ラブライブ! ~閃く鬼と九人の歌姫~   作:ブレイアッ

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ー告ー

仮面ライダー響鬼は私の人生観を変えてくれた素晴らしい作品だと思っています。
この小説はそんな響鬼とラブライブ!のクロスオーバー作品です。拙い文章ですがどうぞお付きあいください

/〇\●/〇\

仮面ライダー響鬼とラブライブ!にすべての関わった人々と読者の皆様に感謝して


一之巻 出逢う閃き

○三濃山登山口●

 

十二月下旬の寒い時期、スマホ片手に登山口の前に立つ一人の十代中頃の青年がいた

 

「あーもしもし? センキです。無事目的地に着きました」

 

彼の名はセンキというらしい。足元には大きめのザックパックが置いてある、どうやらこれから山に登るようだ

 

「はい、じゃあこれから合流します。では」

 

スマホの通話ボタンを押して電話を切る。どうやらこれから山で誰かと合流するらしい

彼は足元に置いていたザックパックを背負い、軽く雪が積もっている山を登り始めた

 

/〇\●/〇\

 

二人の少女が山の尾根のような山道を進んでいた

オレンジ色の髪をした元気そうな少女が先を行き、その後を追うのは眼鏡をかけた大人しそうな少女だ。仲の良さげな雰囲気からして二人は親友と呼ばれる間柄だろう

 

「かよちん、はやくはやく~!」

 

「凜ちゃん待ってよ~」

 

眼鏡をかけた少女が小走りで前で待つ少女を追いかけようとしたとたん、雪で滑りやすくなっている斜面に足をとられ、斜面を滑り落ちる。このままでは木々に体を打ち付けて大怪我をするのは確実だろう

 

「かよちん!」

 

少女の悲痛な声は風のように駆けるひとつの影にかき消された。影は落ちる少女の元に一直線に走り………

 

「ふぅー………大丈夫か?」

 

左手で少女の体を受け止め、近くに生えている木に掴まる。影の正体は近くを歩いていたセンキだった

 

「はっはい~~~」

 

センキに抱き抱えられた少女は腰が抜けたのか白い息をはきながら脱力する

 

「力を抜くのはまだ早いぞっと」

 

センキは少女を抱える右手で少女の体をしっかりと抱きしめ、木に掴まる右手と斜面に立つ足に力をいれて一気に斜面をかけ登る。幸い大した距離を落ちたわけでもなく、すぐに山道まで戻ってこれた

 

「かよち~~ん! ごめんにゃー!」

 

山道に戻るとセンキが助けた少女と一緒にいたオレンジ色の髪をした少女が駆け寄り、抱きつく

 

「凜ちゃん……心配かけてごめんね」

「こっちこそごめんにゃー!」

 

○センキの視点●

 

いろいろあってさっき助けた子達と一緒に山を登ることになって、今はできるだけ安全な道を選択して歩いている。雪で滑りやすくなっている山道は危険だし、それに今のこの山には危険なヤツがいる可能性が高い。女の子二人で登るには危ないからだ

 

「あの……名前を教えてもらってもいいですか? 私、星空凜っていいます! こっちは親友のかよちん」

「えと……小泉花陽です…………」

 

凜ちゃんって呼ばれてた元気な子の方は星空凜って名前らしい。さっき助けたかよちんって子の名前は小泉花陽か

 

「俺はセンキ。よろしく」

 

ピースサインに親指を立てたオリジナルのサインを後ろの彼女たちに見えるように振る

 

「センキさんってなんか変わった名前ですね。上の名前ですか? 下の名前ですか?」

「んー……センキです。あ、たぶん年も近いしそんなにかしこまらなくてもいいよ。」

「はい…じゃなくて、わかったにゃ」

 

凜ちゃんの口癖は「にゃ」なのかな? さっきも使ってたし

 

「あの……さっきはありがとうございました。助けてくれて」

「まあね、けっこう鍛えてます」

 

うん、花陽ちゃんはいい子みたいだ。さっきはお礼どころじゃなかったって感じかな

 

「えっと………センキさんは普段なにやってる人なんですか?」

「んー……人助けかな? あ、職業は学生ね。高校一年生」

「「えっ」」

 

花陽ちゃんの質問に答えたら二人に驚かれた。俺ってそんなに老けて見えるのかな? ちょっとショックかも

こんな感じで他愛もない会話をしてたら先に打ち合せしていた合流地点の近くに来た

 

「じゃ、俺はここで。縁があったら……また」

「はい。ありがとうございました」

 

小泉花陽に星空凜か……覚えておこう。なんとなくまた逢う気がする

そんなことを考えながら俺は登山道から離れた斜面を登る。この先には明日夢さんがテントを張って待ってくれてるはずだ

 

「きゃーーー!!」

 

二人と別れて約三分、随分と早い再開になりそうだ

俺は背中に背負ってるザックパックを地面におろして急いで来た道を戻った

 

 

/〇\●/〇\

 

 

三分ほど時を遡り、凛と花陽

 

「センキさんかぁ……何て言うか、不思議な人だったね」

「おやおや? かよちん、もしかしてセンキさんのこと好きになっちゃった?」

「えぇっ!?」

「冗談だにゃ」

 

センキと別れた凛と花陽は他愛もないことを話ながら緩やかな山道を歩く。話の話題に上がる人物はやはりセンキだ

 

「もし、そこの人間」

 

ふいに後ろから声をかけられた。

振り向くとそこには古びた白い服を着た無機質な表情の男女がいた

 

「うちの子がちょっとお腹を空かせています」

「あなた達のをちょっとください」

 

どこか人間離れした雰囲気に男女の口から発せられた声は男女が逆転している。人間のようで人間でない、凛と花陽はそんな印象をこの男女に抱いた

 

「いいですよ。お弁当のおにぎりでよければ分けてあげれますよ」

「じゃあ凛のお弁当も分けてあげるにゃ」

 

「ありがとうございます」

「いただきます」

 

男女の姿が変わる。男は右手に大きなハサミも持つ異形の者に、女は左手に大きなハサミを持つ異形の者に。男女が着ていた服はスルスルと首もとに巻き付きマフラーのようなものに変わる

凛と花陽は本能的に自らの命の危機を感じた

 

「きゃーーー!」

 

叫んだのはどちらだったか。二人は化け物から逃げるために山道を駆け出す

 

「にーがーさーなーいーよー」

 

逃げる二人を化け物は追いかける

 

ジャイィィン

 

小さな弦の音色と共に赤、緑、青といった色をした小さな動物の形をしたものが化け物の男女に襲いかかる

 

「こっちだ!」

 

二人の上の斜面から手が伸び、二人の体を引っ張りあげる

 

「センキさん!」

 

二人を助けたのはさっき別れたはずのセンキだった

 

「二人とも、荷物をここにおいて今すぐ俺について来て。今すぐにだ」

「「はっはい」」

 

落ち着いた声音だがセンキの有無を言わせぬ剣幕におとなしく従う凛と花陽。センキの後を追いながら二人は山道から離れた急な斜面を早足に登る

 

「急いで、アイツらに追い付かれる前に」

「あのっ…アイツらってあの人たちのことですか?」

「ごめん、今は説明をしている暇は無いんだ。でも、ただ一つ言えることがある。ヤツらは人を食う、捕まれば生き延びる術はない」

 

早口に捲し立てあげられたセンキの言葉は凛と花陽を恐怖させるには十分だった

 

「見つけたよ」

「ちょっと逃がさないよ」

 

「追い付かれたか、しかも挟み撃ち」

「そんな……」

 

前と後ろに一体ずつ、三人は化け物に挟まれ、逃げ場を失う

 

ピィーーー

 

甲高い声と共に赤い鳥の形をしたものが前の化け物に襲いかかる! 鳥の刃のような翼で体を切られ白い血のような液体が女の化け物から飛び散る

 

オウオウ

 

木の上から緑の猿のようなものが女の化け物の顔に飛び付き、化け物の視界を奪う

 

その隙を見逃さず、センキは右の腰から石でできた針のようなものを取りだし、化け物に投げつける。針は寸分たがわず化け物の喉元に命中、化け物は痛みで斜面を転げ落ちた

 

「今だ! まっすぐ走れ!」

 

センキの声に斜面を走り出す凛と花陽

せっかくの獲物を逃がすまいと男の化け物は口から緑色の泡を飛ばす

 

「きゃあ!」

 

緑色の泡は花陽の足に当たり、そのまま女の化け物が落ちた方向とまったく同じ方に転げ落ちてゆく

 

「かよちん!」

 

センキは花陽を追おうとする凛を手で止める

 

「凜ちゃん、今すぐにこの斜面を登って! この先にテントを張っている人がいるはずだからその人にこう言うんだ。『童子と姫に襲われた』って」

「でも、かよちんが」

「はやく! 彼女は俺が助ける、凜ちゃんは早くここから離れて!」

「でも、センキさんは……」

「大丈夫、俺はセンキだ。花陽ちゃんをしっかり助けてくるから。安心して待ってろ」

「はい!」

 

不思議と不安は無かった。彼なら親友を助けてくれると言う確信に似たものが彼女にはあった

凛はそのまま斜面を登りだす。少しでも早く、センキのいう人の元に行き助けを求めるために

 

 

/〇\●/〇\

 

 

凛が斜面を登ってゆくのを背で感じながらセンキは男の化け物がいた方を見る

 

「童子はすでに逃亡……いや、花陽ちゃんを追いかけたのか」

 

ガゥゥゥン

 

そんな鳴き声と共に木の影から青い狼のようなものがセンキの前に現れる

 

「ルリオオカミか、花陽の場所はわかるか?」

 

青い狼、ルリオオカミが首を縦に振りこっちだとばかりに山の下の方に走って行く

センキはルリオオカミを追い、花陽の元へと急いだ

 

○三波石峡●

 

花陽が落ちた先は川のすぐそばの砂利の上だった

 

「いたぁ………」

 

男の化け物、童子の出した泡は足をかすっただけで靴が溶けただけにとどまったが落ちる途中で足を怪我したらしく、長ズボンには血がにじんでいた

 

「ギアァ……」

「ひっ!」

 

川の上流側にある石の上から体のあちこちから白い血のような液体を流した女の化け物、姫が。ガサガサという音と同時に花陽の後ろ側に童子が現れる。花陽は再び二体の化け物に挟まれた

 

「ちょっと手間取ったね」

「じゃあちょっといただくよ?」

 

二体はじりじりと距離をつめる

 

「いや……誰か……誰か助けてー!」

 

助けを求める声は風に流され、山にとける

 

その時、風が吹いた

 

「ツアァッ!」

 

そんな声と共に一つの影が童子の前に落ち、童子を蹴り飛ばした!

 

「鬼か!」

 

姫が影を向かって叫ぶ

 

鬼と呼ばれた影は花陽の前に立ち

 

「ん、鬼だ」

 

そう答えた




いかがでしたか?  個人的に響鬼一話を意識して書きました

○今回のポイント解説●
ここでは本作のオリジナル設定等を解説します

・○●

場面転換、一人称への移行等に使う。阿吽のイメージ

・/〇\●/〇\

時間が経ったことや同時進行の場面のときにつかう。太鼓と撥のイメージ

・センキ

本作の主人公。オリジナルの登場人物
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