東方界縫伝(旧)   作:織葉 黎旺

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コラボ回最終回ですっ


交差の四。届け想い、繋がれ絆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めはいつも通り、通常弾幕の撃ち合い。レイは刀を振り回し、そこから弾幕を出したり斬撃を飛ばしたりして戦っていた。なんか格好良くてすごい羨ましい。僕も武器とか欲しいなぁ

 対する紫様は、色とりどり、クナイの様な小型弾幕をばら撒くように撃っている。が、途中で急にそれが止んだ。

 

 

 

 

 

 

「ふーん……結界『光と闇の綱目』」

 

 宣言と共に、閃光が飛び交う。危機感を察しそこから離れると、そこを光線が駆け抜ける。そして大小様々な赤青の弾幕もその周りにばら撒かれる。

 

 

 

 

「うあっ!?……あれ?」

 

 咄嗟に身構えるが、よく見ると僕の周りだけレイと比べて弾幕の密度が薄いように見えた。というか、最早僕を避けるように弾幕が飛ばされてきているようにしか思えない。

 ーー背筋に冷たい物を感じ、急いでレイを探す。

 しかし、先に視界に入ってきたのは紫様の冷たい笑顔だった。

 

 

「そうねえ……気が変わったなら、言ってくれればいつでも助けるから心配しないで良いわよ?」

 

「お断りですっ!」

 

 そう告げ、とりあえず紫様の方にお札を投げつけておく。それが爆発し、煙幕となり紫様の周りにだけ広がる。どこにいるのかは分からないが、これでレイだけ狙われることは無くなるはずだ。

 

 

 

「ありがとう玲亞、助かった!」

 

「いえいえ、二人で頑張らないと!」

 

 弾幕の隙間をくぐり抜け、レイが少し近くに寄ってきた。距離にすると五メートル程度。これ以上近づくと、お互いの動きの邪魔になるし、何より格好の的だ。

 

 

 

 

 

「罔両『八雲紫の神隠し』」

 

 今度は宣言と共に、紫様の姿が消える。何処に行ったのか、と目で探すが、不意に気配を感じた。

 

 

「レイ、右に避けて!」

 

「了解!」

 

 僕の指示に即座に反応したレイは、右に素早く駆ける。次の瞬間、さっきまでレイの居た場所に紫様が現れ、花火のように円形に広がる弾幕を放った。それを紙一重でレイはかわす。そして感じた気配に反応し、僕もその場から離れると、同じように僕のいた場所に紫様が現れ円形に弾幕を放つ。こうなると、スペカの時間切れまで耐えなきゃいけないかもなぁ……。紫様が消えてる間は弾幕をどこに撃っていいか分からなくなるし、霊力の無駄遣いかも。

 

 

 

 

「見えないならば……心の目で斬る!」

 

 

 

 そう呟いたレイは、動かざること山の如しよろしく、目を瞑りその場に留まっている。

 

 

 

 

「ちょ、レイ!?」

 

「大丈夫、玲亞。風符『ストームラッシュ』!」

 

 

 その宣言と共に、レイの剣に風の力が宿る。それを槍の如く突きだし、それは現れた紫様に直撃した――かのように見えたが、紙一重で紫様はそれをかわした。しかしその剣から放たれた弾幕は直撃したようで、何とかスペルブレイク。

 

 

 

 

 

 

「……罔両『禅寺に潜む妖蝶』」

 

 

 

 ゆっくりと小型弾幕がばら蒔かれていく。それを避けていると、唐突に紫様の周りからレーザーが。なんというか、そうあれだ。お寺の地図記号的な形の感じ。そんな感じのレーザーがぐるぐると回転している。近寄れないし物によっては弾幕も落とされるんじゃ、とか思っていた矢先、背筋に悪寒が。少し後ろに下がると、急にレーザーが太く長くなる。その上回転速度が速くなって小型弾幕も速くなる。で、対称的に僕の反応速度は鈍って――――

 

 

 

 

 

 

 

「……あーもう!雷符『カーテンコールサンダー』!」

 

 

 

 

 弾幕を全て叩き落とす、落雷。ちなみにこれ、空気中の静電気に境界を越えさせて一時的に雷にして攻撃してます。

 

 

 

 

「ナイス玲亞!」

 

「レイこそ、良かったよ!」

 

 

 

 お互いに"グッジョブ!"と親指を立てた。それが気に食わないのか、紫様は立て続けにスペルカードを発動した。

 

 

 

 

 

「境符『海と空の境界―血平線―』」

 

 

 

 宣言と共に、結界の中が広がった様な気がした。そして遠い向こう、地平線の彼方から鳥が海を泳ぎ、魚が空を飛んでくる。眼下にはいつの間にか海が広がっており、僕はその中に。レイはその上にいた。

 

 

 

「くっ……」

 

「うわっ!?」

 

 

 群をなして迫ってくる魚や鳥はそれ自体が弾幕であり、その上呼吸をするように口から弾幕を出してくる。まだ離れているからいいが、近づいてきたらひと溜まりもないだろう。

 

 

 

 

 

「待ってて、レイ!境符『疾風迅雷の電光石火』!」

 

 境界を越え、海と空を行ったり来たり。海の方に放った雷撃は水に伝わり、一気に敵へと拡散されていく。ポケモンで言ったら水+飛行タイプに電気攻撃なので通常の四倍ダメージ。わお。

 そして空を駆ける閃光は、魚達を取り囲み一網打尽にした。ここで何とかスペルブレイク。

 

 

 

 

 

「……忌符『視線血壊』」

 

 

 

 冷たいその宣言を聞いた途端、レイの顔に動揺の色が浮かんだ。

 

 

 

 

「あのスペカは……まさか!?」

 

 

 心当たりでもあるのだろうか。だがそれを聞こうとした時には既に時遅し。僕は幾重にも重なった空間の裂け目――つまりスキマに囲まれていた。

 

 

 

 

「っ……!」

 

 

 気持ちの悪い幾つもの眼に囲まれるこの感覚は、いつになってもなれない。ギョロリとしたそれらは、異物である僕を捉え、僕に向かって様々な色の弾幕を放つ。

 咄嗟に避けようとしたが、動けない。気がつくと僕は結界の中にいた。

 しかし、この結界が弾幕から守ってくれる――ということはないだろう。恐らく僕の動きを止めてるだけだ。

 しかもそれは、徐々に狭まってくる上に各所から弾幕が。避ける手段なんてない、最悪のスペカだと思う。そういうのスペルカードのルール違反じゃない?

 

 

 ――いや、でも避ける手段はあるのか。

 

 

 

「境符『アメジストスパーク』っ!」

 

 

 

 

 紫の閃光は結界を撃ち破り、境界を越えて紫様の元へ。それが当たったかは定かじゃないけど、スペルブレイク。

 

 

 

 

 

「……紫、今のはΔ=0の」

 

「あら、やっぱり分かっちゃった?そう……鬼符『死線結界』のアレンジよ」

 

 

 

 楽しそうにクスクスと笑う紫様。Δ=0って確か、∋軍の……

 

 

 

 

「フフっ……境符『天と地の綱目―開闢―』」

 

 

「……えっ!?」

 

 

「うわっ!?」

 

 

 

 急に地面に叩きつけられる。その名の通り、天地が一時的に繋がったようで、僕達の周り以外はなんと言えばいいんだろう。あえて表すなら、空が平面になり、大地の上に二次元的に重なっていた。試しにさっきまで空のあった場所を見上げたが、そこには何もなかった。完全な無。そして紫様の姿は何処にもない。スキマに逃げたんだろうな、と予想した直後。天と地が乖離した。

 

 

 

 

「なっ!?」

 

「え、ちょっと!?」

 

 

 

 そして乖離した瞬間、先程まで空のあった場所から弾幕が。夥しい量の、クナイ型の弾幕が。

 

 

 

 

 

「こんなの無理でしょ!?」

 

 

 そう呟く僕と違い、レイの眼はまだ希望を捨てていない様に見えた。

 

 

 

 

 

 

「――霊夢、力を貸して!霊嵐符『夢想疾風』!!」

 

 

 

 宣言と共に、巨大な台風が放たれる。それは周りの弾幕を全て巻き込み、更に夢想封印と激突し、全てとは言わずとも、ほとんどの弾幕を消し去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……もう十分楽しみましたわ。これも一時の幻想。そろそろ、幕を引くときです」

 

 

 

 冷たい声。紫様の表情から察するに、次で決めるつもりなのだろう。

 ――つまり、次が最後の勝負。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「夢と現、光と闇。相容れぬ二つは、しかし何より近い物――」

 

 

 ただ口上を聞いているだけの筈なのに、強い重圧を感じた。

 

 

 

 

 

 

 

「表裏一体。受け入れよ矛盾。壊せ、境界を。"破滅奥義(カタストロフスペル)"境符『太陽と月の綱目"∋"』!!」

 

 

 

 いつの間にか、空に異常が起きていた。辺りには夜の帳が落ち、現れた太陽は目まぐるしく西に動く。そして日が沈めば月が昇り、また沈んでいく。次に現れた太陽は、日光の様に僕達の元に光線を放ち、同時に月が昇り、丸い小型弾幕を、夥しい数放つ。

 

 

 

「なっ……境符『八雲式二重結界』!」

 

 

 

 一先ず僕とレイの周りに結界を張る。日光の様に光線を放っているんだから、逃げ場なんてない。幸いなことに光線の威力は結構弱い様なので結界はまだ余裕そうだが、月からの弾幕が届くのも時間の問題だし、絶体絶命だ。

 

 

 

 

 

 

「――レイ」

 

 

「――玲亞」

 

 

 

 顔を見合わせて、お互いに一度頷く。言わずとも、お互いの想いは伝わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――力を貸して、レイ(玲亞)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「凪げよ疾風、轟け雷鳴。雷嵐符『疾風と迅雷の交わり』っ!!」」

 

 

 僕達二人の声が響き渡った。

 レイの放つ無数の竜巻に、僕が雷撃を乗せる。 雷撃は弾幕を撃ち落とし、竜巻は光線を遮り、吹き飛ばす。そして向かうは月と太陽の狭間に立つ、一人の哀しき少女の元へと。

 

 

 

 

 

 

 

「……言ったでしょう?"壊せ、境界を"って」

 

 

 

 指を鳴らす紫様。その途端、磁石の様に太陽と月が引き寄せあい、混ざりあった様に見えた。そしてそこから、最大限のエネルギーが放たれた。

 ――見ただけで分かる、破滅の雰囲気。紫色の光線。止められない、避けようの無い一撃。紛れもないスキマ妖怪の本気。だがそれでも、諦める訳にはいかない……!

 そう想った瞬間、胸元のポケットから、暖かい力を感じた。どうやらそれはレイも同じようで、お互いに一枚のスペルカードを取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「境界を越え、繋がる絆。伝わる想い」

 

 

「破滅を乗り越え、今この先へ!」

 

 

 

「「届け俺達の全て!“終幕奥義(ラストスペル)“光境符『オーバーボーダー・ラストレイ』っ!!!」」

 

 

 

 目が開けない程の眩い光。しかしそれは不思議と優しく、暖かい輝きをもたらす。徐々に慣れ、ゆっくりと目を開くと、光と闇がぶつかり合っていた。

 

 

 

 

 

 

「――紫様」

 

 

「何かしら?」

 

 

 

 境界を飛び越えて、弾幕を見守っている紫様と対峙する。その顔に浮かぶ紋様は、先程までよりも濃い。

 

 

 

 

 

「――もうやめましょう、こんなこと。この世界の僕も悲しみます」

 

 

「じゃあ――どうすればいいの?」

 

 

 

 そう問う紫様は、本当にどうすれば良いのか自分でも分かっていない様に見えた。声は震えていて、今にも消えそうなくらい儚げ。

 

 

 

 

 

 

 ――妖怪は精神に依る生き物。だとすると、放っておいたら本当にこの紫様が消えてしまう気がして――それで――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

「あ……玲…亞…………?」

 

 

 

 自分でも、もう何をしているのか良く分からない。分からないけど、紫様の細い体の感触と温もり。それだけが体全体を通して、伝わってきた。

 

 

 

 

 

 

「――紫様、辛いのは分かります。僕だって、もし紫様が居なくなれば同じことをしたくなると思うから。でも、それは間違いだし、絶対にしちゃいけないことだと思うんです」

 

 

「…………」

 

 

「それは消えた紫様に失礼だし、それに――本当に大切な物の代用品なんて、あるはずが無いんだから」

 

 

 

 ピキン、という音が聞こえた。続いて聞こえる硝子の割れるような音。それは僕達の勝利を知らせる物だったが、今の僕にはどうでも良かった。

 

 

 

 

 

 

「……玲亞」

 

 

「はい」

 

 

「……少し眠くなっちゃった。だから今は――今だけは―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――もう少し、このままで。

 そう呟き、紫様は眠りについた様だった。スー、スーと聞こえてくる寝息。それに安心し、紫様を抱き抱えながらゆっくりと下に降りる。いつの間にか、紫様の胸元にあったペンダントは砕け、そして顔の紋様も消えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……玲亞!」

 

「あ、レイ」

 

 

 駆け寄ってきたレイに手を振る。

 更にその後ろから、霊夢さんもやってきた。

 

 

 

 

 

 

「レイ、玲亞……本当にお疲れ」

 

「ありがとう、霊夢」

 

「ありがとうございますっ」

 

 

 

 一段落して安心したのか、どっと疲れが来た。なんか眠い。

 

 

 

 

 

 

「で、ちょっと言いにくいんだけど――」

 

 

 んん?何か言いづらいことがあるのか、微妙な表情を浮かべる霊夢さん。

 

 

 

 

「玲亞、あなた……帰れなくない?」

 

「え?」

 

「えっ!?」

 

 そうだよ、冷静に考えてみたら帰れないじゃないですかやだー!カタストロフの力で無理矢理境界を繋げたなら、それが消えた今帰る手段は存在しない。ずっとこの世界にいることになってしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

「玲亞?どうしたの?」

 

「……ボク、最初っからこの世界の玲亞。他の世界とか知らない」

 

「ちょ、えっ!?」

 

「僕の主はこのお方だけです。はい。異論は認めません」

 

「さっきまで“大切な物の代用品なんてない“とかカッコイイこと言ってたわよね!?え、なのに妥協するの!?」

 

「妥協じゃないです。はい。ここが僕の居場所なんです。ええ」

 

「……そういえば、この世界の玲亞も実は死んだっていうかある日急に行方不明になっただけなんだけどそれってもしかして………」

 

 他の世界のこととかは知らない。うん。

 強いて言うなら、僕の元居た世界にカタストロフの侵攻が迫ってきていないことを祈るばかりでした。はい。

 

 

 

 これからも僕達のカタストロフとの戦いは続くのでした(少年漫画の最終回的な感じで
















はい後書きコーナーでございます。まずはコラボして頂いた神矢レイラ様、本当にありがとうございました!めちゃくちゃ楽しかったです!!


藍「はいはい、良かったな良かったな。で、この後どうなるんだ?」


……え?


「いや、この後だよ。めちゃくちゃ中途半端な所で終わったじゃないか」


えーっと、あれです。この章の話は本編とも幻想五光輝様とも違う平行世界で繰り広げられた話なので、あれはあれでなんやかんや続いてくよー、って感じなんですね。


「なんだそれ……」


と、いうことで次からは平常運転なのです。


「いやいいのかそんなあっさり終わって!?」


いいんです(小並感
あ、ところで感想にて紅魔郷編入る前のプロローグなのにバリバリ弾幕ごっこしまくってるじゃねーかよ、という旨の物を頂きました。全くもっておっしゃる通りでございます。いや、言い訳をさせてもらいますとね!?この作品、そもそもはダラダラと幻想郷での日常を描いて、最後に二三個オリ異変を入れて終わらせる予定だったんで、時間軸は大分最近の物にする予定だったんですよ。輝針城とか。なので、最初っから弾幕ごっこしても問題ない感じだったんですけど……急に紅霧異変を書きたくなる、発作に襲われまして。


「はいはい無計画乙」


ということで、原作とは全くの別物と見てもらえればそれで嬉しいです。はい((


「最悪の駄作者だな……」


……割とマジで本当にすいません。
ではこの辺で。



「また次回も乞うご期待」
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