前回のARCーⅤって黒咲さん負けてしまったんでよね……。カード化しませんよね……?
それと通算UAか3万を越えていてびっくりしました。
読者の皆様、本当にありがとうございます!!
8話 現れるエクシーズ使い
「ーーー着いたか?」
レジスタンスの研究室から発せられた光に飲み込まれた俺、桐原秋人は、あの後ちょっとした浮遊感を味わった。それから少し経った今、足元にしっかりと地面の感触を感じてから目を開き、見た景色から『スタンダード次元』に移動した事を理解した。しかしーー
「まさか隼達がいないとはなぁ。全く、一体どうなってるんだか」
一緒に移動したはずの隼達の姿がないのを見て少し心配になったが、余計な心配だなと判断し、思考から追い出す。
それからは、とりあえず路地裏を歩き回りながら辺りを散策する。道路は車やバイクが走り回り、公園では楽しそうにデュエルをしている子供たちがいる。純粋にデュエルを楽しんでいる子供たちが微笑ましく、つい立ち止まってその様を見ていた。
(ーーそういや何時以来だ?楽しそうにデュエルしている所を見るなんて)
俺がエクシーズ次元に来てから余り、いや全くといっていいほどに、純粋にデュエルを楽しんでいる所を見た事が無かった。あの世界でのデュエルは本当に生きるか死ぬかを決めるものだったからな。そんな事を思い出し、再び『融合次元』との決着をつけるという隼の決意の様を思い出す。
……早く決着を着けねぇとな。
「ーーー違うもん!!遊矢兄ちゃんはズルなんてしてないもん!!」
(ーーーン?)
物思いにふけっていた所に聞こえた幼い少女の声。ふと顔を声のした方に向けると、少女と同じくらいの少年が2人いて、それを取り囲むように大きい男が3人ほど立っている。というか遊矢って言葉はあの3人、遊勝塾の子供たちか?この世界に来る前に持っていた原作知識からあの3人の事を思い出す。
「ハッ、事実だろうが。ペンデュラム召喚なんて聞いた事もない召喚法を使って、あのストロング石島を倒したんだぜ?どう見たってシステムに何か細工して勝ったに決まってんだろ?」
「違うよ!遊矢兄ちゃんはそんな事絶対にしない!」
「そうだそうだ!!遊矢兄ちゃんはそんな痺れない事はしない!」
なるほどな。どうやらペンデュラム召喚という、見た事も聞いた事もない召喚法を使って現チャンピオンに勝った遊矢にイチャモンをつけていると。だけど本人に言う度胸もなくて遊勝塾に通っているやつに目をつけたと。だらしねぇな。あ、そうだ。なら、ここで遊勝塾のメンバーを助けて、後でやって来るLDSとの接触を図るのがベストじゃないか?そうとなれば善は急げだ。そう思い立った俺は路地裏から子供たちのいる所に飛び出す。
「おい、そこのデカイの」
「あん?誰だお前?」
「誰でもいい。それよりさ情けなくないのか?男が4人がかりで子供に対して脅しかけてるなんてさ。ハッキリ言ってカッコ悪いぜ?」
なんだと?!と言って食ってかかって来る。おーおーいい感じに乗って来てくれるなぁ。まぁいいや。
「あーそこのお前。お前だろこのバカみたいな連中の集まりのボスは?」
馬鹿の集まりの中央にいた男に声をかける。
「あぁ俺だぜ?よくわかったな」
「一目見たら分かんだよ。とりあえずさぁ…デュエルしろよ」
「はぁ?デュエル?」
いきなりデュエルを申し込まれ、少し言葉を詰まらせる。そこで俺はエクストラデッキからカードを1枚取り出して見せつける。
「俺が負けたらコイツを持っていけ」
「……へぇ、エクシーズモンスターじゃねぇか。それで?俺が負けたらどうしろと?」
「簡単な事だ。こいつらにもう二度と近づくな。それだけだ」
いいぜとあっさり了承する男。それを見た子供たちが慌てて止めようとするが、心配するなとだけ言ってデュエルディスクを構える。
「な、なんか成り行きでデュエルする事になっちゃったけど」
「あのお兄ちゃん。強いのかなぁ?」
「「
秋人 LP4000
チンピラ LP4000
「先行は俺だな。俺はフォトン・サーベルタイガーを召喚する」
秋人 手札5→4
フォトン・サーベルタイガー/光属性/☆3/獣族/ATK2000 DEF300
「このカードの召喚に成功した時、デッキから同名モンスターを手札に加える。そして、フォトン・サーベルタイガーの攻撃力は、自分の場に同名モンスターが存在しない時、800ポイントダウンする」秋人 手札4→5
フォトン・サーベル・タイガー
ATK2000→1200
「カードを1枚伏せてターンエンドだ」秋人 手札5→4
秋人 LP4000
場:フォトン・サーベルタイガー (ATK1200)
伏:1
手札:4
「俺のターンドロー!!俺は手札から神獣王バルバロスを召喚!!こいつはレベル8だが、攻撃力を1900にする事で通常召喚できる!!」チンピラ 手札6→5
神獣王バルバロス/地属性/☆8/獣戦士族/ATK3000→1900 DEF1200
「まだだ!!手札から魔法カード『
偉大魔獣ーガーゼット/闇属性/☆6/悪魔族/ATK0 DEF0
「攻撃力が0のモンスター?」
「それだったらお兄ちゃんのモンスターでも楽勝だね!」
後ろではしゃぐ子供たち。それを見て男がハッと鼻で笑う。
「確かに攻撃力は0だが、こいつにはある特殊能力がある。それはコイツの攻撃力はリリースしたモンスターの元々の攻撃力の2倍になるっている能力がなァ!!」
偉大魔獣ーガーゼット
ATK0→6000
「攻撃力6000?!」
「そんな?!このまま攻撃を受けちゃったら負けちゃう!!」
今度は驚いてテンションが下がる子供たち。それを見て俺はテンションの上がり下がりが激しい子供だなぁと思った。
「あっけない幕切れだが、こいつも勝負だからな。悪くは思うなよ?行けガーゼット!フォトン・サーベルタイガーを攻撃!!」
異形の魔獣がその大きな爪で俺のモンスターに襲いかかる。だが俺はそれに慌てずに対処する。
「リバースカードオープン。『月の書』。このカードの効果によりガーゼットを裏守備表示に変更する」
開かれたカードから溢れた青い光に魔獣が飲み込まれると、その姿はカードの裏面になっていた。
「クソッ。カードを1枚伏せてターンエンドだ」チンピラ 手札3→2
チンピラ LP4000
場:セットモンスター(偉大魔獣 ガーゼット)
伏:1
手札:2
「俺のターン。俺は手札から2体目のフォトン・サーベルタイガーを召喚し、その効果でデッキから3体目のサーベルタイガーを手札に加える。そして自分の場に2体のサーベルタイガーが揃った事により、2体の攻撃力は元の2000となる」秋人 手札5→5
フォトン・サーベル・タイガー×2
ATK1200→2000
これで攻撃力が2000のモンスターが2体。これでまぁ何とかなるだろ。
「今度はこっちの番だ。フォトン・サーベルタイガーで裏守備表示のガーゼットを攻撃する!」
サーベル・タイガーが裏守備表示のモンスターに近づき、爪で引き裂いた。
「2体目のサーベルタイガーでダイレクトアタック!」
「させるか!トラップ発動!『リビングデッドの呼び声』!墓地からバルバロスを特殊召喚する!」
「甘いな。手札から速攻魔法『サイクロン』を発動!リビングデッドを破壊する!」秋人 手札5→4
相手のカードが開かれると同時に巻き起こった竜巻がカードを飲み込んで破壊し、サーベル・タイガーの爪が相手にクリンヒットし、ライフを大きく削る。
「グゥゥゥ!!」
チンピラ LP4000→2000
「カードを2枚伏せ、ターンエンド」秋人 手札4→2
秋人 LP4000
場:フォトン・サーベルタイガー×2(ATK2000)
伏:2
手札:2 (1枚はフォトン・サーベル・タイガー)
「クソッ、俺のターン!…ハッ!こいつはいい。手札から可変機獣 ガンナー・ドラゴンを召喚!こいつはバルバロスと同じで、攻撃力・守備力を半分にして通常召喚できる!」チンピラ 手札3→2
可変機獣ーガンナー・ドラゴン/闇属性/☆7/機械族/ATK2800→1400
DEF2000→1000
「さらに装備魔法『愚鈍の斧』を装備!!こいつを装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップし、効果が無効になる!」
チンピラ 手札2→1
「ちょっと待って!効果が無効になるって事は!」
青い髪の少年が驚いた様に声を上げる。そう。妥協召喚したモンスターは効果が無効になるという事は、そのデメリットが消えるという事だ。今回の場合はガンナー・ドラゴンのステータスが戻り、愚鈍の斧で攻撃力が1000ポイントするという事だ。
可変機獣ーガンナー・ドラゴン
ATK1400→3800 DEF1000→2000
「やられた分はやり返させてもらうぜ!!ガンナー・ドラゴンでフォトン・サーベルタイガーを攻撃だ!」
ガンナー・ドラゴンに取り付けられた様々な砲台が火を吹き、サーベル・タイガーを爆撃した。
「…サーベルタイガーが1体のみになったため、攻撃力は1200になる」
秋人 LP4000→2200
フォトン・サーベル・タイガー
ATK2000→1200
「カードを1枚伏せてターンエンド!」チンピラ 手札1→0
チンピラ LP2000
場:可変機獣 ガンナー・ドラゴン(ATK3800))
伏:1
愚鈍の斧(ガンナー・ドラゴン)
手札:0
はぁ、こんなもんか?弱すぎないかこいつ?というかなんでたかだか攻撃力が3800のモンスターが出たくらいで、周りの奴らもうだめだってムードになってんだ?これでもう駄目だとか言ってたらユートのダーク・リベリオンとか、襲雷のノヴァとかみたらどんな反応すんだろうな。
「俺のターン」 秋人 手札2→3
こんな奴にギャラクシーアイズを使うまでもない。このターンで終わらせてやる。
「手札のフォトン・サーベルタイガーを捨て、
手札を全て入れ替え、引いたカードを見る。あ、これ勝ちだわ。
「自分の場に攻撃力2000以上のモンスターがいる事で、手札からオーバーレイ・ブースターを守備表示で特殊召喚する」
秋人 手札2→1
オーバーレイ・ブースター/光属性/☆5/戦士族/ATK2000 DEF0
さて、これで準備は整った。行くぞ!!
「俺はレベル5の銀河戦士とオーバーレイ・ブースターの2体でオーバーレイ・ネットワークを構築!」
2体のモンスターが姿を変え、出現した黒い穴に飛び込んで行く。
「終焉の守護者と対を為す者よ。その力で全てを天界へと導け。エクシーズ召喚!君臨せよ!ランク5、始祖の守護者ティラス!!」
始祖の守護者ティラス/光属性/★5/天使族/ATK2600 DEF1600
「これがエクシーズ召喚…!」
「痺れる〜〜!!」
後ろで子供たちが何か言っているが、これはまだ本命じゃない。
「更に手札からフォトン・サテライトを召喚し、効果を発動。このカードと自分の場のフォトンモンスター1体を選択し、選択したモンスターのレベルはエンドフェイズまで互いのレベルを足したものする」秋人 手札1→0
フォトン・サテライト/光属性/☆1/機械族/ATK0 DEF0
フォトン・サテライト ☆1→4
フォトン・サーベル・タイガー ☆3→4
「また同じレベルのモンスターを揃えただと?!」
「という事は……」
「またエクシーズ召喚だ!!」
子供たちが嬉しいそうに声を上げる。なんかやってるこっちも楽しくなってくるな。それじゃアンコールに応えまして、と
「俺はレベル4になったフォトン・サテライトとフォトン・サーベル・タイガーの2体でオーバーレイ!」
2体のモンスターが光となって、再び現れた黒い穴に飛び込んで行く。
「来いランク4、輝光子 パラディオス!!」
輝光子 パラディオス/光属性/★4/戦士族/ATK2000 DEF1000
現れる2体目のエクシーズモンスター。それを見て男は驚く。だが、ハッと笑い飛ばした。
「いくらエクシーズモンスターが2体いたとしても、攻撃力はガンナー・ドラゴンより大きく下!テメェじゃ勝てねぇよ!」
そうか、ならお前にはこの言葉を贈ろう。
「それはどうかな?」
「何?!」
「パラディオスの効果発動!!ORUを2つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を0にし、その効果を無効にする!」
パラディオスのORUが光の鎖となり、ガンナー・ドラゴンを拘束し、その力を奪った。
可変機獣ーガンナー・ドラゴン
ATK3800→0
「行くぞバトルだァ!ティラスでガンナー・ドラゴンを攻撃!!」
「クソッ、負けるかァ!!トラップ発動!『聖なるバリアーミラー・フォース』!相手モンスターが攻撃してきた時、相手の攻撃表示モンスターを全て破壊する!!」
ティラスの攻撃にカードが開かれ、虹色の障壁が出現し、ティラスの剣を受け止める。その攻撃が跳ね返ったのかパラディオスが破壊された。だが、ティラスが破壊される事はなかった。
「使い古された手だな。ガキでもできる。ティラスの効果!ORUを持っているこのカードはカード効果で破壊されない!」
「なっ……!?」
「あと破壊されたパラディオスの効果でカードを1枚ドローする。む、ダメージステップ時に今ドローしたカード、『禁じられた聖杯』を発動してティラスの攻撃力400ポイントアップする」
始祖の守護者ティラス
ATK2600→3000
駄目だしとばかりに引いたカードでティラスを強化する。ティラスの剣が障壁を突き破り、奥にいるガンナー・ドラゴンに斬りかかる。
「行けティラス!ガンナー・ドラゴンを切り裂け!」
ティラスの剣から光が伸び、長剣となったその剣でガンナー・ドラゴンを一刀両断し、爆風が男を襲った。
「グァァァァァーー!!」
チンピラ LP2000→0
「ク、クソォ!」
「覚えてろ!!」
三下じみたセリフを吐きながら男たちは去って行った。ハン。おとといきやがれってんだよ。
「あ、あの‼」
「助けてくれてありがとうございます!!」
後ろにいる子供たちが大声でお礼を言いに来る。
「ん?あぁ別にいいよ。勝手にやった事だし、気にする必要なんてないよ」
「いや、本当にありがとうございました。それにしても僕、エクシーズ召喚なんて初めてみました!!」
「モンスターも痺れる位カッコよかったぜ」
「お兄ちゃんもカッコよかった!!」
それぞれが今のデュエルの感想を言ってくれる。別に対した事はしていないのに、何故かむず痒くなってくるな。
「あ、そうだ。皆は『遊勝塾』って知ってるかな?そこのエンタメデュエルっていうのに興味があって来たんだけど、迷っちゃってね」
「はい!僕たちが通ってる塾です!」
「そうだ!お礼も兼ねて皆で遊勝塾に行こう!」
こうして俺たちは子供たちの通う遊勝塾に向かう事になったのであった。
〜〜〜LDS 本社ビル〜〜〜
「社長!先ほど強力な召喚反応を感知しました!!」
グラサンをかけたこの会社、レオコーポレーションの中島が、若干15歳にして社長であり、かつ『プロデュエリスト』でもある“天才”、赤馬零児にある報告していた。
「召喚法は?」
「エクシーズです。それもかなり強力な」
そうか、と言って赤馬零児は手を組む。つい最近、新たに出現した召喚法『ペンデュラム召喚』。彼は今その原理について解析していた。だが、今回の報告を含め2度、強力なエクシーズの召喚反応を感知したという報告を受け、調査を行っている。だが結果は全て無駄骨。真実は闇の中である。
(新たな召喚法の出現に、強力なエクシーズの召喚反応…か)
赤馬零児はふと、窓の外に広がる青い空を見ながら呟いた。
「ーー一何かが起ころうとしているのかもしれないな」
秋人「今回のキーカードは輝光子パラディオスだ」
輝光子パラディオス
エクシーズ・効果モンスター
ランク4/光属性/戦士族/攻2000/守1000
光属性レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除き、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力を0にし、その効果を無効にする。
また、フィールド上のこのカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする。
秋人「光属性レベル4、2体で召喚できるエクシーズモンスターだ。前者の効果は攻撃力を0にするだけでなく、効果も永続的に無効にできるから大抵のモンスターは突破できる。後者の効果で1枚だけとはいえ、手札補充もできる。光属性を多用するデッキなら1枚はあってもおかしくないカードだと思う。デュエルの終盤で召喚すると、案外そのままゲームエンドにまで持って行けるのが強みだな」
秋人「おかしな点やデュエルに間違っている所があったら指摘を頼む。それじゃまた次回で会おうぜ!」