「ハァハ、ッアハァハァ」
なんで、なんでこんな事になったんだ。俺はそんな事を考えながら
、必死にこの鬱蒼とした森の中を必死に駆け巡る。森の中はいたって静かで、俺の走るその音が静寂を破る。
「ハァハァハァハァ、ハァハァ……」
走る。ただひたすら走る。そうしなければならない。なぜならーーー
「待てェェェェェェェェ!!!秋人ォォォォォォォォォ!!!」
「待てと言われて待つ奴がいるかァボケェェェ!!!」
本当の意味で、今、
ーーー回想、3時間前ーーー
「な〜〜んか時間が余っちまったなぁ」
俺はLDSの中にあるカード屋の中で机に突っ伏していた。あの後、俺たちは赤馬零児のランサーズの話を受け、赤馬に俺たちの活動拠点(LDSの宿舎)を用意してもらい、俺も今はそこに住んでいる。遊矢には勿論、世話になったと伝えたし、時間があれば皆にエクシーズの講義をしたりしている。あ、そういえば隼の事を話してなかったな。勿論隼は赤馬零王の息子の話など信用できるか!!と言い出し、赤馬にデュエルを申し込んだ。赤馬はそれを了承し、互いに全力のデュエルをした。だがここで問題が起こった。隼が使ったRUMのせいで俺の時と同じようにシステムに負荷がかかり、デュエルが中断されてしまったのだ。その時の隼は怒り狂いそうになってはいたが、デュエルで貴様の覚悟を見せてもらったと言って、それ以降は赤馬の指示もちゃんと聞いている。今では気が向いたらLDSのデュエリストを教育したりしている。……まぁほとんどが死んだような目になって帰ってくるんだが。そんな中、俺はこれといってやるこ事もなく、こうやってカード屋で伸びをしているというわけだ。
「よ、秋人」
「うん?襲雷か。どうした何か用か?」
「別にこれと言って用があるわけじやねぇよ。俺もする事がなくてここに来た。それだけだ」
あ、そう。と棒読みで返事を返しておく。襲雷でさえこれなんだ。春菜の奴はきっと昼頃まで寝てるだろうなぁ。どうでもよさそうに頭の隅でそんな事を考えていると、また見知った顔が店に入って来た。
「今度は隼か、おはよう」
「襲雷、それから秋人か。ああ、おはよう」
黒咲隼。おれたち『レジスタンス』の副リーダー的な立ち位置にいるデュエリストだ。実力は言うまでもなく、言葉が強いが、仲間思いのいい奴だ。というか隼まで来るとか、本当にする事がないんだな。
「ああ、そうだ。2人共、する事がないのなら一緒に体でも動かさないか?折角時間もあるのだから、な」
「あ〜運動ねぇ。俺はいいぜ。秋人は?」
「それじゃ俺も参加だ。暇だしな」
そう安易に返事を返し、立ち上がる。そうこの時に考えておくべきだったのだ。普段は単独行動ばかりする隼が、珍しく俺たちに声をかけてきたその意図をーーー
俺たちはその後、隼があらかじめ取っていてくれたアクションデュエル用のデュエル場に向かった。アクションデュエルはLDSの生徒からも人気があり、よく取れたなと襲雷が聞いた。隼が言うにはなんでも、赤馬零児に話を通したからだそうな。流石社長。何でも無理が通せる。
「さて、そろそろ始めるか。アクションフィールドON!!『ワンダー・カルテット』発動!!」
アクションフィールドを選択し、リアルソリッドヴィジョンシステムが作動し、物の数秒で辺りが鬱蒼とした森に変わる。それを見た襲雷が相変わらず凄えなぁと感想を漏らす。俺もそれに応じるように頷く。さてとそろそろデュエルディスクをセットしないとな。そう思い、腰のホルダーに下げてあるディスクを取ったその時だった。1体の鳥が俺のディスクを掠め取ったのだ。それに驚いて距離を取り、俺のディスクを奪った鳥をよく見てみると、その鳥はなんと隼のデッキのエンジンと言っても過言ではないモンスター、
「おい、隼。こいつは一体何のつもりだ」
バニシング・レイニアスが隼の元に舞い戻り、ディスクを渡して隼の隣に翼を広げる。するともう1体、バニシング・レイニアスが現れ、今度は襲雷のディスクを奪っていた。
「いやなに、秋人お前には前にもしただろう?カードを1枚も使わずに、身体能力だけで俺のモンスターたちから一定時間避ける訓練。あれをもう一度しておこうと思ってな」
いい笑顔をした隼がそう言う。………目が笑ってない。
「それに、前回の借りもあるからな……!!」
借り?借り……ハッ!!まさか前回の無言のアッパーの事を言ってるのか!?意外とねちっこいなお前!!すぐに謝ろう頭を下げようとしたが、それは突如襲いかかってきたバニシング・レイニアスに遮られる。
「さぁ!!特☆訓を始めるぞォ!!」
「な、なんか少し違うぞ隼!!!」
「何もいうな!!!に、逃げるぞ!!」
そんなこんなで俺たちの地獄の特訓が始まった、というわけだ。走る勢いを止めず、ひたすら走り続ける。一定のペースで走っているとすぐ追いつかれるから所々でテンポをずらして。だが、そこで少し様子がおかしいことに気づく。さっきまで続いていた攻撃が収まっている。バニシング・レイニアス2体とフォース・ストリクス3体の同時攻撃がそう簡単に収まる筈がない。一体何狙ってやがる?そう思った時だった。俺の周りに赤い何かが漂っている事に気づいた。あれ?これ何か見覚えがあるな。ふとそんな事を考えたのと同時に、その赤い何かから青白い光が放たれ、俺の頬を掠る。
「………ギィヤァァァァァァァ!?!?アァァァァァァァ!!!」
思い出した思い出した!!!あれ確かブレイズ・ファルコンの特殊召喚モンスターを殲滅する時に使う◯◯ンネルだ!!というか隼あの野郎!!攻撃してこないと思ったら
「ギィヤァァァァァァァ!!!!」
野太い男の声が、森の中を揺らしたのは言うまでもない筈だ。
ーーー回想終了、現在ーーー
「ハァハァハァハァハァ」
つ、疲れた。いやあの後何故か隼の奴が、「何故沈まない!!!いい加減沈め!!沈めェェェ!!」と、ブチ切れながらレボリューション・フォースを使ってブレイズ・ファルコンをレボリューション・ファルコンにランクアップさせるもんだから、本気で死にかけた。というかレボリューショナル・エアレイドとかカッコイイ技名の割にはただの空爆じゃねぇかと思ったのは俺だけじゃないはず。そんなこんなで何とか逃げ切ったぞ俺は。襲雷の方は逃げ切れなくて頭がアフロヘアーになってたけどな。うん?隼はどうしたって?暴れまくってようやく冷静になったのか、襲雷を医務室にまで連れて行ったよ。
「……随分派手な事をしたな」
疲れきって冷たい床に寝転がっていると、聞き覚えのある声がした。目を開くとナスのような髪gじゃなかった。我らがレジスタンスのリーダー、ユートがいた。
「なんだユートか、見てたんなら助けてくれよ。割と
「隼に頼まれたからな。手だし無用だと」
「……おい、その言い草だと最初から仕組まれてないかこの訓練」
「ああ」
悪びれる顔を見せずにしれっとそんな事を言うユートにイラッとくるが、世話になってるよしみで聞かなかった事にしておく。
「そうだ秋人。久しぶりにデュエルをしないか?最近やってないだろう?」
「おういいーーいや、やっぱやめとく。隼にデュエルディスクを取られたままだからな」
肩をすくめるように断りをいれる。隼の野郎、勝手にディスクを奪って、そのまま襲雷を連れてどっかに行っちまったからな。そんな事を思ってため息をつくと、ユートがデュエルディスクを差し出してくる。裏にLDSのロゴが貼っていることから、ここのものであることが見てとれる。
「こんなこともあろうかと、な。念のために持って来て良かった」
「……おいおい、勝手に持って来ていいのか?というかディスクがあっても俺にはデッキが「嘘だな」ーーー何?」
「なら、なんでデッキケースを2つも持って来ている?それにお前には、隼とデュエルした時に使った『聖刻』デッキがあるだろう?」
「その質問は何度目だ?あのデッキはもう崩したって言ったろ」
ハートランドにいた時もそうだった。ユートや春菜は俺の『聖刻』デッキとデュエルがしたいと言ってきた。だが使うわけにはいかない。あのデッキはあらゆる召喚法を使うデッキだ。それで今までの関係が崩れかけない。そんな危ない橋を渡る必要はない。
「……もしかして『聖刻』のデッキはエクシーズ以外の
「………」
「沈黙は肯定と受け取るぞ。もしそう思ってるならそれは誤解だ。確かに俺たちは他の召喚法を使うのデュエリストを、特に融合召喚を使うデュエリストを恨んではいる。だが、このスタンダードは他の召喚法が自在に使われている」
「………」
まるで弟を諭す兄のような優しい声音でユートが続ける。
「それに以前お前に聞いた時から思ったんだ。いろんな召喚法を自在に使って互いに楽しくデュエルをしているこの世界が
「ユート……」
少し照れ臭そうに頭を掻きながらユートは続ける。
「だから、さ。俺もお前も、互いに楽しいデュエルをしないか?」
寝転がっている俺に手を差し出しながら言うユート。俺は、その手を握って立ち上がる。全く。お前って奴は。遊矢といいユートといい、なんでこいつらはこんなにもハッキリと言っちまうのかなぁ。悩んでる俺が馬鹿みてぇじゃねえか。
「いいぜ。俺も、
挑発にするように言い、今まで錠をしていたデッキをデュエルディスクにセットする。
「誰に言ってるんだ?お前こそ、すぐに負けるなよ?」
「ハン、上等だ。なんなら負けた方が昼飯を奢るってのはどうだ?」
「いいぞ。その賭け、乗った!!」
ニッ、と互いに笑みを浮かべながらデュエルディスクを展開する。前回は負けたけど、今回は俺も本気なんだ。負けるわけにはいかない!!
「行くぞユート!!」
「来い秋人!!」
「「
ユート LP4000
桐原 秋人 LP4000
互いに本気のデュエル。先行はユートからだ。
「先行は俺だ。俺はキラー・トマトを召喚し、カードを2枚伏せターンエンドだ!」ユート 手札5→2
キラー・トマト/闇属性/☆4/植物族/ATK1400 DEF1200
ユート LP4000
場:キラー・トマト(ATK1400)
伏:2
手札:2
「俺のターン!俺は聖刻龍ドラゴンゲイヴを召喚!」秋人 手札6→5
聖刻龍ドラゴンゲイヴ/光属性/☆4/ドラゴン族/ATK1800 DEF400
「バトルだ!ドラゴン・ゲイヴでキラー・トマトに攻撃!」
ドラゴンゲイヴがキラー・トマトに肉薄し、その爪で引き裂く。
「くっ、だが戦闘破壊されたキラー・トマトの効果発動!攻撃力1500以下の闇属性モンスターを攻撃表示で特殊召喚する!」
ユート LP4000→3600
「こっちもドラゴンゲイヴのモンスター効果を発動!このモンスターが相手モンスターを戦闘破壊した時、手札・デッキ・墓地からドラゴン族・通常モンスターを1体、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!来い、アレキサンドライドラゴン!」
アレキサンドライドラゴン/光属性/☆4/ドラゴン族/ATK2000→0/DEF400→0
「俺はキラー・トマトの効果で
①:このカードを素材としてX召喚したモンスターは以下の効果を得る。
●このX召喚に成功した場合に発動する。 このカードの攻撃力はターン終了時まで1000アップする。
ラキッドグローブか、ならば出すならこいつだ!
「俺はレベル4の聖刻龍ドラゴンゲイヴと、アレキサンドライドラゴンでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
2体のモンスターがいつもの黒い穴に吸い込まれ、新たなモンスターとなって生まれ変わる。
「来やがれ、№103!氷の刃を携えし冷徹なる天使!神葬零嬢ラグナ・ゼロ!」
№103神葬零嬢ラグナ・ゼロ/水属性/★4/天使族/ATK2400 DEF1200
「いきなりオーバーハンドレッドナンバーズか!」
「本気で来いって言ったのはお前だろうが。今更後悔すんじゃねぇぞ。カードを1枚伏せてターンエンドだ」秋人 手札5→4
秋人 LP4000
場:№103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ(ATK2400)
伏:1
手札:4
「俺のターン!俺は幻影騎士団ダスティローブを召喚!」ユート 手札3→2
幻影騎士団ダスティローブ/闇属性/☆3/戦士族/ATK800 DEF1000 (アニメオリカ)
①:自分フィールドのこのカードを守備表示にできる。
②:このカードの効果でこのカードが守備表示になった場合、自分フィールドの「幻影騎士団」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで800アップする。
「俺はレベル3の幻影騎士団ラキッドグローブとダスティローブでオーバーレイ!」
2体のモンスターが恒例の黒い穴に吸い込まれる。
「戦場に倒れし、騎士の魂よ。今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク3、幻影騎士団ブレイク・ソード!」
幻影騎士団ブレイク・ソード/闇属性/★3/戦士族/ATK2000 DEF1000 (アニメオリカ)
闇属性レベル3モンスター×2
①:X素材を持っているこのカードがフィールドを離れた場合に発動できる。このカードのX素材を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは4になる。
「X素材になった幻影騎士団ラキッドグローブの効果発動!このカードを素材にエクシーズ召喚したブレイク・ソードの攻撃力を、ターン終了時まで1000ポイントアップする!」
幻影騎士団ブレイク・ソード
ATK2000→3000
「バトルだ!ブレイク・ソードで神葬零嬢ラグナ・ゼロを攻撃!」
「ラグナ・ゼロの効果を忘れてないか!ラグナ・ゼロのモンスター効果を発動!ORUを1つ使い、元々の攻撃力が変動しているモンスター1体を破壊し、カードを1枚ドローする!ガイダンス・トゥ・フューネラル!」
ラグナ・ゼロのORUが1つ砕け散り、手に持った氷の剣でブレイク・ソードに斬りかかる。
「当然対策はしている!ブレイク・ソードを対象にトラップカード『スキルプリズナー』を発動!このターン、このカードが対象にしたカードを対象に発動されるモンスター効果は無効になる。ラグナ・ゼロの効果は無効だ!」
ラグナ・ゼロがブレイク・ソードを切り裂く直前に、ブレイク・ソードの体が光に包まれて効果が無効になる。
「バトル続行だ!行けブレイク・ソード!ナイトメアブロウ!」
ブレイク・ソードの折れた剣から青い炎が噴き出し、1本の剣となってラグナ・ゼロを切り裂く。
「くっ、やるな!」
秋人 LP4000→3400
「まだまだこれからだ。俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ。この瞬間幻影騎士団ラキッドグローブの効果が終了し、ブレイク・ソードの攻撃力は元に戻る」ユート 手札2→1
ユート LP3600
場:幻影騎士団ブレイク・ソード(ATK3000→2000)
伏:2
手札:1
「俺のターン!俺は手札から魔法カード『召集の聖刻印』を発動!その効果によりデッキから聖刻龍ドラゴンゲイヴを手札に加え、そのまま召喚し、ドラゴンゲイヴをリリースする事で手札から聖刻龍シユウドラゴンを攻撃表示で特殊召喚!」秋人 手札5→4→3
聖刻龍シユウドラゴン/光属性/☆6/ドラゴン族/ATK2200 DEF1000
「リリースされたドラゴンゲイヴの効果でデッキから神龍の聖刻印を特殊召喚し、シユウドラゴンの効果発動!手札・フィールドに存在する『聖刻』モンスターをリリースする事で相手のマジック・トラップカードを1枚破壊できる!俺は手札の聖刻龍トフェニドラゴンをリリースしてユートの伏せカードを1枚破壊する!」秋人 手札3→2
「させない!リバースカードオープン!永続トラップ『デモンズ・チェーン』!効果モンスター1体の効果と攻撃を無効にする!」
シユウドラゴンから光が溢れて伏せカードを破壊しようとするが、突如出現した鎖に繋がれて不発に終わる。
「くっ、だがリリースされたトフェニドラゴンの効果により、デッキからエレキテルドラゴンを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚!」
エレキテルドラゴン/光属性/☆6/ドラゴン族/ATK2500→0 DEF1000→0
「俺はレベル6の聖刻龍シユウドラゴンとエレキテルドラゴンの2体でオーバーレイ!起動せよ!ランク6、セイクリッド・トレミス
セイクリッド・トレミスM7/光属性/★6/機械族/ATK2700 DEF2000
「トレミスの効果発動!ORUを1つ使い、フィールド・墓地のモンスター1体を手札に戻す!ブレイク・ソードを手札に!」
「させない!ブレイク・ソードを対象に墓地の『スキル・プリズナー』を除外し発動!効果はフィールドで使ったときと同じだ。トレミスの効果を無効にする!」
「だったらバトルだ!トレミスM7でブレイク・ソードを攻撃!
トレミスの口から膨大な光の熱線が放たれ、ブレイク・ソードを消滅させた。
「くぅ!だが破壊されたブレイク・ソードの効果発動!このカードがORUを持ったままフィールドを離れた時、その素材となったモンスターのレベルを4にして特殊召喚する!」
ユート LP3600→2900
幻影騎士団ラキッドグローブ ☆3→4
幻影騎士団ダスティローブ ☆3→4
「……メインフェイズ2でレベル8の神龍の聖刻印を捨て、マジックカード『トレード・イン』を発動。カードを2枚ドローする。さらに速攻魔法『超再生能力』を発動!このターン手札から捨てられたドラゴン族モンスターと、リリースされたドラゴン族モンスター1体につき1枚、エンドフェイズにドローする。俺はこのままターンを終了し、『超再生能力』によりカードを3枚ドローする」秋人 手札2→1→4
秋人 LP3400
場:セイクリッド・トレミスM7(ATK2700)
神龍の聖刻印(DEF0)
伏:1
手札:4
さてさて、これでユートの場にはレベル4が2体。それに1体はラキッドグローブ。俺が奴なら出すカードは1枚しか考えられないーーー!!
「俺のターン!!行くぞ秋人!!俺は、レベル4の幻影騎士団ダスティローブとラキッドグローブでオーバーレイ!!」
2体のモンスターが黒い玉となって、頭上に現れた穴に向かって飛んで行く。
「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!!今降臨せよ!!エクシーズ召喚!!!」
穴から一筋の光が飛び出し、中から漆黒の龍が姿を現す。
「現れろ!!ランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン/闇属性/★4/ドラゴン族/ATK2500 DEF2000
咆哮と共にユートに並び立つダーク・リベリオン。その咆哮が引き金となり、頭の中にあいつらの鳴き声が木霊する。それに少し頭痛がするが、なんとか踏ん張って堪える。
「この瞬間、素材になったラキッドグローブの効果でダーク・リベリオンの攻撃力が1000アップする!!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
ATK2500→3500
「更にダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果発動!!ORUを2つ使い、相手モンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分ダーク・リベリオンの攻撃力をアップする!!トリーズン・ディスチャージ!!!」
ダーク・リベリオンの紫色のORUが2つ共砕け散り、翼から紫電がトレミスに向かって放たれ、捕縛する。
セイクリッド・トレミスM7
ATK2700→1350
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
ATK3500→4850
トレミスの攻撃力の半分を奪ったことにより、攻撃力の差が3500になる。秋人のライフは残り3400。このままだと100ポイントの差で勝つことができる。最も、ユートはそんなことは微塵も思っていないが。
「バトルだ!!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、セイクリッド・トレミスM7に攻撃!!」
翼から紫電が溢れ、ダーク・リベリオンの牙に集中し、トレミスに向かって飛び立つ。
「行け!!その牙で星を引き裂け!!反逆のライトニングディスオベイ!!!」
「そう簡単に負けるかよ!!!タメージステップ時に速攻魔法『禁じられた聖槍』を発動!!ダーク・リベリオンの攻撃力を800下げ、このターンマジック・トラップを受けなくする!!」
「そうきたか!!ならそれにチェーンしてトラップカード『幻影騎士団シャドーベイル』を発動!!ダーク・リベリオンの攻撃力を300アップさせる!!」
幻影の騎士がダーク・リベリオンに宿り、聖なる槍がダーク・リベリオンの翼に傷をつけ、攻撃力を下げる。
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン
ATK4850→5150→4350
「くっ!!うォォォォォォ!!!」
秋人 LP3400→400
トレミスにダーク・リベリオンの牙が突き刺さり、爆発が起こる。想像以上の爆風に全身を叩かれて吹き飛ばされが、隼との特☆訓で培った技術で、勢いに身を任せて体制を立て直す。だが思いの他にダメージがあったのか、少し視界が滲んだ。クソ、やっぱりダーク・リベリオンの1撃は強いな!!
「俺はこれでターンエンドだ。この瞬間、禁じられた聖槍とラキッドグローブの効果が終了し、ダーク・リベリオンの攻撃力はトレミスの攻撃力の半分を吸収し、シャドーベイルの効果を受けた4150になる」
ユート LP2900
場:ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン(ATK4150)
伏:1
手札:1
「どうした?もう終わりか?これなら『ギャラクシー』デッキの方が良かったんじゃないか?」
「冗談言うなよ。まだデュエルは始まったばかりだぜ?」
とは言ったものの、結構やばいな。残りライフ400で相手には攻撃力が4000越えのモンスターに伏せカードが1枚。対する俺の場には伏せカードが1枚あって手札も4枚もあるが、どれも単体では突破できそうにない。明らかに絶対絶命。だが何故だろうか。こんな絶望的な状況なのにーーーー
「(どこか楽しんでいる自分がいる……!!)俺の、タァァァァァン!!!」
秋人 手札4→5
……!!来た!!!これで行ける!!
「俺は手札から魔法カード『召集の聖刻印』を発動!!その効果によりデッキから聖刻龍トフェニドラゴンを手札に加える。更に神龍の聖刻印を墓地に送り、魔法カード『アドバンスドロー』を発動!カードを2枚ドローし、相手の場にしかモンスターがいない時、手札からトフェニドラゴンを特殊召喚する!!」秋人 手札5→4
聖刻龍トフェニドラゴン/光属性/☆6/ドラゴン族/ATK2100 DEF1400
「更に手札から3体目の聖刻龍ドラゴンゲイヴを召喚し、手札からマジックカード『ドラゴニティックタクティクス』を発動!!場のドラゴン族モンスター2体をリリースし、デッキからレベル8のドラゴンを召喚する!!」
秋人 手札4→2
2体の竜が霧散し、それが両端が赤い十字架に変わる。それをしっかりと握ると、手に心臓の鼓動のような物を感じた。まるで早く呼べと呼んでるように。
「闇に輝く銀河よ。希望の光となりて我が僕に宿れ!!光の化身ここに降臨!!現れろ!!レベル8!
銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
「来たなギャラクシーアイズ!!秋人のエースドラゴンの1体!!」
ユートがギャラクシーアイズを見ながらそんな事を言う。確かにそう思うかもしれない。ーーー
「リリースされたドラゴンゲイヴの効果で墓地から2体目の神龍の聖刻印を召喚!」
神龍の聖刻印/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK0 DEF0
「更にトフェニドラゴンの効果でデッキからこのドラゴンを召喚する!!」
デッキから飛び出したカードをディスクにセットする。すると俺の周りを光が包んでいく。その中で俺は耳にハッキリとこう言われたのを聞いた。
『共に闘いましょう。
「数多の伝説を刻みし白き龍よ!!その純白の翼を翻し、立ちはだかる者全てを打ち砕け!!現れろォォ!!!」
光が収まると俺の頭上に全身が白く、瞳が青い龍が姿を現す。その龍が放つ圧倒的なまでの存在感と、その美しさに俺とユートは視線が釘つけになった。
「レベル8!
青眼の白龍/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000→0 DEF2500→0
……ブルーアイズを召喚した時に聞こえた『あの声』。まさかあの時の……ってイカンイカン!!今はデュエルに集中しないと!!
「まだ続くぜ!!手札から速攻魔法『銀龍の轟咆』を発動!!墓地の神龍の聖刻印を蘇生!!」
秋人 手札2→1
「これでレベル8のモンスターが4体……まさか秋人お前!!」
俺がしようとしていることに気づいたのか、驚愕を露わにするユート。ふっ、今更驚いても遅いぜ!!
「俺はレベル8の神龍の聖刻印2体でオーバーレイ!!」
2つの球体が姿を光に変え、漆黒の穴に飛び込んで行く。ブルーアイズにフォトン・ドラゴンときたら、やっぱりお前も呼んでやらないとな!!さぁ行くぜ、俺の最強の相棒たち‼
「宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ!そして我を勝利へと導け!顕現せよ、ランク8‼No.107!!
2体の竜たちと肩を並べる漆黒の竜。その3体の姿はとても神々しかった。
No.107銀河眼の時空竜/光属性/★8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
勝利をもたらすという白き龍。光を操る未来の竜。時空間を操る漆黒の竜。そしてそれに対する反逆の龍。4体の龍が邂逅したこのデュエルはまだ終わることはないーーーー
誤字脱字、会話文。それからデュエルのおかしい点の指摘もお願いします‼それと次回予告をキーカードコーナーと同じ、後書きに変更します‼というわけで次回予告どうぞ‼
「これが、秋人の本気……‼」
「これで終わらせる‼」
「数多の伝説を刻みし白き龍たちよ‼今こそその身を1つにし、究極の姿へと生まれ変われ!!!」
「私に、そのカードたちを貸してはくれないか?」
次回 「究極の竜、降臨」
さぁ、デュエルを始めよう。