遊戯王ARCーV アイズの名を持つ龍の主   作:青眼

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天子「メリークリスマス!!秋人だと思った?残念天子ちゃんでした!!という訳で今回の前書きはこの私、比居名伊天子が送るわ!といっても、私の出番はもうないのだけれどね。まぁ、愚痴を言っても仕方ないし、早速本編に行くわよ!」


28話 銀河の咆哮

「ふぅ。どうやら、デュエルディスクの方は何とかなりそうだな」

 

天子とのデュエルの後。俺は今晩の宿とデュエルディスクの修理に悩んでいると、鈴仙が、【川城にとり】の住む家を案内してくれた。それにしてもにとり本人と会ったが、本当に驚いたな。小さすぎて。一瞬笑いかけたよ本当に。

にとりにデュエルディスクを診てもらうと、新しいおもちゃを見たように飛びつき―――

 

「おお!これは凄い!これを弄っていいのかい!?任せておいてくれたまえよ!明日には直しとくね!ああ後!そこら辺にある予備のデュエルディスクは持っていっていいよ!さぁて早速作業に取り掛からないとね!!」

 

と目が星になりながら言われ、代わりのディスクを借りてその日は帰ることになった。宿の方はあてが無かったので、野宿でもしようかと思っていると、鈴仙に自分の家に泊まっていかないかと誘いを受けた。断る理由が無かった俺は勿論、その誘いに応じて、鈴仙の案内の下、彼女が住んでいる家、【永遠亭】に泊まることになった。泊まることになったんだが………

 

(まさか、住んでいるのが女だけとはな。しかも皆美人だし。……というか男はいないのか!!俺だけしかいないのか男は!?)

 

そうなのである。ここ【永遠亭】に住んでいるのは全員女性で、しかも全員美人なのである。その中でも俺が気になったのは、桃色の着物を着た女性、蓬莱山輝夜(ほうらいさんかぐや)だ。いや、気になるっていうのはあれな!!女性として気になるんじゃないからな!!

 

(…あの輝夜とか言う人。あいつの近くを通った時、『ギャラクシーアイズ』が鳴き出した。…まさか、あの人もか?)

 

今朝の天子との出来事を思い返しながら、屋敷の中を歩き回る。既に風呂を済ませて、飯も頂き、後は寝るだけなのだが、天子とのデュエルのせいで寝るに寝れないのだ。ふと、思い出すのはあのデュエルの最後のターン。あのデュエル。俺は本当に負けた。何が足りなかったのか。それが知りたくて、何度も何度も思い返す。

……俺はあの時、俺が打てる手は全て打った。ブルーアイズを3体出し、アルティメットもシャイニングドラゴンも出した。ギャラクシーアイズも出したし、赤馬から貰ったペンデュラムカードも使った。全力を出したその上で負けたのだ。あの時、俺は本当に悔しいと感じた。だが、同時に楽しいと感じたのだ。一体どう思ってるんだか。

 

「はぁ。どうしたもの……やら…?」

 

歩き回っていると、俺は縁側にたどり着いた。そこには先客がいた。さっきまで天子以外に、頭の中で考えていた輝夜さんだった。夜になったことで周りが暗くなり、空に月が浮かんでいて、その光が輝夜さんの顔が照らしていた。その横顔はとても美しく、俺はそれに見惚れてしまった。

 

「……そこにいるのは誰かしら?」

 

輝夜さんは、少し顔を後ろ見ただけで俺のことを察知する。それに少し驚きながら、月の光が降りている所に出る。

 

「あら、貴方だったの。ごめんなさいね。てっきり鈴仙かと」

「悪いな。少し眠れなくてさ。辺りをうろうろしてたんだ。気に障ったのならすぐに部屋に戻るけど……」

 

別にいいわよ。輝夜さんは縁側に、というより空にある月に顔を向ける。特に話すことも無かった俺は、それにつられて空を見る。【ハートランド】や【舞網市】とは違い、機械という物が圧倒的に少ないこの世界では、空には無数の星が輝いていて、中でも大きい月がとても綺麗に見えた。

 

「……綺麗な夜空だな」

「貴方もそう思う?私もよ。毎晩、ここで夜空を見るのが日課なのよ」

「それは少し羨ましいな。俺のいた世界じゃ、こんなに良い夜空は見えないからな」

 

本気で俺はそう思った。少なくとも、俺が【エクシーズ次元】と【スタンダード次元】に来てから、こんなに綺麗な夜空は見れなかったのだから。

 

「さて、綺麗な夜空も見れたし、そろそろ部屋に戻るかな」

 

部屋に戻ろうと足先を向けたようとしたその時だった。輝夜さんが待って、と声をかけて来たのだ。

 

「ねぇ。少しデュエルしないかしら?」

「……いや、遠慮しとくよ。今日思いっきり負けたから、少し反省会もしたいからな」

 

あの時のデュエルを思い出して、苦い顔を見せながら部屋に戻ろうとしたどの時だった。俺に見える形で、近くの壁にカードが突き刺さった。カードの名前は『魂の一撃』。俺が天子とのデュエルに負けたきっかけとなったカードだ。それを手に取り、投げたであろう輝夜に、苛立ちながら輝夜に聞く。

 

「……なんの嫌がらせだ?俺がこのカードで負けたのを知っててカードを投げたんだろう?」

「まぁね。鈴仙から聞いたけど。あれは仕方がないわよ。あんな限定的でリスキーなカード。使う人の方が少ないわよ」

 

肩を竦めながらそう言う。それにまた少しイラッと来るが、冷静さを取り戻す深呼吸をする。

 

「まぁ。少し嫌がらせをしたかったというのも事実なんだけどね」

「さっきからもしかしたらと思ってたけど、お前本当は性格悪いだろ」

 

溜め息交じりにそう言うと、ククッと笑いながらそうね、と輝夜さんが言う。無駄にそれが絵になっているのがムカつく。

 

「それにね、少し貴方にも興味があるのよ。理由は……やっぱりこれかしらね」

 

輝夜(むかついたからさん付けすのはやめた)が懐からカードを取り出した。

そのカードは、俺の相棒のドラゴンの一体。『銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)光子竜(フォトン・ドラゴン)』とだった。そのカードに驚き、目を丸くするが、あの世界とは別の世界にいるのだから、別にあってもおかしくはないと自分に言い聞かせる。

 

「貴方がここに来てから、この子が騒がしくてね。それに鈴仙から聞いたけど、貴方も『ギャラクシーアイズ』を使うそうじゃない?少し興味があるのよ」

「……ようは、自分のエースと同じカード使うやつがいるから、デュエルしろってことかよ」

 

面倒だな、と聞こえない程度の声でそう呟き、ガリガリと頭を掻く。

 

「それで、どうするの?私とデュエルしてくれる?」

 

首を傾けてそう聞いてくる輝夜に、最早諦めにも等しい感情を持ちながら、俺は答えた。

 

「……しょうがないか。ここに泊めさせてももらってるしな」

「素直じゃないわね。デュエルしたいって、そうハッキリと言えばいいのに」

 

俺たちはそう言いながら、縁側の外に出て、互いにデュエルディスクを展開させる。

 

「準備は出来た。始めようか」

「ええ。だけど、少し待ってね…デュエルモード、フルムーンチェンジ!!」

 

輝夜の宣言と同時に、彼女の左手にセットされていたデュエルディスクから輝く。それに伴って、輝夜の服の色が、桃色から紺色をへと変化した。

余り意味が分からないか、【ZEXAL】でいう所のフォトンチェンジみたいなものだろうか。

 

「なぁ、それって意味あるのか?」

「いえ、デュエルをする時にはこの格好の方が落ち着くのよ。勝負服みたいな物ね」

「女が勝負服とか言うなよ……まぁいい。それじゃ始めるぞ」

 

互いにディスクを構え、高らかに宣言する。

 

「「決闘(デュエル)!!!」」

 

 

蓬莱山 輝夜 LP8000

桐原 秋人 LP8000

 

成り行きで始まった俺たちのデュエルは、輝夜の先行で始まった。

 

「先攻は私からね。…私の場にモンスターがいないから、『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚するわ。」

輝夜 手札5→4

 

フォトン・スラッシャー/光属性/☆4/戦士族/ATK2100 DEF0

 

「そしてカードを1枚伏せて、ターンエンドよ。」

輝夜 手札4→3

 

輝夜 LP8000

場:フォトン・スラッシャー(ATK2100)

魔法・罠:1

手札:3

Pゾーン:無し

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

秋人 手札5→6

 

カードを勢いよく引き込み、手札を確認する。それからまずまずの手札だなと結論付けながら行動を起こす。

 

「相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合、手札から『聖刻龍トフェニドラゴン』を特殊召喚出来る!! ただし、この効果で特殊召喚したターン、このモンスターは攻撃できない。」

秋人 手札6→5

 

聖刻龍トフェニドラゴン/光属性/☆6/ドラゴン族/ATK2100 DEF1400

 

「でも、リリース要員には使えると。」

 

「その通り。だけど、まだもうちょっとだけ準備させてもらうぜ。相手フィールド上に攻撃力2000以上のモンスターがいるから、手札から『限界竜シュバルツシルト』を特殊召喚!!」

秋人 手札5→4

 

空間に穴が開き、中から瞳が赤い竜が現れる。俺のデッキの中でも、比較的に召喚条件が緩く、出しやすいモンスターだ。

 

限界竜 シュヴァルツシルト/闇属性/☆8/ドラゴン族/ATK2000 DEF0

 

「『シュバルツシルト』、ねぇ。」

 

召喚した『シュバルツシルト』を見ながら、何か思い出しかのように呟く輝夜。それを見た俺は輝夜に尋ねる。

 

「ん、どうかしたか?」

「いいえ。続けて頂戴。」

 

何事もなかったように振舞う輝夜に、そうか、と呟きプレイを続ける。

 

「じゃあ俺は手札から永続魔法、『冥界の宝札』を2枚発動! このカードはモンスターをリリースして行うモンスターのアドバンス召喚に成功した時、カードを2枚ドローする!」

秋人 手札4→2

 

このデッキのキーカードである『冥界の宝札』を発動させる。いつもは初手に来ないのに、今回に限って来るのだから、こんなに嬉しいことはない。そのことにニヤつきながら続ける。

 

「そして俺は、場の『限界竜シュバルツシルト』と、『聖刻竜トフェニドラゴン』をリリースして、アドバンス召喚!!」

 

2体のモンスターが霧散し、やがて両端が紅い十字架に変わる。俺はそれをしっかりと握り締め、真上に放り投げる。

 

「闇に輝く銀河よ。希望の光となりて、その姿を現すがいい!! 光の化身ここに降臨!! 現れろ! レベル8!『銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)光子竜(フォトン・ドラゴン)』!!」

秋人 手札2→1

 

十字架から光が溢れ、やがて銀河の竜へと姿を変える。咆哮と共に現れた相棒は、目の前の敵を倒すという、明確な意思が感じられる。

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「…出てきたわね。」

 

『フォトン・ドラゴン』の登場で、今まで無表情だった輝夜が、僅かに口角を曲げる。それを見た俺も笑いながら説明する。

 

「あぁ。さて、ここで『冥界の宝札』の効果発動するが、同時にリリースされたトフェニドラゴンの効果も発動!このカードがリリースされた時、自分のデッキ・墓地・手札より、ドラゴン族通常モンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する! オレはデッキから、このカードを特殊召喚する!!」

 

デッキから飛び出したカードを手に取り、勢い良くディスクに叩きつける。それと同時に光が飛び出し、辺りを照らす。

 

「数多の伝説を刻みし白き龍よ、その純白の翼を翻し、立ちはだかる者全てを打ち砕け!現れろ!!レベル8!『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』!!!」

 

光が収まり、『フォトン・ドラゴン』と並び立つように『ブルーアイズ』が出現する。『聖刻』モンスターの効果で召喚したから、ステータスは下がってしまったが、そんなことは余り気にしない。

 

青眼の白龍/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000→0 DEF2500→0

 

「ブルーアイズ…。鈴仙から聞いてはいたけど。それに、レベル8が2体…。」

「そして2枚の『冥界の宝札』の効果で、デッキからカードを4枚ドローする!」

秋人 手札1→5

 

2体の竜たちを見ながら、俺はふと、輝夜のリバースカードを少し思案する。

 

(さて、ここで警戒すべきなのはあの伏せなんだが…。打点は下がるが、ここはアレになっておいた方が無難か)

 

次の一手を実行するべく、俺はモンスターたちに命令を下す。

 

「俺はレベル8のギャラクシーアイズと、ブルーアイズの2体でオーバーレイ!! 」

 

2体のモンスターが光となり、現れた黒い穴に飛び込んでいく。

 

「太古の眠りにつきし黄金の龍よ。その力を人の身に宿し、我らの道を切り開け! エクシーズ召喚! 現れろ!ランク8、『神龍騎士フェルグラント』!!」

 

神竜騎士フェルグラント/光属性/★8/戦士族/ATK2800 DEF1800

 

穴が爆発し、光の中から黄金の騎士が出現する。それを見た輝夜は、さっきとはうって違い、つまらなさそうに呟く。

 

「フェルグラント…。まぁ、初手としては安定よね。…でもね、あなたに興味はないのよ。消えなさい。カウンター罠、『昇天の剛角笛(グレイトホーン)』を発動!! メインフェイズ中の相手モンスターの特殊召喚を無効にし、さらにそのメインフェイズを強制的に終了させる!! ただし、相手はカードを1枚ドロー出来るわ。」

「なっ、『昇天の剛角笛』だと?!」

 

開かれたカードから、豪華に装飾された角笛が出現する。それから流れ出した音が『フェルグラント』を消滅させる。

 

「ふぅ、ペンデュラムを加えての速攻対策に入れておいて正解だったわね。まさか、ここで役に立つなんて。さぁ、カードをドローしなさい。」

「くっ、やってくれるぜ。」

秋人 手札5→6枚

 

モンスターが消滅した代わり、という程のものではないが、カードを1枚引く。

 

「…バトルフェイズには何もできないから、このままメインフェイズ2に入る。カードを1枚伏せ、ターンエンド。」

秋人 手札6→5枚

 

秋人 LP8000

場:無し

魔法・罠:1

     冥界の宝札×2

手札:5

Pゾーン:無し

 

 

「じゃあ私のターンね。ドロー!」

輝夜 手札3→4枚

 

すっ、とカードを引き、手札を見て残念そうに輝夜が呟く。

 

「…伏せは処理しておきたかったけど、この手札じゃどうしようもないわね。メタられない事を祈るしかないわね。魔法カード、『フォトン・サンクチュアリ』を発動! このターン、自分の光属性以外の召喚・反転召喚・特殊召喚を封じる代わりに、レベル4の『フォトン・トークン』2体を、守備表示で特殊召喚する。」

輝夜 手札4→3枚

 

発動されたカードから、淡い光を灯した光球が出現する。

 

フォトン・トークン/光属性/☆4/雷族/ATK2000 DEF0

 

「そして、私も『冥界の宝札』を一応発動しておくわ。まぁ、今後使うかは分からないけど、無いよりはましでしょう。」

輝夜 手札3→2

 

「そっちもアドバンス召喚か。」

 

俺と同じカード発動した輝夜に、小声で俺が呟く。それを聞こえたのか、輝夜がふっ、と笑いながら言う。

 

「えぇ。2体のフォトントークンをリリースし、アドバンス召喚! 光の皇帝よ、今我が命に応じ降臨しなさい!! レベル8、『フォトン・カイザー』!!」

輝夜 手札2→1枚

 

フォトン・カイザー/光属性/☆8/戦士族/ATK2000 DEF2800

 

現れたのは俺もよく使うモンスター。それを見ながら、奴の行動を見据える。

 

「ここで『フォトン・カイザー』…。狙いはランク8か。」

「それ以外にあると思う? さて、『フォトン・カイザー』のアドバンス召喚に成功した事で、カイザー自身と『冥界の宝札』の効果が同時に発動するわ。処理としては、先に『フォトン・カイザー』の方を処理させてもらうわ。宝札で引いてしまっても困るしね。効果は分かってるわね?」

「あぁ。」

「なら、説明は不要ね。『フォトン・カイザー』の効果発動!! デッキより同名カードを呼び出しなさい!! 『イミテーション・オーダー』!!」

 

フォトン・カイザー/光属性/☆8/戦士族/ATK2000 DEF2800

 

光の皇帝が剣を振り上げると、それに呼応するようにもう一体の皇帝が出現した。

 

「そして、あなたも使った『冥界の宝札』の効果で、デッキからカードを2枚ドローさせてもらうわ。」

輝夜 手札1→3枚

 

「そして私は、レベル8の『フォトン・カイザー』2体でオーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!!」

 

2体の皇帝が姿を変え、穴に飛び込んでいき、穴が爆発し中から赤と青の宝石が付いた黒い四角錐が現れる。

 

「(咲夜・・・。あなたの力、存分に借りるわよ!!)時空を司る暗黒の銀河。(おの)が未来を貫くため、遥かなる時を超え現れよ!! エクシーズ召喚!!」

 

輝夜の口上に合わせ、漆黒の四角錘が動き出し、漆黒の竜を形作った。

 

「顕現せよ!!『No.107 銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)時空龍(タキオン・ドラゴン)』!!」

 

No.107 銀河眼の時空龍/光属性/★8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「…タキオンが出てきたか…。」

「…その様子だと、伏せは召喚反応系ではなさそうね。」

「……。」

 

輝夜の指摘に俺はあえて黙秘する。それを見た輝夜は、まぁいいわ、と呟く。

 

「発動させるカードもないみたいだし、このままバトルフェイズに入るわ。そして、ここでタキオンの効果発動!! バトルフェイズ開始時に一度、ORUを一つ使うことで、タキオン以外の表側表示のモンスターの効果を全て無効にし、さらにそれらの攻撃力を元々の数値に戻すわ!!『タキオン・トランスミグレイション』!!」

 

ORUが1つ消滅し、『タキオン・ドラゴン』が咆哮する。それをきっかけに、辺りの時間が巻き戻るようなエフェクトが発生する。

 

「さて、これで効果が無効になったから、『フォトン・スラッシャー』も問題なく攻撃出来るわね。でも、まずは先にタキオンからダイレクトアタックよ!! いきなさい!!『殲滅のタキオン・スパイラル』!!」

「させない!永続罠、『リビングデッドの呼び声』を発動!! 墓地に存在するモンスター1体を特殊召喚する!! 戻って来い、『銀河眼の光子竜』!!」

 

『タキオン・ドラゴン』に立ちはだかるように、『フォトン・ドラゴン』が出現する。それはまるで、あの時の、【天城カイトVSミザエル】を思い出させるかのような展開だった。

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「じゃあ、それにチェーンしてタキオンの効果発動よ! タキオンが効果を使ったバトルフェイズ中に、相手がカードの効果を発動した時、攻撃力が1000ポイントアップし、さらに攻撃回数が一回増えるわ。」

 

『タキオン・ドラゴン』が咆哮し、その力が増す。だが、『フォトン・ドラゴン』の前に、攻撃力は無駄なことだ。

 

No.107 銀河眼の時空龍 ATK3000→4000

 

「それにしてもフォトンか。これじゃ攻撃が通らないわね。まぁ仕方ないわ、メインフェイズ2に入り、カードを1枚セット。これでターンエンドよ。」

輝夜 手札3→2枚

 

輝夜 LP8000

場:No.107 銀河眼の時空龍(ATK3000)

フォトン・スラッシャー(ATK2100)

魔法・罠:1

冥界の宝札

手札:2

Pゾーン:無し

 

「ふぅ、なら俺のターンだな。ドロー!!」

秋人 手札 5→6枚

 

(ッ、よし、この手札なら!)

 

引いたカードを見て、俺はニヤッとしながらカードを発動させる。

 

「行くぜ!! 俺はスケール1の『龍脈の魔術師』と、スケール8の『竜穴の魔術師』で、ペンデュラムスケールをセッティング!!」

秋人 手札6→4枚

 

竜脈の魔術師

Pスケール:青/赤1

 

竜穴の魔術師

Pスケール:青/赤8

 

発動させた2枚の『魔術師』カードが、俺の隣に出現し、それぞれの下に1と8の数字が現れる。

 

「これにより、レベル2から7までのモンスターが、同時に召喚可能!! 荒ぶる竜たちよ!! 大地を焦がし、天を轟かせる咆哮と共に、その姿を現せ!! ペンデュラム召喚!!!疾く在れ(きやがれ)!!俺のモンスターたち!!」

 

2体の『魔術師』の間に青い穴が開き、その中からモンスターが出現する。

 

「レベル6、『聖刻龍トフェニドラゴン』2体!!」

秋人 手札4→2枚

 

聖刻龍トフェニドラゴン/光属性/☆6/ドラゴン族/ATK2100 DEF1400

 

「へぇ、これがあなたのペンデュラム召喚?」

「あぁ! って、あんまり驚いてないんだな。」

「鈴仙から聞いてはいたし、これぐらいは私にとって、勝負を少し盛り上げてくれるぐらいのものにしかならないわ。」

 

冷めた声で言う輝夜に、少し苛つきながら口を開く。

 

「…むかつくな、その余裕そうな態度。」

「悪いわね、性根なのよ。」

「だったら、その性根ごと俺が叩き潰してやる!! 俺は2体のトフェニドラゴンをリリースして、『タイラント・ドラゴン』をアドバンス召喚!!」

秋人 手札2→1枚

 

2体のドラゴンが消滅し、暴虐の名を冠す“龍”が出現する。

 

タイラント・ドラゴン/炎属性/☆8/ドラゴン族/ATK2800 DEF2500

 

「そして、ここで『冥界の宝札』の効果と、リリースされたトフェニドラゴンの効果が再び発動!! さっきも使ったから説明は良いよな?」

「えぇ。大丈夫よ。」

「ならまず、リリースされた2体のトフェニの効果から使うぜ!! この効果で俺は、デッキより2体目の『青眼の白龍』、そして『アレキサンドライドラゴン』を、攻守を0にして特殊召喚!!」

 

青眼の白龍/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000→0 DEF2500→0

 

アレキサンドライドラゴン/光属性/☆4/ドラゴン族/ATK2000→0 DEF100→0

 

秋人「さらに、俺の場に存在する2枚の『冥界の宝札』の効果で、カードを4枚ドローさせてもらうぜ!!」

秋人 手札1→5枚

 

『冥界の宝札』で消費した手札を回復させ、息切れをしないように戦う。さらに、手札に仕入れたカードで更なる展開を仕掛ける!

 

「まだまだいくぜ!! 俺は手札から魔法カード、『竜の霊廟』を発動!! このカードは、デッキからドラゴン族モンスターを1体墓地へ送り、さらにその墓地へ送ったドラゴン族モンスターが通常モンスターだった場合、さらにもう1 体ドラゴン族モンスターを墓地へ送る事が出来る!! この効果で俺は、デッキに残っている最後の『ブルーアイズ』を墓地へ送り、さらに『エクリプス・ワイバーン』も墓地へ送る!!」

秋人 手札5→4枚

 

「そして、墓地へ送った『エクリプス・ワイバーン』の効果発動!! このカードが墓地へ送られた場合、デッキから光属性、または闇属性のドラゴン族モンスターを除外できる!! 『混沌帝龍(カオスエンペラー・ドラゴン)-終焉の使者-』を除外させてもらう!!」

 

『エクリプス』の効果で、一時【最凶】のドラゴンの異名を持っていたドラゴンを除外する。更に、俺の場にレベル8のモンスターが3体揃った。その意味を教えてやる!

 

「いくぜ!! 俺はレベル8のギャラクシーアイズ、ブルーアイズ、『タイラント・ドラゴン』の3体でオーバーレイ!!」

 

『ブルーアイズ』と『タイラント・ドラゴン』が、『フォトン・ドラゴン』に吸い込まれ、真紅の槍へと生まれ変わる。それをしっかりと握り締め、広がる黒い穴に投擲する。

 

「 逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりて姿を現すがいい!! 降臨せよ、我が魂!!!ランク8!!『 超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)光子龍(フォトン・ドラゴン)』!!!」

 

穴が爆発し、その中から3つの首を持つ紅い龍が、咆哮と共に姿を表す。余り、このカードは使いたくは無いのだが……今回は使うのを躊躇う必要が無いからな。全力で戦える!

 

超銀河眼の光子龍/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4500 DEF3000

 

「ここでネオ・フォトン・・・。フフッ、楽しませてくれるじゃない。」

「超銀河眼の光子龍の効果発動!! このカードが『銀河眼の光子竜』を素材にエクシーズ召喚された時、このカード以外の全ての表側表示のカード効果を全て、無効にする!!フォトン・ハウリング!!」

 

『ネオ・フォトン』が再び咆哮し、輝夜の場の『タキオン・ドラゴン』と、『フォトン・スラッシャー』を光の輪で拘束する。

 

「さらに、『ネオ・フォトン』の効果発動!! ORU を一つ使い、相手フィールド上のエクシーズモンスターのORUを全て取り除く!! そして、取り除いたORU一つにつき、ネオ・フォトンの攻撃力を500ポイントアップさせ、『ネオ・フォトン』は、その取り除いたORUの数だけ攻撃出来る!!」

「取り除かれるORUの数は一つ。つまり、攻撃回数は増えないけど、攻撃力が500はアップするって訳ね。」

「そういうことだ!!」

 

『ネオ・フォトン』の翼が、『タキオン』のORUを喰らい、その攻撃力を強化した。

 

超銀河眼の光子龍 ATK4500→5000

 

「さらに、墓地の『エクリプス・ワイバーン』を除外し、手札から『暗黒竜コラプサーペント』を特殊召喚!!」

秋人 手札4→3枚

 

暗黒竜コラプサーペント/闇属性/☆4/ドラゴン族/ATK1800 DEF1700

 

秋人「そして、除外された『エクリプス・ワイバーン』の効果発動だ!! 墓地にいる『エクリプス・ワイバーン』が除外された時、自身の効果で除外したカードを手札に加える!! さっき除外した『カオスエンペラー』を手札に加える!!」

秋人3→4枚

 

モンスターを展開しつつ、先ほど『エクリプス』で除外した『混沌帝龍』を手札に加える。

 

「まだまだ!! 俺はレベル4の『アレキサンドライドラゴン』とコラプサーペントで、オーバーレイ!! 」

 

2体のモンスターが光となり、黒い穴に飛び込んでいく。やがて穴が爆発し、【101】の数字が浮かび上がる。

 

「浮上せよ、(ナンバーズ)101!満たされぬ魂を乗せた箱舟よ。今こそ暗き深海より姿を現せ!エクシーズ召喚!!現れろ、ランク4!『 S(サイレント・) H(オナーズ) Ark Knight(アーク・イトト)』!!」

 

No.101 S・H Ark Knight/水属性/★4/水族/ATK2100 DEF1000

 

「っ、オーバーハンドレッドナンバーズですって?!」

 

輝夜が、『アーク・ナイト』の姿を見て表情を驚愕に染める。それを見た俺は、悪戯が成功したように嬉しくなり、嬉々として声をかける。

 

「おっ、その様子だと、アーク・ナイトの効果を知ってるみたいだな。なら好都合だ!! いくぜ!! アークナイトの効果発動!! ORUを二つ取り除く事で、相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター一体を、自身のORUにする!! 対象は当然、タキオンだ!!『エターナル・ソウル・アサイラム』!!」

 

アーク・ナイトのORUが消滅し、『タキオン・ドラゴン』を覆うように蒼い光が放たれる。やがてそれは、『タキオン』を包み込み、それをORUへと姿を変えた。それを見た輝夜が、憎憎しげに表情を曇らせる。

 

「くっ、タキオンが・・・。」

「そしてバトル!! 『超銀河眼の光子龍』で、『フォトン・スラッシャー』を攻撃!!『アルティメット・フォトン・ストリーム』!!」

 

ネオ・フォトンの3つの首から紅い光が放たれ、簡単に『フォトン・スラッシャー』を吹き飛ばす。

 

「なら、手札の『クリフォトン』の効果発動!! ライフを2000払う事で、このターン私が受けるダメージを全て0にするわ!!」

輝夜 LP8000→6000

手札 2→1枚

 

2000のライフをコストに、精霊状態のモンスターのような姿で『クリフォトン』が出現し、輝夜に届くはずだったダメージを弾く。

 

「チッ、『クリフォトン』がいたのか。それじゃ、これ以上の攻撃は無意味だな。だったらメインフェズ2でカードを1枚伏せ、エンドフェイズに入る。そしてこのタイミングで速攻魔法『超再生能力』を発動。このターン俺が手札から墓地へ送った、または手札かフィールドからリリースしたドラゴン族モンスターの数まで、デッキからカードをドロー出来る。このターン、リリースしたのはトフェニドラゴン2体。よってカードを2枚ドローする。これでターンエンドだ。」

秋人 手札 4→3→2→4枚

 

秋人 LP8000

場:超銀河眼の光子龍(ATK5000→4500 ORU×2)

No.101 S・H Ark Knight(ATK2100 ORU×1)

魔法・罠:1枚

冥界の宝札×2

手札:4枚

Pゾーン:竜脈の魔術師(スケール1)

竜穴の魔術師(スケール8)

 

「くっ、タキオンを吸収するなんて、やってくれるじゃない…。」

「これでネオ・タキオンとかも呼ぶ事が出来なくなった。お前は翼をもがれたも同然。さぁ、次の一手はどうする?」

「なめないで…! あの子と私の絆は、そう簡単に途切れたりはしない!! 私のターン!!」

輝夜 手札1→2枚

 

先ほどとはうって違い、勢い良くカードを引き込む。引いたカードを見た直後、輝夜は顔をニヤつかせる。

 

「フフッ、良いタイミングで来てくれたわ。魔法カード、『逆境の宝札』を発動!! 自分の場にモンスターが存在せず、相手の場に特殊召喚されたモンスターが存在する場合、デッキからカードを2枚ドロー出来る!! 条件は満たしてるから、カードを2枚ドローよ!!」

輝夜 手札2→1→3枚

 

「まだまだ!! さらに『エクシーズ・トレジャー』も続けて発動!! 場に存在するエクシーズモンスター1体につき、カードを1枚ドローよ!! 2枚ドロー!!」

輝夜 手札3→2→4枚

 

「なっ、手札を一気に4枚まで回復させただと!?」

 

発動させたのは、ユートたちも使っているカード。2回連続で手札を補充することに俺は驚愕を隠せなかった。

 

「逆境に立たされた時こそ、このデッキは応えてくれるのよ。さぁ、ここからは私の番よ!! まずは手札の『銀河戦士(ギャラクシー・ソルジャー)』の効果発動!! 手札の光属性モンスターである我が僕、『銀河眼の光子竜』を墓地へ送り、手札から自身を、守備表示で特殊召喚!!」

輝夜 手札4→2枚

 

銀河戦士/光属性/☆5/機械族/ATK2000 DEF0

 

「ここで『銀河戦士』だと?!」

 

召喚されたのは、俺も『ギャラクシー』デッキで世話になっているカード。それ故に、そのカードをこの土壇場引いたことに驚く。

 

「特殊召喚された『銀河戦士』の効果発動!! このカードの特殊召喚に成功した時、デッキから『ギャラクシー』と名のつくモンスター1体を手札に加えられる!!『銀河騎士(ギャラクシー・ナイト)』を手札に!!」

輝夜 手札2→3枚

 

「くっ、やっぱそいつのためだよな。」

「当然でしょ? でも、まだ終わらないわ!! 伏せていた魔法カード、『銀河遠征(ギャラクシー・エクスペディション)』も発動!! 自分の場にレベル5以上の『フォトン』か『ギャラクシー』と名のつくモンスターが存在する場合、デッキからレベル5以上の『フォトン』か『ギャラクシー』を守備表示で特殊召喚する!! 来なさい、2体目の『銀河戦士』!!」

銀河戦士/光属性/☆5/機械族/ATK2000 DEF0

 

「くそ、ブラフだった上に2体目の『銀河戦士』を展開してきやがった…。」

「フフッ、まだまだ行くわよ。手札から『銀河騎士』を妥協召喚!! このカードは、場に『フォトン』か『ギャラクシー』と名のつくモンスターが存在する場合、リリース無しで召喚出来る!!」

輝夜 手札3→2枚

 

銀河騎士/光属性/☆8/戦士族/ATK2800 DEF2600

 

手札2枚だったのに、いつの間にかモンスターが2体。更には銀河騎士。更に『フォトン・ドラゴン』まで出現しようとしてやがる。一体どうしてこうなった……!!

 

「そして、この効果で妥協召喚した場合、『銀河騎士』の攻撃力はエンドフェイズまで1000ポイントダウンする代わりに、墓地から『銀河眼の光子竜』を守備表示で特殊召喚出来る!!」

 

銀河騎士 ATK2800→1800

 

銀河騎士の剣が、俺の時と同じ十字架に変化する。輝夜はそれを力強く握り、それを口上と共に、真上へと放り投げる。

 

「闇に輝く銀河よ。希望の光となりて、我が僕に宿れ!! 光の化身、ここに降臨!! 現れなさい、レベル8!!『銀河眼の光子竜』!!」

 

十字架から光が溢れ出し、俺の物と全く同じ姿で『フォトン・ドラゴン』が相手の場に出現する。

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「くっ、ついにそっちも出してきやがったか。」

「誘ったのは私なんだから、出さなきゃダメでしょ? でも、その前にもう一人出てきてもらうわ! 場に光属性モンスターが2体以上存在するため、手札からこのモンスターを特殊召喚する!!」

「光属性が2体以上で出て来る…、っ、まさか!?」

 

特殊な召喚条件を聞かされ、一瞬でそのモンスターの招待を看破する。それを知った時、フォトン・ドラゴンと銀河騎士の間に光が出現する。

 

「煌めく輝きは守護の証!! 秩序を護る光の戦士、ここに降臨せよ!! レベル8、『ガーディアン・オブ・オーダー』!!」

輝夜 手札2→1枚

 

2体の間に現れたのは、黄金の鎧を身に纏った戦士。その神々しさは、他のモンスターにも引けを取らない。

 

ガーディアン・オブ・オーダー/光属性/☆8/戦士族/ATK2500 DEF1200

 

 

「くそっ、やっぱそいつか…! て事は――」

「フフフ、悪いけど、あなたの考えている通りには動かないわよ。まぁ、こっちは当たってるでしょうけどね。私は、レベル5の『銀河戦士』2体でオーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!! 護るべき大地の生命(いのち)の為に、星々輝く宇宙(そら)より降臨せよ!! エクシーズ召喚!! ランク5、『セイクリッド・プレアデス』!!」

 

2体のモンスターが姿を変え、星の世界を守護せし騎士が出現する。それを見た俺は、表情を歪ませる。

 

セイクリッド・プレアデス/光属性/☆5/戦士族/ATK2500 DEF2100

 

「前のデッキだと、この子を使う機会があまりなかったのだけど、今の構築だと、『銀河戦士』に過労死してもらわないとダメだから。」

「そう言う割には、それ程過労死してなさそうだけどな。」

「それは逆境になるまで、この子達が来なかったからよ。さて、次は私の最強の僕を呼びだしたいんだけど、その前に一ついいかしら?」

 

首を傾げながら尋ねてくる輝夜に、何だよ。と俺は聞き返す。

 

「あなた、今全力で楽しめてる?」

「…どういう意味だ?」

「言葉どおりの意味よ。あなた、少し心が乱れてる気がしたから。」

「それがどうした。 そんなこと、このデュエルに関係ないだろ……!」

 

さっきからこっちの事情を無視して、ズカズカと心の内に入ってくる輝夜に、敵意を剥き出しにしながら見据える。それを意に介さず、輝夜は続ける。

 

「…ハァ。一つ聞くわ。あなたが今、相手しているのは誰?」

「そりゃ当然アンタだ。聞かれるまでもない。」

「なら、どうして悩んでるの? どうして、あなたのデッキは答えてくれていないの? さっきから見ていれば、一見あなたの思いにデッキは応えてるように見えるけど、あなた自身、それで全力を出せてるって思えてないんじゃないの?」

「ッ、それは…。」

 

図星を突かれて、俺は口を噤ませる。それを見ながら輝夜は諭すように言う。

 

「…確かに、全力を出せたデュエルで負けたら、それは誰だって悔しいわ。でも、全力を出し切らないで勝敗が決まったら、それこそ、もっと悔しくない?デュエルには、互いのデッキの相性ってものもある。そのせいで、って言い訳はしちゃいけないけど、全力が出し切れない事の方が多々あるわ。そういう時私は、勝っても負けてもすっきりしない。でも、全力を出し切って、それで勝敗が決まったら、勝ち負けに関わらず、嬉しさがこみ上げるものよ。それは、全力を出し切ったが故の必然。そこに理屈や疑問符を付ける意味なんて、欠片もないわ。」

 

そこまで言い切り、だから、と彼女は続ける。確かな、強い意志。隼の言うところの【鉄の意志】と【鋼の強さ】を宿した言葉で。

 

「だから私は、いつだって全力でデュエルをする。出せる手は全部尽くす。それをしないで、後で後悔するなんて嫌だから! …あなたはどう? 全力を出し切らないで、このまま負けてさらに悔しい思いと後悔を抱きたい? 嫌なら、今からでも全力を出し切りなさい!!」

「俺は…。」

 

輝夜に言われたことに反論できず、その場に俺は立ち尽くす。どうすればいい、と頭の中で考えていると、ぼうっ、と半透明な姿でキサラとクドが現れる。

 

「キサラ…それにクドも。」

(大丈夫ですよ秋人。貴方は一人じゃない。それに、ほら。クドや貴方の大事な仲間たちとの絆もあるんです。あんな偉そうな女。ちょちょいとのめしてやってください!)

(キュイキュイ!!)

 

そう言ってすぐにキサラたちは姿を消した。それを聞いて、情けないな、と俺は呟く。

 

(そうだよな。ここでもし、全力を出さなかったら、きっと後悔してしまう。何もしないまま、終わるなんて御免だ!!)

 

パァン!と顔を(はた)き、気合を入れなおす。全く、こんな性根が悪い奴や、キサラたちに諭されるとは、俺も焼きが回ったものだ。

 

「…良い顔になったわね。」

 

「あぁ。……腑抜けた状態でデュエルしてて、悪かったな。」

 

素直に悪いと思い、輝夜に謝ると、輝夜はフフッ、と笑った。

 

「別にいいわ。デュエルじゃないけど、似た様に悩んでる子がいつもいたから、放っておけなかっただけ。それに、私とデュエルしている以上、全力を出してくれないとスッキリしないのよ。」

 

先ほどと違い、微笑みながらそう言う輝夜に、不覚にもドキッと来たが、明後日の方向へと顔を向け、髪を掻きながら言う。

 

「…アンタの事、ほんの少しだけど、見なおしたよ。蓬莱山輝夜。」

「褒め言葉として受け取っておくわ。さて、じゃあ続けるわよ。見せてあげる、ギャラクシーアイズの真の姿(・・・)を!! 私は、レベル8の『銀河眼の光子竜』と、『銀河騎士』でオーバーレイ!! 2体のモンスターで、オーバーレイ・ネットワークを構築!!」

 

『銀河騎士』が『フォトン・ドラゴン』に吸収され、姿を青い(つるぎ)へと姿を変える。それを片手で握り、地面に突き刺す。

 

「永遠と須臾(しゅゆ)、二つの狭間を漂う哀しくも美しき魂達よ! その輝きを今こそ集わせ、希望の未来を指し示せ!! エクシーズ召喚!! 現れよ、ランク8!! 銀河究極龍!!『No.62 銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)光子竜(プライム・フォトン・)(ドラゴン)』!!」

 

剣の真ん中に埋め込まれた宝玉から、青い光が溢れ出し、今まで身に纏っていた赤い鱗から、青い鱗に生まれ変わった、正しく真の『ギャラクシーアイズ』が姿を現した。

 

No.62 銀河眼の光子竜皇/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3000

 

「おいおい、プライム・フォトンまで持ってるのかよ?!」

「あら、その様子だとあなたは持ってないの?」

「いや、持ってないっていうか、何ていうか…。」

 

持ってたけど、まさか、あっちの世界に来たら消滅してました、と言えるはずも無く。どうしたものかと悩んでいると、輝夜はまぁいいわ、と呟いた。

 

「どちらにせよ、やる事は変わらないから。2枚目の『エクシーズ・トレジャー』を発動!! さっきも使ったから説明は省略するわ。カードを4枚ドロー!!」

輝夜 手札1→0→4枚

 

「何でそんな便利なドローカード、2枚も手札に引き込んでんだ!?」

「言ったはずよ、この子達は逆境でこそ応えてくれるって!!」

「まるで意味が分からんぞ!?どういうことだ!?答えてみろ輝夜!!」

 

どういう…ことだ!?本当に分けがわからず、動揺を隠さずに俺は叫ぶ。それを見た輝夜はニッ、と笑いながら続ける。

 

「残念だけどそういうことよ!! そして、手札交換はまだ続くわ!! 『銀河の施し』を発動!! このターン、相手へのダメージが半分になる代わりに、自分の場に『ギャラクシー』モンスターがいれば、手札を1枚捨てることで2枚ドロー出来る!! 手札から『銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)雲竜(クラウドラゴン)』を捨て、2枚ドロー!!」

輝夜 手札4→2→4枚

 

「いや、だから引き運どうなってんだよお前!!というか、サラッとクドが墓地に行ってやがる!?」

「どうもなってないわよ。これが逆境を乗り越える、この子達の力よ! クラウドラゴンの効果発動!! このカードが墓地に存在する場合、デュエル中に一度だけ、自身を場の『ギャラクシーアイズ』エクシーズモンスター1体のORUにする事が出来る!! 当然プライム・フォトンのORUに!!」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇 ORU2→3

 

「まじかよ。ここまで展開された上にプライム・フォトンのORUが補充されたぞおい…。」

「へぇ、持ってなくても効果は分かるのね。まぁ、それぐらいは瑣末なことね。バトルよ!! プライム・フォトンで、ネオ・フォトンを攻撃!!」

 

『プライム・フォトン』が舞い上がり、2体の『ギャラクシーアイズ』がぶつかり合った。

 

「そしてこのダメージ計算時、プライム・フォトンの効果発動!! ORUを一つ使い、そのダメージ計算時のみ、攻撃力を場のエクシーズモンスターのランクの合計×200ポイントアップさせる!!」

「え~と…… 今互いの場には、ランク8が2体、ランク5が1体、そしてランク4が1体。よって、ランクの合計は25!? つまり、攻撃力は5000ポイントアップだとォ!?」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇 ATK4000→9000

 

「こ、攻撃力9000だと?!アーク・ナイトを残してたのはそれが理由か!!」

「その通りよ! さぁ、いきなさいプライム・フォトン!! ネオ・フォトンを焼き尽くしなさい!!『エタニティ・フォトン・ストリーム』!!」

 

プライム・フォトンとネオ・フォトンが、それぞれブレスが放たれる。最初こそネオ・フォトンが押していたが、プライム・フォトンのORUが消滅するなり、プライム・フォトン押して行き、一気に消滅した。

 

「くっ、うわあぁぁぁぁ!!」

秋人 LP8000→5750

 

「次はこれよ。『セイクリッド・プレアデス』の効果発動!! 1ターンに1度、ORUを一つ使う事で、フィールド上のカード1枚を手札に戻す!! アークナイトを手札、もといエクストラデッキへ戻しなさい!! 『星痕の導き-スター・チャート・リード-』!!」

 

プレアデスのORUが、手に持った杖から衝撃波が飛ばされ、それがアーク・ナイトに直撃し、消滅する。

 

「くっ、アークナイトが…!」

「プライム・フォトンの攻撃が終わった以上、もうそいつに用はないのよ。タキオンは返してもらうわ! 勿論、返してもらったからそれ相応のお返しはさせてもらうけどね!! プレアデス!!『ガーディアン・オブ・オーダー』!! 2体でダイレクトアタックよ!!」

 

それぞれの戦士が、各々の獲物で俺に切りかかる。それを防ぐ手段を持たない俺は、為す術もなく直撃する。

 

「ぐわあぁぁ!!」

秋人 LP5750→3250

 

「ふぅ、上出来ね。メインフェイズ2に入って、『貪欲な壺』を発動!! 墓地の『フォトン・カイザー』2枚、と『クリフォトン』、そして『銀河戦士』とタキオンをデッキに戻し、2枚ドロー!!」

輝夜 手札4→3→5枚

 

「そしてカードを2枚伏せて、ターンエンドよ。」

輝夜 手札5→3枚

 

輝夜 LP6000

場:No.62 銀河眼の光子竜皇(ATK4000)

セイクリッド・プレアデス(ATK2500)

  ガーディアン・オブ・オーダー(ATK2500)

魔法・罠:2

冥界の宝札

手札:3

Pゾーン:無し

 

(ふぅ、危ねぇ危ねぇ。『銀河の施し』が発動されてなかったら死んでたな。にしても、場が完全にがら空きにされるとは…。相手の場から考えても、こりゃこのターンに決めないとまずいな。)

 

「俺のターン!!」

 

デッキに手を置き、深呼吸して心を落ち着かせる。

 

「(頼む、応えてくれよ。俺のデッキ!!)ドロー!!」

秋人 手札5→6枚

 

勢い良くカードを引き込む。それを見た時、俺は内心で笑った。何故なら、それは俺たち【レジスタンス】での絆を象徴するカードだったからだ。

 

「(頼む、【レジスタンス】の皆!俺に力を貸してくれ!)手札から魔法カード、『逆境の宝札』を発動!! 効果はお前も使ったから省略するぜ。カードを2枚ドロー!!」

秋人 手札6→5→7枚

 

「……。」

「……。」

 

カードを引き手札を確認する。それを見て俺はフッと笑う。

 

「来たぜ!! このターンで決めてやる!! 墓地のトフェニドラゴンと、コラプサーペントをゲームから除外し、手札からコイツを特殊召喚!!」

 

2体のドラゴンが紫色の穴が開き、その中に飛び込んでいく。その中から混沌の世界に君臨する“龍”が現れる。

 

「光と闇。その狭間の世界に君臨せし龍よ!!その咆哮と共に、この世界に終焉をもたらせ!!特殊召喚!レベル8!『混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)―終焉の使者―』!!」

秋人 手札7→6枚

 

混沌帝龍―終焉の使者―/闇属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「カオスエンペラー…。そいつの効果は使われると厄介だし、使わなくてもランク8エクシーズされたら面倒だわ。プレアデスの効果を発動!! 手札にお帰りなさい!!『星痕の導き-スター・チャート・リード-』!!」

 

プレアデスの最後のORUがカオスエンペラーに直撃し、その姿を消滅させる。俺はそれを見ながらディスクに置いたカードを手札に戻す。

 

「……。」

秋人 手札6→7枚

 

「これで逆転の目は摘み取ったわ。次のターンで――」

「…ありがとな、カオスエンペラーを戻してくれてよ。」

 

唐突に呟いた俺の言葉に輝夜がえっ、と声を漏らす。それを見ながら俺は手札のカードを発動させる。

 

「悪いが、カオスエンペラーは囮。本命はこっちだ!! 手札から『死者蘇生』を発動!! 墓地より蘇れ、我が最強の僕!『青眼の白龍』!!」

秋人 手札7→6枚

 

青眼の白龍/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「今更ブルーアイズですって?! そんな奴を呼んで、いったい何を――」

「そんな奴だと?俺の相棒を甘く見るなよ、輝夜!! 魔法カード、『滅びの爆裂疾風弾(バースト・ストリーム)』を発動!! 自分フィールド上に『青眼の白龍』が存在する場合、このターンのブルーアイズの攻撃を封じる代わり、相手フィールド上のカードを全て破壊する!!行け!ブルーアイズ!全てを消し飛ばせ!」

秋人 手札6→5枚

 

ブルーアイズの口に、今まで見たことも無い程のエネルギーが充填されていき、それを輝夜に向かって解き放つと、モンスターを一瞬で消し飛ばした。

 

「キャアァッ!! くっ、やってくれるじゃない。でも、あなたのカードの効果で破壊された事で、プライム・フォトンの効果発動!! 相手のカード効果でプライム・フォトンが破壊された時、2ターン後の自分のスタンバイフェイズに、攻撃力を2倍にして特殊召喚するわ。」

「2ターンもくれてやるかよ!! このターンで確実に決める!!手札から『貪欲な壺』を発動!! 墓地のネオ・フォトン、トフェニドラゴン、『タイラント・ドラゴン』、フェルグラント、そして『銀河眼の光子竜』をデッキに戻し、2枚ドロー!!」

秋人 手札5→4→6枚

 

言わずと知れた万能カードで手札を補充する。引いたカードを見て俺はふっ、と笑う。デッキが自分に応えてくれるっていうのは、本当に嬉しいものだな!

 

「続けて手札から速攻魔法、『ペンデュラム・ターン』を発動!! このターンの間だけ、フィールド上のペンデュラムカード一枚のスケールを、1から10までの任意の数値に変更できる!! その効果で、『竜穴の魔術師』のスケールを、8から10に変更!!」

秋人 手札6→5枚

 

竜穴の魔術師 スケール8→10

 

「これで準備は整った!! さぁ、もう一度行くぜ!!俺はセッティング済みの『龍脈の魔術師』と、『竜穴の魔術師』で、ペンデュラムスケールで、ペンデュラム召喚!!!」

 

2人の魔術師の間に空間が広がる。俺はそれを見ながらディスクにカードを置く。

 

「荒ぶる竜たちよ!!大地を焦がし、天を轟かせる咆哮と共に、再びその姿を現せ!!ペンデュラム召喚!!! 疾く在れ(きやがれ)!! 俺のモンスター達!! レベル8、『タイラント・ドラゴン』!! そして、同じくレベル8!! 希望の光宿しし、我が僕!!『銀河眼の光子竜』!!」

秋人 手札5→3枚

 

 

タイラント・ドラゴン/炎属性/☆8/ドラゴン族/ATK2800 DEF2500

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「さらに、さっき戻されたカオスエンペラーを、墓地のシュバルツシルトと『アレキサンドライドラゴン』を除外し、再び特殊召喚!!」

秋人 手3→2枚

 

混沌帝龍―終焉の使者―/闇属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「レベル8が4体。でもプライム・フォトンはないって事は、またネオ・フォトンでも呼ぶ気?」

 

最上級ドラゴンが4体もいる状況にもかかわらず、笑顔でそう尋ねてくる輝夜。俺はそれにまぁな、とだけ応じる。

 

「だが、それだけじゃないぜ。今回は一つオマケ付きだ!!いくぞ!! 俺はレベル8のギャラクシーアイズ、カオスエンペラー、『タイラント・ドラゴン』の3体で、オーバーレイ!! 再び降臨せよ、我が魂!!『超銀河眼の光子龍』!!」

 

超銀河眼の光子龍/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4500 DEF3000

 

3体の龍たちが姿を合わせ、銀河の龍が再臨する。だがまだだ。まだ終わらない!

 

「さらに、この『超銀河眼の光子龍』で、オーバーレイ・ネットワークを再構築!!」

 

ネオ・フォトンが飛び立ち、その体に鎧を装着していく。

 

「 銀河の竜よ、その身に鎧を纏い全ての敵を殲滅しろ!! フルアーマード・エクシーズ・チェンジ!! 現れろ!! ランク8、『ギャラクシーアイズ・ FA(フルアーマー・)フォトン・ドラゴン』!!!」

 

ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3500

 

「ここでフルアーマー・フォトンですって?!(まずい、これじゃリビデが実質無意味に…!)」

 

「驚くのは、まだ、早い!! さらに手札から魔法カード、『龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)』発動!! 自分の場と墓地のモンスターを除外することで、ドラゴン族融合モンスターを融合召喚する!俺が融合するのは、自分の場の『青眼の白龍』1体と、墓地に眠る2体の『青眼の白龍』!!」

秋人 手札2→1枚

 

「ここでさらに、融合召喚まで?!」

 

竜の絵が描かれた鏡が割れ、3体のブルーアイズが出現すると同時に、融合召喚の時に現れる渦がブルーアイズを飲み込む。

 

「数多の伝説を刻みし白き龍たちよ!! 今こそその身を1つに束ね、究極の姿へと生まれ変われ!融合召喚!! 現れろ!!! 強靭にして無敵!最強の力を秘めし龍!!! 『青眼の(ブルーアイズ・)究極竜(アルティメットドラゴン)』!!!」

 

青眼の究極竜/光属性/☆12/ドラゴン族/ATK4500 DEF3800

 

3体のブルーアイズが1つとなり、“究極”の名を持つブルーアイズが姿を現す。いつもならここでダイレクトアタックに移るが、今日は引きがいい。まさか、1日で2回もこいつ(・・・)を出せるとは思わなかったからな!

 

「俺は今融合召喚した『青眼の究極竜』をリリースして、このドラゴンを特殊召喚する!!」

「アルティメットをリリース……まさか!」

 

輝夜の表情がようやく割れ、俺はそれを見て大いに喜びながら叫ぶ。アルティメットの体に皹が入り、中から光が飛び出してくる。

 

「究極の龍に宿りし新たなる力!! 全てを滅する光を纏い、我が前に姿を現せ!!全てを破壊する光の化身!! こいつが俺の全力全開! 降臨せよ!!レベル10!『青眼の(ブルーアイズ・)(シャイニング)(ドラゴン)』!!!」

秋人 手札1→0枚

 

アルティメットという殻から出てきたのは、ブルーアイズの最初の姿に、いろんな刻印が刻まれたような姿だ。だが、その体の内に秘めた神秘は、今までのブルーアイズを凌駕する。

 

青眼の光龍/光属性/☆10/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「『青眼の光龍』の攻撃力は、自分の墓地のドラゴン1体につき300ポイントアップする。 俺の墓地には今、リリースしたアルティメットとトフェニドラゴンの2体。 よって、攻撃力は600ポイントアップ!! 」

 

青眼の光龍

ATK3000→3600

 

攻撃力が上昇したのはたったの600で、リリースしたアルティメットより弱体化しているかもしれないが、シャイニングには攻撃力上昇効果のほかにも、このカードを対象にする効果を任意で無効にする『シャイニング・フレア』がある。これがあればプレアデスも怖くない!『アーティファクト・モラルダ』にはやられるけどな!

 

「フルアーマー・フォトンだけじゃなく、ブルーアイズの最終形態まで。それも、たった1ターンでなんて。フフフフ、アハハハハハ!!! やってくれるじゃない、これが、あなたの全力って訳ね!!」

 

心の底から楽しそうに笑う輝夜。それを見て俺はいいや、と断る。

 

「全力じゃねぇ。『全力全開』だ!! さぁ、蓬莱山輝夜。受け止めてみやがれ!! 俺の全てを!!『ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン』と、『青眼の光龍』でダイレクトアタック!!『壊滅のフォトン・ストリーム』!! そして、『シャイニングバーストォォ』!!!」

 

鎧を着込んだギャラクシーアイズと、シャイニングドラゴンがそれぞれの一撃を放つ。それを見ながら輝夜がカードを発動させる。

 

「フフっ、まだよ!こんな楽しいデュエル、こんな所で終わらせてたまるものですか!! 手札の『クリフォトン』の効果発動!! 2000ポイントライフを支払い、このターンのダメージを全て0にする!!」

輝夜 LP6000→4000

手札3→2枚

 

2体の龍の一撃が直撃する直前。輝夜の周囲に薄い膜が出現し、攻撃を無力化する。それを見た俺はくそっ、と悪態をつく。

 

「また『クリフォトン』かよ!!……俺にはもう、手札も伏せカードない。やれることはもう無い」

 

そこまで言って俺はふぅ、と息を吐く。ここまで全力を出して闘ったのはいつ以来だろう。俺はそう思いながら目の前に立つデュエリスト、蓬莱山輝夜を見据える。

 

(やれるだけのことはやった。後は運に身を任せるだけだ。さぁ輝夜。ここからの逆転劇、見せてもらおうじゃねぇか!)

 

獰猛な笑みを浮かべながら、俺はターンエンドと宣言した。

 

秋人 LP3250

場:ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン(ATK4000)

青眼の光龍(ATK3600)

魔法・罠:1

冥界の宝札×2

手札:0

Pゾーン:竜脈の魔術師(スケール1)

竜穴の魔術師(スケール8)

 

 

 

「なら私のターンね。ドロー!!」

輝夜 手札2→3枚

 

(っ、このカードは!…そう。あなたも全力を出したがってるのね、タキオン!)

 

「桐原秋人!!」

「ん?」

 

ドローしたカードを見るなり、輝夜が俺に話しかけてくる。それに俺は首をかしげて応じる。

 

「あなたの全力、確かに見させてもらったわ。その上で、見せてあげる!! 私の、いや、私達(・・)の全力を!!」

 

恐らく、今まで見た中で一番真面目な表情をする輝夜。私達、という点が少し気になるが、俺は自分でもハッキリと分かる位に顔に笑みを浮かべる。

 

「…あぁ、来い!!」

「えぇ!! でもその前に私は、今引いたカードを公開するわ!!」

「ドローしたカードを? っ、おいおい嘘だろ?! まさか――」

「そのまさかよ!! 私が引いたカードは、『 RUM-(ランクアップマジック)七皇の剣(-ザ・セブンズ・ワン)』!!」

「やっぱそれかって、だからさっきからお前の引きはどうなってんだよ!!」

 

ここまで展開してようやく反撃開始かと思ったら、デッキトップが七皇の剣だと!?インチキドローも大概にしろ!

 

「フフフ、さぁ、行くわ、ッ!?」

 

七皇の剣をディスクに置いた瞬間、輝夜の表情がさっきの笑顔から一転し、苦痛に悶えるような表情に変わる。俺はそれが心配になって声をかける。

 

「どうした?!大丈夫か!?」

 

俺が声をかけると、輝夜は頭を振って意識を切り替えた。どうやら少し痛みが奔っただけのようだ。

 

「…何でもないわ! 『RUM-七皇の剣』、発動!! このカードは、自分の通常ドローでドローした時、このカード自身を相手に公開し続ける事で、メインフェイズの開始時発動できる!! それにより、自分のエクストラデッキか墓地から、オーバーハンドレットナンバーズ1体を特殊召喚し、特殊召喚したモンスターをカオス化し、ランクアップさせる!! 私が呼ぶのは、当然このモンスターよ!! 再び顕現せよ、我が強敵(とも)の僕!!『No.107 銀河眼の時空龍』!!」

輝夜 手札3→2枚

 

発動されたカードから紅い光が迸り、全身が漆黒に染められたギャラクシーアイズ、タキオン・ドラゴンが再臨する。

 

No.107 銀河眼の時空龍/光属性/★8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「そしてセブンス・ワンの二つ目の効果で、タキオン・ドラゴン1体を素材に、オーバーレイ・ネットワークを再構築!! 」

 

タキオン・ドラゴンが咆哮と共に飛び立ち、上空に開かれた空間に飛び込んでいく。

 

「混沌たる時空を統べし、永遠をも超越せし龍の星よ!! 全ての幻想を正しく終わらせるため、時すらも止まりし暗き深淵より、逆巻く銀河を貫き蘇れ!! カオス・エクシーズ・チェンジ!! 顕現せよ!! 『 CNo.(カオスナンバーズ)107 超銀河眼の(ネオ・ギャラクシーアイズ・)時空龍(タキオン・ドラゴン)』!!」

 

CNo.107 超銀河眼の時空龍/光属性/★9/ドラゴン族/ATK4500 DEF3000

 

タキオン・ドラゴンが入った穴が爆発し、全身が黄金に染まった3つ首の龍が降臨する。それを見た俺は乾いた笑みを浮かべるしかできなかった。

 

「ははは……ネオ・タキオンまで出てきたな…。」

「ハァ、ハァ。それだけじゃ、終わらないわよ! まずはネオ・タキオンの効果発動!! 1ターンに1度、 CORU(カオス・オーバーレイ・ユニット)を一つ使う事で、ネオ・タキオン以外の表側表示のカードの効果を全て無効にし、さらに相手のフィールド上のカードの効果を、このターンの間発動できなくさせる!!『タイム・タイラント』!!」

 

ネオ・タキオンの傍に出現した結晶、CORUが消滅し、ネオ・タキオンが咆哮する。その演出のようなエフェクトで、本当に時が巻き戻るような感覚に陥る。

 

「だったらチェーンで永続罠、『竜魂の城』をフルアーマー・フォトンを対象に発動!! 墓地のトフェニドラゴンを除外し、エンドフェイズまで攻撃力を700ポイントアップさせる!!」

 

ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン

ATK4000→4700

 

「墓地のドラゴン族が減ったことでシャイニング・ドラゴンの攻撃力も低下するが、まぁ、ネオ・タキオンで元通りになるから意味は無いな。」

 

青眼の光龍

ATK3600→ATK3000

 

「伏せてあった速攻魔法、『銀河再誕(リギャラクシー)』を発動!! 墓地の『ギャラクシー』モンスター1体を復活させ、このカードを装備する!! 蘇りなさい、『No.62 銀河眼の光子竜皇』!!」

 

新たに開かれたカードによって、フォトン・ドラゴンの最終形態が復活する。その姿を見て俺は再び体に力を入れなおす。

 

No.62 銀河眼の光子竜皇/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3000

 

「ただし、『銀河再誕』を装備したモンスターは攻撃力が半分になり、装備モンスターが戦闘で相手ライフにダメージを与えられなかった場合、破壊されるわ。」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇 ATK4000→2000

 

「プライム・フォトンを、自身の効果を待たずに、しかも攻撃力を半分にしてだと? 何をするつもりだ?」

 

次のターンになるとはいえ、攻撃力が8000になって復活するはずのプライム・フォトンを場に戻すことが理解できない俺は、素直に輝夜に尋ねていた。それを聞いた輝夜はふふっ、と笑いながら答える。

 

「フフフ、見せてあげるわ。何をするのか。その眼にしかと刻みなさい!! 私は、ランク8のプライム・フォトン1体で、オーバーレイ・ネットワークを再構築!!希望の光を宿しし瞳よ、新たな輝きをその身に纏い、今こそ我が導く戦場(いくさば)に降臨せよ!! フルアーマード・エクシーズ・チェンジ!! 天孫降臨!! 輝け、新たなる我が魂!!『ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン』!!」

 

ギャラクシーアイズ・FA・フォトン・ドラゴン/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3500

 

「そっちもフルアーマーかよ!!」

「ギャラクシーアイズに重ねて出せるんだから、入っていて当然でしょ? さぁ、フルアーマー・フォトンの効果発動よ!! 1ターンに1度、ORUを一つ使う事で、相手の場の表側表示のカードを1枚対象にとり、それを破壊する!! 対象はあなたの『青眼の光龍』よ!!『ギャラクシー・サイドワインダー』!!」

 

 

フルアーマー・フォトンの両肩に光の球が出現し、それがシャイニング・ドラゴンに直撃し、悲哀の声と共に消滅する。

 

「くっ、シャイニングが…。」

「続いてリバースカード、オープン!! 『リビングデッドの呼び声』!! 今さっき墓地へ送ったプライム・フォトンを、再び特殊召喚!!」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3000

 

「またプライム・フォトンだと?!」

 

今回のデュエルで3回目の登場となるプライム・フォトン。それに今回はさっきの『銀河再誕』と違い、本来の攻撃力4000という数字が復活している。だが、まだ攻撃力4700のフルアーマー・フォトンには及ばない!

 

「えぇ。でも、今度はフルアーマー・フォトンを呼ぶためじゃないわ。呼ぶのはこの子よ!! 私はランク8のプライム・フォトン1体で、オーバーレイ・ネットワークを再構築!!」

 

特殊召喚されたプライム・フォトンが再び光に変わり、新たなモンスターの召喚の贄になる。だが、今から召喚されるモンスターは、何となくだが嫌な感じがした。

 

「光と闇は常に表裏一体。大いなる希望の裏に存在する貪欲なる絶望よ、光の希望が消えし未来より、その姿を現出させなさい!! ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!! 現れよ、ランク9!!虚無の絶望より現れし、我が僕の影!!『No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン』!!」

 

No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン/闇属性/★9/ドラゴン族/ATK4000 DEF0

 

「3体目の、ギャラクシーアイズだと?!」

 

新たに現れたのはまるでゾンビのような異形な姿となったギャラクシーアイズ。今まで見たことのない新たなモンスターに俺は驚愕する。

 

「あら、その様子だとこの子の事は知らない様ね。でも、加減は絶対しない!! ダークマターの効果発動!! ORUを一つ使う事で、このターンダークマターは相手モンスターに2回の攻撃が出来る!!」

 

モンスター限定とはいえ、攻撃力4000で2回攻撃。そして召喚条件がギャラクシーアイズのモンスター・エクシーズの上に重ねるだけとか、何だその緩すぎる召喚条件は!!

 

「攻撃力4000の2回攻撃には驚いたが、俺の場には攻撃力4700のフルアーマー・フォトンが1体のみ。その効果は意味がない!」

「あら、それはどうかしら。意味ならあるわ。ちゃんとね!! 魔法カード、『死者蘇生』発動!! 墓地より三度蘇りなさい!!『No.62 銀河眼の光子竜皇』!!」

輝夜 手札2→1枚

 

No.62 銀河眼の光子竜皇/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3000

 

輝夜が発動した万能カード。『死者蘇生』により、今回で通算4回目となるプライム・フォトンの登場。心のほか、プライム・フォトンがやつれて見えたのは気のせいだろうか。

 

「もう止めてやれよ!! とっくにプライム・フォトン過労死してんじゃねぇか!!」

「大丈夫よ。この子意外とタフだから、この程度じゃへばったりしないわ。それに、これで本当に最後だしね。魔法カード、『オーバーレイ・リジェネレート』を、プライム・フォトンを対象にして発動!! 『オーバーレイ・リジェネレート』は、対象にしたモンスターのORUになるわ!!」

 

No.62 銀河眼の光子竜皇 ORU0→1

 

発動したのはモンスター・エクシーズのORUを復活させる魔法カード。…ってちょっと待て。プライム・フォトンのORUが復活…?

 

「いやいやちょっと待て!ここでORUの補充とか、そんなのアリかよ!?」

「さっき言ったはずよ。全力を見せるって!! バトル!! プライム・フォトンで、あなたのフルアーマー・フォトンに攻撃!! 当然ダメージ計算時に効果発動!! ORUを一つ使い、場に存在するエクシーズモンスターのランクの合計×200ポイント、攻撃力をアップさせる!! 今、場に存在するエクシーズモンスターのランクの合計は42!! よって攻撃力は8400ポイントアップ!!」

 

補充されたプライム・フォトンのORUが消滅し、互いの場のギャラクシーアイズが咆哮する。それと同時にプライム・フォトンの力が上昇していく。

 

No.62 銀河眼の光子竜皇

ATK4000→12400

 

「こ、攻撃力、12400だとおぉぉ!?」

 

近年稀に見る高火力に、俺は思わず後ずさる。というか、こんな攻撃直撃したら本当にヤバイって!!

 

「受けてみなさい、桐原秋人!! これが私達、幻想郷のギャラクシーアイズ使い、その絆の全力よ!!いぃっけえェェェ!!『ユナイト・エタニティ・フォトン・ストリーム』!!」

 

プライム・フォトンと、俺のフルアーマー・フォトンの攻撃がぶつかり合う。だが、圧倒的な攻撃力の差に抗える筈が無く、一瞬でフルアーマー・フォトンに攻撃が直撃し、その体が爆発する。

 

「く、うおおおおぉぉぉぉ!!!!」

秋人 LP3250→0

 

フルアーマー・フォトンの近くにいた俺は、その爆風に当てられて吹き飛ばされ、デュエルした所から何回もバウンドしながら転がる。やがて、屋敷の壁にぶつかってようやく止まれた。

 

「…っ、はぁ、はぁ。あ~くそ、本当に死ぬかと思った……。」

 

体を見てみれば、体の至る所に火傷や、おそらくさっきのバウンドのせいでできたであろう擦り傷ができていた。内心でうわぁ、と自分でも軽く引いていると、輝夜が服を紺色から桃色に変えて、ゆっくりとこっちに近づいてきた。

 

「大丈夫?結構派手に吹っ飛ばされてたけど」

「……この体を見てもそんな事言えるんなら、お前本当に性格が悪いぞ」

「ふふっ、それほどでもないわ」

「褒めてないからな。全く……」

 

膝に両手を当て、足に力を込めて立ち上がる。少しふらつくが、移動する分には支障はなさそうだ。

 

「それで、どうかしら?少しは自分の心に正直になれたかしら?」

「…まぁ、多分な。そこだけは礼を言っとく。ありがとな輝夜」

 

少し照れ臭くて、明後日の方向を見ながらは俺は言う。それがおかしかったのか、輝夜は別にいいわよ、と笑って流した。そう輝夜が言った後だった。俺はふと気になって輝夜に言う。

 

「あ、そうだ。輝夜。お前さえよければなんだが、プライム・フォトンと七皇の剣。それからあのダークマターってカード。見せてくれないか?」

「あー、そういえば貴方持ってなかったのだったかしら。まぁ、減るものじゃないし、別に良いわよ。」

 

そう言って輝夜はディスクからカードを渡してくる。俺はそれにサンキュ、と言ってカードを受け取る。

 

(……うん。やっぱりこのカード達から少し不思議な力を感じる。それに『RUM-七皇の剣』。このカードから感じるこの力。やっぱり、俺の体の中にあるあいつと―――)

 

そこまで考えた時だった。俺の手に持っていた七皇の剣のカードが突然光りだした。突然の出来事に俺はうぉっ!?と情けない声を出してしまう。

 

「な、何だ!?」

「セブンス・ワンのカードから光が!?いや、それだけじゃない!ダークマター、それにプライム・フォトンからも光が!」

 

2枚のカードが突如紅く、プライム・フォトンが蒼く光りだし、俺の胸ポケットに光が流れ込む。それと同時に、俺の体に力が溢れてくるのを感じた。

 

(ッ!?な、んだこれは…!体の底から力が湧いてきやがる…!?)

 

それからほんの数秒、3枚のカードから光が流れ込み、3枚のカードは役目を終えたように光が消え、持ち主の輝夜のデッキへと帰っていった。

 

「い、今のは一体?…というか胸ポケットに光ってことは!!」

 

すぐに胸ポケットに手を突っ込み、中に置いてあるカードを取り出す。そこに置いてあるのは、俺が【エクシーズ次元】にやってきた時には白紙になっていたカード。未だに白紙となっているカードだらけだが、その中で1つだけイラストとテキストが復活しているカードがあった。

 

「『№95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン』!?何でこのカードがここに?!まさか、さっきの光で出現したのか?!」

 

白紙だった10のモンスター・エクシーズの内、1枚だけ復活したカードを見ながら俺は声を荒げる。だが、おかしい点が1つある。それは、俺はこのカードを生前持っていなかった事だ。

 

「…ねぇ、さっきからこの展開に付いていけてないのだけれど。何か知っているのなら、教えてくれないかしら?」

 

ムスッ、と顔を少し膨らませて、見るからに不機嫌ですと言っている輝夜に事情を大雑把に説明する。俺がとある事故でユート達の世界に送られたこと。最近、夢に出てくる扉のこと。そして、以前使えていた『RUM』や、カオスナンバーズが消滅したこと。それを聞いた輝夜が成るほどね、と頷く。

 

「…これは私の仮説だけど、セブンス・ワンとダークマターに宿っている力が、貴方の夢に出てくるっていう門と似たような力を持っていたのではないかしら?それが、貴方に触れられたことをきっかけに、力の一部が貴方に流れだした。ということじゃないかしら?」

「その可能性はあると思うが……俺のいた世界とこの世界は全く別の世界だ。そんなことがありえるのか?」

「さぁ?それには少し興味があるけれど、中々良いじゃない?」

 

少し嬉しそうに言う輝夜に、俺は何がだ?と質問する。

 

「この世界で貴方の力の一部が復活した。それも同じギャラクシーアイズ使いと戦ったことで。これが嬉しくないと言ったら嘘にな……ふわぁ~~」

 

中々かっこいいセリフを言っていたのに、途中で年相応の可愛らしい欠伸をする輝夜に、不覚にも見とれてしまう。それを悟られまいと俺もそうだな、と応じる。

 

「確かに、な。嬉しいものだな。」

「ええ。それにとても疲れたわ。今日はお互いにそのまま寝るとしましょう」

 

そうやって俺たちは互いの部屋に戻るため、縁側まで一緒に移動する。移動してから、それぞれの部屋に向かうために途中で輝夜と別れる。

 

「それじゃ、私の部屋はこっちだから。」

「おう。今日は楽しかったぜ。またやろうな。」

 

輝夜はええ、と言って去って行った。俺もそれに倣い、自分の部屋に戻って、布団を被る。すると、今までしてきたデュエルの疲れが一気にきたのか、俺の意識はあっという間に遠のいていった。

 

 

 

 

 

 

この世界に来て2日目。俺は一晩だけとはいえ、世話になった永遠亭の住人に礼を言って回った。だが、輝夜だけ爆睡していて、礼を言えなかった。そのことに鈴仙が、後で私が伝えておく、と言ってくれたので、お言葉に甘えることにする。

因みに、昨日のデュエルで体が傷ついていたが、ダークマターを手に入れた時に、何故か傷も消えていた。その時、俺、実は化け物なんかじゃないかと思ったのは言わなくても良いだろう。

永遠亭を後にした俺たちは、鈴仙の案内の下、再びにとりの家にやってきていた。

 

「お~いにとり。デュエルディスクの修理は終わってるか?」

 

部屋に入ると、はーい、と彼女の声が聞こえ、少し待つと俺のディスクを持ったにとりが現れる。

 

「いや~ゴメン、少し待たせちゃったかな?」

「いや別に気にしなくていい。それより、ソリッドビジョンと、次元転移装置の方はどうだった?」

「バッチリ直しといたよ!いやぁ、久しぶりに外の世界のデュエルディスクを弄ったけど、凄い性能だね!ここまで素晴らしいディスクを見たのは初めてだよ!」

 

心の底から嬉しそうに話すにとりに、俺も内心で凄い頭を撫でたい衝動に駆られたが、我慢する。俺はにとりにディスクを受け取り、次元転移を行うためのキーカードのようなもの、『ディメンション・ムーバー』のカードを取り出す。

 

「それじゃ、鈴仙。輝夜によろしく伝えておいてくれ。あ、後天子の奴にも。次は俺が勝つからってな」

「姫様の方だけにしておくわ。あの子と付き合うと、本当に疲れるからね」

「ハハッ、違いない。さてと、そろそろ行くか」

 

ディスクを腕に装着し、ディスクを起動させる。修理された後だからなのか、それともにとりの腕が良いのか。以前ディスクを使っていた時より軽く感じた。

 

「それじゃあね。また会えたら、その時は私ともデュエルしましょう」

「またデュエルディスク見せてね!まだまだ見たりてないんだから!!」

「ああ。それじゃあな!魔法カード『ディメンション・ムーバー』発動!!」

 

ディスクにカードを差し込み、俺の体を淡い光が覆う。この世界に来るときに感じた浮遊感を感じながら、俺はこの世界、【幻想郷】を去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

「……帰ってこれたか。ふぅ、初めはどうなるかと思ったぞ」

 

次元転移が終わり、俺が【幻想郷】に行く前にいた場所、LDSの会議室にいたことを確認して、俺はほっと息をつく。そうしていると、ディスクに着信が入っていることに気づいた。

 

「誰からだ……って春菜からか。ってうぉ!?何だこれ!昨日だけで50件も着信が着てる!?…はぁ、勘弁してくれ……」

 

恐らく、いま春菜に電話したら凄い剣幕で押されまくるのが目に浮かんだ。けどまぁ、こうなったのは俺にも責任があると思い直し、意を決して春菜に電話するのであった。

 

 

 

 

 

これは、幾度にも奇跡が重なった出来事。未熟な龍の担い手は、幻想が蔓延る世界で、それぞれの龍を使いこなす少女たちと出逢った。これが、この先の未来に何を齎すのか。それが分かるのは―――――まだ先の話だ。

 




輝夜「今回のキーカードを紹介させてもらう蓬莱山輝夜よ。正直こんなことをする位なら早く寝たいのだけれど、コラボだから仕方なくやってあげるわ。こっちのアオメさんにお願いされたしね。それじゃ、今回のキーカードはこれ、『№62 銀河眼の光子竜皇』よ」

№62 銀河眼の光子竜皇/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3000
レベル8モンスター×2
このカードが戦闘を行うダメージ計算時に1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。このカードの攻撃力はダメージ計算時のみ、フィールド上のモンスターのランクの合計×200ポイントアップする。「銀河眼の光子竜」を素材としているこのカードが相手の効果によって破壊された場合に発動できる。発動後2回目の自分のスタンバイフェイズ時にこのカードの攻撃力を倍にして特殊召喚する。「銀河眼の光子竜」を素材としていない場合、このカードが相手に与える戦闘ダメージは半分になる。

輝夜「レベル8のモンスターを2体使用して召喚する『ギャラクシーアイズ』よ。攻撃力は初期ステータスで4000と高いし、その能力で最低でも5600にはなるから、戦闘面での破壊はまず無いと思っても問題ないわ。『オネスト』とかを使われない限りは、ね」

輝夜「『銀河眼の光子竜』を素材にしておかないと、相手に与える戦闘ダメージが半減されてしまう所に注意した方がいいわ。どれだけ強力な攻撃力を持っていても、その半分しか与えれないからね。それと、今回は使わなかったけど、『銀河眼の光子竜』を素材にしているこのカードが破壊されたら、2回目の自分のスタンバイフェイズで、攻撃力を倍の8000にして復活する能力があるわ。『禁じられた聖杯』とかを使われない限り、攻撃力8000のモンスターが場に君臨するから、恐ろしいことは分かるわよね?」

輝夜「さて、と。これで今回のコラボはお終い。楽しんでくれたかしら?
秋人は今回、【幻想郷】のデュエリストに1度も勝てなかったけれど、この経験を糧にして、これからの次元戦争に打ち勝って欲しいものだわ。何せ、私が認めた『ギャラクシーアイズ』使いなのだもの。あ、誤字・脱字の指摘もよろしくね。それと、今回は次回予告は無いらしいわ。アオメさんから、『明日、新章突入の予告編みたいな物をするから、そっちを見てください!』とのことよ」

輝夜「それじゃ、今回はここまでね。これからもアオメさんと、家のコウヤをよろしくね。それじゃあ、また会いましょう」
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