑みを浮かべると、彼の胸にと飛び降りた。甚八は飛び降りてきた彼女を受け止めた。

 

 

『……誰だ!?』

 

『よく分かったね。凄ーい。

 

変化の術には自信があるのに』

 

 

アナスタシアは甚八から離れ、印を結ぶと煙を上げ変化の術を解いた。彼女に化けていたのは百だった。

 

 

『何だテメェ』

 

『あの娘のお願い。

 

『アンタの力が必要なの』』

 

 

『師匠……根津甚八っていう海賊を捜して来て。彼の力が必要になる』

 

 

『『今すぐ幸村様の所に駆け付けてあげて』だって』

 

『……無理だな。

 

俺様はまだ何も変わっちゃいねぇ。強くなるまではアイツに会わねぇと決めた』

 

『頑固な男だね。

 

あの娘が人に頼るなんて、初めてなんだよ。男なら今、それに応えるべきだ。

 

 

だって……アナの体はもう……

 

氷から出ると熱が体を焼いて、数時間で死んでしまうだろう』

 

 

その事を思い出しながら、甚八はアナスタシアを見つめた。

 

 

「才蔵!!」

 

「?!」

 

「素戔嗚尊を倒したら、勝機はあるか!?

 

 

つうか、作れ!」

 

「甚」

「明日花!!手伝えぇ!!」

 

「応!!」

 

 

氷の技を繰り出すアナスタシア。だが素戔嗚尊は一向に倒れようとしなかった。

 

 

その時、彼女が差し出していた手の隣に甚八の手が差し伸ばされた。

 

 

「凍らせろアナ。あいつを氷の棺に閉じ込めろ。

 

オメェ独りで、やるこたぁねぇのよ!

 

 

俺様が半分、手伝ってやるぜ」

 

 

そう言いながら、甚八は穴の額に軽く唇を当てた。その様子に明日花は、呆れた様な顔で軽くため息を吐いた。

 

 

「私の神力に当てられたら、アンタの体もたないわよ……馬鹿な男ね」

 

「素直にありがとうって言えよ。

 

明日花!!」

 

「応!!

 

 

光阪流木術四方拘束!!」

 

 

地面から生えた木の根は、素戔嗚尊の体を拘束した。

 

 

「……

 

 

 

ありがとう、甚八。

 

 

いくわよ!!」

 

「応!!」

 

「絶対零度超伝導!!」

「絶対零度超伝導!!」

 

 

氷が放たれ同時に雷が、素戔嗚尊の体に当たった。傷を負った素戔嗚尊は煙を上げそのまま倒れてしまった。

 

 

「やった!」

 

「さっすが……」

 

「……アナ!?」

 

 

深く息を吐くアナスタシア……

 

 

「何で、命賭けちゃうかねぇ」

 

「……約束したのよ……ずっと仕えるって」

 

「妬けんなぁ」

 

 

動かなくなったアナスタシアを、甚八は強く抱きしめた。その背後で、明日花は一滴の涙を流すと二人を見た。

 

 

(母さん……甚にも、女出来たみたいだよ)

 

 

「ア……ナ」

 

 

「可哀想……可哀想な素戔嗚尊」

 

「お……母さん」

 

「案ずるな。何も怖くはない……

 

今一度、この母の元へ還れ。還って母の力の糧となれ。

 

 

黄泉稜威母(ヨモツイズモ)!!」

 

 

素戔嗚尊の体は黒いオーラへとなり、伊佐那美の体に吸収された。

 

 

「己等……もう許さぬ!」

 

「くう……これまでよりもずっと闇が増してる!」

 

 

「……こうなっては、仕方があるまいか……

 

許せ伊佐那海。

 

 

才蔵!!半蔵!!鎌之介!!

今しばらく、伊佐那美を抑え込め!!ここに出雲大社に見立てた社を作り、黄泉への入り口を開く!!

 

大国主命の力で千木を組め!!佐助!!」

 

「応!!」

 

「明日花!!お主が持っている全ての力で、皆を援護だ!!」

 

「応!!」

 

 

甚八の傍にいた明日花は、幸村に返事をした後甚八の手に自分の手を添えた。

 

 

「甚……力借りるよ」

 

「……行って来い」

 

 

手から雷を放ちながら、明日花は才蔵達の元へと駆けて行った。

 

 

「六郎!!立て!!」

 

「そんな!!もう兄上は!!」

「御意」

 

 

幸村の命令に、六郎は返事をしながら立ち上がった。

 

 

「倒せぬなら……黄泉へと還すまで」

 

 

力を使い、佐助は伊佐那美の上に出雲の屋根を作り上げて行った。

 

 

「押し込め!!」

 

 

幸村の声と共に、才蔵達はそれぞれの武器を構え伊佐那美に攻撃を仕掛けて行った。

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