遊戯王ARCーV アイズの名を持つ龍の主   作:青眼

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さぁ続けて投稿しますよ!(テストから目を背けながら)

それにしても、【ARC-Ⅴ】本編が内容が濃くなってきたなぁ……。
Dホイールと合体とか、使っているカードとか。絶対セルゲイの前世はダグナーだろ……

それとですね、凄い今さらですが、『アイズの名を持つ龍の主』が始まって1年が経ってました!!
時間が流れるのって早いですねぇ。まぁ、特に変わるということもないので、これからもよろしくお願いします!


31話 狂いだす世界

side零児---start

 

レオ・デュエル・スクール。通称LDSの本社ビルの中にあるモニタールーム。その中でも巨大なモニターの中には、先ほどのデュエル。舞網チャンピオンシップ1回戦第三試合。紫雲院素良と木原襲雷とのデュエルが映し出されていた。その中の指令席に手を組んで座っている私は、デュエルの結果を見て思考していた。

 

(紫雲院素良と木原襲雷のデュエル……勝ったのは木原か。これで当初の目的は果たせたな)

 

元々のこの対戦は、融合次元のスパイである可能性のあった者を炙り出すためのもの。その結果、当初の目論見どおり、紫雲院素良が【アカデミア】と絡んでいたのが分かった。後は彼を尋問することで、より鮮明に【アカデミア】の、ひいては自分の父・赤馬零王の企みを暴くことができる。

そのために、既に紫雲院素良の身柄はこちらで確保してある。これで、彼が意識を取り戻せばいつでも尋問できる。

 

(後は桐原たちを呼び出し、これからの行動について話し合うか……)

 

そう思いたった私は、自分である秘書の中島に声をかける。

 

「中島。至急【レジスタンス】のメンバーに集まるよう連絡してくれ。これからの我々の行動について話し合う必要がある」

「ハッ!了解いたしまし……む?」

 

返事した中島のポケットからバイブ音がする。そのことに謝罪しつつ、中島は電話に出る。

 

「もしもし私だ。星野か。一体どうした?……ああ。……何だと!?」

 

電話の相手、先ほど名前を出したとおりなら、【レジスタンス】のデュエリストの一人、星野春菜から電話を受けたであろう中島が、声を荒げて尋ねた。それを不審に思った私は、中島に自分に代わるように命じる。

 

「もしもし私だ。星野だな?一体何があった?」

[赤馬さん!?一体どうして?]

「中島に代わってもらった。それより早く用件を言え」

 

半ば急かすように言うと、向こうから深呼吸をする音が聞こえた。

その直後だった。星野が信じられないことを言ったのは。

 

「大変なんです!!秋人君が…秋人君がいなくなったんです!!」

 

side零児---end

 

 

 

 

 

 

side春菜---start

 

赤馬さんに連絡した後、モニタールームに集まるように言われた私は、一緒に襲雷のデュエルを観戦していた、遊矢さんと柚子ちゃんと共にモニタールームに入る。中にいるのは、私たちとは別のところでデュエルを観戦していた黒咲さんと、さっきまでデュエルをしていた襲雷。そして、ここからデュエルを観ていたであろう赤馬さんたちだ。

 

「…星野。ここは関係者以外立ち入り禁止だ、何故、榊遊矢や柊柚子を連れてきた?」

「俺たちが勝手についてきたんだ!春菜は関係ない!」

「それに私たちはユートや黒咲。秋人から"次元戦争〟のことも聞いてる!全くの無関係という訳じゃないわ!」

 

遊矢さんたちの言ったことに、手を組んで思考する赤馬さんだったが、仕方ないと呟いて了承してくれた。

 

「確かにその通りだ。今回は認めるとしよう。それでは、本題に入ることにする。まず木原。先ほどの紫雲院素良とのデュエル。見事だった。エクシーズ召喚に融合召喚。2つの召喚法を操るとは、私も見ていて心が踊った」

「そいつはどうも。だけど、できれば融合は余り使いたくないんだけどな。やっぱり、少し抵抗感があるからよ」

 

赤馬さんの賞賛が以外だったのか、頭を掻きながら言う襲雷に少し微笑むと、黒咲さんが不満そうに鼻を鳴らした。

 

「フン、最初に融合を使った時はイラッときたがな。その新しい『サイバー』モンスターは、十中八九秋人の仕業だろう?」

「まぁな。あいつには感謝してもしきれねぇよ。…にしても、何でこんなカードを持ってたんだろうな?」

 

襲雷が顎に手を当てて考える。それを見ながら赤馬さんが会話を続ける。

 

「木原の事はここまでにして、次の問題に入るとしよう。星野。先ほど、桐原が行方を晦ませたという報告を受けたが、一体どういうことだ?」

「襲雷のデュエルが終わった直後なんですけど、秋人君がデュエルの結果を見届けると、"急用ができた。先に帰っていてくれ〟って言ってすぐに居なくなったんです」

「おかしいと思って、すぐに電話したんだけど、どうやらディスクの電源を切っちゃてるみたいで。連絡がつかないの」

 

私と柚子ちゃんが一緒に説明すると、赤馬さんがすぐにオペレーターの人たちに監視カメラの映像を確認するように指示をする。その中で、襲雷がオペレーターの一人の席を借りて、デュエルディスクからケーブルを取り出し、目の前のノートパソコンに差し込む。すると、ディスクから大量の情報が流れ込み、襲雷専用のパソコンに生まれ変わる。

 

「念のために、俺のディスクにデータをコピーしておいたかいがあった!【レジスタンス】のデュエルディスクには、デュエルをすると作動する発信機を埋め込んである。後は、秋人がデュエルをしてくれればそいつを一発で捕捉……ッ!!」

 

そこまで言った後、襲雷がうめき声を上げた。それが心配になって私は、襲雷に近づいてその腹を軽くさする。すると、ひんやりとした液体が指に触れる。驚いて指先を見ると、その先が赤い血で濡れていた。

 

「襲雷!?一体どうしてこんな怪我を……!!もしかして、ダイレクトアタックを受けた時に!?」

 

さっきのデュエル。襲雷が大怪我をしたタイミングは、『シザー・タイガー』のダイレクトアタックの一度だけ。もし、それでこの怪我をしたのだとしたら……!!

 

「あ~クソ。ばれちまったか~~」

「何棒読みで言ってるんですか!?中島さん!早く襲雷を医務室に!!」

 

私がそう言うと、中島さんが襲雷を背負って部屋を後にする。秋人君がいなくって、襲雷も傷ついていなくなった。それが、私に恐怖心を与えてくる。

 

「秋人君…一体どこに……!!」

「落ち着け春菜。今、紫雲院の警護に当たらせていたユートに連絡して、町の中の捜索に向かってくれている。俺たちはここで、監視カメラの映像を確認して、ユートのサポートをするぞ!」

 

黒咲さんの冷静な判断に、場の空気が一瞬で変わる。私は一度深呼吸をして意識を切り替え、襲雷が座っていた席で、彼の残したパソコンに表示される映像とデータを目に通す。

 

(お願い……無事でいて!秋人君!!)

 

切にそう願いながら、私は電子の情報から秋人君の姿を探すのであった。

 

side春菜---end

 

 

 

 

 

 

side秋人---start

 

(速く……もっと速く!!ユートが素良とデュエルをする前に、俺が相手をするんだ・・・・・・!!)

 

襲雷のデュエルを見届けた後、俺は春菜に一言残して会場を去り、ある公園を目指して走っている。俺の持っている最後の"原作知識〟。それは、さっきのデュエルの後でユートが、素良とデュエルをするところで止まっている。あのユートが負けるはずが無いとは思っているが、あのデュエルを見てから、妙な胸騒ぎがするのだ。何かが起ころうとしている。その前兆のような気がしてならない。

 

(俺という存在(イレギュラー)のせいで、既に春菜と襲雷(存在しないはず)の二人がいるんだ。やるからには徹底的に原作を荒らして……)

 

考えながら走っていた俺の目の前に、空から何かの気配を感じた。俺は咄嗟にそれに気づき、後ろに跳ぶことでそれを回避する。

 

「ちょ~っと待った!ここから先には行かせないよ?」

 

黒いフード付きのコートを着た何かが現れる。フードのせいで顔は見えないが、女性特有の高い声が俺の動きを止める。俺は時間が無く、焦っていることを隠さずに怒鳴る。

 

「どけ!お前と遊んでいる暇など無い!!」

「え~?これを見てもそんな事言えるかな?」

 

女がデュエルディスクを装着して、それを起動させる。その形状を見た時、俺は自分の幸運値の低さを呪った。目の前にあるそれは、剣を思わせるような鋭利な形状。つまり【アカデミア】のデュエルディスクだったからだ。

 

「たとえ【アカデミア】だろうと、相手をしている時間は―――」

「そっちにはなくても、こっちには有り余ってるんだよね~」

 

女のコートからワイヤーが射出され、その先にある手錠が俺の腕を拘束する。

 

「ッ!デュエルアンカーか!!」

「その通り♪これでデュエルをしない限り、私と行動を共にしてもらうって、もうディスクを構えてる!?」

 

女の戯言を無視して、俺はデュエルディスクを構え、目の前にいる障害()を睨みつける。

 

「いいだろう。デュエルで道が開かれるというなら話が早い。一瞬で片をつける!!」

「あはっ♪()る気十分だね♪それじゃ―――」

 

「「決闘(デュエル)!!」」

 

桐原 秋人 LP4000

??? LP4000

 

「先行は貰う!俺は手札からマジックカード、『儀式の下準備』を発動!このカードは自分のデッキから儀式魔法を1枚公開し、そのカードに記された儀式モンスターを1枚、デッキ・墓地から手札に加えることができる!これにより、俺はデッキの『光子竜降臨』を公開し、このカードに記されている儀式モンスター、『光子竜の騎士(ナイト・オブ・フォトンドラゴン)』の2枚を、デッキから手札に加える!」

秋人 手札5→6

 

ユートと素良が邂逅するタイミングが分からない以上、時間が無いことに自分でも焦りを感じる。だが、相手は【アカデミア】。冷静に、かつ最速で叩き潰す。幸い、そのための手札は揃っている!!

 

「さっきサーチした『光子竜降臨』を発動!手札のレベル4モンスター、『霊廟の守護者』をリリースし、『光子竜の騎士』の儀式召喚を執り行う!!」

秋人 手札6→3

 

手札のモンスターを墓地に送ると、目の前に石版と、その周りに4つの火の玉が出現し、火の玉がぐるぐると石版の周りを回り始める。

 

「我が呼びかけに応え、その姿を現せ!『光子竜の聖騎士』!!」

 

火の玉が石版に吸い込まれ、一人の騎士の姿が浮かび上がると同時に砕け散り、幼い竜に乗った騎士が召喚される。

 

光子竜の聖騎士/光属性/☆4/戦士族/ATK1900 DEF1200

 

「そして『光子竜の聖騎士』の特殊効果発動!自身をリリースすることで、デッキより『銀河眼の光子竜(ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン)』を特殊召喚する!」

 

竜騎士の持っていた槍が輝き、騎士と竜がそれに吸い込まれる。必然的に落ちてきた槍をしっかりと握り締め、夜空に向かって投擲する。

 

「闇に輝く銀河よ。希望の光となりて、我が僕に宿れ!!光の化身、ここに降臨!!」

 

槍の先端から光が溢れ出し、その姿を1体の竜へと変える。

 

「現れろ!レベル8!『銀河眼の光子竜』!!」

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

光の奔流が収まり、その中の竜が透明な美しい翼と共に現れ、目の前の女を威嚇するように咆哮する。それを見た女が、ふっと笑った気がした。

 

side秋人---end

 

 

 

 

 

 

 

 

sideユート---start

 

「秋人――――!!!どこだ!返事をしろ―――!!!」

 

陽が落ち、街灯で照らされている暗い町を俺は駆け巡る。本来、俺は襲雷が倒した紫雲院素良の警護をしている筈だった。だが、隼から秋人がいなくなったという連絡を受け、町を奔走しているのである。

 

(いつもの秋人なら心配する必要はないと思ったが、あの時のあいつは……!)

 

そう。いつもはいなくなった位で心配する必要は無いのだ。秋人はただでさえ、『銀河眼の光子竜』や『オーバーハンドレッド・ナンバーズ』を使い、『青眼の(ブルーアイズ・)白龍(ホワイト・ドラゴン)』という強力なドラゴンを従えている。その実力は【レジスタンス】の中でも1、2位を争うだろう。だが、今の秋人は、正確には舞網チャンピオンシップが始まった頃の秋人は、何か様子がおかしかった。

 

(普段は何も無いように振舞っているのだろう。……だが、仲間の、それも大事な親友の事が分からないほど、俺たちは鈍感じゃない。何かあれば話してくれる。そう信じていた。なのに……それなのに!!)

 

悔しかった。まだ、秋人には隠していることがある。それは分かってはいた。だが、それを少しでも自分たちに話してくれなかったことが悔しかった。だからこそ、俺たちは見つける必要がある。そして、秋人に信じさせる必要がある。お前は、一人じゃないのだということを。

再びそう決心し、町を走り回ろうとした時だった。暗いはずの夜空に、一つの明かりが灯る。それに気づいた俺は、自然とそれに視線を向けていた。その光がやがて、見覚えのある竜へと姿を変える様も。

 

(……!!あれは、間違いない!秋人の『銀河眼の光子竜』!!)

 

ようやく見つけた手がかりに、俺は自然と顔を綻ばせる。ディスクの地図にも、秋人の居場所を知らせるマーカーが反応しているので、まず間違いなく、あそこで秋人がデュエルをしている。

―――早く連れ帰って、色々と話をしてやらないとな。

そう思い、再び走り出そうとしたときだった。デッキケースの何かが急に光りだしたのだ。

 

「何だ!?デッキの、『ダーク・リベリオン』から光が!?」

 

何かに反応するように明滅を繰り返す『ダーク・リベリオン』を掴み、辺りを見渡す。その時、さっきの『フォトン・ドラゴン』の登場よりも眩しい光が辺りを照らす。普通ではないこの現象。だが、俺はこの現象とよく似たものと出くわしたことがあった。

 

(まさか―――このタイミングで来るというのか!?)

 

驚愕する俺を置いて光が徐々に薄れていく。それと同時に、光の中から静かな夜の街をかき消すエンジン音が流れ出す。白いライダースーツを着た男を連れて。

 

「アァ!?ったく、今度は一体どこに飛ばされたんだってあ~~!!お前あの時の!!」

 

俺の姿を視認するなり指を指してくる男。以前、自分のことを"ユーゴー〟と名乗っていた男と対面したことに舌打ちを打ちつつも、俺は秋人の心配をするのであった。

 

 

sideユート---end

 

 

 

 

 

 

 

side秋人---start

 

「先行はバトルを行うことができない。カードを2枚伏せて、ターンエンドだ」

秋人 手札3→1

 

秋人 LP4000

場:銀河眼の光子竜(ATK3000)

魔法・罠:2

手札:1

Pゾーン:無し

 

「あはっ、楽しくなりそうだね!私のターン!」

??? 手札5→6

 

女が楽しそうな声を出しながらカードを引く。そして、自分の手札と少し相談しつつも、カードをディスクに置いた。

 

「まずは手札交換からかな?手札から魔法カード『紅玉の宝札』を発動!手札のレベル7『レッドアイズ』モンスターを墓地に送り、カードを2枚ドローする!その後、デッキからレベル7の『レッドアイズ』モンスターを墓地に送ることができる!この効果で、私はレベル7の『真紅眼の(レッドアイズ・)黒竜(ブラックドラゴン)』を墓地に送り、2枚のカードをドロー!そして、デッキの『真紅眼の黒炎竜(ブラックフレアドラゴン)』を墓地に送る!」

 

手札交換と墓地肥やしを同時に行う器用さに舌打ちしつつ、相手の使うカードと、使っているのが女だという点に既視感を感じた。

―――くそ。思い出すなよ。あいつはもう、生きている(・・・・・)はずが無いんだからよ。

 

「続けていくよ!私はチューナーモンスター『ライトロード・アサシン ライデン』を通常召喚!」

??? 手札6→5

 

ライトロード・アサシン ライデン/光属性/☆4/戦士族/ATK1700 DEF1000

 

「なっ、チューナーモンスターだと!?」

 

【アカデミア】のデュエリストが、融合召喚以外で必須なモンスター―――チューナーなのでシンクロ召喚―――を使うことに驚き、思ったことを口に出す。すると、女は律儀にその質問に答えた。

 

「あ~多分、君たちが戦ってきたのは融合しか使えない雑魚だよ?幹部クラスの中でも上位、つまり私みたいな自由行動権を持っている人は、いろんな召喚法を使えるんだ。覚えていた方がいいよ?」

 

さらっと機密情報っぽいことを言った女に驚きつつも、【アカデミア】の中でそんなことになっているとは知らなかった俺は、驚きの余り絶句する。何故なら、聞いただけならそれはもう"デュエルモンスターズ〟じゃない。俺の世界にあった"遊戯王〟ではないかと思えた。

だとしたら拙いことこの上ない。【レジスタンス】の皆や赤馬。恐らく遊矢は大丈夫だろう。だが、それ以下の【スタンダード】のデュエリストが負けるのは、ほぼ確実になってしまう。それだけ、このカードゲームで"攻め手〟が増えるのは脅威なのだ。

 

「おしゃべりが過ぎたね。デュエルを続けるよ!私は『ライデン』の効果発動!1ターンに1度、自分のデッキの上から2枚を墓地に送ることができる!」

 

↓墓地に送られたカード

貪欲な瓶

エクリプス・ワイバーン

 

「あちゃ~『貪瓶』が逝ったか~。まぁ仕方ないね。墓地に送られた『エクリプス・ワイバーン』の強制効果を発動!このカードが墓地に送られた時、デッキのレベル7以上の闇属性ドラゴン、『混沌帝龍(カオス・エンペラー・ドラゴン)ー終焉の使者ー』を除外する!」

 

紫色の空間が広がり、その中に1枚のカードが封印されるように消える。除外されたカードと、相手の行動から、相手のデッキが『レッドアイズ』を主軸とした、『カオスドラゴン』と断定する。

 

「そして、墓地の光属性モンスター、『エクリプス・ワイバーン』を除外して、『暗黒竜 コプラサーペント』を攻撃表示で特殊召喚!」

??? 5→4

 

霊体になった小さい竜が霧散し、霧が新たな黒い竜を形成する。出てくるのは、以前俺も使っていたドラゴンの1体だ。

 

暗黒竜 コプラサーペント/闇属性/☆4/ドラゴン族/ATK1800 DEF1700

 

「この瞬間、除外された『エクリプス・ワイバーン』の効果により、除外された『混沌帝龍』を手札に戻す!」

??? 手札4→5

 

召喚条件が容易で後続が出てくる優秀なカード。そして、墓地肥やしと上級モンスターのサーチ。それらをたった1ターンでこなした女に、これまで戦ったことの無い相手だと思わせる。それだけではない。今、向こうにはチューナーと非チューナーモンスターが揃っている。同じレベルモンスターが揃っているというのもあるが、奴が【アカデミア】ならやはり―――

 

「ここはシンクロで行くよ!私はレベル4の『暗黒竜 コプラサーペント』に、レベル4の『ライデン』をチューニング!」

 

浅黒い肌の男の姿が、4つの緑の輪へと変わる。その中に1体の黒い竜が飛び込み、中から4つの星を浮かび上がらせる。

 

「古の力宿りし屑鉄よ。その身を束ね、諸刃の竜へと生まれ変われ!シンクロ召喚!」

 

☆4+☆4=☆8

 

「現れ出でよ!レベル8!『スクラップ・ドラゴン』!!」

 

緑の輪から光が奔り、その光の中から鉄の竜が姿を現す。そのモンスターの登場に、俺は再び舌打ちを打つ。

 

スクラップ・ドラゴン/地属性/☆8/ドラゴン族/ATK2800 DEF2000

 

「『スクラップ・ドラゴン』の効果発動!って行きたいところだけど、まずは墓地に送られた『コプラサーペント』の効果発動!デッキから『輝白竜 ワイバースター』を手札に加える!」

??? 手札→4→5

 

これが『コプラサーペント』と『ワイバースター』の強みだ。自分とは逆の属性のモンスターを除外することで特殊召喚でき、フィールドから墓地に送られたら、自分と対となるモンスターをサーチする。これにより、実質的に手札が減っていないのだ。

 

「カードを1枚伏せて、今度こそ『スクラップ・ドラゴン』の効果発動!自分の場のカードと、相手の場のカードを1枚選択し、それを破壊する!」

 

相手の場の『スクラップ・ドラゴン』が鳴き、口から炎を吐き出す。それは女に伏せカードを焼き、俺の場の『フォトン・ドラゴン』も同時に焼き去った。

 

「ッ、『フォトン・ドラゴン』が一瞬で……!」

「これで驚いちゃ駄目だよ?墓地の光属性モンスター『ライトロード・アサシン ライデン』と、闇属性モンスターの『暗黒竜 コプラサーペント』を除外し、手札から『混沌帝龍ー終焉の使者ー』を特殊召喚!」

??? 手札5→4

 

白と黒い2つの玉が出現する。それが互いに反発しあうようにバチッ、と火花を散らす。その後、2つの玉がぶつかり合ったところに紫色の歪が現れ、それを砕くように一体の龍が現れる。

 

混沌帝龍ー終焉の使者ー/闇属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「これで私のモンスターの攻撃力の合計値は5800!ワンショットキル完成!バトル!まずは『スクラップ・ドラゴン』でダイレクトアタック!」

 

指示を受けた鉄竜が口を開き、俺の体を食いちぎろうと迫る。それを見ながら、恐怖心を抱かずに冷静にカードを発動させる。

 

「そう簡単に終わるか!リバースカードオープン!永続トラップ『リビングデッドの呼び声』発動!墓地のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する!戻って来い!『銀河眼の光子竜』!」

 

発動されたカードの前に、紫色の輪が広がる。すると、『スクラップ・ドラゴン』の行く手を遮るように『フォトン・ドラゴン』が輪から飛び出す。

 

銀河眼の光子竜/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「まぁ、これ位はしてもらはないとね。『スクラップ・ドラゴン』の攻撃は、相手の場にモンスターが出現したため中止。カードを2枚伏せて、ターンエンドだよ」

??? 手札4→2

 

??? LP4000

場:スクラップ・ドラゴン(ATK2800)

  混沌帝龍ー終焉の使者ー(ATK3000)

魔法・罠:2

手札:2(1枚は『ワイバースター』)

Pゾーン:無し

 

「俺のターン!」

秋人 手札1→2

 

俺の場には『フォトン・ドラゴン』と伏せカードが1枚。女の場には厄介な効果を持ったモンスターが2体と伏せカードが2枚。状況は悪いとしか言えない。

――だけどな、こんな展開、この世界に来る前に何度も味わってるんだよ!!

 

「手札から魔法カード『召集の聖刻印』を発動!デッキから『聖刻』モンスターを1枚、手札に加える!『聖刻龍ーアセトドラゴン』を手札に加え、攻撃表示で召喚!」

 

聖刻龍ーアセトドラゴン/光属性/☆5/ドラゴン族/ATK1900→1000 DEF1200

 

「『アセトドラゴン』のレベルは5だが、自身の効果により攻撃力を1000にすることで妥協召喚できる。更にリバースカードオープン!『エネミー・コントローラー』!」

 

伏せてあったカードから、ゲーム機につなぐコントローラーが出現する。以前、天子とのデュエルで使われたカード。よくよく考えてみれば、『聖刻』と相性が良いと思ってデッキに入れたが、いきなり役に立つとは思わなかった。

 

「このカードの2つある効果のうち、コントロール奪取の効果を発動する!発動コストとして、俺は自分の場のモンスター『アセトドラゴン』をリリース。そして、お前の『スクラップ・ドラゴン』をエンドフェイズまで頂く!」

 

『アセトドラゴン』の体が消滅し、コントローラーのプラグが『スクラップ・ドラゴン』に繋がれる。その後、『スクラップ・ドラゴン』が首を傾けながら俺の場に移動する。

 

「これで終わりじゃねぇぞ!リリースされた『アセトドラゴン』の効果により、ドラゴン族通常モンスターを攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する!デッキから『神龍の聖刻印』を守備表示で特殊召喚!」

 

『アセトドラゴン』がいた所から紫色の輪が広がり、その中から神秘的な球体が出現する。

 

神龍の聖刻印/光属性/☆8/ドラゴン族/ATK0 DEF0

 

「そして、レベル8の『神龍の聖刻印』をリリースし、マジックカード『アドバンスドロー』を発動!デッキからカードを2枚ドローする!」

秋人 手札1→2

 

球体が消滅し、新たにカードが2枚も増える。そして、その中の1枚がこの状況で最適なカードだということに気づき、ニヤッと笑う

 

「俺はレベル8の『銀河眼の光子竜』と、『スクラップ・ドラゴン』の2体でオーバーレイ!」

 

2体のドラゴンが翼をはためかしながら飛び立ち、その先に広がる黒い穴に飛び込む。

 

「顕現せよ、『No.107』!時空を操りし龍よ。宇宙を貫きし咆哮を上げ、漆黒の翼を翻し、銀河の果てより姿を現せ!エクシーズ召喚!」

 

穴が爆発し、その中から一つの黒曜石が出現し、カシャカシャと変形し始める。

 

「現れろ、ランク8!『銀河眼の(ギャラクシーアイズ・)時空竜(タキオン・ドラゴン)』!!」

 

変形した先の姿は、漆黒の翼に赤い瞳をした竜。その姿は、どこか近代的な印象を思わせる。

 

銀河眼の時空竜/光属性/★8/ドラゴン族/ATK3000 DEF2500

 

「まだだ!ランク8の『タキオン』でオーバーレイ・ネットワークを再構築!」

 

俺がそう宣言すると、どこからとなく現れた鎧が『タキオン』の体に装着されていく。

 

「銀河の竜よ。その身に鎧を纏い、新たな力で敵を殲滅せよ!天孫降臨!フルアーマード・エクシーズチェンジ!!新たな姿を晒せ!『ギャラクシーアイズ・FA(フルアーマー)フォトン・ドラゴン』!!」

 

ギャラクシーアイズ・FAフォトン・ドラゴン/光属性/★8/ドラゴン族/ATK4000 DEF3500

 

鎧を身に纏った『タキオン』が、『混沌帝龍』を威嚇するように咆哮をあげる。テキスト上では『FAフォトン』だが、最近正規召喚してやれてないし、正直『FAタキオン』のような気がする。

 

「『FAフォトン』の効果発動!ORU(オーバーレイ・ユニット)を1つ使い、相手の場の表側表示のカード1枚を破壊する!消えうせろ、『混沌帝龍』!!ギャラクシー・サイドワインダー!!」

 

ORUが『FAフォトン』の両肩に装填され、眩しい光の弾丸となって射出される。それは簡単に『混沌帝龍』の体を打ち抜き、破壊する。だが、自分の場にモンスターがいなくなったという状況に陥っても、女が未だに冷静だった。俺にはそれが、とても不気味に思えた

 

「…バトルだ!『FAフォトン』でダイレクトアタック!壊滅のフォトン・ストリーム!!」

 

『FAフォトン』のダイレクトアタックが決まれば、一気に奴のライフを0にできる。当然、奴が伏せカードで対抗してくるだろうと見越した上である。決まれば良し、決まらなくても伏せカードを使わせたから良し。そう思っていた。だが、その選択肢が間違っていたのかもしれない。

 

「その攻撃宣言時に伏せカードを発動!速攻魔法、『銀龍の轟咆』発動!墓地の通常ドラゴン族モンスターを特殊召喚する!」

 

女の発動したカードから紫色の輪が広がり、中から赤黒い火柱が立ち上る。

 

「我が魂に宿る黒き炎よ!その姿を現し、目の前の敵を焼き尽くせ!特殊召喚!出ておいで!レベル7!『真紅眼の(レッドアイズ・)黒竜(ブラックドラゴン)』!!」

 

赤黒い炎から一体の黒竜が現れる。黒い翼、紅い瞳。以前はよく見かけたドラゴンの姿なのに、何故か、今になってこのドラゴンの姿が懐かしく感じた。

 

真紅眼の黒竜/闇属性/☆7/ドラゴン族/ATK2400 DEF2000

 

「…ッ!バトル続行!『FAフォトン』で『真紅眼の黒竜』を攻撃ッ!」

 

『FAフォトン』の一撃が、『真紅眼の黒竜』の体を捉える。ステータスの差は歴然。圧倒的な攻撃力の前に破壊されたと思った俺だが、攻撃によって立ち込めた土煙が消えた時、『レッドアイズ』の姿がまだあったことに驚愕する。

 

「なっ!?何で『レッドアイズ』が破壊されてない!?」

「残念でした。攻撃宣言時に永続罠、『安全地帯』を発動したんだ~。この効果の対照となったモンスターは破壊されないし、カード効果の対象にもならない!残念だったね~」

 

いつの間にか発動されていたカードによって、守られていたことに気づかされて、いい加減怒りのボルテージが振り切りそうになるが、落ち着いてプレイを続行する。

 

「メイン2で『招来の対価』を発動!カードを1枚伏せてターンエンド!そして『招来の対価』の効果発動!このターン、自分が場と手札からリリースしたモンスターの数に応じた効果を発動する!俺がリリースした数は2体、よって墓地の『アセトドラゴン』と『光子竜の聖騎士』を手札に戻す!」

 

秋人 LP4000

場:ギャラクシーアイズ・FAフォトン・ドラゴン(ATK4000 ORU×2)

魔法・罠:リビングデッドの呼び声

     1

手札:2(『アセトドラゴン』と『光子竜の聖騎士』)

Pゾーン:無し

 

 

 

3ターンが過ぎても1ポイントも減らない互いのライフ。ほんの2ターンの応酬だが、互いに大型モンスターを召喚して攻撃しているのに、ライフが削れないのがおかしい、と俺は思った。すると、目の前の少女が楽しそうに笑った。

 

「あ~楽しいね!やっぱりデュエルはこうでなくっちゃ!君もそう思わない?」

「うるせぇよ。そんな感情があるなら、なんで【ハートランド】を襲った!一人前の感情があるなら、何であいつらの故郷を、町を襲った!!」

 

らしくない、と自分で思った。確かに、ユートたちの生まれ育った【ハートランド】が、あんな世界になってしまった事に、全く憤りを感じないかと言われれば嘘になる。誰だって気に入らないと思うだろう。それを聞いた女が、また楽しそうに笑う。

 

「あはっ♪やっぱりね!秋人(・・)ならそう言うと思ったよ!」

 

女が俺の名前を呼ぶ。そのことに怒りが増す。だが、同時に疑問に思った。何故、自分の名前を知っているのかと。そして、その後の女の行動に目が移る。

 

「う~ん。夜も遅くなってきたし、もうこのコートもいらないかな?」

 

そう言って、女がコートを投げ捨てて、その体を晒す。その姿を見た時、俺は驚きの余り声が出なかった。

 

「うそ……だ……」

 

フード付きのコートを脱ぎ捨て、中から出てきたのは長い黒髪を一つに結び、自分の従える黒竜と同じ紅い瞳をした少女。俺はかすれた声で、少女の名を呼んだ。

 

「しん……く?真紅なのか……?」

 

俺がこの世界、【遊戯王ARC-Ⅴ】の世界に来る前にいた少女。煌坂真紅(きらさかしんく)の名前を呼ぶ。すると、彼女は心の底から嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 

「会いたかった……ずっと会いたかったよ!秋人!」

 

あの時の"黒い瞳〟とは違う、紅い瞳から涙をこぼしながら、真紅が笑いながら泣く。何かが壊れ始めてきている。直感的に、俺はそれを感じ取ったのだった。

 




真紅「どうも、今回初登場の煌坂真紅です!今回のキーカードはこれ!『スクラップ・ドラゴン』!」

スクラップ・ドラゴン/地属性/☆8/ドラゴン族/ATK2800 DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分及び相手フィールド上に存在するカードを1枚ずつ選択して発動する事ができる。選択したカードを破壊する。このカードが相手によって破壊され墓地へ送られた時、シンクロモンスター以外の自分の墓地に存在する「スクラップ」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚する。

真紅「汎用レベル8シンクロモンスターで、自分の場のカードと相手のカードを1枚ずつ破壊できる強力なカードだよ!攻撃力も2800と高いし、使い勝手が良いね。まぁ、後半の効果は『スクラップ』デッキじゃないと使えないから、そこも考えて使うようにしようね」

真紅「今回の誤字・脱字の報告もよろしくお願いします。それでは、次回予告に行きます!」

~~~次回予告~~~

あの時、もう会えないと思った少女。煌坂真紅と再開した俺。動揺した隙を突かれて、俺は一気に窮地に陥る。だが、【アカデミア】として俺の前に立ちはだかるというのであれば、誰が相手だろうと容赦はしない!

秋人「たとえお前が相手だろうと、俺は容赦はしない!俺は負けない!負けられないんだよ!!」
真紅「いいよ!さぁもっと激しくぶつかり合おう!互いをもっと高めよう!秋人!!」

次回、【遊戯王ARC-Ⅴ アイズの名を持つ龍の主】
『幻想の絆 銀河の黒竜』

秋人「輝夜……お前の力、少し借りるぜ!!」
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