「えい、っと」
まず動いたのは、レミリアさん。大小様々な小型弾幕をばらばらと放つ。
「結構早いな……」
改めて考えると、人間の処理能力じゃかわせないと思うんだよね弾幕って。スペカとか来たら、絶対ヤバイよね。
「ふうん、結構余裕そうね。神罰『スターオブダビデ』!」
「うわスペカ来たぁ!?」
一瞬の静寂の後、ピカッと閃光が見えた。と同時にばら撒かれる小型弾幕。
何と無く、閃光から離れた
「小型弾幕自体はさっきと変わらなそぅおっととっとっ!?」
先程の閃光は、太いレーザーへと変わっていた。レーザーに当たってはいけないし、小型弾幕からも逃げなきゃいけない。うん、弾幕ごっこって難しいね。
「最悪の場合能力で何とかなるけど、まだ使い時じゃないよな……」
とかなんとか考えながら避けてるうちに、何とか耐え切った様だった。
「まだまだいけそうね?冥符『紅色の冥界』!」
今度は、小型弾幕のオンパレード。交差しながら幾つもの弾幕が不規則に飛び交う。
「くっ……雷符『カーテンコールサンダー』!」
降り注ぐ落雷が、全ての弾幕を撃ち落とす。その名の通り、一つのスペルカードに幕を引いた。ここではまだ使いたくなかったんだけどなぁ……
懐を見ると、残るスペカは三枚。うち一枚は何も描かれていない空白の状態。はてさて、どうなることやら……
「へえ、すごいじゃない。スキマが目をかけるだけあるわね。じゃあこれは?呪詛『ブラド・ツェペシュの呪い』」
物騒なスペカの宣言後、斜めに飛んでいく十二の弾。その弾の通った後、ベーシックな赤玉弾幕が発生する。そしてそれがばら撒かれつつ、十二の弾幕の第二波。隙間なく、避けづらい。さっきのスペカ、使わなきゃ良かったかなぁ?
いや、でもこの状況なら寧ろ……?
「まあしゃーないか。境符『八雲式二重結界』!」
寧ろ、こっちの方が役立つかもしれない。お札を右手に五枚左手にも五枚構える。そして狙いを定めて発射!
「……あ」
完全なミスだった。相手のスペカが先に発動してるこの状況だと、どこに投げても弾に当たって落ちてしまう。折角の結界も張れなきゃ意味が無い。
「……よーし、それなら………」
もう一枚お札を構える。スペルカード、という札を。
「境符『疾風迅雷の電光石火』!」
発動と同時に、スキマを開く。そこに飛び込み、飛び出た先で雷とお札を。またスキマを開き、雷とお札を。それを繰り返し、準備は整った。
「結界、展開!!」
カッコ良く指を鳴らせれば様になったかもしれないが、そんなことは出来ないので宣言だけで我慢。空中に稲光が走り、それよりも早く結界が展開された。すると、結界の壁に反射し、レミリアさんの弾幕は本人へと帰っていく。
「……ふふ………ふふふ!玲亞、弾幕ごっこって楽しいわね!」
「僕も今ちょうどそれ思ってたっ!」
一進一退の攻防、なんと心躍る駆け引きだろう。作者の筆も進む進む。
「でも、全て砕く!粉砕しなさい、神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」
レミリアさんの手に召喚されたのは、真紅のオーラを纏った鋭い槍。それをフルパワーで放り投げ、結界をぶち壊した。しかも、弾幕を飛ばしながら僕の方に向かっている。
「ぐうっ!?」
避けきれず、少し掠ってしまった。でもあのレベルの攻撃だと考えると、その擦り傷が致命境となる。
「くっ。腕が……」
「これで終わりよ!『レッドマジック』!」
「くそ……負けてたまるかぁぁぁぁ!」
脳裏に浮かぶのは、紫様の笑顔。家族への思いが、新たなスペルカードを生み出す。
「境符「アメジストスパーク」!」
イメージするのは、マスタースパーク。掌から、ありったけの霊力と思いを込める。
「いっけぇえええぇぇぇぇ!!!!!」
弾幕を蹴散らし、光線は吸血姫の元へと届く。想いと共に。