side 秋人
秋人 LP375
場:無し
魔法・罠:2
手札:1
爆山 LP2500
場:古代の機械混沌巨人(ATK4500)
魔法・罠:ブレイズ・キャノン・マガジン
フュージョン・ゲート
手札:0
「
ビルの外に出現した巨大なモンスター。目の前の男が召喚した見たことの無い巨人を目の当たりにしながら、俺はそう呟いた。
「『チェーン・マテリアル』を発動したターン。俺は攻撃を行うことが出来ない。手札も無ぇし、俺はこれでターンエンドだ」
爆山 LP2500
場:古代の機械混沌巨人(ATK4500)
魔法・罠:ブレイズ・キャノン・マガジン
フュージョン・ゲート
手札:0
「俺のターン!手札から魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスター、『
秋人 手札1→2
今引いたカード、『トレード・イン』を発動し、手札で腐った『銀河騎士』を捨てて、新たにカードを引く。引いたカードを見た俺は眉を寄せた。
「(『ディメンション・ワンダラー』に『死者蘇生』か。……なら、まだやれる……!)俺は手札から魔法カード、『使者蘇生』を発動!墓地のモンスターを生還させる!再び舞い戻れ!『
秋人 手札2→1
発動したカードから光が溢れ、その中から銀河のような光を身に纏った竜が再び舞い戻る。
銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
「(今はただ耐えるしかない…!)俺はこれで、ターンエンドだ!」
秋人 LP375
場:銀河眼の光子竜(DEF2500)
魔法・罠:3
手札:1(『ディメンション・ワンダラー』)
「俺のターン!……はっ、お前本当に運がねぇな!俺は『ブレイズ・キャノン・マガジン』を墓地に送り、手札からこのモンスターを特殊召喚する!」
爆山 手札0→1→0
男が自分の引いたカードを見るなり、行動を起こす。『マガジン』が破壊され、何処からとなくマグマが噴き出す。その余りの熱気に、俺は堪らず目を閉じる。
「噴き上がれ!俺の怒り!マグマを纏いて敵を焼き尽くせ!レベル8『ヴォルカニック・デビル』!!」
噴出したマグマから現れたのは溶岩の悪魔。全てを焼き尽くすような出で立ちをした何かが、咆哮と共に君臨する。
ヴォルカニック・デビル/炎属性/☆8/炎族/ATK3000 DEF1800
「『ヴォルカニック・デビル』は本来、『ブレイズ・キャノンートライデント』を墓地に送る事でのみ特殊召喚できる、特殊なモンスター。だが、『ブレイズ・キャノン・マガジン』はその効果により、自身を『ブレイズ・キャノンートライデント』として扱うことができる」
獰猛な笑みを浮かべながらそう説明する目の前の男。そして、目の前の男は次の行動に移る。
「さぁて、こいつでフェイニッシュだ!行け!『古代の機械混沌巨人』!『銀河眼の光子竜』を攻撃!クラッシュオブ・ダークネス!!」
ビルの外に降り立つ巨人が、『フォトン・ドラゴン』に向かって拳を振り下ろす。それを防ぐために、俺は効果を発動させる。
「させるか!『フォトン・ドラゴン』の効果を発動!このカードがバトルする時、任意で除外することができる!」
『フォトン・ドラゴン』から光が溢れ、それが『カオス・ジャイアント』を包み込もうとする。
「無駄無駄ぁ!『カオス・ジャイアント』がバトルする時、その相手モンスターの効果を無効にする!」
「何だと!?」
『フォトン・ドラゴン』の翼を、『カオス・ジャイアント』が握る。そのせいで『フォトン・ドラゴン』が苦悶の声を上げる。それを見た男が、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべる。
「にしてもいい眺めだな……そうだ、せっかくだ、ちょっと試してやるかぁ」
男がそう言うのと同時に、『カオス・ジャイアント』の力が込められる。そのことで俺は最悪の事態を想定する。
「ま、まさか……!?やめろテメェ!!!」
「そぉらよぉ!!」
ボキ。そう嫌な音を立てながら『フォトン・ドラゴン』の翼が握りつぶされた。両翼を潰された『フォトン・ドラゴン』が悲哀の声を漏らしながら空から落ちてくる。
「おら、大事な相棒だろ?しっかり受け止めてやれよぉ!!」
『カオス・ジャイアント』が、再び拳を『フォトン・ドラゴン』に振りかざし、思いっきり殴り飛ばした。その勢いで『カオス・ジャイアント』の拳がビルに突き刺さり、ビルが倒壊する。
「くっ!?ビルが倒壊する!?」
崩れ始めた足場に目をやりながら、少しでも安全な場所に退避するために俺は走り出す。それを先読みした男が、攻撃命令を下す。
「逃がすかよ!やれ!『ヴォルカニック・デビル』!そこにいる死にぞこないに止めを刺せ!ヴォルカニック・キャノン!!」
崩れ始めるビルの中を、必死に走り回る俺に、『ヴォルカニック・デビル』の口から放たれた火球が俺を襲う。
「ッ!?トラップ発動!『ファイナル・ライフガードナー』!自分のライフが0になる戦闘ダメージが発生した時、俺のライフを100にし、バトルフェイズを終了させる!」
ファイナル・ライフガードナー(漫画オリジナル)
自分のライフが0になる戦闘ダメージを受ける時、ライフを100にし、相手のバトルフェイズを終了させる。
開かれたカードから、大きな盾を持った戦士が出現し、溶岩の悪魔の攻撃を弾く・だが、完全に防ぐことはできず、弾かれた火球の一部が俺の体を焼いていく。
「うァァァァァァ!?!?」
体に迸る痛み。最早焼かれたと感じるより、直接脳にダメージが行っていると言ってもいい。それだけの痛みの奔流が俺を襲った。
「くそっ……だれ…が……」
焼かれた痛みと、デュエルで血を流しすぎたせいか、段々視界がぼやけてくる。もう駄目か、と俺は目を閉じた。
(悪ぃユート、黒咲。お前たちと約束した、【絶対に生きて帰る】っていうやつ。あれ、果たせそうにない…。春菜…本当に悪ぃ……救い出すって決めたのに、お前を救いだせそうにない……)
恐らく、もうすぐしたら俺は地面にぶつかる。意を決し、死を覚悟した、その時だった。
「どうした桐原?もう終わりか?だらしないな」
その声と同時に、俺は何かに体を掴まれ、空高く飛翔する。何が起こったのだろう、とゆっくりと目を開くと、そこには、『ライズ・ファルコン』の背に仁王立ちで立っている【レジスタンス】副リーダー、黒咲隼がそこにいた。黒咲は俺を見ながら、ふっ、笑みを浮かべながら言った。
「だが……よく俺が来るまで持ちこたえてくれた。よくやった秋人」
満足そうに笑みを浮かべる黒咲。それを見て、俺は申し訳なく思いながら言う。
「…悪い黒咲。今俺が落ちてきたあのビル。あの中に…ビルの中に春菜が!!」
「大丈夫だ。今頃あいつが戻ってくる……。ふっ、噂をすれば、だな」
え、と驚く俺を置いて、倒壊したビルから黒い何かが飛び出してくる。その何かは、体と同じ漆黒の翼をはためかせながら俺たちに近づいてくる。それが近づいてくると、段々姿は鮮明になる。……その背に乗っている2人の姿も。
「ギュォォォォォォォン!!」
漆黒の翼と、その顎に細長い牙を生やした龍。『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』の背に、ユートと、眠っている春菜がいた。『ダーク・リベリオン』は、『ライズ・ファルコン』と同じ高度にまで飛ぶ。それを見た黒咲が口を開く。
「無事、間に合ったみたいだな、ユート。大丈夫とは思ってはいたが、まさか、倒壊したビルから出てくるとは思わなかったぞ」
「すまない。春菜の拘束が頑丈でな。『ブレイクソード』で切り裂こうにも、春菜の体を傷つけるわけにもいかないから、下級の『
さも当然のように会話をするユート達に、思わず目が点になる。さっきまでの死闘が嘘のような会話に、思わずえ~、と思ってしまった。
「…というか、何でユート達がここに?追ってきたのか?自力で追跡を?」
「何のコントだそれは?…俺が声をかけたのに、無視して走り去っただろう。それで少し心配になってな。悪いとは思ったが、デュエルディスクのGPS機能と、通話機能を使って追わせて貰ったんだ。……結果、春菜が人質に取られて、満足にデュエルができなかったみたいじゃないか」
図星を突かれて、うぐ、とうろたえる俺。それを見た黒咲が溜め息混じりに口を開く。
「全く。何かあれば連絡すると約束したはずだろう。仕方が無い。『ライズ・ファルコン』?」
黒咲が名前を呼ぶと、俺の体を掴む『ライズ・ファルコン』の力が強くなり、俺の体が締まっていく。
「うぉぉぉぉぉぉ!?し、締まる締まる!体が細くなる!!や、やめろ黒咲ィィィ!!」
俺の抗議の声を認めたのか、フン、と鼻と鳴らすと『ライズ・ファルコン』の掴む力が緩くなった。それに安堵を覚えながら、俺はユートに尋ねた。
「…ユート。春菜の様子は?」
「少なくとも命に別状は無い。軽い火傷くらいのものだ。今のお前の体より酷くは無い」
自分の後ろに乗せられて眠っている春菜を、目の端で捉えながらそう言うユートに、俺はほっ、と息をつく。そうこうしていると、突如、俺たちの周りに火球が飛んできた。
「ッ!?隼!」
「分かっている!」
『ライズ・ファルコン』と『ダーク・リベリオン』が体を翻し、火球を放った本人である男の真上にまで移動する。
「……チッ、人質は解放されたか」
『ダーク・リベリオン』の背に乗せられている春菜を見たのか、男はつまらなさそうに呟く。それを見ながら、ユートは厳しい口調で言う。
「お前に人質に取られていた仲間は救出した。ついでに、お前の仲間たちも既にカードにさせてもらった。…どうする?このまま大人しく【アカデミア】に引き返すなら、俺たちもこれ以上深追いをしなくて済むのだが」
「ハァ?冗談言うなよ!ここまでやれておいて、はいそうですかと帰れるかよ!」
男の意に応えるように、後ろに控えていた『ヴォルカニック・デビル』と、『古代の混沌巨人』が俺たちに吼える。それを見て、少なからずユート達は怯む。そんな中、俺は淡々と言った。
「黒咲。下ろしてくれ。俺が行く」
「秋人!?何を言っている!?お前の体はボロボロだ!ここは俺かユートに任せて、お前は早くアジトに……」
「黒咲!!……頼む。行かせてくれ」
黒咲が俺を止めようとするが、俺はそれを遮る。確かに、黒咲の言うとおり、おれの身体はもうボロボロだ。ライフだって100しかない。だけど、所詮
「俺は大丈夫だ。それに、ユート達のおかげで、もう人質を気にせずに戦える。心配するなって!勝利の方程式は既に仕込んである。後は、それを作動させるだけだからさ!」
自信が溢れるようにそう言った俺。それを聞いて、ようやく黒咲は頷いた。
「だが、危険になったらすぐに介入するからな。それだけお前の体はボロボロなんだ」
「分かってるって!それじゃあ黒咲、地上に下ろしてくれ」
俺がそう頼むと、『ライズ・ファルコン』は少しずつ高度を落としていった。
side ユート
秋人が自分の意思で戦うと決め、俺は春菜がいるため『ダーク・リベリオン』と共に空を飛んでいると、後ろの方で何かが動いた。
「う……私は……一体何を…?」
「!春菜!意識が戻ったのか!!」
ついさっきまで【アカデミア】の男に監禁されていた、俺たちの仲間、星野春菜が意識を取り戻していた。そのことに安堵し、ふぅ、と俺は息を吐き出す。
「そうだ、私【アカデミア】の男とデュエルして負けて……。それからのことが思い出せない…。…って、え!?何でユートさんがここに!?というか『ダーク・リベリオン』の背に乗ってる!?うぇ!?一体どういうことなんですか!?」
意識を取り戻し、記憶を整理していたのだろうか。現状に付いていけず、若干パニックに陥る春菜。それを見た俺がついさっきまでの事を説明する。それを聞いた春菜が肩を落しながら呟く。
「…私のせいで、皆さんに迷惑を…。それに秋人君が大怪我を!?」
「そうだ。お前が人質に取られたから、勝てるデュエルも勝てなかった。それが災いして、あの2体のモンスターが召喚された」
淡々と俺が説明すると、春菜が声のトーンを落としながら言った。
「ライフも残り100。相手の場には攻撃力3000以上のモンスターが2体!?その上、怪我をした状態でデュエルを再開するって!?ユートさん!何で止めなかったんですか!?」
春菜が信じられないような顔で言う。そう言われ、俺も勿論止めたと伝える。
「だが、俺はあいつを信じたいんだ。少なくとも…あいつが胸に秘めていた怒りは、思いは、本物だった。それを信じたいんだ」
照れ臭くて髪をガシガシと掻く俺。それを見ながら、春菜は心配そうに秋人君と呟いた。
side 秋人
『ライズ・ファルコン』が高度を落とし、掴んでいた俺をゆっくり地上に下ろす。それと同時に、俺は目の前の男を見据える。
「よォ。さっきぶりだな糞野郎」
殺意を隠さずに男に言い放つ俺。それを見た男が、つまらなそうに呟いた。
「何だ、さっき奴か。ボロボロのお前に用はねぇんだ。とっとと失せろ」
「つれねェこと言うなよ。まだ、決着はついてねェだろォがよォ」
一度閉じたデュエルディスクを再び展開する。そのディスクに表示されるのは、俺と男との絶望的なまでの差。それを知っているからこそ、男はつまらなさそうに言う。
「だからこそだろうが。テメェじゃもう相手にならねぇ。だから次の奴に期待を…」
「五月蝿ェよ」
今まで放ってなかった質の殺意を男にぶつける。それに気負けしたのか、男の足が震え始める。
ライフが100?相手の場に攻撃力3000オーバーのモンスターが2体?それがどうした?
「さっきの状況と同じでいい。デュエルを再開するぞ。……いいな?」
確認するように俺が聞くと、男は薄ら笑いを浮かべながらああ、と応える。
秋人 LP100
場;無し
魔法・罠:2
手札:1(『ディメンション・ワンダラー』)
爆山 LP2500
場:古代の機械混沌巨人(ATK4500)
ヴォルカニック・デビル(ATK3000)
魔法・罠:0
手札:0
「お前の攻撃は既に『ファイナル・ライフガードナー』で終了している。よって俺のターンからデュエルを再開する」
ディスクに手を当て、俺は目を瞑る。そして、さっき見た春菜の様子。そして、さっきまで俺が受けた俺の痛み・苦しみを思い浮かべる。瞑想し、目をカッ!と開く。
「俺のォ………タァァァァァァァァァァァン!!!」
秋人 手札1→2
思いっきりカードを引き抜く。引いたカード見て俺は苦笑いする。だがまぁ、使える物は全部使う!
「俺は手札から魔法カード、『逆境の宝札』を発動!自分の場にモンスターが存在せず、相手の場に特殊召喚されたモンスターが存在する時、カードを2枚ドローする!」
秋人 手札2→1→3
ユートたちに渡された、【レジスタンス】を象徴するカードで一気に手札を補充する。そして引いたカードを見て俺は笑った。本当にありがたいな。仲間がいるというのは……!!
「春菜が開放された時点で、貴様の敗北は決まっている!さぁ糞野郎!懺悔の用意はできているな!!リバースカード発動!永続トラップ『リビングデッドの呼び声』発動!墓地からモンスターを呼び戻す!蘇れ!『
銀河の魔術師/光属性/☆4/魔法使い族/ATK0 DEF1800
「更に!自分の場に『ギャラクシー』モンスターが存在する時、手札の『
銀河騎士/光属性/☆8/戦士族/ATK2800→1800 DEF2600
「そして、この召喚に成功した時、墓地に
『銀河騎士』の剣に光が灯り、両端が紅い十字架となる。そして、このデュエルだけでも3度目となる『竜』を召喚する。
「今再び、その光と共に我が前に姿を現せ!!『
十字架から光が灯り、銀河の光を瞳の宿した竜が、さっき奴に捥がれた翼に、新たな輝きを取り戻して舞い戻る。その瞳には、俺と同じ怒りが宿っている。何故か、そう感じられた。
銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
「はっ、攻撃力3000ごとき、俺のモンスター達には通用しないぜ!」
「……言ったはずだろォが。テメェは既に詰んでるってなァ!俺は『銀河の魔術師』の効果発動!このターンのエンドフェイズまで、レベルを8にする!」
『銀河の魔術師』が手を上げ、頭上にレベルが増える。
銀河の魔術師
☆4→☆8
「な、レベル8のモンスターが3体だと!?」
「見せてやるよ!俺の
『フォトン・ドラゴン』の体に2体のモンスターが取りまれ、真紅の槍へと変わる。それと同時に、何故か俺の槍と同じ紅い光に包まれる。
(!?一体何が!?だけどこの光……何故か暖かく感じる。…!そうか、お前のおかげか!)
エクストラデッキから、俺と同じ紅い光を放つカードを手に取る。それを手に取り、真紅の槍をしっかりと握る。今まで受けていた傷も、何故か感じなくなっていた。
「俺が受けた痛み。そして、人質として攫われた春菜の怒りをこの槍に込める!行っけェェェェェェ!!」
真紅の槍を握り、それを開いた穴に思いっきり投げる。穴が爆発し、紅い光が溢れる。
「逆巻く銀河よ、怒涛の光となりて、その姿を現すがいい!!降臨せよ、我が魂!ランク8!
『
「ギュォォォォォォォォォォン!!!」
咆哮と共に、3つ首の紅い光を身に纏った“龍”が降臨する。その龍が放つ威圧感に気圧されたのか、男が呆然としていた。
超銀河眼の光子龍/光属性.★8/ドラゴン族/ATK4500 DEF3000
「……はっ、何だよ。怒りがどうだの言った割には『カオス・ジャイアント』と同じ攻撃力4500じゃねぇか!それにな!『ヴォルカニック・デビル』が存在する限り、お前はこいついしか攻撃できねぇ!どうせ、そいつで『カオス・ジャイント』を相打ちにして、時間を稼ごうって魂胆だったんだろうが、そうはいかね……え!?」
男が驚いたように目を見開く。それはそうだろう。何故なら、自分のモンスター達が光の輪に拘束されていたのだから。
「フォトン・ハウリング。『ネオ・フォトン』の召喚に、『フォトン・ドラゴン』を素材にしている時、このカード以外の表側表示のカード効果を無効にする!これでテメェの『ヴォルカニック・デビル』に関係なく攻撃できる!更に手札から魔法カード、『鬼神の連撃』発動!エクシーズモンスターのORUを全て使い、このターン、そのモンスターは2回攻撃できる!」
『ネオ・フォトン』の持つ3つのORUが、それぞれの首に集まっていき、身に纏う紅いオーラが更に輝きを増す。
「行くぞ!バトルフェイズ!『超銀河眼の光子龍』で、『ヴォルカニック・デビル』を攻撃!」
『ネオ・フォトン』のそれぞれの首に、『フォトン・ドラゴン』の時とは比べ物にならない程の光が充填されていく。それが限界にまで溜まった時、俺はに命令を下す。
「ぶちかませ!アルティメット・フォトン・ストリーム!!」
『ネオ・フォトン』から3つの紅い光が放たれ、それが『ヴォルカニック・デビル』を包み込み、跡形も無く吹き飛ばした。
「く、うぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
爆山 LP2500→1000
男が、『ヴォルカニック・デビル』の消滅で起こった爆発で吹き飛ばされる。だが、俺のバトルフェイズはまだ終了していない!
「次だ!行け、『ネオ・フォトン』!『カオス・ジャイアント』を攻撃!」
俺の攻撃命令を聞き入れ、『ネオ・フォトン』が『カオス・ジャイアント』に向かって飛翔する。
「アルティメット・フォトン・ストリィィィム!!」
「迎い打て!クラッシュオブ・ダークネス!!」
『ネオ・フォトン』のブレスと、『カオス・ジャイアント』の拳がぶつかり合う。その果てに、互いのモンスターが消滅する。
「クッ!だがこれでお前のモンスターの攻撃は終わった!次で俺がモンスターを引けば俺の勝ちだ!」
自分に言い聞かせるように叫ぶ男。それを聞いた時、俺は笑った。
「ははは、はははははは、ハハハハハハハハハハハ!!!何勘違いしてンだ?」
「何ッ!?」
「まだ俺のバトルフェイズは終了してないンだよ!」
「何を言っている!?もうお前の場にもうモンスターはいないだろうが!テメェの伏せているそのカードも、最初のターンに伏せられてから使われていない所を見る限り、何か特別な発動条件が……!!」
はっとしたように目を見開く男。何だ。少しは考えられンじゃねェか。
「今こそ、俺の最後のリバースカードを発動する!!その名は、『エクシーズ・ダブル・バック』!」
「『エクシーズ・ダブル・バック』!?」
「こいつは俺の場のエクシーズモンスターが破壊された時に発動できるカード。破壊されたモンスターと、その攻撃力より低いモンスター1体を特殊召喚する!」
開かれたカードから光が溢れる。それに手を振りかざす。
「勝利をこの手に掴むため、我が前に、再び舞い戻れ!『銀河眼の光子竜』!!『超銀河眼の光子龍』!!」
光の中から、咆哮と共に銀河の龍たちが姿を再び現す。その圧倒的な存在感に、持ち主である俺まで気圧されそうになる。だが、それと同時に嬉しくもあった。こんな美しく、気高いドラゴンの持ち主であることに。
銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500
超銀河眼の光子龍/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4500 DEF3000
「あ………ああ……!!」
男がじりじりと後ろに下がる。2体の『ギャラクシーアイズ』に脅えている様を見て、俺は嘲笑った。
「アハハハハハ!何だ何だよ何ですかァその様はァ!オラァ!こいつで終いにしてやるよォ!!舞い上がれ!『ギャラクシーアイズ』達よ!!」
蒼と紅の翼を羽ばたかせ、2体の龍が男の頭上に躍り出る。男は、その姿に恐怖しているのか、足が震えていた。そのことに、俺は嘲笑うことも忘れる程の怒りが蘇る。
「ふざけンじゃねェぞ!テメェが春菜に与えた恐怖はそンなもンじゃねェだろォが!テメェは絶対にここで叩き潰す!いや、細胞一つ残しやしねェェェ!!」
俺の怒りに応えるかのように、『ギャラクシーアイズ』が咆哮する。それを見た男が脅えながら言う。
「な、何なんだよ!何なんだ!こんな奴がいるなんて聞いてないぞ!?」
「引き金を引いたのはお前だ!だから……末路も受け取りやがれェ!」
2体の龍たちに光が収束される。それを見ながら俺は叫ぶ。怒りを、思いをそれに乗せて。
「テメェは俺の大切な人に手を出した!だからァ……とっとと消えうせろォォォ!!アルティメット・フォトン・エクストリーム!!!」
2体の『ギャラクシーアイズ』のブレスが混ざり合い、1つの塊となって男を襲う。それは簡単に男を飲み込み、跡形も無く吹き飛ばした。
「う、うォォォォォォォォォ!!」
爆山 LP1000→0
デュエルが終わり、2体の龍が消滅する。それを見届けた後、まるで糸が切れたように俺の体が地面に倒れこむ。だが、それは誰かが俺の体を支えてくれたことで免れた。その顔を見た時、俺は苦笑いしながら名前を呼んだ。
「黒……咲…」
「よくやったな秋人。後は俺たちに任せて休んでいろ。全く、大した奴だよ。お前は」
あんなボロボロな体で叫ぶんだからな。と呆れた顔で言う黒咲に、そうだな、と言って、俺は意識を失った。
side 春菜
デュエルが終わったのを確認し、ユートさんが『ダーク・リベリオン』を地上に下ろす。ある程度地上に近づいた時、私は勢いよく飛び降りて、秋人君に向かって走り出す。その時、彼の体が倒れ始めた。
「秋人君!?」
無理も無い。あんなボロボロな体でデュエルをしたのだ。相当な疲労が襲っているだろう。倒れ始めた秋人君の体を、黒咲さんが支えるのを見て、安堵しながら駆け寄る。
「黒咲さん!秋人君は!秋人君は大丈夫なんですか!?」
「春菜か。問題ない。だが、血を流しすぎている。ユートを連れて先にアジトに帰還しろ。俺も後で行く」
私はハイ!と大きい声で返事をし、秋人君の体を肩で担いで移動する。その間に黒咲さんは、秋人君が倒した男の前に移動する。
「な…ぜだ。何故、俺が負けた……!」
「それは、お前になくて秋人にあったものがあったからだ。……最も、貴様には一生理解できないだろうがな」
ディスクから紫色の光が放たれ、その後、男の姿は消えていた。
side 秋人
「……う、…ここは?」
見知らぬ天井の下で俺は目を覚ます。意識を取り戻してから少ししてから、前に意識を失うまでの出来事を思い出す。
(確か……【アカデミア】のデュエリストを叩き潰して、黒咲が後は任せろって言ったから意識を失って……。…そうだ春菜は!?春菜はどうなったんだ!?)
ユートが救出してたから大丈夫だと思うが、あの日の後だ。一体何が起こったか分からない。飛び起きるように手をベッドに当てようとした時だった。部屋にあったドアが開いて、俺が心配していた少女。春菜が入ってきた。
「…秋人君……?」
「春菜…か?」
互いに疑問系で聞き返す。それはそうだろう。俺も、恐らく春菜も、互いに目を覚ましていきなり会うとは思っていなかったのだから。
「ッ!秋人君!!」
先に意識をハッ、とさせた春菜が勢いよく俺のベッドに飛び込んでくる。それを受け止めると僅かな痛みが奔るが、あの男とのデュエル程ではなかったので、少し目を細める程度で我慢できた。俺のベッドに飛び込んでくるなり、ポカポカと俺の胸を叩き始める。
「馬鹿馬鹿馬鹿!!馬鹿なんですか!?もう一度いいますけど、馬鹿なんですか!?」
「開口一番酷いなオイ!?一応俺、お前を助けに行ったんだけど!?」
「それが馬鹿だって言ってるんです!!何であんな危険な事したんですか!?一歩間違えたら死んでたんですよ!?」
ヒステリックに叫ぶ春菜に正論を言われ、俺は一瞬口を噤んだ。だが、そんなことはもうどうでも良く思った俺は、怒鳴り返した。
「馬鹿なのはお前だろ!何で1人で戦いを申し込んだんだ!お前の方こそ、一歩間違えたらお前はもうここにいないんだぞ!!」
「開き直りですか!?本当に馬鹿なんですか!?」
「五月蝿ェ!!」
ぐぬぬぬ、と互いに今にも手が出そうだったその時だった。再び部屋のドアが開き、誰かが侵入してきた。
「病棟エリアで……騒ぐな馬鹿共!!」
思いっきり頭に拳骨が振り落とされ、俺と春菜が頭に手を当てながら、痛ッ~~、と唸る。
一体誰かと思い、閉じた目を開くと、ぎゅう、っと拳を握ったまま立っているユートがいた。
「ゆ、ユート!?何でここに!?」
「お前の見舞いに来たんだ。そしたら、お前の病室が騒いでいたからもしかしたらとは思ったが……全く、騒いでもいいが、もう少し声を落とせ。だがまぁ……無事で何よりだ」
呆れたように俺を叱ったユートだが、握った拳を開きながら優しい笑みで話すユートに、本当に申し訳なく感じた。そう思った時だった。1枚のカードが飛んできて、俺の手の甲に突き刺さった。
「~~~~ッ!?」
刺さったカードの痛みで、声にならない叫びを上げる俺。ユートが、苦笑いで口を開く。
「おいおい……怪我人相手はそれはないだろう?隼?」
「…フン。単独行動をした愚か者に制裁を加えたまでのことだ。…軽めに済ませたがな」
青いコートを着た青年、黒咲隼が部屋の中に入ってくる。それを見るなり、俺は口を開く。
「あのなぁ!俺これでも怪我人なんだからもう少し丁重な扱いをしろよ!」
「フン。まぁ、そんなことはどうでもいい」
「いやどうでもよくはないだろ!」
全く、と溜め息をつきながらカードを引き抜き、カードを確認する。俺の手に刺さっていたのは『罰ゲーム!』というのだから、本当に酷いな!
「…全く、黒咲は「名前でいい」……は?」
「俺のことは名前でいい。……これから、よろしく頼む。
言いたいことはそれだけだ。そう言い放ち、黒咲、いや、隼は部屋を出て行った。それを聞いた春菜が顔に笑みを浮かべながら言った。
「秋人君!凄いじゃないですか!あの黒咲さんに認められるなんて!」
さっきまでの怒りはどこへ行ったのやら。満面の笑みで俺を祝う春菜に、内心で呆れながらも、ああ、と返事をしておく。
「それじゃ、今日はこのくらいにしておくか。春菜行くぞ」
「はーい!それじゃ秋人君!また明日会いましょう!」
鼻歌を歌いながら病室を去る春菜を見送る俺。もう一度寝ようとした時だった。ユートが話しかけてきたのだ。
「秋人」
「…ん?どうした?」
「いや……ありがとう。ただ、礼を言いたかったんだ」
それだけだ。そう言ってユートは病室から出て行った。それを見送り、俺はもう一度眠りにつくのだった。
side 春菜
「いや~~本当に良かったです!秋人君の意識が戻って!」
部屋に戻って、今日一番良かった出来事を呟きながら私は自室に戻る。その時、私はふと、あの時の秋人君の言ったことを思い出してしまった。
(……【お前は俺の大切な人に手を出した】とか、【私の受けた恐怖はそんな物じゃない】とか、恥ずかしいことを沢山言ってしましたよね……全く、言われる者の身にもなってほしいです……!)
あの時から既に3日経っていて、今日まで一度も目を覚まさなかった秋人君が起きていたのは、本当に嬉しかった。だけど、それよりもあの時に言われたことが恥ずかしすぎて、あんな行動を取ってしまったのだ。
(ううう………なんでこんな事になってるんですか!?恥ずかしすぎて死んでしまいそうです……!!)
今となっては、秋人君の顔を見るだけでも顔が赤くなりそうなのである。照れ隠しにあのような行動に走ってしまった自分が本当に情けなく思えてしまう。
(……もういいです。今日はもう寝てしまいましょう。また明日、秋人君の病室に行って、お見舞いでも……って!なんで秋人君のことばかり考えてるんですか私は!?)
その後も、春菜の頭の中に秋人が居座り続け、結局、眠りについたのは朝の4時を回ってからなのであった。
秋人「今回のキーカードは……いろいろあったが、このカード!速攻魔法『エクシーズ・ダブル・バック』だ!」
エクシーズ・ダブル・バック (速攻魔法)
自分フィールド上のエクシーズモンスターが破壊されたターン、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。自分の墓地から、そのターンに破壊されたエクシーズモンスター1体と、そのモンスターの攻撃力以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズ時に破壊される。
秋人「今回のように、モンスターエクシーズモンスターを相討ちにしてから発動できたらベストだな。実はこのカードは【相手によって破壊された】とかって書かれてないから、『激流葬』でモンスターを全滅させてから発動することもできる。是非、一度試してみてくれ」
秋人「さて、これでアンケートした話は、次の襲雷の回で終わりだな。一時はどうなることかと思ったが、何とかなりそうだな。例の如く、誤字・脱字。ルールミス等の指摘を頼む。それじゃ、次回予告だ」
~~~次回予告~~~
襲雷「秋人が【アカデミア】の連中とのデュエルで、怪我しちまって満足にデュエルもできねぇってユートから聞いた俺は、偶々見舞いに来てた春菜と一緒に、特別な場所に招待することにした」
秋人「襲雷?一体どこにつれて行こうって……!?」
春菜「こ、これは一体……!?」
襲雷「へへっ、見るがいい!そして慄くがいい!これが俺の技術力を結集させた最高の作品だ!!」
次回、【遊戯王ARC-Ⅴ アイズの名を持つ龍の主】
『強襲の機光竜!サイバー・ドラゴンVSギャラクシーアイズ!!』
襲雷「さぁ始めようぜ!お前の『ギャラクシーアイズ』と俺の『サイバー・ドラゴン』!どちらが上か、勝負と行こう!!」