内容が迷走中。なんか収拾つかなくなってきた。未熟だからですねはい……
「ふっ」
ちょっとワクワクしながら着地。見渡すと辺りはすっかり暗くなっており、満月の二日前くらいの大きさの月が浮かんでいる。辺りには霧が立ち込めており、空気が澄んでいるのを感じた。
「……誰が相手なのかな」
あわよくば紫様に直接稽古をつけて欲しいなー。手取り足取りみっちり教えていただきたい。色々と。
「ふー」
それにしても、幻想郷の空気って綺麗で良いよね。空気が美味しいってこんな感じなんだなーって実感できた。深呼吸がすごい気持ちいいもん。
「ちょ、まってまって吸わないで吸わないで!?」
「??」
霧の中から声が聞こえた気がしたけど果たしてどうなんだろう。謎の空耳だ。幻聴にしては色々と酷いなあ。僕の癒しの邪魔をする気なのだろうか。
「すー…………」
「長い長い長い!?息吸うの長いよ!?あーもう、実体化するか……」
どうやら幻聴でも空耳でも無かったようだ。辺りの霞は僕の目の前に徐々に集まり、それが人の、いや…違う。あの大きな特徴のある二本の角は………
「分かった、ミノタウロスだ!」
「モー、たーべーちゃーうーぞー……って違う!」
「綺麗なノリツッコミどうもありがとうございます」
ノリツッコミをくれた彼女の特徴は橙の長髪と額の二本の角。そして手に持つ大きな瓢箪。見た目は僕より少し小さいくらいの背丈だけど、幻想郷で姿など宛にならないということを僕は既に知っている。っていうか例外を除いて幻想郷の幼女はほとんど無駄に強いんだよなぁ。
と、そんな思考を張り巡らせていると角の少女は唐突に質問を投げかけてきた。
「あんた紫の彼氏?」
「ガハッ!?ゴホッ、ゲホッ!?」
深呼吸してたせいで変な感じに噎せた。この人何言ってるんだ。
「ど、どこをどう見ればそう見えるんですか……」
「いやいや、あの紫が一緒に暮らしてるって時点で相当脈有りだと思うけどね?」
「いやいやいやいや……っていうか、そういうあなたは何者ですか?紫様のご友人?」
「んー、まあ旧知の友って感じかね。私は伊吹萃香。見た目通り鬼だよ」
「へ、へー……そうなんですかー」
「ちょっとあんた、その顔は信じてないでしょ」
「いやいや信じてます信じてます」
「じゃあちょっと実演してあげるよ」
そういって萃香さんはそこら辺の岩を持ち上げた。萃香さんの身長くらいまである大きな岩を。
「ということで今からこれを砕きます」
「いやこの時点で十分すごいのは分かったよ!?」
萃香さん怖い。幻想郷は幼女程強いっていう法則が立証されつつある。でもこの細い腕の何処にそんな力があるんだ……
「あ、そういえば自己紹介してませんでしたね。名雲玲亞です」
「知ってる。この前の紅い霧の奴もずっと冬だった奴も解決したんでしょ?いやー、紫は優秀な式を見つけたね」
僕が信じたことで満足したのか萃香さんは岩を置いた。っていうか置こうとしたんだけど、その力が強すぎたのかドンと大きな音を立てて粉々になり崩れ落ちた。鬼怖えぇ。
「あんたはここ何処?とか聞かないね」
「いやー、どこだろうと紫様の仕業なんで疑いはないですね。ここは地獄ですとか言われても受け入れられますよ。驚きはしますがね」
「そいつは良い信頼関係だね。でも、それが偽りでないとは限らない」
「……?」
「私はずっと、あんたたちを見ていた。あんたは宴会でもいつも人の顔色を窺ってたね。顔は笑っていても心から笑ってはいない。マイペースを装いつつも結局誰かのペースに呑まれてる。振りをして周りに適応している」
「……??」
「主と呼ぶ紫さえ、真に信頼できているかと聞かれればそうではない。何だかんだ言いつつも、結局は嫌われないようにしてる」
「………」
「あんたはさ、他人に嫌われるのを恐れてるんだ。だから誰に対しても敬語。嫌われないために一線を引いているのさ」
彼女の言葉は全て心にすとんと落ちて填まる感覚を覚えた。そんなこと意識してた筈はないのに、確かに全て納得できた。
だからこそ、反論も浮かんだ。
「いやまあそりゃあ、嫌われたくないよ。だって好きな人には嫌われたくないじゃないか」
「本当に好きなら、素の自分が見せられるはずだよ?」
「んー、まあそうですよねぇ」
「誰に対しても嘘をつく。そういうのは鬼が一番嫌いな事だよ?」
「んー、まあそうですよねぇ」
「だからちょっとここで悔い改めてってもらおうかなって」
ポキポキと手を鳴らし、首をぐるぐる回す萃香さん。モロにノリがヤンキーなんだけど。
「んー、まあそうですよねぇ」
「そういう適当なノリも鬼は嫌うよ?」
「適当じゃないです真剣なんですあれもこれも全部素なんですようわぁぁぁぁん!!」
「ちょ、ちょっと!?」
めちゃくちゃ目がうるうるしてきた。おかしいな汗が目から流れ出る。いやー今日は暑いな汗が止まらないなぁ!!!
「うぅ……ぐすっ」
「ふん、泣いても無駄だよ。偽りの涙くらいすぐに分か……………」
そこで萃香さんは停止した。
「……え、マジ?」
「マジとか嘘とかそんなのないよぉ!?」
「ちょ、ちょっと泣かないでよ。ゴメン少し言い過ぎたかもしれないけどさ!」
「うわぁぁぁぁんうわぁぁぁぁん!!」
「こ、これでも飲んで落ち着いてよ」
萃香さんは手元の瓢箪の蓋を開け、それを僕に手渡してくれた。視界が水滴でグラグラしてる。迷惑な汗だよ全く………
「ぐすっ……頂きます」
「どうぞどうぞ」
口に含んだ瞬間、口内に焼けるような感覚が走り思わず吐き出しそうになった。なんだこれ焼酎とかそんなもんじゃなくてもっとヤバイ何かだよ絶対。度数いくつだよっていうかお酒だったのか瓢箪の中身!?
「ご、ごろぼごぼごぼごぼがばごぼ」
「ああ、人間が飲んでも多分死にはしないから大丈夫だよ」
今ので伝わったのか。その言葉に安心して口内の液体を飲み込む。と同時に、体全体が火照るのを感じた。同時に力か抜けて膝がガクガクする。立っていられなくなってその場に倒れた。
「ちょっと、大丈夫!?ご、ごめんなさい玲亞!!」
「あはははははは………」
すごく良い気持ちだ。何だろう今の気持ちをありのまま描写したいけどそうすると語り部としては終わるかもしれない。色々。
しかし急にそれはやってきた。体の外だけでなく中の、中の中の臓が焼かれるような感覚が体中を駆け巡る。痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛一一一一一一一一一一一一
あれ、タイトル詐欺じゃね?(今更