D.GrayMan~聖剣使いのエクソシスト~   作:ファイター

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言い訳させてください。

色々とあったんです。色々と(おい

更新大幅に遅れました!ごめんなさい!


第15話

 

 

意識がだんだんと覚醒していく。完全に眠っている状態から目覚めるまでの僅かな時間。その時間はは、俺にとって恐怖となる時間だ。普通、というよりも世間一般では心地よい時間であることは間違いないのだ。特に冬であれば、布団が放つ魔力は非常に強大なものになる。学校があろうとバイトであろうと会社があろうとも布団から出たくなくなるのだ。たぶん、こんな感じが世間一般の微睡んでいる等といった感じなのだろう。だけど、俺にとってあの瞬間は、なんだか体が水の中にあるかの様に錯覚してしまう。浮いている、というのだろうか。とにかく、そんな感じ。

 

 

 

水中から空を見上げるような不思議な感覚。ぷかぷかと浮かびなからもどんどんと覚醒に近づいていくと、目の前に美女が現れた。まるで重力の無い空間に浮かんでいる様に長い金色の髪が広がっていて、太陽の光に照らされて輝いて見える。服装はドレスで、無駄な装飾は一切ないが非常に綺麗だ。瞳の色は同じエメラルド。人間離れした美女が、そこにはいた。その美女が口を開いた。きっと、聞こえてくる声もソプラノの様に、鳥の囀りの様に耳に良く響き、聞きやすい音なのだろう。

 

 

 

「ぶるあああああああああああッあああ!」

「解せぬ」

 

 

 

 

解せぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だだっ広い大海原を往く。ただし二本の足で。うん、おかしい。どう考えてもおかしい。この時代であっても、船に乗って海を渡るというのが常識的で普遍的な交通手段な筈である。それが例えエクソシストであっても常識的な事である。が、しかし。箱舟での戦闘で通信機を失い団服も破れに破れてしまいエクソシスト支部の場所も解らなければただで乗せてくれる船もない。もう、そんな状況にあるのなら教団が見つけるの待っちゃいなよyou。とか誰か可愛い女の子に言ってほしい所であるのだが、そうはいかない状況がある。現状を一切把握できていないのだ。

 

 

 

俺、アーサー・S・ペンドラゴンとサーシャ・P・シェスチナの現状は把握できる。一つが迷子。二つ目が、新聞で情報提供を募っていたのだから、恐らく本部への即刻帰還が望ましいのだろう。三つ目は俺の後頭部に柔らかくて暖かいモノが当たっているということだ。この三つが俺達の現状である。

 

 

 

「……後で怒るからね」

「てへぺろ」

 

 

 

Q.では、教団側の現状は?

A.一切把握できていない。

 

 

 

大問題である。何が大問題でるのかと言えば、話がどこまで進んでいるのかが解らないことと、出来れば救える命は救いたいという、俺のエゴを押し通す事が出来ない事だ。まぁ、非常に自己中心的な考えだけど流儀は仕方がない。

 

 

 

それで、今は原作で言う所のエクソシスト狩りの真っ最中だと思う。ティキ・ミックがイエーガー元帥を戦闘不能になるまで追い込んだと言っていたし、俺を襲ってきたのがいい例だと思う。彼ら千年伯爵側は元帥クラスの実力者とはなるべく戦わないでいた。被害が大きいからという簡単な理由だけで。それが、イエーガー元帥と俺を襲ってきたのだから今はエクソシスト狩りの真っ最中だと考えていいだろう。一応ではあるが、本部に『出来るならエクソシストと合流して帰還する』と手紙を送っている。

 

 

 

だから、こうして大海原に出て東に向かって歩いている。それなりの精密さを誇る航海図を海に出る前に見て、コンパスを何とかして買い出発したのは何日前だったか。え?どうして海を歩いてるか?そんなの、海を渡らなければ本部に帰れないからじゃないかハハッ。

 

 

 

「四日前」

「あれ、もうそんなになるの?」

「そろそろこの体勢も飽きた」

「ずっと座ってるだけだからいいじゃん」

「それでも陸地がいい」

 

 

 

頭上でサーシャがぶーぶーとへこたれているけど、その気持ちはわからないでもない。と言うよりも、この四日間は殆ど陸に足を着けていない。二日前に島と言うのも烏滸がましい岩の塊の上に何とか眠れるだけのスペースを造りだして眠ったのが最後だ。我ながらハードモードに突入していると思う。食事は背負っている大きなカバンの中に一月分ある。風呂?風呂は天然の雨水だ。あぁ、ワイルドだろ?

 

 

 

トイレ?

 

 

 

「それ以上考えれば私は覇王断空拳を使わざるを得ない」

「止めてください死んでしまいます」

 

 

 

こんなにもくだらない話を続けてしまうほど、暇で退屈で羞恥心とか色々と混ざり合ってどうしようもないくらいにエクスカリバーを放ちたくなる。

 

 

 

「それはいい考え」

「だろ?周りには何にもないから一度、本気で放ってみたいんだ」

「私のいい暇つぶしになる」

「よし、早速やってみるか」

 

 

 

右手を虚空に翳し、黄金の輝きを放つエクスカリバーを“引き抜いた”。鎧の展開は不要。その分の魔力は剣に向けろ。足場は、波で安定しない。前方、左方、右方、後方。前方に障害物なし。

さぁ、いこうか。

 

 

 

「エクス―――」

 

 

 

一歩踏み込み

 

 

 

「カリバー―――」

 

 

 

腕を振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

海は割れ、空も割れ、薙ぎ払い出来た溝に海水が入り凄まじい揺れが俺を襲った。そして直感した。あぁ、これ失敗したわ。

 

 

 

「うっぷ」

「ちょ、ちょっと待ってくれ」

 

 

 

背負ったサーシャから聞こえる呻き声と吐く前の小さな苦悶の声。海は荒れに荒れている。しかも、その発生源に一番近いというか発生源は勿論、揺れに揺れている。高低差は10Mといったところだろうか。これ、小舟だったら転覆するぞ。

 

 

 

「……転覆の前に吐くかもっぷ」

「吐くならここで頼む」

 

 

 

サーシャをお姫様抱っことは逆の持ち方で抱いた。右手に胸が当たってるけど、そんな事は気にしない。左手は硬いのだから、別にいいじゃないか。

 

 

 

「そんなの、関係ある……オロロロロロロ」

「ホントに吐いたー!?」

 

 

 

罪悪感に苛まれながら、サーシャの背中をさすってやる。気分が悪い時は吐けばスッキリする。だから、もうこの際だ。吐いてしまえ。

 

 

 

「……これが終われば覇王空破断を叩き込むゥおろろろろろろ」

「おぉ、よしよし」

 

 

 

そうして幾らかの時間が過ぎ、ふと視線を感じ上を見上げてみると黒いゴーレムはパタパタと飛んでいた。

 

 

 

「…………」

「おろろ……うっぷ」

 

 

 

その後、ゴーレムに着いていく事5時間。俺とサーシャは無事に陸へと到着した。




うーん。
やっぱりなんだかズレがあるなぁ~

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