「紫様、僕犯人わかりました!」
「え!?」
さすがの紫様も僕の閃きには驚いたようで一瞬目を丸くした。が、すぐに冷静さを取り戻したようで扇でパタパタと顔を扇ぎながらそれなら犯人の特徴を言ってみなさい、と少し疑いの目を向けながら言った。
「犯人の特徴……まず第一に、その人はいつもすぐそばにいるようでそこにいません」
「ん……確かにその通りね」
「その二。あちらには見えているのにこちらには見えてなかったりする」
「そうね」
「その三。その人が関わると何かとめんどくさくなる!」
「……随分と断定的に言ってるけど、その人と貴方は知り合いなのかしら?」
「ええもう知り合いも知り合いです。だって僕の主様ですもの!」
いい放ちつつバックステップ。その瞬間視界がガラリと切り替わる。紫様が指パッチンして場所を入れ換えた様だ。振り返ると場所は何処かの森の何処かの家の前の様で、紫様の演出だろうか。昼だというのに家を軸に夜と混ざり合い、空を流星が駆けていく。一一駆けていくっていうか、降り注いでる。縁起の良い紅白色に向かって。
「ま、魔理沙さん!?」
「あー!?玲亞!?」
「ちょっと、やっぱり貴女の仕業でしょ紫。大体いつも怪しいのよ!呼ばれてないのに出てくるし、呼んでも出てこないし……」
「あら、私を呼んだ事なんてあるの?」
「ちょっとはあるわよ!」
「あら、うふふ」
なんか場がカオスになってきた。空模様もカオス。紫様と霊夢さん百合百合しいし。僕達を蚊帳の外に置かないで下さい。
紫様は悪戯な笑みを浮かべつつ楽しそうに話す。
「可愛い式が反旗を翻してきたからちょっと遊んでもらうことにしましたわ♪」
「傍迷惑な話だぜ」
「旗だけに?」
「まあ疑われるような事をする紫が悪いわよね」
「私も暇じゃないの。呼ばれてもないのに何回も宴会を開くような面倒なことはしませんわ?」
「そう言う割にこの人、いつも宴会を一番楽しんでますよね」
「呼ばれてもないのにな」
「え、そうなの……?」
割と真剣にショックを受けてそうな様子の紫様。いやまあ冗談です。多分。多分ね?多分だよ?
「さあ、そうなると犯人は紫だな」
「紫ね」
「紫様ですね」
「違うわよ。確かにこの前貴方達からお酒を分けて貰ったけど、」
「奪ったわよね」
「しかもまるごと全部」
「僕飲みかけだったんですけど」
「玲亞のはしょうがありませんわ。酔うと水みたいにガブガブ飲むんだもの。しかも記憶だけ抜け落ちて二日酔いが無いとかタチが悪過ぎよ。だからこれからお酒を貰いに行ってもらうわ。無尽蔵にね」
「初めてのお使いってわけですか?」
「いえいえ、私を疑った報いですわ」
全員その場から一歩離れる。それが開戦の合図となり全員が弾幕を放ち出した。でもこのままだと紫様対三人になっちゃうと思うけど良いのかな……?
まあその心配は、完全に杞憂だった。
「ちょっと魔理沙流れ弾が飛んでくるんだけど!」
「あー?流れ星の間違いだろ?手を合わせとけば願いが叶うぜ?」
「魔理沙が死にますように魔理沙が死にますように」
「縁起でも無いぜ」
「演技だもの」
なんやかんや言いつつ、結局魔理沙さんと霊夢さんは二人で仲良く弾幕を撃ち合ってる。言霊を撃ち合っている。仲が良くて羨ましいなぁ。
「ねえ玲亞?」
「はい、何でしょう?」
「幻想郷全員と迄は言わないから、武者修行に行ってらっしゃい。この二人はもういいから」
「はい?」
「まあ多分、あの子も貴方に興味持ってるでしょうし時期に分かりますわ」
「ちょ、えっ!?」
感じる浮遊感。この人絶対スキマ開きやがった。扇でパタパタとこちらに手を振る。
「終わったら宴会が待ってるわよー?」
「それに飽きてきたんで壊してきますねー!」
紫様を本気で疑ってた訳じゃない。ただ、紫様を疑えば何か面白いことが起きると思った。
一一とどのつまり、僕もいつの間にか異変の解決にハマっていたようだ。
そういえばこの作品がなんか日刊ランキングに入っていたようで。皆様いつもこんな欲望の塊を読んでいただき本当にありがとうございます☆(ぇ