D.GrayMan~聖剣使いのエクソシスト~   作:ファイター

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なんだか、前回から時間が空いてみて思ったことがあるんだ。
アレン♀をどうやってしったか。下ネタじゃねーかw


アーサー×アレン×リナリ―

 

 

 

コムイ・リーは教皇のみが使う事を許された判が押された一通の手紙を前に、困り果てていた。教皇から直接の手紙を受ける事はこれが初めてではない。大きな方針が内容の手紙であったり、資金面についての手紙を中心にやりくりしていた。まぁ、これはコムイに宛てに送られた手紙と言うよりも黒の教団に送られた手紙である。が、これは違う。

 

 

 

「う~ん。どうしたものかな」

 

 

 

僕が内容を見て判断してもいいんだけど、この手紙はアーサー・ペンドラゴン宛に送られてきた手紙だ。つまり、アーサー個人に宛てて教皇自らが送ったことになる。こんなのは極めて異例だ。一個人に、ましてや王族でもなんでもないエクソシストに宛てて送られてきたのだ。疑いたくもなる。だけど、まぁ彼自身がここにいるのは昨日確認したから呼び出せば済む話か。

 

 

 

「……美味い」

 

 

 

リナリーに淹れて貰ったコーヒーを啜り、チョコレートケーキを一口食べた。苦みと甘みが口の中に広がる。視線を手紙から班員の皆に向けると、彼らもケーキを食べていた。コーヒーも啜っている。タップなんかはホールごと食べている。あぁ、駄目だ。見ているだけで気持ち悪くなってくる。

 

 

 

「あぁ、もう死にそう」

「判子押してから死んでください室長」

「え~んリーバー君が苛めるよー!」

「仕事してください室長。リナリーにまた怒られますよ」

「よしやろう!今すぐやろう!!」

 

 

 

なに?

リナリーが絡めば仕事が早い?当たり前じゃないか!あんなかわいい子が待ってくれているのに仕事が残って会いに行けないなんて耐えられるわけないじゃないか!!なんだか呆れているリーバーを尻目に、僕は書類を片付けるために判子とペンを持った。

 

 

 

「あぁ、リーバー君。これペンドラゴン元帥に渡しておいてくれないかな?」

「わかりました室長。これ、何すか?」

「んーと、教皇様からの手紙」

「うえっ!?そんな大事なもん俺なんかに渡さないで下さいよ!」

「まぁまぁ、早く行ってきて」

「くっそう。この仕事が終わったら寝てやる」

「あと、どんな答えに関わらず一度ここに来て欲しいとも言っておいて。それじゃ、よろしく~」

「わかりました。サボらないでくださいよ」

「はいはい」

 

 

 

大事なものを抱えるようにリーバーは部屋から出て行った。いや、確かに大事なものだけどそこまで厳重に保護しなくてもいいんじゃないかな?まぁ、別にいいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その部屋は、綺麗に整頓されていた。本棚には幾つもの本が所狭しと並べられ、一つしかない窓の傍にはテーブルがある。テーブルの上には読んでいた本と灰皿、そして水の入ったコップが置いてあった。皺ひとつなかったベッドは、私が座ったことで皺が出来ていた。このベッドは質素に見えて実は高級品だ。ハンガーに掛けられた金色のコート。そして、その隣に丁寧に置かれている鎧とホルスターに入ったコンテンダーが掛けられてあった。

 

 

 

ふと視線を窓際に座るアーサーに向けると、彼は微笑んだ。その体面に座るアレンは逆に、苦虫を噛んだ様に額から汗を垂らしていた。

 

 

 

「……か、勝てない」

「いかさまはしてないよ?」

「わかっています。けれど、何ですかその引きの良さは」

「うーん。それじゃあ他の遊びでもする?」

「はい。今度はリナリーも一緒に何かしましょうよ」

 

 

 

アーサーとアレンはポーカーに興じていたが、一向にアレンが勝つことなく終わってしまった。勿論、賭けていたが最後にはアーサーが掛け金を全額アレンに返していた。これが、大人の余裕なのかな?

 

 

 

「あ、じゃあTrue&Dustなんてどう?」

「いいですね。アーサー元帥はどうですか?」

「俺もそれでいいよ」

 

 

 

アーサーが席を立ち、窓を開けて煙草に火を点けた。まるでウェイターの様に左手で椅子を引いた。

 

 

 

「リナリー、此処に座りなよ。俺は立ってていいからさ」

「いいの?」

「はは。女の子を立たしていたら、それは男じゃないよ。クロスでも座らせるさ」

「そうですね。師匠も、僕を立たせるってことは滅多にしませんでした」

 

 

 

そこから始まるゲームは、終始アーサーの独壇場で私とアレン君の勝ちは殆どなかった。どれだけ強いんだこの人は。少し呆れてしまう。呆れると言えば、目の前で項垂れるアレン君と優雅にコーヒーを飲んでいるアーサーの食事風景もそうだ。あの量はありえない。そしてあの量を食べて太らない方がおかしい。物理的におかしい。どうして普通の物を食べた後に甘いものもあれだけ食べれるのだ。とういうよりも、そのカロリーはどこにいった!?私なんか計算して食べているのに。食べた後も訓練をして汗を流しているのに!

 

 

 

「ど、どうしたんですかリナリー。あ、お腹でも空きましたか?僕も少しお腹が空いてきました」

「……それじゃあ、少しだけ運動して何か食べに行こうか」

「あ、いいですね。久しぶりにしましょうアーサー元帥」

「私も行ってもいいよね、アーサー」

 

 

 

そうして移動した修練場には誰もおらず、私達三人の貸切だった。皆、一度自室に帰り動きやすい服装に着替えている。アレン君はノースリーブのシャツに長ズボン。アーサーは7分丈のズボンにシャツ。私はハーフパンツに半そでと、かなり動きやすい服装だ。

 

 

 

「それじゃあ、俺とやる?」

「アレン君。私が先にやってもいい?」

「あ、いいですよ。僕は食堂に行って飲み物を貰ってきます」

 

 

 

そう言い残してアレン君は修練場から出て行った。アーサーは準備運動をしている。私もそれに習い準備運動をした。ゆっくりと時間をかけて準備運動を終えると、次は模擬戦の始まりだ。アーサーは中に鉄が仕込まれた西洋剣の木剣を手に取り数回、振ると上段に構えた。偶に、こうして訓練に付き合ってもらっているが一度もアーサーがイノセンスを発動したことは無い。それはつまり、イノセンスを発動させなくても勝てるということだ。

 

 

 

「ダークブーツ、発動」

 

 

 

ふわり、と空中に飛び上がる。この修練場は、他の二つと違い天井が高い。殆ど私専用に造られたといっても過言ではない修練場だ。それ故に、高く飛び上がった。こうでもしなければ、直ぐにでもアーサーに地上に落とされてしまう。アーサーは一歩も動いていない。じゃあ、遠慮なくいかしてもらう!

 

 

 

「でぇあ!」

「また速くなったな、リナリー」

 

 

 

高度からの垂直蹴りを難なく受け止めておいて何を言っているんだ。普通の人ならミンチになっていてもいかしくないのに。限に、アーサーの足元は深く抉れているし木剣にだって罅が入っている。だけど、その木剣は一瞬にして視界から消えた。

 

 

 

横からの衝撃。視界に砂が見えて、初めて吹き飛ばされたのだと理解した。見えなかった。妙に痺れがある右足を庇いながら立ち上がると、アーサーは木剣をその場に突き刺し虚空に手を振った。胸が高鳴る。そうだ。これが、これこそが私が待ちわびた光景だった。言っておくけど、決して私は戦闘狂ではないし、痛いのは大嫌い。だけど、これは違う。背筋がゾクゾクする。

 

 

 

「ふふっ」

 

 

 

虚空から取り出したのは、彼の剣。黄金に光る一振りの剣。どこかの博物館に飾ってあってもおかしくない装飾が施されたそれは、確実にAKUMAを屠る剣だった。確かめるように何度か振う。彼は、構えない。それは、構えても無駄という事だ。私も理解している。けど、まぁイノセンスを出させたことでよしとしよう。

 

 

 

「なるべく手加減はするけど、危なくなったら全力で逃げてくれ」

「うん。行くよ、アーサー!」

「こい、戦ってやる!」

 

 

 

身体が軽い。

憧れの、私の目標に向けて踏み出す。

こんな気持ち、初めて。

 

 

 

だけど、そんな気持ちは一瞬で。彼が剣を抜いたということは少なからず本気になったという事を忘れていた私は、一瞬にして詰めた筈の間合いを逆に利用された事も気づかずに伸びてきた腕に反応することも出来ずに地面に組み伏せられていた。何が起こったか理解できない。仰向けになっているから、アーサーの表情は窺えないけれど。きっと、何時もと変わらない表情をしているのだろう。

 

 

 

汗が垂れた。気が付けば、髪の毛が額にへばり付いていた。気持ち悪い。ほんの10分にも満たないのに全身から汗が噴き出していた。

 

 

 

「前より強くなったな、リナリー」

 

 

 

私の上からどきながら、アーサーが言った。嬉しい。けれど、やっぱり強いと思う。彼は、どちらかと言えばパワータイプのエクソシストだ。私はスピードタイプ。だというのに、正確に私を捕らえているし、なにより剣の一振りが早すぎる。目で追えない。まぁ、これは元帥の皆に言えることなのだけど。

 

 

 

「はぁ、強すぎるよアーサー」

「はは。それは年の功ってやつだよ」

「私と8歳しか変わらないよ」

「8つも違うんだよ」

 

 

 

むぅ、八歳しか違わないじゃない。けど、まぁ私の知らない事も知っているし、年上か。

 

 

 

――年上かぁ

 

 

 

一人で悶々と考えながら、鍛練場にあったタオルで汗を拭くとついついシャワーを浴びたくなってしまう。鍛練場の隅に置いてあるベンチに腰掛け、同じように座るアーサーを見ると彼は何かを考えていた。顎に手を当て、イノセンス――エクスカリバー――を見ている。綺麗だ。素直にそう思う。どれだけ見ていても飽きる事もない。その剣は、魅力的だった。神々しいと言うのだろうか。

 

 

 

「ねぇアーサー。もう一回、やろ?」

「…………」

 

 

 

もう一度、勝負をしたくて。けど、アーサーが目を見開いて固まった。なぜだかわからないけど、本当に時々こうして目を見開いて固まるときがある。けど、それも一瞬で聞こえてきた足音の方を向いた。アレンだ。なにやら大きな袋を背負って笑顔で歩いている。頬にクリームを着け、手にシュークリームを持ちながら。

 

 

 

うん。少しだけ、予想していたけど外れて欲しかったかな。その袋の中身、全部が食べ物なんでしょ?私の目の前で食べるんでしょ?美味しい肉まんとか、甘いパイとか。

 

 

 

…………。

 

 

 

「あ、アーサー!」

「ん?」

「もう一回やる!行くよ!!」

「うぇ!?」

 

 

 

アーサーの手を掴み修練場の真ん中に連れて行く。後ろからアレンが何か言ってるけど、もう無理。私も食べたいから、運動するの!




お腹痛い

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