D.GrayMan~聖剣使いのエクソシスト~   作:ファイター

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もしかしたら、八月に更新できるかわかりません。
忙すぃのです


13.5話 サーシャ視点

 

 

 

アイツが、アイツらがここに来た途端にアーサーの纏う空気が変わった。二人とも褐色の肌を持つ人間で、 アーサーの友人なのだろうと思った。けど、違う。アーサーが友人に対する態度は、空気はここまで硬くない。だから、心を読んだ。

 

 

 

――やめといた方がいいよぉ

 

 

 

「―――ッ」

 

 

 

アーサーにくっ付いてベタベタしているロードという、私と同じぐらいの女の子の心を読んだ。いいや、読んだんじゃなくて読まされたんだ。怖い。この二人は人ではない。そう理解してしまった。ソレを理解している筈のアーサーは、纏う空気は違えど自然体で接している。何時ものように、変わらずに。だから安心できるのだけど、アーサーは油断し過ぎだと思う。どうしてロードを膝の上に乗せているのだ。それは駄目だ。そこは私の特等席なのだから。

 

 

 

そうしている間に、ティキが人払いをしてアーサーの向かいに座った。ロードは私と向かい合う様に座っているけど、いつ立ち上がるかわかったものじゃないから少し警戒しておこう。特等席は私のだから特等席というのだ。もし取ろうというものならエヌマ・エリシュでも撃ち込んでやろう。持ってないけど。アーサーとティキの世間話に耳を傾けると、とてもじゃないけど内容は公開できるものじゃないくらいに酷いモノだった。

 

 

 

千年伯爵の命令で資金集め?なんだそれは。アーサーも、教団の資金集めなんて言わないで。いくら面倒だからでも、心の中でそんなにハッキリ言わなくてもいいじゃない。だから、一言だけ。アーサーに言ってやろうと思って声を出そうとしたとき。形容しがたい色がティキから溢れ出してきた。

 

 

 

声が出ない。喉は乾いて、震えが止まらない。この感情を、色を、私は知っている。それは、純然な殺意。怖い。体が震える。

 

 

 

――もう、正気を保てない!

 

 

 

暖かな色がアーサーから溢れてくる。光と共に、優しい色。私が初めて感じたアーサーの色。好意の感情。体の震えがなくなる。喉の渇きもマシになってくる。大丈夫だと、そう安心させてくれる。何時の間にか、私は光に包まれていた。それはアーサーが絶対の信頼を置く、彼のイノセンスの光。ティキが放った黒くて不愉快な蝶を寄せ付けることなく、全てを防いでくれる。

 

 

 

「サーシャ、そこでじっと待ってるんだ」

「うん。頑張ってねアーサー」

 

 

 

次の瞬間にはアーサーは飛び出していた。

 

 

 

「うなっ!?」

「もー、こんな所で暴れないでよ」

「……箱舟?」

「知ってたんだ、サーシャちゃん」

 

 

 

ロードが驚いた表情を見せたけど、そんな余裕は私には無い。突然にして風景が変わったのだ。アーサーに聞いていなければ、もっと取り乱していたに違いない。それにしても、なんなんだこのデタラメ人間の万国ビックリショーは。ティキは空中に浮かんでるし、ロードも空中に浮かんで趣味の悪い傘と喋ってるし。アーサーもアーサーで、何を平然と戦っているのだ。周りがしっかりと見えている筈なのに。ていうか、ここどこ?




簡単に紹介

年齢12歳
女性
サーシャ・S・ペンドラゴン
所持イノセンス ラビット・メトリー 心を読み相手を惑わせる能力

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