D.GrayMan~聖剣使いのエクソシスト~   作:ファイター

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お久しぶりなのですが、短いぜ(笑)


第三話

 

 

空を見上げれば、青空が広がっている。のではなく、今にも雨が降りそうな雲が広がっている。前後左右を見てみれば、人々が普段の生活をしている。路上で立ち止まって話をする女の人。テラスでコーヒーを飲みながら談笑する男の人。様々な人が様々な事をして、時間を過ごしている。それは、とても平和な光景。とても、この中にAKUMAが混ざっていないと疑いたくもない光景。だけど、それはエクソシストにとっては致命的な部分が欠落している。常に人間を疑わなければならない。これが出来ないエクソシストは、例え元帥クラスの力を持っていようが早死にする。何時、隣の人間がAKUMAになるのかが解らないのだ。昨日は普通に喋っていた人間が、今日はAKUMAになっている。

 

 

 

エクソシストと呼ばれる職業で、一番嫌な出来事がこれだ。人間を、人類を守る為に戦っていると言うのに、人間を疑わなければならない。そういう人間も居るのだ。「ブローカー」。教団の人間はそう呼んでいる。AKUMAに協力する人間だ。まぁ、結局のところ殺されるのだが。

 

 

 

「…………暇だなぁ」

 

 

 

ポーチに入っている13個のイノセンスは何の反応もなく大人しくしている。適合者が近くに居るのなら、例え別空間であろうとも飛んでいくのだが。全く反応しない。……13って不吉だなぁ。いやまぁ、俺のイノセンスは防御に秀でてるけどさ。それでも13個も持たせるのはやり過ぎだと思う。他の元帥、クロスは魔術も使え優秀なのに対し所持しているイノセンスは5つ。クドは3つ。教団随一の防御力を持ったフロワさんであっても7つなのだ。戦闘凶のソカロ元帥も3つ。敵陣に突っ込み過ぎて、何時死ぬか分からないって前室長を愚痴っていた。ケビン元帥は、真面目な老人なんだけど仕事が命って感じで、88歳なのに戦ってるスーパー爺ちゃん。この人は前線にいるけど、ちゃんと周りの事を考えて戦っている。所持イノセンスは8個。

 

 

 

んで、俺が13個。んでんでんで~、にゃ~んで。とか何とか言ってる状況じゃなくて、これだけの数のイノセンスを持っていると言う事はそれだけ危険がある。事実、俺は結構、狙われている。AKUMAだけじゃなく、先ほど言ったブローカー。一番厄介なノアにも狙われている。いや、これは教団に属す人間全員に言える事なんだけど……。まぁ、まずはご飯を食べよう。お腹が空いたし。腹が減っては戦は出来ぬと言いますし。

 

 

 

目についた喫茶店に入り、まずはコーヒを頼む。コーヒーってのは淹れる人によって味は違うが、その土地でしか味わえないコーヒーがある。教団のコーヒーは彼女が淹れてくれるモノ以外は苦みが強い。香りは中々。だけど、どちらかと言うと不味い方だ。科学班は恵まれていると思う

 

 

 

メニューを開く。テーブルにメニューを置く。店員に手を振る。そしてメニューの一番上の行に指を当て、下にずらした。

 

 

 

「お決まりですか?」

「えっと、ここからここまで」

「は?」

「ここからここまでで」

「か、畏まりました」

 

 

 

何故か店員にドン引きされた。なぜだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――教団――

 

 

 

リナリー・リーは、コーヒーポットと人数分の容器の乗ったトレーをカラカラと押して科学班が使っている大部屋に向かっていた。そこには自身の兄であるコムイ・リーもいる。……仕事と言うか遊んで、だが。ここ最近、教団の中は静かだ。兄が少し……いや、結構な頻度で厄介ごとを起こしているが、それでも静かになったものだ。静かになることは、この教団では見慣れないものではない。AKUMAと日々、死闘を繰り広げているエクソシストとファインダー。彼らが死ぬなんてものは、悲しいが見慣れた風景だ。だが、そういった死の静けさとは違う静かさ。まぁ、何と言ってもリナリーにとっても教団にとっても消えて欲しくない人物がいないだけであるのだが……。

 

 

 

「コーヒー飲む人ー?」

「はーい」

 

 

 

大部屋に着いたリナリーは、誰に言う訳でもなく声を上げると周りから皆の声が返ってきた。ここにいる人たちは皆、コーヒーが大好きだ。もう中毒と言ってもいい。科学班の皆は、医務室のババァが淹れるコーヒーよりも年若くて強くて可愛いリナリーに淹れて貰った方が絶対に美味いのだ。そのことを面と向かって言うのには歳が離れているし、言ったとしても逝ってしまう。主に身体を改造されて逝ってしまう。睡眠不足で逝ってしまう。

 

 

 

「リーバーさん。兄さんはどこにいるの?」

「あぁ、室長なら部屋にいるんじゃないかな」

「リナリー、甘い物食べるー?」

「リナリー、これ上げるよー」

「お前ら、仕事に戻れ!」

 

 

 

リーバーの一喝で、集まってきていた科学班の皆が自分の机に戻る。が、リナリーが押してきた台車にはお菓子やら人形やら写真が積まれていた。

 

 

 

「悪いな、リナリー。こんな奴らばっかで」

「いいの、リーバーさん。皆、面白い人ばかりだから」

「そう言ってもらえると助かるよ」

 

 

 

コーヒーくらいなら何時でも淹れてあげる。そう言い残して、リナリーは兄の待つ部屋に行った。

 

 

 

「班長~、ズルいすっよ自分ばっかりリナリーとお喋りして」

「バッカ。そんなこと言ってないで仕事に戻れ。今日も徹夜になっちまうぞ」

「うへ~い」

 

 

 

コーヒーを啜る。美味い。彼女の淹れるコーヒーは。かの元帥も高く評価して居た筈。いや、彼がリナリーにコーヒーの淹れ方を教えていた。豆の選別から、濃さ薄さもだ。その彼は、今はヨーロッパにいるのだったか。まぁ、それは置いといて。早くこの仕事を終わらせなければ、また徹夜だ。

 

 

 

目の前の扉をノックして、部屋に入る。皆が居る大部屋と違って、ここは指令室と呼ばれる部屋だ。兄は、殆どここにいる。用がある時や、少し気分を入れ替えたい時にリーバー達がいる科学班フロアに遊びに行っている。

 

 

 

「コムイ兄さん、コーヒーいる?」

「リナリーかい?うん。丁度コーヒーが切れていたんだよ」

 

 

 

ハハハ、と笑いながら差し出したコーヒーを受け取った。危なかった。兄さんはコーヒーが無ければ暴走してしまうほどにカフェイン中毒だから。今、兄さんが暴走しちゃったら、止めることの出来る人が少ない今の教団じゃ本当にマズイことになる。止めれる人間は、一人を除いた元帥の方々とリーバーさんくらいじゃないだろうか。中央庁でも止められないのかもしれない。

 

 

 

「最近の調子はどうだい?リナリー」

「なに、兄さん。毎日、会ってるのに……」

「いや、少し気になってね」

「もう。私は大丈夫。それよりも兄さんたち科学班の皆が心配」

 

 

 

なんだか、まだまだ子供の様にみられている様でくすぐったい。でも、科学班の皆の一週間連続の徹夜の方が心配だ。あの一週間のコーヒー消費量は一言で異常だった。それに、仕事が終わった皆は二日間は水を飲んだりトイレに行ったりする時以外は爆睡してたっけ。あれ、この状況って前にもあったかな。うん。あった。確か兄さんが「コムリン」ってロボットを作った時に似てるんだ。

 

 

 

「兄さん。また変な物創ったりしてないよね?」

「な、なななななんのことかなリナリー」

 

 

 

この動揺の仕方は、ダメダメだ。

 

 

 

「ナニを創ったの?」

「ま、まだ創ってないよ!?」

「まだ?」

「ハッ……」

「……」

「……」

「…………」

「……ぅ」

 

 

これ、怒ってもいいよね?皆に迷惑をかけるんだもん。怒っちゃっても、いいよね。

 

 

 

「また皆に迷惑をかけるつもりー!?」

「ち、違ーーーーう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭にたんこぶが出来た兄さんと今後について話している途中で、ふと思い出した。

 

 

 

「兄さん、アーサー元帥にお金ってちゃんと渡した?」

「そう言えば、ペンドラゴン元帥にお金、渡してくれたかい?」

「……」

「……」

 

 

 

「「え?」」




最近、PC用のメガネを買ったのですが、どうもサイズが合っていないようで鼻が赤くなります。
鼻当ての部分が鼻にあたって……。痛くはないのですが気になりまして。シリコンは着いているんですけどねぇ。
誰か、解決方法を知っていたら教えてくれませんか?

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