問題児たちが異世界から来るそうですよ?箱庭超コラボ〜Chaos〜 作:エステバリス
次回、明くん活躍のため今回は文字数約半分という驚きの体たらく!
ところでみなさん、この世界のどこかには自分の作品の主人公とヒロインが史上最大に不運な目に遭うのが待ち遠しくてコラボそっちのけで執筆してたクズ野郎がいるみたいですよ!いやー、ほんとダメダメですよねそういうの!しかも自分の主人公が可哀想な目に遭うのが楽しみってどんな変態ですかって話ですよ!
……あの、それ、僕です。はい。すみません。
「…………………行った?」
「……みたい、ですね」
明が謎のロリ少女のお手伝いに2人を探すのをやめてから少し、私立の学園祭の途中とは思えないほど静かになった廊下の掃除道具入れから一組の少年少女の声が聞こえる。
そーっと、周りが本当に安心であることを奏は確認すると、彩鳥の手を引っ張る。
「いや……人生で一番長く感じた1分だったよ」
「私もです。まさか突然殿方にこんなところに連れられるなんて……」
「ご、ごめんなさい……」
さすがになんの断りもなしに女性を男と一緒に狭い掃除道具入れに突っ込むのはどうかと奏も悩んだが、それはまぁ命の危険だったので致し方なし。
奏は割とポジティブな男なのだ。
「とにかく、ここにいたら危険だ……彩鳥さん、早く僕の楽屋……いやダメだ。楽屋に入れば入ってこれないのはわかっているはず。なら不用意に近づくわけにもいかないか……」
くそっ、と思わず吐き捨てる。だが彩鳥はあらかじめ持ってきてあった腕時計を見て時間を確認している。
「奏。じゃあもう開き直って時間まで遊びましょう」
「……へ?」
「考えてみてください。今日屋台などが出ている場所は基本人が大勢いる場所……そこに仮に貴方を襲ってくる方がいたとします」
「う、うん」
「そんな状況で奇跡の歌い手に襲いかかれば事情を知らない人にはどちらが悪く映るのでしょうか」
「……鬼だ。この人鬼だ」
温厚で生真面目で優しそうな外見やにっこりとした表情とは裏腹にとんでもなく恐ろしいことをのたまった彩鳥に戦慄する。多分この人が一番怒らせたらいけない人だ……とか思いつつも。
「楽屋に来るのも遅れたら彼らの所為にすればいいんです。こんな目に遭ってるのも事情を説明する暇もなく襲ってきた彼らなのですから」
「……怖い、彩鳥さんが怖い……」
奏はきっと尻に敷かれる未来しかないのだと、誰もが予想のつく光景だった。
◆◇◆
わけがわからない。自分はなにか怪しい霊にでも取り憑かれたのか?
これが現在修也の姉を名乗るスーパープラチナブロンドのスーパーロリっ娘の後について修也を探す明の心情である。
「……えーと、ねぇ?いや、あの?」
「どうした?」
「いや……本当に修也の姉ちゃんなんでしょうか……と。失礼かもだけど、とても高校生の弟がいるようには見えなくて」
「ああ、そういうことか。それならよく聞かれるんだが……ほら」
マジでお姉さんなの?と問う明に少女はよく聞かれるからこんなこともあろうかと、と持っていた手提げ鞄から一枚のカードを明に見せた。
『大型二輪免許
月三波・ドラクレア・レティシア(21)』
あ、ロリじゃないけどロリだこれ。明は免許証を見た瞬間にそう思った。
「ミドルネームからファーストネームへの語呂が悪いのが私的に少し気になってるんだが……いやそれにしても、大型二輪はいいな。躍動感に溢れるエンジンの音に洗礼されたフォルム。なにより速度!私をバイクフェチに走らせた憎いヤツだよ……!」
うっとりと自分の免許を見ながらレティシアと書かれていた少女は自慢気にバイクの話をする。あれ?これヤバくね?修也の姉ちゃんヤバいよね?ってかその脚で大型二輪運転できるの?なんて不安と認められないとか、色々な感情が織り混ざってその結果───
「───趣味に打ち込める上にそれに全てを捧げてるような感じのレティたんマジ天使……」
結論、
◆◇◆
その頃の武道場。
そこで注目を浴びていた2人、健太と竜胆はなんかよくわかんないことになっていた。
形容するなら『健太が竜胆で竜胆が健太になってる』というのが一番しっくり来る。互いが互いに見えてきて見てる人もやってる本人達すらもうどっちがどっちなのかわからないのが現状と言ってもいい。
「『……ところで、副会長さんや』」
「『どうしたの、模倣演者様』」
互いに声だけ真似して話している。一応これは互いにだけ聞こえる程度の声量だと言うのにここも徹底する辺り流石は本職である。
「『さっき奏クンが女性を連れて夜雷や悟クン達から逃げ回っていたよ』」
「……………アイツら……」
一瞬だけ演技をやめて超怖いオーラを出しながら呟く竜胆。これには思わず健太もたじろいでしまう。
「……説教マニアを呼ぶしかない。命を派遣させて一人ずつシラミ潰しに消す」
消すとかなんだとか物騒なこと言いつつも2人は完璧に演技をしているのだから困る。
説教マニアさんに連絡するため、あとそろそろ春日部さんが来るはずだから最初に提案した以上は迎えに行かないとな……と考えつつ、早めに切り上げようと思いながら健太と共に踊る。
……なんか、知ってる人から見るとこの組み合わせは若干シュールであった。
◆◇◆
『修也、お前の姉ちゃんって言ってる合法ロリ美少女がお前を探してる。今どこ?』
明がこのメッセージを送って数分。未だに返事は返ってこない。
「……来ないな。学校関連でなにかあったか、単純に見てないか、あるいは携帯機器使いすぎて充電が切れたのか」
うーん、と呟きながら携帯の電源を切る。明の心情としては知り合い……それもそれなりの仲の悪友の姉と二人きりとか正直いたたまれないのだが、不幸にも何故か周囲には友人と呼べるほどの仲の人が全ッ然いない。
「しょーがないか。会長でも探して放送室の使用を許可してもらうかな……」
「いや、別にそこまでしてもらうことはないぞ?今は学園祭なんだから、生徒は生徒らしく楽しんだ方がいい」
「逆だよ逆、修也の姉ちゃん。生徒だからこそ学校で困ってる人は助けないと……それと修也の姉ちゃんみたいな
レティシアが外見と年齢を素早く書いた時だけのロリだということは重々承知だ。だがさすがこの男明。紳士レベルがカンストしている。
「っていうかアイツにパツキンのチャンネーがいるとか知らなかった」
「そうなのか?キミは……明、と言ったな。私の方は話なら帰郷する度によく聞いてるよ」
ゴンッ、と思わずそこにある壁に頭を突っ込んだ。あ、これヤバイ。もう既にこの人に俺がロリコンだって理解されてる。レティシアに見せないように壁の中にめり込んだ頭はダラダラと冷や汗が浮かんでいる。
「誠実な人と聞いていたが、見ず知らずの私を助けてくれるとはやはり良い人だな。小さな子も好きだと聞いている」
(……あれ、修也さん?クルーエさん?この人何か決定的なところで勘違いしてませんか?)
レティシアの口から予想外の言葉が出てきたので明は思わず目を丸くするが、すぐさま頭の中が文字で埋め尽くされんばかりに叫ぶ。
(いやいやいやいやいや!確かに俺時々人助けとかしますよ!一応原作もリメイク版も冒頭から猫助ける程度には正義感があるつもりですよ!?でもこれ、ロリコンが子供好きにすり替わってんじゃねぇか!いや別に原作からしてロリコン扱いされてもおかしくないっていうか、それでもロリコンではないという矜持はあったけども!ってなんの話をしてるんだ俺は!?)
おお、ゴウランガ。見よ、この突然の事態に混乱しまくっている明を。別にウシミツアワーでもないから周りは煩いが、彼の心はそれ以上に煩かった。
「今度どこかに連れて行ってやろう。勿論私のホン◯DN-◯1で」
「……ウィッス」
見た目幼女の運転するバイクとか怖いなぁ、とか思ってしまうのは仕方ないことなのだろうに。なんて明が思っていたそんな時、
「はぁ……まさか携帯の充電忘れるとはなぁ。携帯用の充電器も寮に置いて来ちまったし……ん?」
いた。ここに。誰が初めに呼んだかヘタレオブヘタレ、月三波・クルーエ・修也。その彼は明の連絡に音沙汰がない理由をまるでタイミングを見計らったかのように呟きながら登場した。
「おお、明。また幼女誑かし…………て」
「……ほう、姉に向かって幼女とは随分な物言いじゃないか弟よ」
「……姉、さん……?」
「ああ、お前の姉さんのレティシアだよ修也」
「………」
「………」
(き、気まずい……)
「戦術的撤退!!」
「逃すか!」
「は、速えええ!やめてくれ姉さん!腕は心臓の逆方向には決して曲がらない仕組みになってて……
ウボァー」
(し、修也がこうていの断末魔みたいな叫び声を上げて死んだぁぁああ!?)
「だいたいお前はだなっ、こういう場で女性の一人もエスコートできないからヘタレだなんだと呼ばれて……姉である私やオトウトの気持ちにもなってみないか!」
「そんな、こと言われても!別れが常に会っても出会いが常にあるわけじゃないようにっ、俺にはまだそういうのがいだだだだだだだ!!背骨が背骨が鯖折りにされるウウゥウウ!!」
「……修也、哀れんでやろう。それでもレティたんマジ天使」
そしてコイツもブレなかった。
◆◇◆
その日、一つの事件が発生した。桃水原学園のある山の反対側の方にある銀行で強盗が起こった。幸い盗まれた金額は100万円前後と比較的少なかったが……少なかった故に犯人の逃走を許してしまい、犯人は今も逃走中。
……なぜ、このタイミングでこんなことを伝えるのかというと……ぶっちゃけた話、その犯人が桃水原学園に逃走してきたからだ。
To be continue……→
「って!なんで俺と奏が奇妙な冒険してるみたいな締め方してんだ!」
ヒャッハー!次回は女性陣(と明くん)大暴れの回だァーッ!
次回予告のコーナーはなし!それではみなさんオタッシャデー!