問題児たちが異世界から来るそうですよ?箱庭超コラボ〜Chaos〜   作:エステバリス

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よくわかる箱庭超コラボ前回までの深刻な間違い!(敬称略)

かっこうむし「瑠璃!?瑠璃がなぜここに!?できたのか!?自力で出演を!?」

他作者様達「瑠璃イイイイイイイイイイイイイイイ!!」

紅の暁「(無言の腹パン13連打)彼女は瑠璃ではない。琉璃だ」




五限目 心配かけさせないでよっ!

 

(……言われてみれば誰かに見られてるって感じはするんだよね……正しく言えばボクと夏凛、両方を見てる、みたいな?)

 

水族館の中、静かに泳ぐマンボウを見ながら呉羽はそんなことを考えていた。ゆっくりと泳ぐマンボウを見ているとどうも自身の心も落ち着く。

 

「はーちゃん!次はどこ行くの?」

 

「ちょ、くっつきすぎだよ夏凛!そんなくっつかなくてもボクは勝手にどっか行ったりしないから!」

 

「おやや〜?やっぱりはーちゃんもどこまで行ってもオトコノコ♡だったりするのかな……?」

 

「もー!からかわないでよ!」

 

露骨に、態とらしく密着してくる夏凛に呉羽は辟易赤面しながら毅然としているマンボウに目を向け、ため息をつく。

 

(あぁ……こんな時にでもボケっとしていられるなんていいなぁ。ボクもなれるならマンボウになりたい……)

 

◆◇◆

 

「でねー夜ちー、その時リンに言ってやったのさ!おいおいそれじゃあウチのマミーはなにをやってるんだい!書類にバッテン付けて頼んだのにこんなヤローよこしやがってってね!」

 

「……それはなんのアメリカンジョークだ。それとも軍事目的のための致し方ない犠牲(コラテラル・ダメージ)か?」

 

少しそれから時間が経った。鈴蘭に振り回されるように夜子は水族館を見ているので正直自由にしているという感覚がない。

 

「ったく、こういうのは弟かロリコンの役目だろ……なんでわざわざ俺に来るのかねぇコイツは」

 

答えは2人共お取込み中だからです。

 

「……ん?なんだ?なんでゴミ箱にトゲのついた肩パットした連中がゴミ箱入ってんだ?」

 

「うおほー!見て見て夜ちー!マンボウ!マンボウがいるよー!」

 

「あーはいはい、別にマンボウくらい珍しくもなんともないだろ」

 

「んなこたぁない!私地球一周して来たけど海の中はそんなに潜らなかったからマンボウに会えなかったんだ!」

 

「……あー、ちなみにそんなにってことは潜ったことはあるんだな?どこで潜ったんだ?」

 

「アマゾンと北極南極!あとバミューダ海域!」

 

違う、一つ海じゃないのがある。というかなんでコイツは危険な場所にしか潜ってないのだ。諸々のツッコミはするだけ無駄だとツッコミ役でない夜子は悟って大人しく鈴蘭と共にマンボウを見る。

 

「むふふ……実はバミューダでバカでけぇサメに遭遇してね!その時バトって勝った戦利品がこの首にかけてあるサメの牙のお守りなんだよ!ハワイはサメの牙がお守りなんだって!」

 

「……いい加減コイツの頭のおかしさについていっぺん3年の主要メンバーで話し合った方がいい気がしてきたぞ……」

 

実はその時、後ろに竜胆と修也、明の3人がいたことは内緒だ。3人も気付いてなかったし。

 

「おー!向こうには見たことない魚がいる!ペンギンは南極で散々見たからいいけど、あれはなんだろな!?」

 

「あ、こら走り回るな!周りの客に迷惑だしそもそも大人気ないだろうが!」

 

◆◇◆

 

「……ヒマだ」

 

水族館の深海魚を扱う水槽近く、そこは一輝を中心とした妖怪チームが蔓延っていた。

 

「ヒマすぎるぞオイ。なんだって生徒会長なんてヒマするヒマもなさそうな職務に就いてるのにこんなヒマなんだ。ヒマ死しそうなくらいヒマだ」

 

「ヒマヒマヒマヒマうるせぇ。こっちだってなんだって俺ら妖怪のお家柄3人纏めて特に用がないのにお前に使役されにゃならん」

 

「全く同感だ。用事がある時なら皐は兎も角、なんで俺と紅葉まで呼び出されるんだ」

 

「はぁ!?んだそれ、まるで俺だけがこうなるべきって思ってるみてぇじゃねーか!」

 

「実際その通りじゃない?こんな場所でわざわざビール呑んでたんだから、生徒会長に伝わったのだから即刻懲罰ね」

 

「……まぁ、お前のその酒に関しては直らんし神社ネットワークで揉み消しにできるから俺の手伝いしてくれれば不問にしてやる。悟と紅葉は連帯責任だ。ってかそもそもお前らコイツの隣にいながら止めるどころか酌してただろ」

 

「ぐっ……そこを突かれると反論のしようがない」

 

「悪ノリなんてやめとけばよかったわ……」

 

生徒会長によるありがたいお説教をされながら妖怪3人組は反論できないため頭を垂れる。

 

そんな3人を迷惑にならないよう通路に連れ出してくどくどくど、と意外にも生徒会長としての責務を果たしている一輝の姿は不思議とサマになっていた。

 

「はーちゃんあれ!深海魚だよ!」

 

「夏凛……なんでそんなグロいのばっか見たがるの?ボクにはその思考が理解できない……」

 

「……うん?見てごらん光サンや。あんな所に仲睦まじく深海魚を見ている2人組がいるじゃないか」

 

「全く微笑ましいですなぁ健太サンや」

 

(……呉羽クン、これ色んな人に見られた結果旅行終了翌日からありとあらゆる人達に弄られ尽くされるだろうなぁ……可哀想に)

 

(はーちゃん……これはまた絶好の弄り対象がパワーアップしたと見た。また可愛くなってしまうじゃないかああもうなんて罪深い子なんだ……)

 

呉羽くんの人生が色々と終わってしまうような、そんな気もするデートは終盤戦に突入する。

 

◆◇◆

 

「ぜぇっ……はぁっ……この水族館、無駄に広い……なんで、こんな動き回らなきゃいけないの……」

 

「大丈夫はーちゃん?オロC飲む?元気ハツラツになるよ」

 

「うう……ありがと……」

 

夏凛と呉羽は現在、水族館でも結構大詰めとも言える……こう、某しゃちほこ県で昔シャチのパフォーマンスが生で見られたというアレっぽい場所にいた。ここ美ら海だよね?とかいうツッコミはヤボである。

 

なんでここにいるのかというと、歩いているうちに呉羽は自身が懸念していた自分自身の体力の無さが次第に浮き彫りになって心配した夏凛が呉羽をお姫様が抱っこして近くの休める場所まで直行して……こうなった。

 

「もうヤダ……先にバテてその上あんな恥ずかしい運ばれ方されるなんて絶対大失敗だよ……」

 

「おろ……飲み物切らしちゃった。ゴメンねはーちゃん、ちょっと飲み物買ってくるよ」

 

「あ、うん。いってらっしゃい」

 

とたたた、と駆け足がその場から離れていく夏凛を見て呉羽は心底羨ましがる。ちょっとはその身体能力分けてくれればいいのに……とか。

 

「どうぜボクはマンボウ以下なんだよぅ……泳げないボクはマンボウ以下だ……」

 

ナーバスも極まればこうなる。

 

呉羽はもうそのまま貝になりたいなー、くらいの気分でオロナミンCを飲んでいたが……10分ほど経っても夏凛が帰って来ない。

 

「……おかしい」

 

そんな呉羽を後ろから見ていた竜胆と明は夏凛の方に行った修也に連絡を取る。ちなみになぜ修也が行ったかというと単純に明に向かわせるのはアレだし、竜胆が向かったら一人だと迷子センターに連れてかれるからだ。

 

「修也、夏凛は?さすがに10分も戻って来ないからはーくんがナーバスになってる」

 

「そうか……かといって俺達の方から接触するのは無理があるしな……いや、マズイことになった」

 

「マズイこと?どんな風にさ」

 

「いや……その、な」

 

「なに?早く言ってよ」

 

「……俺と夏凛、両方とも迷子になった」

 

「はぁあ!?迷子だぁ!?夏凛はともかく修也まで迷子とか小学生なの!?地図くらい持ってるでしょ!?」

 

「スマン……それが、ない」

 

「……修也。とりあえず夏凛の近くにいて」

 

ブツン、と竜胆は一方的に通話を切った。目がドンドンすわっていって比喩ではなく瞳が赤く光ってる気もするくらいだ。

 

「……おーい、竜胆?」

 

「明ぁ!死んでも探すよ!そもそも生徒が迷子になるとかありえねぇだろ!」

 

「お、おう」

 

「はーくんには俺が連絡するから手掛かりを死んでも探す!」

 

「い、イエスマム!」

 

マムじゃない、と本来なら突っ込むべきだろうが今の竜胆はすっごい焦ってたので突っ込まなかった。

 

◆◇◆

 

「えぇ!?夏凛が迷子!?ってかなんでそんなこと知ってるの!?」

 

『それは今は聞かないで!ともかく俺は今片っ端から探してるから、多分修也も一緒にいるはずだから!』

 

「ちょ、ちょっと!?リンくん!?聞きたいこと山ほどあるんだけど、ねぇ!?……切れちゃった」

 

呉羽は携帯を持って露骨な溜息をつく。呉羽は自身の体力の都合上竜胆が言ったように無闇と動くのは自分の首を絞める。

 

なら、確実に夏凛(と修也)の居場所がわかるような手はないか。調べるとしてもどうやって?なんで特定の個人の居場所がわかるようなことを───

 

「ある」

 

あるじゃないか。超身近に。普段からわけのわからないスーパーネットワークが。

 

ある時はハッキングでアカウントを奪ったり、ある時は情報の隠蔽。その他諸々をできる最強のネットワーク、その名も

 

神社ネットワーク

 

これだ。呉羽はもうこれに頼る以外に活路を見出すことができなかった。ならばやることは一つ。呉羽は携帯の電源を入れ、神社ネットワークの主、寺西 一輝へと連絡を入れた。

 

『はいはーいもしもし生徒会長でーす』

 

「会長今どこにいる!?」

 

『地球ん中。宇宙飛行士じゃないから』

 

「真剣な用があるからOZONE歌わないで!それより神社ネットワークの協力がほしいの!」

 

『え、なんで突然。はーちゃんなら難しい問題くらい自力で解くだろ?』

 

電話に出た一輝は相変わらず息をするようにボケる。弄る、が詳しく言えば正解なのだが。

 

「夏凛(と修也)が迷子になったの!どこにいるかわかる!?」

 

『おいおい、いくらなんでも神社ネットワークなめすぎじゃないか?……その程度わからないわけがないだろ』

 

逆に普通はネットワークにそこまでわかられても困るのだが。まあ今の呉羽にそんなこと呟いてる余裕はなく、切羽詰まって夏凛(とついでに甲斐性なしのヘタレ貧血ヤロウ)の居場所を問う。

 

『あー……ここは、埠頭だな。水族館に隣接してる』

 

「なんで水族館の近くに埠頭があるのとかは突っ込まないけどありがと!」

 

『あ、ちょ、なに1人で楽しそうに人探し始めようとしてんだ、俺にも一応会長として探させ』

 

ブツン、と電源を切ると呉羽は猛ダッシュで水族館から出て行く。まぁ、猛ダッシュと言っても一つ下のフロアに行くだけで息が切れてるが。

 

ゼーハーゼーハーと呉羽は自分の息すらもどかしいという風に走り回る。普通なら走れば5分とかからない道程も呉羽では倍近くかかってしまう。

 

「はっ……はっ……もー、なんでボクの周りの人達はこうも人騒がせな人達ばっかりなんだ……」

 

文句をぶつくさと垂れているが、彼自身こうして夏凛を探しているこの時は不思議と嫌ではなかった。つかれるし、正直面倒だし……なのに今の呉羽はそれを上回るほど不思議な感覚に包み込まれていた。

 

それはまるできっと、ずっと昔から夏凛と一緒にいて、ずっと昔からこうして夏凛を探していたからなのだろう。目の前にいようとも、目の前にいる夏凛の心の奥を探して……その時からずっと、"破従 夏凛を探している自分"という瞬間に感じているものは変わらない。

 

「……やっぱり、スキ、なんだよね」

 

今の今まで心のどこかで感じてはいたが、こうしてはっきりとわかるような状況におかれると不思議とすんなり受け止められる。

 

好きだ、ボクは夏凛が好きだ。自覚してしまえばもう止まらない。高鳴る鼓動が胸の暑さなのか、疲労なのかもわからない状態で呉羽は埠頭に辿り着いた。

 

◆◇◆

 

「夏凛!」

 

「あれ?はーちゃん?」

 

「本格的に迷子になるところだった……」

 

埠頭の辺り一帯に響く呉羽の高めの声。その声に夏凛は即座に反応して振り向いた。修也は……この際無視しておいたほうがよさそうだ。その方が2人の為でも修也のためでもある。

 

「バカ!」

 

「ふぇ?」

 

呉羽は感極まって思わず夏凛を抱き締めていた。ただの迷子と言えばそこまでなのだろうが、ここに来るまでにありすぎた様々な要因が絡み合って、焦りに焦っていた呉羽にとってはとても重大なことのように感じてしまっているのだろう。

 

「い、痛いってはーちゃん……なんでそんな顔してるの?」

 

「バカ!バカバカバカ!心配かけさせないでよっ!夏凛のバカ!」

 

「ご、ごめんって……なんか飲み物買ったと思って戻ろうとしたらなんでかわからないけど道に迷っちゃって……」

 

「電話は!?」

 

「生憎充電切れ……」

 

「ハァ……ほんっと、バカ!」

 

「もう……なんでバカしか言わないの?」

 

「夏凛がバカだからだよバカッ!」

 

バカバカバカ、まるでそれしか言えないようにバカを連呼する呉羽。心配だったのだろう。

 

「……でも、心配されるのも悪くないかなぁ」

 

そう呟くと夏凛は自分の中でチクリ、と針が刺したような感覚に陥った。

 

「………?」

 

理由はわからないし、不思議と顔が熱っぽい。だが、その感覚と共に暫くこのままでいたいなぁ、と心の奥底から願っていた。

 

 

 

 

 

「……こんなことはもう手伝わないぞ」

 

「ははは、こんなことに付き合わせちまってすまねえ、凍夜」

 

そしてそんな2人を遠巻きに凍夜と修也が眺めていた。2人は見つからないように物陰に隠れているので、恐らく事故や自分達から出て来ない限り見つかることはないだろう。そうマジマジと見ているわけでもないし。

 

「自然現象を起こす……ていうレベルじゃないぞ。最早因果律が書き換わってるレベルだこれは」

 

「まぁまぁ、でもおかげで夏凛を"絶対に人気の少ない場所に迷うように誘導"できたんだ。俺達としては御の字さ」

 

「はぁ……お人好しだな、竜胆も明もお前も……あっ、こんなのに手伝う以上は俺もそのお人好しか」

 

 





ツンデレを扱ってきたせいでピュアな恋愛模様を書けずにセリフが多めになったしなんか個人的にもっといいの書きたかった。もうダメだ、竜胆くんの服剥こう……(ビリビリ)

というわけで妖精クイズ!第1回の答えと軽い言葉をば。

第1問
答え バンシー
答えてくれた人はだいたい合ってましたねー。妖精のクイズとなると北欧系が多くなるのでその辺知ってる人はとことん強いみたいです。バナァァァアジイイイイイ!!の名前の元ネタ。

第2問
答え バーゲスト(もしくはブラックドッグ)
なんで1番難しい気がした問題が全員正解したんだろう……まあともかく黒いわんわんおです。バーゲストもブラックドッグも伝わった場所が違うだけでルーツは同様なのでどちらも正解です。

第3問
答え ピクシー
特防高そう(小並感)。ともかくピクシーです。名前くらいは聞いたことある人いっぱいいると思います。特にポケモンで。解答でブラウニーと書いてくれた人もいますが、問題にはイングランドの民間伝承に登場と書かれているのでフォークロアやブリテンで伝わったブラウニーは不正解……だと思われます。かなり屁理屈っぽいのでそれは違うよ!という指摘点があれば教えてください。



第2回妖精クイズ

全体的な難易度(主に妖精に関する概要を減らして)を上げてみました。

第1問
土より黒くて性格はだいたいが邪悪。外見はドワーフに似ている。


第2問
風を従え、性格は温和で慈悲深いか邪悪か、二つの性質を持っている。

第3問
悪戯者で草と貝を身にまとっている。




次回予告コーナー
呉羽「なんか今日ボクすっごい疲れたんだけど」

竜胆「まあまあ、それでも最初の主役なんだから、特別な反面見切り発車みたいなのもあるんだよ」

皐「どうやら次回は俺と夜雷が主役だそうだな。おい夜雷、明日はなんの日だ?」

夜雷「ィハハハ!決まってるじゃねぇか皐ィ!それは……男女の宿泊施設がこてぃ!」

皐「ならやることぁ一つ……!」

夜雷「覗こうぜ!」

呉羽「キミら……よくボクら生徒会がいる状況でそんなこと言えるね」

竜胆「あ、もう予告時間終わり?さっさと次回のサブタイトル言えって?ちょ、ちょっと……」

呉羽「あーもうグダグダだよ。はいせーの!」

「「「「次回、『お前は俺達の英雄だッ!』」」」」

次回主人公
皐(問題児と大嘘つきと吸血鬼が異世界から来るそうですよ?)
夜雷(問題児たちと孤独の狐が異世界から来るそうですよ?)
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