BRAVE10S   作:花札

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十数年後……


エピローグ

某所……

 

 

慰霊碑が建つ場所に、花束を置く一人の男……

 

 

「珍しいのう……

 

そんな慰霊碑に、花束を置く者がおるとは」

 

「……」

 

「その慰霊碑は……昔、この向こうの広場である一族を滅ぼさせた場所なんじゃ。

 

主犯は未だに捕まってなくてのう……じゃがどういうわけか、一族の死体は皆埋められておった。

 

 

余程の理由があったのじゃろうのう……一族を全員殺さなくてはならなかった理由が……

 

 

滅んだ一族を憐れに思ったのか、どっかの殿様が、その慰霊碑を建てたんじゃよ……一族全員を供養するために」

 

「……そうですか」

 

「そう言えば、お前さん……

 

確か、そこの鍛冶屋の」

 

「蘭丸……鈴木蘭丸と言います」

 

 

振り向いた男の顔には大きな傷跡があった。そして、着物から見えていた胸にも大きな傷跡があった。

 

 

「おーい!蘭丸ぅ!

 

早く店手伝ってくれぇ!!人手が足りねぇんだ!」

 

「分かりました」

 

 

立ち上がり、蘭丸は途中まで迎えに来ていた仲間の元へ急いだ。彼の後を、一匹のキツネが追いかけて行くのを老人は見た。

 

 

「白いキツネか……珍しいのう」

 

 

白いキツネは、蘭丸に追い付くとその勢いのまま飛び彼の肩に乗った。乗ってきたキツネを見た蘭丸は、笑みを溢しながらキツネの頭を撫でた。

 

 

慰霊碑に置かれていた花束の花弁が、風に乗り宙を舞った。花弁は人気のない森の奥へと行き、ある場所へとたどり着いた。

 

 

そこには小さな木が生えていた……

その木の根元には、錆びついた桜の花弁のピアスと粉々になった簪、そして古い狐の面と鳥の面が置かれていた。傍には刀と折れた槍が地面に突き刺さっていた。二つの刃には黒い羽織と、元は白かったであろう土で茶色くなった羽織が止められ、風に揺られていた。

 

 

そこへ片目に傷を負い笠を被った男がやって来た。男は手に持っていた数本の花を置いた。

 

 

「旦那、そこに何かあるんですか?」

 

 

離れた場所に立っていた、口に小枝を銜えた男が彼に話し掛けた。男は袖から煙管を取り出し、それを口に銜え煙を出しながら話した。

 

 

「さぁなぁ……

 

ただ、供えなきゃなぁって思っただけだ」

 

「フーン……!」

 

 

ふと辺りを見回すと、小さな木の近くに一輪の彼岸花が咲いていた。

 

 

(彼岸花?

 

珍しい……こんな所に、しかも一輪だけだなんて)

 

「前世で罪を犯した人間は、来世ではどんなものに生まれ変わるんだか」

 

「?何言ってるんです?」

 

「単なる戯言だ……

 

空が青いなぁ」

 

「おぉ、ホントっすねぇ」

 

 

二人が見上げた空は、青くどこまでも広がっていた。

 

 

「さ、行くぞ」

 

「オッス!」

 

 

 

 

とある戦地……

 

 

「何で真田丸を、取り壊されてんだよ!!アホか!!オッサン!!」

 

「オッサンがオッサン言うな!!お主だって、いい歳だろうが!!」

 

「家康は、茶臼山に陣張ってるらしいですよ」

 

「おお!そうか!

 

あの狸、一発打ん殴って」

「その様な、策でないような策、おやめなさい」

 

「キツイのう……歳を取って、さらにキツイのう」

 

「その口、糸で縫い合わせましょうか?」

 

 

「アラ~、皆さんどうも~」

 

「敵方が気安くこっち来んじゃねぇよ!!」

 

「いやいや~、どう見ても徳川が有利じゃねぇっスかぁ。

 

『服部半蔵』に返り咲いといて良かったぁ。俺、先見の明ありまくり!

 

おっと!」

 

「去れ」

 

「お~怖。じゃあね皆さん!

 

後で戦場で、会いましょう!

 

 

あ、才蔵は俺がぶっ殺すんで!」

 

「お主はいつもモテるのう」

 

「嬉しくねぇっつの」

 

「そろそろ刻限」

 

「さーて、やるかぁ」

 

「戦の世を終わらせるのが、今地上にいる我等の役目よのう。

 

あの竜も、今度は間違う巻いて」

 

「その竜なら、血気盛んに最前にいるようで」

 

「……あ奴らしいのう」

 

「では、参りますか」

 

「おう」

 

 

「おーい!

 

 

俺も交ぜろって、才蔵!!」

 

「遅せぇよ!オメェ(鎌之介)」

 

 

(完)

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