「……えっと………どういうことですか?」
急に「この世界の貴方は死んでいます」とか言われても、?マークしか浮かばない。それが何故これに繋がるのか、僕が平行世界に飛ばされ、ストロガノフ軍にスカウトされることになるのか。
ーーそして、あの紫様は?
「玲亞、ストロガノフじゃないわ。カタストロフよ」
霊夢さんがそう修正した。っていうか心読まないでよ。
「っていうかその……カタストロフってなに?そもそも何をする組織なの?」
「カタストロフ軍の目的は、幻想郷の侵略。というか破壊だね」
「え……だとしたら尚更僕がスカウトされた意味が分からないんだけど……」
と、ここで紫様が少し言いづらそうに苦笑いしてから、その疑問に答えてくれた。
「……玲亞、貴方がスカウトされたのはただのついでなのよ」
「え、ついで!?」
「うん。恐らく……この世界の私、八雲紫がスカウトされるついで」
「この世界の紫様……?ああ、それってもしかして」
「そう。スキマの中に潜んでいた、あの八雲紫よ」
だとすると、目の下の紋様とかはカタストロフ軍の印とかだったのかなぁ。そう思い霊夢さんに聞いてみると、思わぬ回答が。
「目の下の紋様……ということは、紫はやっぱりもう“∋“化してるみたいね……」
「かたすとろふ化?」
「まあ要するに、すごく強大な力を得ているってことよ……ざっくり言うとね」
「ざっくり言い過ぎだよ、霊夢。まあ詳しく説明すると、∋化すると、これこれこうでこんな感じになるんだよ。そのせいで小悪魔や美鈴もかくかくしかじかで大変だったんだ!」
「へえ、そんなことがあったんだ……」
詳しくは幻想五光輝をチェック☆
「でも、何で紫様程の人がカタストロフ化したんですか?」
と、目の前の紫様に聞いてみた。すると、思わぬ回答が。
「この世界の名雲玲亞は既に死んでいる、ってさっきいったわよね?」
「ええ」
「本来、平行世界という物に行くことは出来ないの。卵が先か鶏が先か、みたいな物で、今日雨が降る世界Aと晴れる世界Bがあったとして、そのABはどちらがオリジナルという訳でもなくて、それでいてどちらもオリジナルなの。分かりにくいだろうけど、全ての平行世界はそれぞれに依存しあって出来てるのよ。だから、貴方がいたAの世界からBのこの世界に来ることは本来出来ない。ちなみに貴方の能力で越えて辿り着いた数々の世界は、A-1とかA-2みたいに、要するに同じ世界軸の中の物だったりするわ」
「へ、へー……そうなんですかー、よくわかりましたー」
「玲亞、すごい棒読みになってるわよ」
霊夢さんの鋭い指摘が入る。だってよくわかんないんだもん!
「……で、その越えられないAとBの境界を越えるために、八雲紫はカタストロフ化してそれを可能にした。最も、本来交わらない世界を繋ごうとしたせいで、色々と境界が乱れて、本来来れるはずのない他の世界の八雲紫も来れる様になったの。つまり私とか貴方の本来の主である八雲紫とかね」
「え、てっきり貴方が僕の紫様だと思ってたんですけど違ったんですか……」
「ちょっと待って玲亞、今のもう一回言ってくれないかしら?」
ん?良く聞こえなかったのだろうか?
「え?えーっと、貴方が僕の紫様だと思ってたんですが違ったんですか?」
「……うん、これならその気持ちも分からないでもないわ………」
うんうん、と納得した様に頷く紫様。何が分かったんだろう?
「っていうか、何でこの世界の紫様はそんなことをしたんですか?」
「え、まだ分からないの?」
不満そうに聞いてくる紫様。しょうがないじゃないですか、難しい話が多かったんだから……
「俺も良く分かんないかな……」
「ね、やっぱり分かんないよね!」
「……何でレイは本当、こういうことの理解力だけ低いのか……」
霊夢さんがやれやれといった表情でため息を吐く。多分理解力がそもそも低い僕よりはマシだと思う。っていうか霊夢さんは分かったのか。
「八雲紫が禁忌を侵してまで境界を越えた理由、それはーー」
「名雲玲亞を、取り戻すためーーですわ」
「「!?」」
何もない場所から声が響く。二人は驚いていたが、僕は何故か冷静そのものだった。
「貴方を失って……初めて気づいたの。貴方が、いつの間にか私にとって大切な物になっていたことに。
貴方が居ないことが当たり前になることが、死ぬ程嫌だった。だからーー私は、貴方を探した。そして、ようやく見つけましたわ」
慈しむ様な、優しい笑みを浮かべる紫様。しかし、何故かそれを受け入れてはいけないと思えてしまった。
「ーーさあ、帰りましょう?」
その誘いはとても魅力的で、実際頷いてついて行きたい筈だ。筈なのに……
「ーー嫌です」
そうはっきりと断った。目を見開き驚いた様に唖然とする紫様(∋)。対して、安心した様に微笑む紫様(通常)。
「ふ、ふふふふ……どうやら貴方は、私の玲亞では無いようね」
「当たり前でしょう。いい加減現実を見なさいな。貴方の玲亞はもう、死んでいるのよ」
「仰ってる意味が全然分かりませんわ?……まあでも、貴方が嫌ならそれでいい。私は、私を必要としてくれる玲亞を探すだけだもの」
そういって、八雲紫はスキマに入ろうとしたーーが、飛んできた斬撃に阻まれる。
「神凪一刀流、二の型、『烏疾風』……。ちょっと待ってよ、紫」
「何故?私は貴方達に迷惑をかけるつもりはないのよ?ただ、彼を探し出せればいいだけ」
「他の玲亞に迷惑がかかってるし、やり方が問題だよ。世界と世界の境界が揺らいでるし、“∋“なんて物の力に頼ってる時点で良くない」
「そもそも、あんたがいないと結界の管理が疎かになるでしょう?幻想郷が壊れるわよ?っていうか結界緩々にするわよ?」
「脅しのつもりかしら、霊夢?もしそうなったとしても、その時は……そうねえ、例えば貴女を殺して貴女の幻想郷を貰おうかしら?」
おどける様に、もう一人の紫様を指差しくすくすと笑っていた。
「……いい加減に、しろよ」
それは意識せずに、自然と出てきた心の声だった。
「そんなに何でもかんでも、取っ替え引っ替えして代用品で済ませて……人から奪った物で済ませて、それで貴女は満足なの?」
「……ええ」
少し答えに躊躇っているようにも見えたが、紫様は僕の問いにほぼ即答した。
「ーー紫」
「ーー紫様」
「「弾幕ごっこ、しろよ」」
「ええーー構わないわよ?ただし、死ぬ覚悟があるのならね?」
にっこりと微笑んだ瞬間、“∋“の紋様がより強く浮かび上がり、博麗神社を取り囲む様に、無数の、夥しい数のスキマが開いた。
「これでこの博麗神社は別空間……これなら、私が本気を出してもこの幻想郷に影響は無いわ。“この幻想郷には“ね」
「……中にいるレイと玲亞はどうなるか分からない、ってことね」
そう言った霊夢さん自体は、スキマで囲われた結界の外に居た。
「そう。ちなみに、邪魔な私にはこの世界から消えてもらいましたわ♪ああ、ただスキマで元の世界に送っただけだから心配しなくても良いわよ?」
それを聞いて少し安心した。が、気持ちを切り替えて目の前の紫様と相対する。
「霊夜、玲亞。二人まとめてかかってきて良いわよ?」
「言われなくても!」
「そのつもりだよ!!」
次こそ、やっと弾幕ごっこやね……
玲「これさ、最早コラボっていうかレイラさんの設定を借りて作ったオリ異変だよね?」
……コラボって、そんなもんでしょ?←
「ダメだこいつ……」
えっと、今回はこの辺で。
「まったみってねー」