春菜「あ、忘れてました!明日、作者のアオメが修学旅行で北海道にまで行ってきます!なので、もしかしたら投稿・修正・感想の返信が少し遅れるかもです。……2ヶ月近く失踪しておいてよくいえますよね。まぁ、愚痴もここまでにしておいて、本編をどうぞ!」
side 春菜
「え~~と………うん。ここも大丈夫だね」
今、私こと星野春菜は、私たち【レジスタンス】のアジト周辺の見回りをしている。かつて【未来都市】と呼ばれた【ハートランド】も、【アカデミア】と名乗る組織からの干渉があってから、その都市の姿は、見るも無残な廃墟と化してしまった。同じ学校のクラスメイトや、近所に住んでいた人も、【アカデミア】のデュエリスト達のせいでカードに変えられてしまった。その時、私たちは悟ったのだ。生き残るには、勝つしかないと。
それ以来、私たちは【アカデミア】に対抗するための組織、【レジスタンス】を立ち上げた。彼らとの戦争が起きる前までは、【プロデュエリスト育成施設】で、互いに競い合った仲の黒咲さんやユートさん。学校の先生が中心となってこの組織を立ち上げたことにより、【アカデミア】にカードにされる犠牲者は格段に減った。そのことにより少しずつだが私たちは余裕を取り戻し、今では地下にアジトを作った位だ。それでも、こうやって定期的に見回りをするのが習慣的になっているあたり、まだ【アカデミア】との戦いに決着がついいていないのは明白だった。それでも、流石に一人でこの範囲の見回りはきつかった。
「あ~早く帰りたいな~。秋人君とも晩御飯、一緒に食べようって約束しちゃったし、さっさと終わらせて帰るとしましょうか」
文句を口ずさみながらも、黙々と見回りをする所、やっぱり私は真面目なのだとつくづく思ってしまい、ふふふ、と自嘲的な笑みを浮かべてしまう。
因みに、さっき話に出てきた秋人というのは、最近【レジスタンス】に入ったデュエリストのことだ。彼の使うデッキは、私たちの世界―――【アカデミア】は【エクシーズ次元】と呼んでいた―――の英雄の一人、【天城カイト】というデュエリストをモチーフとした『ギャラクシー』というデッキを使っている。しかも、今ではもう存在していないとされている『
「こちら
どうやら誰かと通話しようとしている所だった。それだけなら無視して去るのだが、通話をしようとしている男のしているジャケットを見た瞬間。私の頭の中には“去る”という選択肢はなかった。何故なら、男のしているジャケット、それは忘れたくても忘れなれない、彼ら【アカデミア】の制服だったのだから。
それを確認した私は、先手必勝と思いながら、デュエルアンカーを相手に投げつける。
「うぉっと!?何だ!?」
自分のことを爆山と言っていた男が、素っ頓狂な声を上げる。それを見ながら、私はデュエルディスクを構える。それを見た男は、なんとなく事情を察したのかニタァと気味の悪い笑みを浮かべながら、自分のディスクを構える。互いに準備が整った所で、私たちは同時に叫んだ。
「「
side 秋人
「……遅いなぁ春菜。何かあったのか?」
俺、桐原秋人は【レジスタンス】の食堂で腕を組んで春菜を待っていた。
なぜこんなところで待っているのかというと、春菜が、今日は一緒に飯を食べようと言ってきたからなのである。だというのに、いった本人が約束を反故にするというのは、どういうものなのか。
「仕方ない。ユートからいろいろとカードも貰ったし、暇つぶしにデッキ構築でもするか」
暇つぶしがてらに、腰のデッキホルダーに手を当てた時だった。テーブルに置いておいたデュエルディスクに着信が入ったのだ。ここで説明しておくと、この世界のデュエルディスクは、デュエルをする時にだけカードを置く部分が出現するため、彼のデュエルキング、【武藤遊戯】の時のような大型なディスクにはならず、ズボンのポケットに入るサイズにまで縮小化されている。更には通話機能と、モンスターに質量のあるソリッドヴィジョンを与える【リアルソリッドヴィジョンシステム】。対【アカデミア】のためのカード化システム搭載という、極めて高性能なものなのである。
「電話の相手は……春菜か。噂をすればなんとやらだな」
ディスクに表示された名前に、少し溜め息をつきながら出る。
「もしもし。春菜か?何かあったのか?何かあったのなら連絡の一つ位してくれよ。ずっと待ってたんだから腹が減って仕方がない」
文句の一つや二つくらい、吐いても罰は当たらないだろうと思い、俺はそう言った。だが、電話の向う側からの応答は無い。不審に思い、俺は名前を呼ぶ。
「春菜?どうかしたか?返事くらいしてくれよ」
『……春菜~?あぁ、このデュエルディスクの持ち主のことかぁ?』
電話の向こう側から聞こえてきたのは、春菜の声ではなく、聴いたことのない男の声だった。そのことで、俺は警戒心を強くしながら尋ねる。
「…誰だ?どうしてそのデュエルディスクを持っている……!」
『そりゃ、俺が持ち主を倒したからだろ?そんなこと、少し考えたら分かるんじゃないか?』
馬鹿にしたように言う男の言葉に、俺は頭の中が一瞬真っ白になった。春菜が負けた?ということは、今電話に出ている相手は……
「お前、まさか【アカデミア】のデュエリストか!」
『おう。そのとおりだ。話が早くて助かるぜ』
関心したような男の声に怒りが湧くが、そんなことを置いておいて、俺は男に尋ねる。
「春菜は、そのデュエルディスクの持ち主はどうした!!」
『安心しな。
男の言った言葉を信じたというわけではないが、春菜がまだ生きていると信じる。
「…一体何が目的だ。春菜を捕えて何がしたい……!」
『別に何も?俺ぁただ強ぇ奴と戦いたいだけなんだよ。それで春菜とかいったか?そいつがデュエルを挑んできたから相手をしてやっただけだ。んで、女のディスクに登録しているデュエリストに電話して、相手してもらおうともらっただけだ』
ケラケラと笑いながらそう言う男に、俺はイラつきながらも、最悪の事態にだけはなっていないことを信じることしか出来なかった。焦りは禁物。まずは相手の出方を見極めるしかない。そう思い直した後、深呼吸をして再び男に話しかける。
「……それで、要求は何だ?」
『最初にも言っただろ?俺はただ強い奴とデュエルしたいだけだ。というわけで、お前には今からそのデュエルディスクにメールを送る。そこに書かれている場所に来てもらうぜ?当然、他の仲間には他言無用でな』
そう言うなり、男は通話を一方的に切る。それから少しした後、春菜の名でメールが送られてきた。場所を確認してから、俺はテーブルに置いていたデッキを腰のデッキケースに入れて、走り出した。だが、俺は焦っていたから気づいていなかった。走り去った時に、紫色の髪をした少年とすれ違った事に。
指定された場所は、未来都市と呼ばれた【ハートランド】の中央のビル。その最上階だった。俺が来る以前に起こった【次元戦争】で、ビルの屋上は吹き飛んでいる。そこには今、二人の男が立っていた。
「………よぅ。少し早かったな。もう少し時間がかかると思ってたんだが」
ビルに壁にもたれかかって男は立っていた。それを見た俺は、怒気を隠さずに口を開く。
「…春菜は……お前がさっきまで使っていたデュエルディスクの持ち主はどうした?」
射殺さんばかりの怒りを孕ませた視線を放つ秋人に、男は怖い怖い、と手を振りながら俺に四角い機械、デュエルディスクを投げた。秋人はそれを片手で受け取り、ディスクのモンスターを表示される画面に、十字架に貼り付けられた春菜が表示される。それを見て、俺の心に殺意が溢れる。
「……さっさと始めるぞ。こんなデュエル、一瞬で終わらせる……!!」
秋人はデュエルディスクを装着し、デュエルの準備を行う。それを見た男は、せっかちだねぇ、と言いつつ、獰猛な笑みを浮かべながらディスクを装着する。
「「
桐原 秋人 LP4000
爆山 LP4000
デュエルが俺の先行で始まり、俺は再び視線を十字架に貼り付けられ、気を失っている春菜に向ける。体についた埃や泥の跡が痛々しく見え、俺の怒りの炎が再び燃え上がっていくのが分かり、こんなデュエルは、一瞬で終わらせると思いながらデュエルの幕を開く。
「…俺のターン。俺は手札から魔法カード、『アクセル・ライト』を発動。自分の場にモンスターが存在しない時、このターンの通常召喚権を放棄することで、デッキからレベル4以下の『フォトン』か『ギャラクシー』モンスターを特殊召喚する。俺はデッキから『
秋人 手札5→4
発動したカードから虹色の光が溢れ出し、その光が収まる頃に『銀河の魔術師』が姿を現した。
銀河の魔術師/光属性/☆4/魔法使い族/ATK0 DEF1800
「そしてその効果を発動。このカードをリリースすることで、デッキから『ギャラクシー』カードを手札に加える。俺はデッキから『
フォトン・スラッシャー/光属性/☆4/戦士族/ATK2100 DEF0
「カードを1枚伏せ、ターンを終了する」
秋人 手札4→3
秋人 LP4000
場:フォトン・スラッシャー(ATK2100)
魔法・罠:1
手札:3
「俺のターン!…まず、はこいつからだな。魔法カード『手札抹殺』を発動!手札を全て墓地に送り、互いにその枚数分ドローする!」
爆山 手札6→5
男の発動したカードに、秋人は舌打ちしながらカードを墓地に送る。
↓秋人 手札×3
銀河零式
銀河遠征
銀河戦士
↓爆山 手札×5
ヴォルカニック・エッジ
ファイヤー・ソウル
死者転生
ヴォルカニック・バレット
ブレイズ・キャノン―トライデント
「俺は墓地に送った『ヴォルカニック・バレット』の効果を発動!ライフを500支払い、デッキから2枚目の『バレット』を手札に加える。そして、モンスターをセット、カードを2枚伏せてターンエンドだ」
爆山 手札 5→6→3
LP 4000→3500
爆山 3500
場:セットモンスター×1
魔法・罠:2
手札:3
「俺のターンドロー」
秋人 手札3→4
俺は淡々とカードを引く。表情や仕草からでは冷静を装ってはいるが、その心の内は、目の前の男に対する殺意で溢れていた。だが、怒りに任せてデュエルをすることは男の思い通りになるだけ。
「俺は『フォトン・クラッシャー』を召喚」
秋人 手札4→3
だから俺は行動で示す。目の前に立つ男を完膚なきまでに叩き潰すことを。
「俺は、レベル4の『フォトン・スラッシャー』と『フォトン・クラッシャー』でオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!」
2体のモンスターが光の玉となり、現れる黒い穴に飛び込んでいく。やがて穴から一筋の光が広がる。
「光の騎士たちの思いをその剣に乗せろ!ランク4、『輝光帝ギャラクシオン』!!
輝光帝ギャラクシオン/光属性/★4/戦士族/ATK2000 DEF2100
光の中から、青い光を灯した2本の剣を手に持った戦士が姿を現す。その姿を確認するなり、俺はすかさずその効果を発動させる。
「『ギャラクシオン』の効果発動!ORUを2つ使い、デッキからあるドラゴンを召喚する!」
輝光帝ギャラクシオン
ORU2→0
『ギャラクシオン』の持つ剣にORUが吸い込まれ、形状を両端が赤い十字架に姿を変える。俺はそれを力強く握り、真上に放り投げる。
「闇に輝く銀河よ。希望の光となりて、我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!」
俺が口上を叫ぶと、投げられた十字架から光が溢れ出し、やがて1体の竜に姿を変える。
「現れろ。レベル8!『
銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
『フォトン・ドラゴン』が咆哮と共に現れる。それを見た俺は、直感的にだが、『フォトン・ドラゴン』も怒っているのを感じた。
「行くぞ。バトルフェイズに入る!」
『ギャラクシオン』が光の剣を掲げながら、伏せられたモンスターに接近する。それを見た男が行動を起こす。
「おっと!バトルフェイズに入るその前に、に永続罠『ブレイズ・キャノン・マガジン』を発動するぜ!こいつは手札の炎族モンスターを墓地に送ることで、カードを1枚ドローする!俺は手札の『ヴォルカニック・バックショット』を墓地に送り、カードをドローする!」
男が捨てたカードが、発動され実体化した『マガジン』に吸い込まれる。それを見た俺は、今墓地に送られたカードに眉を寄せる。
「墓地に送られた『バックショット』の効果発動!このカードが『ブレイズ・キャノン』カードによって墓地に送られた時、自分の手札とデッキから残り2枚の『バックショット』を墓地に送ることで、相手モンスター全てを破壊する!」
『マガジン』の弾倉に『バックショット』が装填され、火が吹くと同時に『フォトン・ドラゴン』達が破壊される。
「さァにさァにィ!!『バックショット』の追加効果!こいつが墓地に送られた時、1体につき500ポイントのダメージを与える!」
『バックショット』の効果で破壊されたモンスターの破片が俺に殺到し、それが俺のむき出しの腕や足に突き刺さる。本来のデュエルではこんなことは起こらないが、今、俺たちがしているのはリアルソリッドヴィジョンでのデュエル。モンスターが本当の意味で実体化しているからこそ起きている現象だ。
秋人 LP4000→2500
秋人 手札3→2
「…バトルフェイズを終了。カードを1枚伏せてターンエンドだ」
秋人 LP2500
場:無し
魔法・罠:2
手札2
「へへっ。このまま一気に終わらせてやるよ!俺のターン!」
爆山 手札3→4
「俺は手札から『炎帝近衛兵』を召喚!」
爆山 手札4→3
炎帝近衛兵/炎属性/☆4/炎族/ATK1700 DEF1200
「こいつの召喚に成功したことで、墓地の炎族モンスター、『ヴォルカニック・バックショット』3枚と、『ヴォルカニック・バレット』をデッキに戻し、カードを2枚ドローする!」
爆山 手札3→5
さっき使われた『バックショット』がデッキに戻ったことで、またさっきの『マガジン』でのコンボが使われると思うと、更に怒りが湧いてくる。
「まぁ、また『バックショット』を使う前に、このターンで終わらせてやるがなぁ?行くぜ!手札から魔法カード発動!『融合』!」
爆山 手札5→4
男の発動したカードに、隼程ではないが、俺の心に殺意が芽生える。ただでさえ春菜を傷つけられ、怒りが芽生えているというのに、その上に『融合』を使われ、怒りを超え、殺意が芽生える。
「俺が融合するのは手札の『
縛山 手札4→3
古代の機械猟犬/地属性/☆3/機械族/ATK1000 DEF1000(アニメオリジナル)
①:このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動できない。②:1ターンに1度、相手フィールドにモンスターが存在する場合に発動できる。
相手に600ダメージを与える。③:自分フィールドにこのカード以外の「古代の機械」モンスターが存在する場合に発動できる。自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
機械の猟犬と全身が燃えているトカゲが、男の頭上に現れた渦に飲み込まれる。
「古の魂受け継ぎし、機械仕掛けの猟犬よ! 燃え盛る弾丸共に神秘の渦で一つとなりて、全てを焼き尽くす不死鳥とならん!融合召喚!」
男のエクストラデッキからカードが吐き出され、それを勢いよく叩きつける。
「羽ばたけ!レベル8!『重爆撃禽ボム・フェネクス』!!」
重爆撃禽ボム・フェネクス/炎属性/☆8/機械族/ATK2800 DEF2300
男の頭上に飛び立つ猛禽を模した機械。それだけなら隼の使う『
「そんな怪物、野放しにはしない!カウンタートラップ発動!『神の宣告』発動!ライフ半分をコストに、相手モンスターの召喚、魔法・罠の発動を無効にする!」
秋人 LP2500→1250
俺の伏せカードが開かれ、神々しい老人が出現する。老人から光が放たれ、『ボム・フェネクス』が消滅する。それを見て、男は悔しがるどころか、下卑た笑みを浮かべた。
「いいねぇ。獲物は活きが良くないといけねぇからなぁ。だったら今度はこいつだ!バトルフェイズ!『炎帝近衛兵』でダイレクトアタックだ!」
男のモンスターが接近し、俺に向かって巨大な腕を振るう。だが、その攻撃は突如現れた光の剣に防がれる。
「お前の直接攻撃宣言時。手札から『護封剣の剣士』の効果発動!このカードを特殊召喚し、このカードの召喚のトリガーとなったモンスターの攻撃力が、このカードより低い時、そのモンスターを破壊する!」
『護封剣の剣士』が、『炎帝近衛兵』の攻撃を押し返し、その勢いで胴体を両断する。それを見た目の前の男は愉快そうに笑った。
「いいねぇ。やっぱり【ハンティングゲーム】はこうじゃねェとな!メインフェイズ2で墓地の『ヴォルカニック・バレット』の効果発動!ライフ500をコストに、デッキから2枚目の『バレット』を手札に加える!そしてカードを2枚セットし、ターンエンドだ!」
爆山 手札3→4→2
ライフ3500→3000
「エンド宣言時に永続トラップ『リビングデッドの呼び声』発動!墓地のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!蘇れ、『
銀河戦士/光属性/☆5/機械族/ATK2000 DEF0
「特殊召喚に成功したことで『銀河戦士』のモンスター効果発動!デッキから『ギャラクシー』モンスターを手札に加える!俺は『
秋人 手札1→2
爆山 LP3000
場:無し
魔法・罠:3+『ブレイズ・キャノン・マガジン』
手札:2(1枚は『ヴォルカニック・バレット』)
「そして俺のターン!『アステル・ドローン』を召喚!」
秋人 手札2→3→2
アステル・ドローン/地属性/☆4/魔法使い族/ATK1600 DEF1000
「『アステル・ドローン』は、エクシーズ召喚の素材にする時、レベルを5として扱うことができる!俺はレベル5になった『アステル・ドローン』と、『銀河戦士』でオーバレイ!」
2体のモンスターが、現れた黒い穴に吸い込まれる。相手は『ヴォルカニック』。効果破壊を中心とするデッキ。ならば俺が出すべきカードは1つ!
「終焉の守護者と対を為す者よ。その力で全てを天界へと導け!エクシーズ召喚!現れろ、ランク5!『始祖の守護者ティラス』!!」
穴が爆発するとともに、光の中から男の天使が現れる。効果破壊耐性を持っている『ティラス』なら、場持ちはいいはずだ。
始祖の守護者ティラス/光属性/★5/天使族/ATK2600 DEF1700
「エクシーズ素材となった『アステル・ドローン』の効果により、カードを1枚ドローする!更に手札から魔法カード、『アドバンスドロー』発動!レベル8の『護封券の剣士』をリリースし、カードを2枚ドローする!」
秋人 手札2→3→2→4
一気に手札を回復させ、ハンドアドバンテージを保つ。そしてそこから一気に攻撃に転じる!
「バトルフェイズ!『ティラス』でダイレクトアタ……」
攻撃宣言をしようとしたその時だった。
耳障りな音がこの空間中に鳴り響いた。余りの騒音に俺は堪らず耳を塞ぐ。うっすらと目を開いてフィールドを確認すると、男の3枚あるリバースカードの1枚が開かれていた。
「ざ~んね~ん。お前が攻撃する前にトラップカード『威嚇する咆哮』を発動させてもらった。これでこのターンは攻撃できないぜ」
嫌味ったらしい笑みを浮かべながらそう言う男に、今すぐにでも、物理的な意味で殺したいという衝動に駆られるが、手をぎゅっ、と握り締めることで踏み止まる。
「……メインフェイズ2。カードを2枚伏せてターンエンドだ。この瞬間。『ティラス』は自身の効果でORUを1つ消費する」
秋人 手札4→2
秋人 LP1250
場:始祖の守護者ティラス(ATK2600 ORU×2)
魔法・罠:2
手札:2
「俺のターン!」
爆山 手札2→3
「まずは『マガジン』の効果で『バレット』を墓地に送り、カードをドロー!更にライフ500をコストにデッキから3枚目の『バレット』を手札に加える!」
爆山 手札2→4
ライフ3000→2500
手札を交換し、かつ自分の手札も増えるこのコンボ。正直に言うと卑怯だと言いたい。
「(……!へへっ。世にも恐ろしい地獄のコンボを拝ませてやるぜ……!)俺は手札から『ヴォルカニック・エッジ』を召喚!」
爆山 手札4→3
ヴォルカニック・エッジ/炎属性/☆4/炎族/ATK1800 DEF1200
「そしてその効果を発動!このターン、このカードの攻撃権を放棄することで、相手に500ポイントのダメージを与える!」
『エッジ』の口から小さい火球が放たれ、俺の近くで爆発する。その爆風と炎の熱さに、無防備に晒している腕が火傷する。
秋人 LP1250→750
「カードを1枚伏せてターンエンドだ!」
爆山 手札3→2
爆山 LP2500
場:ヴォルカニック・エッジ(ATK1800)
魔法・罠:3+『ブレイズ・キャノン・マガジン』
手札:2(1枚は『ヴォルカニック・バレット』)
「俺のターン!」
秋人 手札2→3
俺がカードを引いた時だった。この瞬間を待ち望んでいた犬のように男が犬歯を剥き出しにし、勝ったと確信したように笑った。
「お前のドローフェイズにトラップカード『ナイトメア・デーモンズ』を発動!自分の場のモンスター1体をリリースし、お前の場に『ナイトメア・デーモン・トークン』を3体出現させる!」
男のモンスターが消滅し、『ティラス』を囲むように3体の化け物、『ナイトメア・デーモン・トークン』が現れる。
ナイトメア・デーモン・トークン/闇属性/☆6/悪魔族/ATK2000 DEF2000
「俺にモンスターを送る、だと?一体何を……ッ!?」
男の行動の目的を、俺は一瞬で看破する。それを察した男が、勢いよくカードを発動させる。
「こいつでテメェは地獄行き決定だァ!俺は『ブレイズ・キャノン・マガジン』の効果により、手札の『ヴォルカニック・バックショット』を墓地に送りカードを1枚ドロー!更に!『ブレイズ・キャノン』カードによって墓地に送られた『バックショット』の効果発動!デッキから更に2枚の『バックショット』を墓地に送り、相手モンスターを殲滅する!」
『マガジン』の弾倉に『バックショット』が装填される。そして、更に2体の『バックショット』が装填される。そして、『マガジン』から『バックショット』が射出される。
「『バックショット』の効果で合計1500のダメージ、更に『ナイトメア・デーモン・トークン』が破壊された時、1体につき800のダメージを与える!こいつで合計3900のダメージだァ!!」
「―――くそったれっ………!!」
『バックショット』が俺のモンスターに殺到する。それが俺のモンスターたちの近くで爆発する。俺は、その爆発に巻き込まれる前に伏せカードを発動させる。
秋人が爆発に巻き込まれてから数分。男は勝ったという余韻に浸っていた。
「この男と戦う前の女……春菜と呼ばれてたか?あいつは駄目だったが、今回の男は中々だったな。さて、と。またあの女のディスクから仲間を呼び出して……」
男が、さっきまで秋人が立っていた場所にあったディスクを回収しようと、歩き始めた。が、その時だった。さっきまで秋人が使役していた『ティラス』が、男を威圧した。
「っ、あ~クソ、死にかけた。一瞬本気で死ぬかと思った…」
秋人 LP750
「なっ!?ライフが減ってねぇだと!?一体どういうことだ!?」
男が、デュエル中に始めて表情を笑顔以外に変えた。それを見た俺は愉快そうに笑った。
「俺が何でダメージを受けなかったのか。それを今教えてやるよ」
爆風が収まり、俺が
「俺が発動したのは『ホーリーライフバリアー』。こいつで俺のダメージを0にした。まぁ、手札は1枚使ってしまったが……。このターンで決着をつけるなら問題ないからなァ……!!」
秋人 手札3→2
俺は恐らく笑っていたのだと思う。だが、そんなことはどうでもいい……!!
「お前さっき自分で言ってたよな。【ハンティングゲーム】だの、獲物だの。随分好き勝手にいってくれるじゃねェか。……いい加減こっちも頭にきてんだ。お前が狩るがわってことは、俺たち、狩られる側がお前たちを狩っても文句は言えねェよなァ!!」
今までやられてきた借り、ここで一気に返済してやる!俺はそう意気込んでモンスターに指示を出す。
「『ティラス』はORUがある時は効果破壊されない!こいつで止めだ!!『始祖の守護者ティラス』!!プレイヤーにダイレクト」
「待ちな!」
『ティラス』に攻撃命令を送ろうとした時だった。男が少し心底嬉しそうに笑った。それを見た俺は、うざったらしく言う。
「…なンだ。遺言なンて聞いてやる義理はねェぞ」
「いやいや、お前強いな~と思ってな。…
男が気障ったらしく言うが、それを聞いてやる義理はないとも思ったが、目が勝手に動いてしまった。視線のさきにあったのは、ライフカウンターを表示した爆弾だった。
「そいつは俺のライフが0になった瞬間爆発する爆弾だ。そのまま攻撃してたら、俺もお前も木っ端微塵だぜ?」
男が子供のように無邪気に笑いながら言う。だが―――
「
男の言っていた
「…こいつは驚いた。死に恐怖を感じないとは。だが…女の方はどうかな?」
男の含みのある笑いの意味が理解できなかった俺だが、言われてすぐに一つの考えに至る。
「まさか……テメェ!!」
「おう。大体お前の考えてる通りだぜ。このビルのどこかに、俺が倒した女が磔にされている。お前は俺を倒せばそれで万事解決だと思っていたみたいだが…生憎、狩るのが好きで、狩られるのは好きじゃないんだよ。まぁ当たり前のことだがなぁ?」
男が愉快そうに笑う。俺はそれを黙って見ることしか出来ない。何故なら、こんなゲス野郎が春菜の命を握っているのだから―――――!
「さぁてどうする?このまま攻撃して俺のライフを0にするか?まぁ俺はそれでも構わないけどな。その場合、お前は仲間を見殺しにして生き残った、最低なクズ野郎になるだけだからなぁ!!」
どうする。このまま攻撃すれば俺は勝ち、簡単に脱出できる。だが、その場合だと春菜が生き残れない。かといってこの勝機を逃せば、次にいつ勝機が巡ってくるか分からない。相反する二つの思いの中、俺がとった行動は―――
「…ッ!メインフェイズ2、『ティラス』をリリースし、魔法カード『セブンストア』発動!自分の場のエクシーズモンスターをリリースすることで、そのモンスターのORU
秋人 手札2→1→3
俺が『ティラス』を犠牲にしてカードを引くと、男はゲラゲラと笑い始めた。
「何だ、止めをささねぇのか?いいんだぜ?止めをさしてもよぉ!」
「黙れ!カードを2枚伏せてターンエンドだ!」
秋人 手札3→1
秋人 LP2000
場:無し
魔法・罠:3
手札:1(銀河騎士)
「まぁいい。俺のターンドロー!そして『マガジン』の効果で『バレット』を墓地に送り、更に1枚ドローだ!」
爆山 手札2→3
手札の『バレット』で手札を交換する目の前の男。ドローしたカードを見るなり、男は狂ったように笑い始めた。
「ハハハハ!どうやらお前、さっきのターンで仲間を見殺しにしてまで俺を倒した方が良かったみたいだぜ!俺は手札からフィールド魔法、『フュージョン・ゲート』を発動!こいつは融合モンスターを融合召喚する時、『融合』のカード無しでも融合召喚を可能にする!まぁ、融合素材となったモンスターは除外されちまうがな」
爆山 手札3→2
男の発動したカードにより、周りが暗い渦が巻いている空間になる。それを見ながら『フュージョン・ゲート』によって起こる、あのコンボを危惧する。
(まさか……やつがしようとしていることは…!!)
「そしてリバースカードオープン!トラップカード『チェーン・マテリアル』!こいつの効果により、俺はこのターンの攻撃権を放棄する代わりに、融合モンスターを召喚する時、手札・デッキ・フィールド・墓地から融合素材モンスターを除外して融合できる!」
(クソが!やっぱり『マテリアルゲート』か!!)
男が使ってきたのは『フュージョン・ゲート』と、『チェーン・マテリアル』で大型融合モンスターを召喚することで有名な『マテリアルゲート』。しかも、目の前の男は『ヴォルカニック』と機械族の混合デッキ。となると出てくる候補は大体絞り込める。
(出てくるのはおそらく『ボム・フェネクス』と『ヴァルカノン』の2体。だが、『ボム・フェネクス』はもう使われたから出てこないはず。かといって『ヴァルカノン』は俺の場にモンスターがいないから出す意味は無い。一体何が出てくる…!!)
「止めることができ無いなら一気に行かせてもらうぜ!墓地とデッキの3枚の『
一気に3体の『ハウンドドッグ』と、『沼地の魔神王』が出現し、それぞれ1体ずつが渦に飲み込まれる。
「来やがれ!!『
古代の機械双頭猟犬/地属性/☆5/機械族/ATK1400 DEF1000(アニメオリジナル)
①:このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動できない。②:1ターンに1度、相手フィールドにモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。そのモンスターにギア・アシッドカウンターを1つ置く(最大1つまで)。この効果は相手ターンでも発動できる。③:ギア・アシッドカウンターが置かれているモンスターが戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。そのモンスターを破壊する。
古代の機械三頭猟犬/地属性/☆7/機械族/ATK1800 DEF1000 (アニメオリジナル)
①:このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動できない。②:このカードは1度のバトルフェイズ中に3回までモンスターに攻撃できる。
古代の機械究極猟犬/地属性/☆9/機械族/ATK2800 DEF2000(アニメオリジナル)
①:このカードが融合召喚に成功した場合、相手のLPを半分にする。②:このカードは1度のバトルフェイズ中に3回まで攻撃できる。③:このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手は魔法・罠カードを発動できない。
「そしてこの瞬間!『古代の機械究極猟犬』の効果発動!このカードの融合召喚に成功した時、相手のライフを半分にする!」
「何!?」
体のカラーリングが紫色の、三つ首の『ハウンドドッグ』から光線が放たれ、俺のライフを削る。
秋人LP750→375
「更に!最後のリバースカード、『異次元からの埋葬』を発動!この効果で除外されている3体の『ハウンドドッグ』を墓地に送り、手札から『死者蘇生』を発動!言わずと知れたその効果で、墓地の『ハウンドドッグ』を復活させる!」
爆山 手札2→1
男の前に紫色の穴が広がり、そこから目の前に猟犬たちより小さい犬が出現する。
古代の機械猟犬/地属性/☆3/機械族/ATK1000 DEF1000
「こいつで仕上げだ!手札から2枚目の『融合』発動!融合させるのは俺の場にいる全ての『ハウンドドッグ』だ!」
爆山 手札1→0
「なっ!?合計4体の『ハウンドドッグ』を融合させるだと!?」
男の目の前に存在している4体の機械猟犬が、渦に飲み込まれる。そして、渦の中で巨大な
「古の魂受け継ぎし、機械仕掛けの猟犬どもよ!その10の首混じり合わせ、混沌にして絶大なる力とならん!融合召喚!」
男のエクストラデッキが開き、そこからカードが飛び出し、それをディスクに叩きつける。
「さぁ真打登場だ!出て来な!レベル10!『
渦が爆発。いや渦から這い出るように巨大な何かが出現する。それは余りにも巨大すぎて、ビルの外に出現する。
古代の機械混沌巨人/闇属性/☆10/機械族/ATK4500 DEF3000
①:このカードはモンスターゾーンに存在する限り、相手の魔法・罠カードの効果の対象にならず、効果も受けない。②:このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃できる。③:このカードが攻撃する場合のダメージステップ終了時まで、相手フィールドのモンスターの効果は無効化される。
「何だ……こいつは……!!」
現れたのは高層ビルに匹敵するほどの巨体をもつモンスター。その攻撃力は4500。俺のデッキに眠る切り札の【龍】に匹敵する。
「さぁ……ハンティングゲームも大詰めだ。とっとと負けちまいな!エクシーズの負け犬さんよぉ!!」
爆山「よぉ良い子の皆。【アカデミア】の爆山だ。今回は俺がキーカードを紹介するぜ。今回のキーカードは『ヴォルカニック・バックショット』だ」
ヴォルカニック・バックショット/炎属性/☆2/炎族/ATK500 DEF0
このカードが墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える。このカードが「ブレイズ・キャノン」と名のついたカードの効果によって墓地へ送られた場合、手札・デッキから「ヴォルカニック・バックショット」2体を墓地へ送る事で、相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
爆山「新しく出た永続罠『ブレイズ・キャノン・マガジン』を使うことで、手札を交換しつつ相手に禁止カード、『サンダーボルト』と、1500ポイントのバーンダメージを与える強力なコンボを決めれるぜ。こいつでエクシーズ使いなんて焼き殺してやりな。誤字・脱字の指摘も頼む。それじゃ、次回予告だ」
~~~次回予告~~~
秋人「奴が召喚した『古代の機械混沌巨人』。攻撃力4500の超大型モンスター。あいつを倒すには俺のデッキに眠るあのカードを召喚するしかない。だが、このデュエルに勝てば春菜の命が!クソッ!一体どうすればいい!!」
次回、【遊戯王ARC-Ⅴ アイズの名を持つ龍の主】
『混沌の巨人を穿つ紅き光』
秋人「引き金を引いたのはお前だ。だから…末路も受け取れ」