東方界縫伝(旧)   作:織葉 黎旺

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其の六。狐さんは激おこぷんぷん丸の様です。

 

「覚悟は……出来ているな?」

 

「い、いやあの本当にすいませんでした!まさかあんな所に着地するとは思わなくて……」

 

 笑顔って、人を傷つける力を持ってるんですね。今学べました。

 

「……さて、式符………」

 

 何かが来ると思い目を瞑り身構えたが、数秒経っても何もない。恐る恐る目を開くと、腰を押さえその場に倒れる女性の姿があった。

 

「え……ちょ、大丈夫ですか!?」

 

「く……くるな!ひ、一人で……立て……ッッ…」

 

「あ、あの……肩、貸しましょうか?」

 

「……とりあえずお願いする」

 

 一度近くの部屋に運び、一先ず話し合いが行われることになった。

 

「……一応聞いておくが、名前は?」

 

「名雲……玲亞です」

 

 一応、ということは紫さんから話を聞いたのだろうか。だとしたら第一印象は最悪だろうなぁ………

 

「そうか……私は八雲藍、紫様の式だ」

 

 やはりこの人が紫さんの式だったようだ。

 

「……なんであんなところから出てきたんだ?大方予想はつくが……」

 

「えっと、それは……」

 

 

 

 

 

 

 ー少年説明中ー

 

 

 

 

 

「――なるほど、能力の練習の一環として使用してみたら、少し見当外れな場所に出て、そしてあんなことに……」

 

「あ、はい……」

 

 流石に部屋を探すのがめんどくさくて使ったとは言えず、少し細部は誤魔化して説明した。

 

「……まあ、能力に関しては大方場所を外していなかったし、事故として許すが……問題は紫様だな」

 

「は……はい……?」

 

 何で紫さん??

 

「私は式として色々紫様の仕事を代行しているからな……その私がぎっくり腰で動けないとなると、色々と困る……」

 

「あー、なるほど……

 えっと……本当にすいませんでした……」

 

「……そんなに気にするな。まあもう起こってしまったことだし、しょうがない」

 

「はい………」

 

 めんどくさがらず、きちんと探せばよかったなぁ……と、大分自己嫌悪していたその時だった。

 

「……来る」

 

「え、え?」

 

「おはよう……ていうか本当に早いわね」

 

 いきなりスキマが開き、現れたのは紫さんだった。

 

「あら、二人お揃いでどうしたの?っていうか藍、どうして寝てるの?」

 

「いや、その……それは、僕が乗った衝撃で藍さんが腰を痛めて……」

 

「……なんかその言い方は誤解を招かないか?」

 

「「え?」」

 

「あ、いや……何でもない」

 

 意味がよく分からず僕と紫さんが聞き返すと、何故か藍さんの顔が赤くなった。どうしたんだろう?

 

「…ま、まあ兎に角、今日は仕事が出来ないのですが……」

 

 藍さんはそこでチラッと僕の方を見て、

 

「そこで、こんなことになった責任を取らせるために、玲亞に仕事をやらせたいと思うのだけど……紫様、それでよろしいでしょうか?」

 

 それを聞いた紫さんは、うーん…と何か考えているようだったが、

 

「……まあ、それでいいかしら。もちろん、玲亞が構わなければ、だけど………」

 

「大丈夫です。こうなったのも、僕の責任ですし……」

 

「そう。ならそれで決まりね……今日一日、よろしく頼むわね、玲亞」

 

「…はいっ!」

 

 紫さんの言葉に、精一杯の笑顔で答える僕だった。

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