え?藍様?無論勝てないよ?←
まだ雪は降り続き、幻想の地を包み込んでいる。
誰か相手がいれば雪合戦したり雪だるま作ったりするんだけど、誰もいないから無理だね。ぼっちだね。
「れーいーむーさーんっ!」
ここは神社の境内。いつも通り掃除してたりして霊夢さんがいるかなーとか思って来たけど今雪降ってるじゃん掃除するわけないよね。ということで、少し雪を眺めてぼーっとしてました。基本暑がりだし、寒い位がちょうど良いんです。
ということで神社の中に居るはずの霊夢さんを呼んでみたが、返答なし。これはやっぱりあれをするしかないか……
「えいっ」
一円玉を賽銭箱に投げ入れる。しかし反応なし。
やっぱり一円程度じゃ動かないってことか……?
「せいっ!」
縁起物だし、五円玉。これなら来るだろうって思ったんだけど、チャリンという良い音がした以外は反応なし。
特に霊夢さんが来たりする気配は無いけど、折角お賽銭を入れたんだしなんか願っとくか。
「んー……なに願おっかなー」
こういうのあんまりしたことなかったからなー……あ、これでどうだろう?
「楽して生きられますようにさっさと異変が終わりますようにああでもこれ異変終わっちゃったら雪だるま作れないし雪合戦出来ないじゃんどうしようああでもそれなら雪を降らせればいいんじゃ」
「そういうのを本末転倒って言うんだぜ」
空から箒に乗って颯爽と現れたのは魔理沙さん。マフラーとか巻いててあったかそう。
「ああ魔理沙さんお久しぶりですー」
「久しぶりだな。で、こんな寒い中こんなとこまで何の用だ?」
「その言葉そっくりそのままお返ししますよ?」
「まあ私はお散歩しに来ただけだぜ。霊夢も居ないみたいだから何か借りていけそうだしな」
そういえばそれを聞かなきゃいけないな。
「え、霊夢さんどうしたんですか?」
「お仕事みたいだぞ?ほら、今は四月だからな。春を探しに行ったらしい」
「……ちなみに魔理沙さんは春を探しに行かないんですか?」
「あー?ほらあれだろ、春だってきっとまだ動きたくないんだ。少しぐらい冬に出番を与えてやろうっていう春の優しさだなこれは」
「なんで春の方が冬より上みたいになってるんですか…」
冬にも春にも平等に出番はあるでしょ……
「んー、じゃあ僕もそろそろ行きます」
「春を探しにか?」
「はい」
むー、と何か考えるような素振りを見せる魔理沙さん。なにを言いたいのかはだいぶ読めた。
「よし、私も一緒に行く」
「遠慮しときます」
「私と一緒に行くならもれなく箒が付いてくるぜ?」
「いやあの、魔理沙さんと一緒に行きたく無い訳じゃなくてですね……ほら、移動の時に足手まといになるんですよね」
極論場所が分かればほぼノータイムでそこまで辿り着けるので集団行動には向いていないのだ。普通に動く分には僕が遅いせいで足手まといだし。
「むう……まあ、しょうがないな。うん。それなら私は私でちょっと動いてみるぜ。こんなことをしそうな知り合いを一人知って………いや知らないのかな?うん、一人知らない」
「どっちにせよ魔理沙さんが危ない人だってことはよく伝わってきます」
目を閉じる。イメージするのは霊夢さんのこと。そこまで遠くないのであれば、霊力を探れるーーーお、これかな?
「魔理沙さん、ちょっと行ってきますね」
「おう。私も行ってくるぜ」
と、箒に乗って何処かへ行こうとした魔理沙さんが一度振り返った。
「なあ玲亞。この異変が終わったら、絶対にみんなで宴会をしような」
「ここでフラグを立てないでください」
親指を立ててすごい良い笑顔で言ってるから尚更困る。どうするんだよ帰って来れなかったら洒落になんないよ……
「まあ冗談はおいといてだな……玲亞。絶対に死ぬなよ」
「冗談だったの!?しかもそれもフラグだよ!?」
そんなツッコミを入れたものの、既に魔理沙さんは飛び去っていた。
「……さて、じゃあ行くか」
助走をつけて、前に走り出す。鳥居を潜り階段を飛び降り、その先のスキマへと飛び込むーーー!
ーー気をつけて、玲亞
そう聞こえた気がするけどきっと幻聴だろう。
▽ ▼▽ ▼
「れーいーむーさーんっ!」
「「「大合葬『霊車コンチェルトグロッソ』!!」」」
「ちょ、玲亞!?」
あ、ありのままに今起こったことを話します。スキマに入って霊夢さんの所に着いたのは良いんだけど、そこは既に空中で真下には雲が見えてそこに真っ逆さまに落下していっているんです。何を言ってるか全然分からないと思いますけど僕にもよく分からない。よく分からないけど弾幕に囲めれたからとりあえず……
「雷符『カーテンコールサンダー』!」
雷が空中に放たれていた弾幕を全て叩き落とす。そして何とか体勢を立て直して浮き直した。
「霊夢さん!」
「話は後でするわよ。霊符『夢想封印』!」
「ちょ、私達まだ!」
「全然喋ってないのにー!」
「私喋ることすらないー!」
よく分からない断末魔を残しながら三人の女の子は何処かに飛ばされていった。
……うん、なんというか霊夢さん怖い。
「玲亞、どうしたのよわざわざこんな所まで」
「いやー、異変を解決しようかなぁ……と思ったので」
そういうと霊夢さんは、はぁ、と嘆息してキツイ一言を放った。
「足手まといだし危ないから帰れ」
「酷いっ!?」
これでも紅霧異変は解決しましたよ!?
「まあ冗談よ。ここまで来たんだし、盾ぐらいにはなるでしょ?」
「いやなりませんなりません」
そう言いながらプカプカと飛んでいく霊夢さんに着いて行く。すると目の前に巨大な結界が見えてきた。
「どうやら首謀者はこの先みたいね」
「まあおあつらえ向きにこんな巨大な結界張ってますしねー」
問題はどう突破するかだけど……と考えていると、霊夢さんが結界に触れた。
「ていっ!はい、多分これで破れた」
「え!?え!?」
え、今ので破れたの!?確かに結界が消えてなくなってるけど……あんな巨大な結界が一瞬で……
「はいはい、さっさと行くわよー」
「ちょ、置いてかないでください!」
ーー実はこの時、何故か少し胸騒ぎがしていたのだが……この先に何が待ち構えていようと、倒して異変を終わらせるしかないな、と決意した。