やはり比企谷八幡の掃除の仕方は間違っている。(改訂版)プラス由比ヶ浜結衣の場合   作:眠り羊

4 / 7
由比ヶ浜結衣の場合②

早足で部室へ向かうと、部室から少し離れた場所でヒッキー発見!

ヒッキーが部室に入ったのを確認すると静かに部室に近づき、聞き耳を立てる。

こーゆーのってワクワクして楽しい!

 

ヒッキーとゆきのんが互いに挨拶をする、私は息を潜め二人の会話に耳を傾けた。

・・・何か女スパイって感じ!でもゆきのん勘が鋭いから気をつけないと・・・

 

「あら比企谷君、目薬なんて珍しい。」

 

へぇ~ヒッキーが目薬とか珍しい・・・見てみたい・・・けど見たら流石にバレるよね、我慢我慢。

ゆきのんに「やっはろー」を言わせる為にもっと油断した時に挨拶しないと!

 

「ああ。昨日寝付きが悪くてな、あまり眠れなかったから眠くて視界がぼやけるんだよ。」

 

やっぱりー、さっきも教室で思ったけど、いつもより何か眠そうだと思ったんだよね

電話かメールくれれば眠くなるまで付き合ったのに・・・そーゆーことはしてくれないのかな・・・

心臓がトクン鳴った

 

ゆきのんが油断するまでと二人の会話を更に聞く

 

「・・・そうだったの、いつも通りの濁った目だから気付かなかったわ。」

「そうね比企谷君、何なら部室で永眠しても良いのよ?」

 

「いや、なんでお前はいつも俺を自然に殺そうとするんだよ・・・」

 

ゆきのんヒッキーに対して毒舌すぎ、ふふふ

 

やっぱりゆきのんとヒッキーの会話って、お互いに遠慮しないで言いたい事言い合って楽しそう・・・羨ましいなぁ・・・

心臓がチクリと痛む

私もヒッキーに・・・二人に対してあんな風に出来てるのかなぁ・・・私としては自然に出来てると思ってるんだけど、周りから見たらどう見えるのかな?ちょっと不安

考えている間にも二人の会話は続く

 

「いえ、あなたがどう思おうと構わないのだけれど・・・その濁りきった目は、目薬程度では綺麗にならないと思うのよね。」

「だから永眠の方がまだ建設的な意見じゃないかしら?」

 

うわっ、ゆきのんひど・・・まぁ確かにあの目はどうにかなるように思えないけど・・・

 

でもヒッキーの目だって綺麗になると思うんだよね、墨汁入れるやつだって洗えば綺麗になるし!

・・・綺麗な目のヒッキーか・・・・・・今の目に慣れてるから違和感あってちょっと気持ち悪いかも・・・

それより別に目とかはどうでもいいから、ちゃんとこっちを見て欲しいな・・・それで私もちゃんとヒッキーを見るの・・・そして・・・って何考えてんの私!?

と、頬が熱くなってきた・・・よしだいぶ油断してきたみたいだし、もう行ってみよう!

別に羨ましいとか、照れ隠しとかじゃないからね!と自分に言い訳してドアを勢い良く開け部室に入った

 

「やっはろーゆきのん!」

いきなりの挨拶にゆきのんが戸惑っているように見えた、よしこれはいける!

「や・・・こんにちは、由比ヶ浜さん。」

 

「あ~おしい、もうちょっとでゆきのんに言って貰えそうだったのに~。」

ダメだった・・・残念・・・結構言って貰える自信あったのになぁ

 

「何の事かしら。」

ゆきのんってば照れ隠しに私を睨んでる、かわいい♪

「ゆきのんってヒッキーと話してる時結構油断してるんだよねー、だから狙ってみたんだけど。たははは。」

チラッとヒッキーを見ると呆れた目でこっちを見ていた。ブー、良いじゃん、言わせたかったんだもん

 

そんなことを考えているとゆきのんから抗議の声が上がった

「な、そんなことはありえないわ由比ヶ浜さん、どこをどう見たらそんなおかしな事になるのかしら。」

えー?私から見たら二人で話してる所って羨ましいくらい油断してるように見えるんだけどなぁ・・・

 

こめかみに指を当て、上気した顔でゆきのんは抗議を続ける

「あのね由比ヶ浜さん、比企谷君の前で油断するなんてオオカミの前に丸腰でいるようなものなのよ?」

「え~そうかなぁ~?そんなこと無いと思うんだけどなぁ・・・。」

ゆきのんがそんなにムキになるのが証拠のような気もするんだけど・・・もっと何か言われそうだから黙っておこ、ふふっ

 

するとヒッキーがゆきのんを見た、ん?どうかしたのかな?

ゆきのんを見ると・・・ヒッキーを睨み返した後冷静な顔になった・・・

???

 

「由比ヶ浜さん、少し伺いたいことがあるのだけれど。」

「え?何ゆきのん?急に改まっちゃって。」

ゆきのんの雰囲気が少し変わった・・・

う、ちょっと怖い・・・何言われるんだろ

 

「さっきの会話で私と比企谷君が話してる時を狙った、って言ってたわよね?」

なんだそんなことか、良かった~私が何かしちゃったのかと思った

と、ホッとしてさっきも話した理由を話す

「うん。ゆきのんヒッキーと話すとき結構油断してるから♪」

 

「それはちがっ・・・まぁそれは今はいいのだけれど、いえ、あんまり良くは無いわね・・・そのことについては後でじっくり話し合いましょう由比ヶ浜さん。それは置いておいて」

ふふっ、ゆきのんってばまた意地になっちゃって可愛いなぁ

 

「では、由比ヶ浜さんはどうやって私たちが話してるのを狙ったのかしらね?」

ふふ~ん、それはもちろん・・・

とそこではっとなり、ゆきのんが何を言いたいのか悟ってしまった

私が何かしちゃってた!

 

冷たい汗が背中に流れる・・・

え、えっと悪気は無かったんだけど、会話を盗み聞きされて良い気はしないよね・・・ヤバイ!い、言い訳しないと!

 

「エーとほら?、丁度声が聞k・・・」

 

って言い訳もゆきのんあんまり好きじゃないよね!・・・ゆきのんがこっち見てる・・・うー、ゆきのんに嫌われちゃったかな?

そんなの絶対ヤダ!ちゃんと謝ろう!

 

「うわーん、ゆきのんごめんなさい!」

ゆきのんが額に手を持っていくと溜息をついた

何か呆れられちゃってる!?

「ふぅ、盗み聞きとはあまり趣味がよろしく無いわね由比ヶ浜さん。」

だよね私もヒッキーと喋ってるの盗み聞きとかされたくないもん!・・・恥ずかしいから・・・

「もう二度としないから~許してゆきのん。」

私はゆきのんを抱きしめて懸命に謝った

 

更にゆきのんが追い討ちをかける

「何か言い訳もしようとしていたみたいだけれど・・・。」

ゆきのんが視線を反らした、えー!そっぽ向いたらヤダ!

「ほんっともうしないから!私だってヒッキーの腐った目の話に入りたかったのに我慢してたんだからー。」

絶対しないから許して!!!

 

「しょうがないわね・・・今回だけよ」

と、ゆきのんが私だけに聞こえるように言った

 

小さい声だったので聞き間違いかもしれないと思ったが、ゆきのんの次の言葉からヒッキーの話題に変わった

 

「腐った目の話なんてしてないわ、淀んだ目の話でしょ?ねぇ淀川君。」

「俺は琵琶湖から流れる一級河川じゃねぇよ。」

「しかも腐った目でも淀んだ目でもなく濁った目の話だよ・・・。」

 

「あら?そうだったかしら?」

ゆきのんが楽しそうに微笑んだ

 

凄いゆきのん!私の話から完全にヒッキーの話に変わってる!

私の言葉だけだったらヒッキー絶対反応しなかったし・・・

やっぱりゆきのんはカッコイイなぁ

 

「ありがとゆきのん」

私はゆきのんにだけに聞こえるように小さくお礼を言った

 

「はぁ、だいたい我慢してたとか、由比ヶ浜も俺の目は綺麗にならないって乗ることしかできないだろーが。」

呆れ顔でヒッキーが言った。な!?それに引き換えヒッキーは全然私のこと判ってない!

「いやいやいや、失礼しちゃうなーそんな事思ってないし、ちゃんとフォロー思いついてたし!」

本当に失礼しちゃう。

「ほぅ、一応聞くが、どんなフォローをしようとしたんだ?」

むーヒッキーなんか偉そう

 

ヒッキーとゆきのんとの会話を思い返し、あの時考えた事を思い出す

あっ・・・余計な事まで思い出し少し顔が熱くなった。

「えー・・・」

私は急に恥ずかしくなり、指と指つき合わせてもじもじしながら言った

 

「ほら?墨汁入れるなんだっけ?」

顔が熱くて何も考えられない・・・

「硯かしら?」

「そうそうそれ!流石ゆきのん!」

 

「あれだって洗えば綺麗になるじゃん!・・・とか・・・ダメだった?」

顔は少し下を向いたままヒッキーを見る

うーまだあの時考えた妄想のせいで、ちゃんとヒッキーの顔が見れない・・・

 

「ま、まぁ由比ヶ浜にしてはまともなフォローなんじゃねーの?」

珍しくヒッキーに褒められた!ふふふ、やったね!と私は笑顔になる

「でしょー?」

・・・ってちょっと待って?由比ヶ浜にして〝は〟ってことは普通に考えるとそんなにまともじゃないってこと!?

 「ってヒッキーそれ全然褒めて無いよね!?」

ブー!!ふんっ!いいもん私にはゆきのんがいるもん!

とゆきのんを見ると私のフォローについて考えていた、え?ゆきのんまで納得してない!?

 

「でもあれは墨を磨り卸すためのものだから、最終的に濁ったものが入っているのが正しいんじゃないのかしら?まぁ比企谷君にはぴったりなわけだけれど。」

ゆきのんがヒッキーを見て微笑んだ後こっちを見た

 

「えー?うーん、うーん、んーそう言われてみれば・・・そうかも!」

私はゆきのんの意見は尤もだと思い笑顔で同意した

 

「俺の目にぴったりなのが墨とか俺の目はどんだけ濁ってるだよ。それはもう由比ヶ浜が作る料理と同じレベルのダークマターのようなものじゃねーか。」

 

「大工?マンタ???」

大工のマンタって何だろう???

 

「ダークマターよ由比ヶ浜さん、暗黒物質と呼ばれるもので、光学的には観測できないとされる仮説上の物質なのだけれど。」

私が分かって無い事を察したのかゆきのんが説明してくれた。

 

「ありがとゆきのん」

大工マンタじゃなくて、ダークマターか・・・何か聞いたことある気がするけど・・・ちょっとまって私の料理と墨とか暗黒が出てくるって!

「ってヒッキーそれって私の料理ばかにしてるってことでしょ!」

ムカーッときて私は頬を膨らませるという動作で抗議した

ヒッキーに美味しいって言わせる為に頑張ってるのに!もういいもんゆきのんに甘えるもん!

 

「ひどーい!ゆきのーん!ヒッキーがいじめるー!」

私はゆきのんに抱きつき泣きまねをする

 

「ちょっと由比ヶ浜さん暑いのだけれど・・・。」

柔らかい声でゆきのんが抗議した、ゆきのんは柔らかいし優しい♪

 

それに引き換えヒッキーはさっきから・・・はぁ・・・もうちょっと私に優しくしてくれても良いと思うんだよね

「むー、ちゃんと上達してるもん!この前ゆきのんとも一緒に料理したんだからー!」

「ねーゆきのん」

私はゆきのんの顔を見て言った

 

「え、ええ・・・。」

ゆきのんは恥ずかしいのか目を逸らして頷いた

 

「ほら~へへん。」

私はゆきのんから離れるとヒッキーに向かい胸張って言い返した

 

ヒッキーは疑ってるのかゆきのんに問いかける

「ほう、どれだけ上達したのか教えて貰おうか雪ノ下先生。」

 

私は自信一杯に言ってあげて言ってあげてとゆきのんを見て促した

 

「つっ・・・はぁ分かったわ、由比ヶ浜さんの良くなった所よね・・・良くなった所・・・。」

ゆきのんは手に持ってた本を閉じると真剣に考える

 

「まず、ちゃんと本を見るようになったわ、それと私がいなくても料理の準備が出来るようになったし。」

あとはアレンジせずにちゃんと分量と時間をはかってくれれば・・・と小さく言っていた。

 

うん、やっぱり私は成長してる!

ゆきのん褒めてくれたし!小さい声でダメな所が聞こえたけど、アレンジしなければ私も出来るってことだもんね!

 

自慢げにヒッキーを見る・・・あれ?ヒッキーちょっと呆れてるように見えるけど・・・気のせいだよね!

 

ゆきのんが続けて言った

「はぁ・・・でも私、澄んだ黒は嫌いじゃないわ。」

 

「えーそれってやっぱり私の料理が黒いってことー?うー」

ゆきのんさっき褒めてくれたのに、やっぱりダメってことだったのかなぁ?

愕然としてヒッキーを見た

「いや、単純に色の好き嫌いの話じゃねーの?」

あー、黒の話が出てから黒が好きかどうかって話になったんだきっと!

「そうかな?そうだよね!」

良かった私の料理の話じゃなかった、ほっ

 

するとヒッキーが息を吐いて言った

「ふぅ・・・まぁ俺も黒は嫌いじゃない・・・な。」

あれ?今ヒッキーゆきのんの髪見て言ったよね・・・

胸がチクリとする

 

ゆきのんがヒッキーを見るとヒッキーは視線を逸らした・・・

絶対そうだ・・・男子は黒髪ロングのストレートが好きだって何かの本に書いてあったし、ヒッキーもそうなのかな・・・

 

私は拗ねながら、ゆきのんの綺麗な黒髪を見て言った

「むぅ・・・髪、黒に染めようかなぁ。」

ゆきのんが照れを隠すように本に視線を戻す・・・

私はゆきのんとヒッキーを交互に見て溜息をついた・・・ふぅ・・・

 

少し憂鬱になった私にヒッキーからの思いも掛けない言葉が出る

「いや由比ヶ浜に似合ってるんだから別に変える必要ねーんじゃねーの?」

 

「そ、そうかな?」

私は突然の言葉に嬉しくなり髪をくしくしいじっていた。

凄く嬉しい・・・顔が耳まで熱くなるのを感じていた。

 

ふいにドアがノックされる。私は平静を装い自分の席についた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。